2022年8月31日水曜日

第3092話 昼は豚 夜はチキンの トンチキぶり (その1)

メトロ丸ノ内線を新高円寺で降りた。
JR高円寺駅へと続くルック商店街を往く。
途中、右折して高円寺(お寺です)方面へ。
本日の昼飲みは5年ぶりの町中華「七面鳥」。

何度もおジャマしているが昼に来るのは初めて。
独りで来るのも初めて。
相方と夕刻から飲み始めるのが常なのだ。

見慣れた細いコの字カウンターは
13時を回ってもいっぱいの盛況ぶり。
入店して目の前、暖簾を真後ろに背負う、
逆お誕生日席にどうにか収まれた。

一度腰かけてからすぐさま起立。
冷蔵庫を開けてドライ大瓶&グラスを取り出し、
栓抜きで抜栓、一連の動作をすべて自分でやる。

席に戻ると、すかさず3品のつまみが供された。
飲む客には必ずサービスされるもので
今日はポテサラ、イカゲソ磯辺揚げ、
きゅうり浅漬け&たくあん、いいですネ。

J.C.にはこれでじゅうぶんだが、そうはいかない。
来れば頼むの酢豚(780円)を発注した。
訪れた町中華&本格中華は都内に数あれど
酢豚のマイベストは「七面鳥」にトドメを刺す。

濃い目のトロみに大き目のもも肉が8塊もー。
豚だけにこれがホントの猪八戒。
あとは王道の玉ねぎ・にんじん・ピーマンのトリオ。
他店にありがちなパイナップルは参加不可。

うん、いつ来ても美味いや。
倍額の1500円でも注文しちゃうネ。
ボリュームがあるから他の料理は頼めない。
周りを見てると一番人気はオムライス。
二番がニラレバ炒めで酢豚はその次だ。

大瓶2本を速やかに空け、お勘定は1880円也。
浅草・上野にあったなら行きつけ間違いなし。
池波正太郎翁も通っただろうな。
いやはや下町以上に下町ックな店である。

それにしても「七面鳥」なる屋号。
珍妙を超え、奇天烈ながら意外とあるんだ。
川崎市・武蔵小杉のほかに
台東区・鶯谷には「七麺鳥」なんてのも。

今、思い出したのは北区・王子の居酒屋「やまに」。
此処には七面鳥ならぬ、九官鳥が1羽居た。
それが客の口真似をして
「スイマセン!」
「スイマセン!」
ハハハ、連発してたっけ、ひょうきんなヤツよのぉ。

これにより居酒屋内で発せられる言葉は
圧倒的に「スイマセン」であることが立証された。
九官鳥の居る店舗は後にも先にも「やまに」だけ。
ひるがえって「七面鳥」はただの1軒もない。
わが命尽きるまで遭遇はないでしょうな。

「七面鳥」
 東京都杉並区高円寺南4-4-15
 03-3311-5027

2022年8月30日火曜日

第3091話 路地のほとりのティールーム

♪   あなたを待てば 雨が降る
  濡れて来ぬかと 気にかかる
  ああ ビルのほとりのティールーム ♪
     (作詞:佐伯孝夫)

フランク永井の「有楽町で逢いましょう」は
1957年7月のリリース。
百貨店そごうのキャンペーンソングが
とてつもない大ヒットとなった。

それはそれとして
その日は朝から雨がしとしと降っていた。
上がるのを待って、昼めし前の散歩を
文京区・小石川の桜の名所、播磨坂でスタート。
春日通りを真っ直ぐ、言問通りにぶつかるとき、
いきなり大粒が降り出した。

こりゃたまらん、角のローソンに逃げ込む。
ビニール傘を買い、雨の中を散歩の続き。
丸ノ内線・新大塚駅前から下る、
細い路地のほとりにティールームがポツンと1軒。

ん? ミートソース・シナモントースト付き?
妙な取り合わせだな、こんなの美味いのかい?
ダメ元OK、「モーニング・サン」の取っ手を引いた。
初老のご夫婦が切り盛りする店内は小ぢんまり。
ドリンクはアイスコーヒーを択ぶ。

着卓した皿にはスパゲッティの上に
焼かれた6枚切り食パンが1枚乗っていた。
これはトースト付きじゃなくてトースト乗せだネ。
レタスのサラダは醤油ベースの和風ドレ。

ソースが緩く、パンチに欠けるため、
パルメザンを多めに振り、
途中からタバスコも参戦させる。
シナモンとの相性は案じたほど悪くはない。

外の雨はすっかり上がってカンカン照り。
JR大塚駅まで歩き、錦糸町行きのバスに乗る。
さっき歩いた通りを逆に戻ってゆく。
御徒町で降り、「吉池」の店外に特設された、
臨時ビア・スタンドに直行した。

例によってバイトの娘さんに
「泡のぶん目減りして構わないから泡ナシでー」
「ハイ、泡ナシですネ」
彼女が注いでくれたプラコップは百点満点。
目減りなどせず、泡1ミリのいっぱい、イッパイ。
うん、キミは好いコだ、いいお嫁サンになれるヨ。

そうして晩酌用つまみの調達。
おお、今日は珍しいサカナが揃ってる。
カンダイ(コブダイ)とコシナガマグロで
迷いに迷う白身と赤身の競い合い。
頭ん中は紅白歌合戦状態である。

勝利したカンダイは額に大きなコブのある、
異様な見てくれとは裏腹に繊細な美味しさ。
半分強残し、昆布〆を仕込んだ。
あと二晩は楽しめるでしょう。

「モーニング・サン」
 東京都文京区大塚5-10-9
 03-3941-3436

「吉池」
 東京都台東区上野3-27-12
 03-3831-0141

2022年8月29日月曜日

第3090話 再び「丘」に登った

予感した通り、また「丘」に登ってしまった。
今回は唯一のタイトルロール、ベルクドッグをー。
一番シンプルなホットドッグだ。
ケチャップ&マスタードを問われ、
マスタードのみお願いすると
10円チャージされて300円。

それでも上質のソーセージに
パンも美味しいから割安感あり。
サッポロ樽生とのコンビネーションもよろしく、
軽快なランチとなった。

このあとは思い出横丁の止まり木に止まるつもり。
誰が言い出したのか、悪しき俗称はしょんべん横丁。
前回通り抜けたのは土曜の昼過ぎで
多くの店が開いていたが
今日は平日、ほとんど閉めている。

そんななか、町中華「岐阜屋」の並びに
青地に白く”やきとり”と染め抜かれた、
暖簾を掲げる「藤の家」があった。
ガラス越しにのぞくと先客は二人、余裕である。
引き戸を引いて二人の間に割って入り、
ドライの大瓶をお願いした。

独りで切り盛りする女将が 
「メニューがなくてごめんなさいネ」 
「やきとり主体でしょ?
  取り混ぜて4本焼いてー」 
「タレ? 塩?」
「ええっと、全部タレでー」
ハツ・レバ・砂肝・正肉が焼き上がったが
ハツと砂肝は塩がよかったな。

J.C.の入店の際、奥にズレてくれた常連サンが
ひっきりなしに女将に話しかける。
「代々木は廃れたなァ、寂しいねェ。
 赤羽はスゴいわ、呑ん兵衛だらけだ」
「ふ~ん、そうなの」

話題が都立高校の悪しき学校群制度に及び、
「オレはさァ、新宿高校に行きたかったんだけど
 結局は赤城台なんだ」
ここでJ.C.、会話に参戦、いや、マイッたヨ。
常連サンとのハナシが弾みに弾み、
30分程度で切り上げる予定が
2時間半の長逗留と来たもんだ。

大瓶3本にとどまらず、白ホッピーセットを追加。
外は1本だけだが中はタップリあった。
高校の化学の授業で使う、
ビーカーみたいな容器になみなみと。
これじゃハシゴはムリだわ。

新宿西口からは山手線、新宿線、大江戸線、丸ノ内線、
どれでも帰れるが、ことごとくワン乗り換え。
帰宅したものの、どれに乗ったか忘れちまいやした。
バッカじゃないの?

「ベルク」
 東京都新宿区新宿3-38-1ルミネエストB1
 03-3226-1288

「藤の家」
 東京都新宿区西新宿1-2-14
 03-3343-3060

2022年8月26日金曜日

第3089話 旧東海道に長崎の味

ビールとヴルストに満足し、新宿三丁目へ歩いて
都営新宿線に乗り、市ヶ谷下車。
靖国神社の脇を抜け、九段下の昭和館にやって来た。
理髪の予約までまだ時間がある。

この日は懐かしのニュースシアターに寄らず、
3階に上がって特別企画展。
「九段会館がみた昭和」と「お菓子の記憶」を
懐かしく楽しんだ。

隣りのスーパーで缶ビールを調達後、サロンへ。
K子チャンのコリアン・ハズバンドに
シャンプーされながら韓国料理談義に花を咲かせた。
40分で理髪終了。
かむろ坂下から大井町行きのバスに乗る。

京急・新馬場駅前で降り、
品川に向かって旧東海道を往く。
歩き始めてほどなく、
4人が店先に並ぶ町中華に差し掛かった。
4カ月前にも通った道筋、存在は認知している。
時刻は16時58分。
17時開店なんだろうな、後尾に付いた。

時報代わりの「夕焼け小焼け」が
商店街に流れるのと同時に「登龍」の扉が開く。
次から次へ客が詰め掛け、開店15分で満卓。
そんなに旨い店なのか?
メニューを開き、人気の一因が判った。
とても安いのだ。

豊富な品揃えの中、何種類かある焼きそばの
一番最初に長崎皿うどん(570円)があった。
初めと終わりで味わいが変化する皿うどんは好き。
ビールの友にも打ってつけだ。

神奈川寄りの品川区・大田区は
キリンの勢力圏らしく、中瓶は一番搾り。
サービスの煮含めたシナチクをアテに
飲みながら待つこと5分、長崎名物が着卓する。

豚小間切れ・白菜・玉ねぎ・にんじん・小松菜・
もやし・キクラゲのあんかけには
辛うじて小海老1尾とモンゴイカ1片。
本場の皿うどんに一味足りないのは
必須アイテム、かまぼこの不在が響いている。

そしてあんが緩いというか、
汁っ気が多いというか、ヤケにつゆつゆしい。
先日、白山下で食べた博多名物、
焼きラーメンみたいな感じだ。

久しぶりにビッグなフル・ポーションを平らげ、
腹いっぱいで固形物はもう入らない。
品川から山手線に乗り、立ち寄り先ならぬ、
立ち飲み先を思いあぐねていた。
今宵は新橋駅前にしましょうか?

「登龍」
 東京都品川区北品川2-4-16
 03-3450-0911

2022年8月25日木曜日

第3088話 ミュンヘン名物 白ソーセージ

今日は7週に1度の理髪日。
軽いランチにガス注入を兼ね、
嫌いな街、新宿に乗り込んだ。
サクッと飲んでつまめる、
ジャーマン・パブの情報を得たからネ。

思い出横丁南側の小ガードをくぐり、
駅ビル・ルミネの地下にもぐった。
すぐ右手にFOOD POCKET なる一画がある。
此処に信州そば「本陣」と
「ベルク」が相対していた。

入口のフォトメニューを念入りにチェック。
おっと、好物の白ソーセージ、
ヴァイスヴルストがあるじゃないの。
このミュンヘン名物が
1本390円+税は良心的な値付けだ。

あれは1997年の夏。
ミュンヘン市庁舎近くのレストランで
初めてこのソーセージを食べた。
添えられたハニー・マスタードと
細挽きのきめ細やかさが深く舌に残った。
以来、J.C.はウインナーすら細挽き派。
太挽きをあまり好まない。

時はさらにさかのぼり、1971年春。
初めての欧州旅行でハンブルグ、
ハイデルベルグを経てミュンヘンに入った。
当時は貧乏学生の貧乏旅行。
レストランなど夢のまた夢でありました。

どこでももっぱら中央駅や街角の廉価なスタンドで
ソーセージとじゃが芋ばかり。
あとはレバーケーゼ(レバー入りソーセージ)。
それでも、ソ連経由の旅につき、
北欧とドイツの食事はとても美味しかった。
ビールだけは欠かさずにタップリ飲んだしネ。

さて「ベルク(丘)」。
サッポロ樽生のラージとヴァイスヴルスト1本。
締めて924円を支払い、
ヴルストはこれから茹でるってんで
ポケベルを手渡される。

出来上がりは両側に取っ手の付いた、
タースカップの中でとぐろを巻いておった。
ヒタヒタの透明なスープには細かく刻んだ、
トマト・ピーマン・アーリーレッドとレンズ豆。
ほとんど味がないから
スープというより茹で汁ですな、これはー。

ヴルストはとても良いデキ。
この店は間違いなく使えるゾ。
これからは好きでもない新宿を
ちょくちょく訪れそうな予感がしています。

「ベルク(BERG)」
 東京都新宿区3-38-1ルミネエストB1
 03-3226-1288

2022年8月24日水曜日

第3087話 あのとき あの池のほとりで

こんな駅名じゃ四十七士が迷うだろ!
さんざ揶揄された悪評高き高輪ゲートウェイで
JR京浜東北線を降り、昼めし前のお散歩スタート。

左は高輪泉岳寺、四十七士の墓所。
伊皿子坂を上りつめると、そこから下りは魚籃坂。
やって来たのはかつて
東急東横線・学芸大にあった日本そば「夢呆」だ。

サブタイトルの”あのとき”は2001年2月。
窓から眺める目の前に
碑文谷公園の池が拡がっていた。
6年前、老女のバラバラ死体が発見された池である。

麻布通りに面する現在の店は
あのときと打って変わってやけに即物的。
正午過ぎじゃ待たされるかな?
と思いきや、すんなり案内された。
2階席があるため、客のさばきはスムース。

ビールはサッポロ赤星中瓶。
品書きをチェックすると
平日昼限定セットが圧倒的にお食べ得。
3種のそば&3種のどんぶりから
1品づつセレクトするシステムは
そばが、かけ・たぬき・ぶっかけ(うどんも可)。
どんぶりは、玉子丼・かき揚げ丼・そぼろ丼。

此処でJ.C.、ミステイク。
女将サンに訊いた。
「冷たいごはんは・・・」
「冷たいごはんは無いっ!」
「あっ、おそば、おそば。
 おそばはぶっかけだけですネ?」
「そうですヨ」

いきなり叱られた。
唯一冷たいぶっかけと、かき揚げ丼をお願い。
ビールのアテにサービスの煮あさり煮が供される。
うれしいなァ、以前たびたび利用した、
「室町砂場」を想起させるが
あちらは有料の一品料理だもの。

ぶっかけには太めの切り海苔&貝割れ。
薬味はさらしねぎ&似非わさ。
かき揚げは小海老・玉ねぎ・にんじん。
トマト&玉ねぎサラダに和伊折衷風ドレッシング。
そしてお新香が薄切り大根の塩漬け。
サラダ、新香ともにチマチマせず、タップリだ。

コシの強いそばに弾力があり、
つゆは甘みを排した辛口。
丼つゆは甘辛強めの下町風だった。

老弱織り交ぜて女性の単身客が目立つ。
丼付きセットでは重いためか、
天せいろ、穴子天せいろ、ちらしなど、
割高の種物を通す女性が多い。

1760円の支払い時、女将と言葉を交わす。
訊けば、碑文谷を閉めたあと、
3年のブランクを経て、この地で10年目とのこと。
窓の外には池の代わりにタクシーが駐車中。
社名は秘すが入店時から運チャン爆睡のまんま。
いったいどんだけ眠るんだ?

「夢呆」
 東京都港区高輪1-1-12
 03-6459-3973

2022年8月23日火曜日

第3086話 稲荷鮓 切れて団子と 抹茶かな

柳橋で洋食の翌日、訪れたのは
文政2年(1819)創業の「羽二重団子 本店」。
荒川区・東日暮里は芋坂下、団子の老舗である。
本件は正岡子規つながり。
彼は終の棲家に近い当店の団子を慈しんだ。
店頭のボードには店の歴史とともに子規の句がー。

芋坂も団子も月のゆかりかな

”女見送る柳橋”よりはずっといいが
それでもイマイチ。
彼の秀句となれば、
第一感は”鐘が鳴るなり法隆寺”だろう。
子規が団子を詠んだ句はもう一つ。

花の雲言問団子桜餅

アタマは崇敬する芭蕉の句から拝借し、
あとは向島の言問団子と
向かいの長命寺を並べただけ。
何だかなァ、まっ、いいかー。

本日の目当ては
「人形町 志乃多寿司」の海苔巻&稲荷ずしに
ミニ団子を添えたランチだったが
”好評につき本日分は売切れました”とのこと。

仕方なく抹茶にミニ団子2本付きのセットをー。
抹茶なんて何年ぶりだろう。
平たい団子2個付けは醤油と漉し餡が1本づつ。
生醤油を一刷毛した焼き団子。
餡子のぶん、中身が小さくなる餡団子。
比べたら餡に軍配かな。

羽二重のようにきめ細かな団子が
ネーミングの由来だが他店と変わるものでもない。
サッと食べて抹茶をいただき、
10分滞空して支払いは770円也。

帰りは店に向かって右隣りの芋坂を上った。
此処は旧王子街道の起点でもある。
すでに暗渠となった音無川に沿う、
風光明媚な道筋だったいう。

界隈で自然薯(長芋)がたくさん取れたそうだ。
ほどなく何本もの線路を跨ぐ、芋坂跨線橋。
西詰足下に芋坂児童遊園。
いつ来てもほとんど人影がない。
児童なんか見たことないネ。

谷中霊園の東端と民家の間をすり抜け、
御殿坂を左折して夕焼けだんだん。
谷中銀座のスーパーでわさびを買い足し、
帰宅後、早めの晩酌。
だって団子屋にビールがないんだもん、

「羽二重団子 本店」
 東京都荒川区東日暮里5-54-3
 03-3891-2924

2022年8月22日月曜日

第3085話 夏の午後 麦酒と洋食 柳橋

かつて11年余り棲んだ町、台東区・柳橋へ。
江戸の昔には札差の財力により、
隆盛を極めた花街である。
今では廃れ果てて見る影もないけれどー。

行きつけだった洋食店「大吉」は
作家・池波正太郎翁もたびたび訪れた。
6人掛けの端と端に若者と相席。
つぶさに眺めたわけではないが
男か女か見分けがつかなかった。
BGMは四半世紀前と相も変わらずビートルズ。

ドライの大瓶をトクトクやってメニューを開く。
本日のランチメニューにカニクリームコロッケと
ハンバーグの盛合わせ(1350円)があった。
しかもタラバ蟹タップリとあり、即注に及ぶ。
ライス・味噌汁は辞退した。

恥ずかしながら白状すると
前日にも上野アメ横の行きつけにて
カニクリコロでビールを飲んだのだ。
居酒屋価格なのにけっこう旨いんでネ。

コロッケは本当にタラバがゴロゴロ、うれしいな。
こいつはカニコロどころかカニゴロだ。
ゆで玉子ふんだんのタルタルソースもナイス。
ハンバーグは牛挽きが主張するタイプ。
デミグラスと中濃を合わせたようなソース。
付合せはキャベツ・トマト・きゅうり・パセリ。

マカロニサラダもありがたい。
これはスクリュータイプのフジッリ。
ねじりん棒のネジネジだから
中尾彬なんか泣いて歓ぶハズ。

古巣の空間で心身ともにくつろぐ夏の午後。
麦酒と洋食が舌とノドに涼風を吹かせてもくれる。
リードヴォーカルがポールの
「アンド・アイ・ラヴ・ハー」が耳に心地よい。

玄関でピックアップした小冊子、
”柳橋 ぶらぶらMAP”を開いた。
帽子屋や手芸の店とは無縁ながら
飲食は訪れた店ばかり。

巻末に晩年をこの町に暮らした市丸が
三味を抱えるスナップがー。
昭和36年の柳橋(橋です)と
猪牙舟(ちょきぶね)の遠景もー。

正岡子規の詠んだ句が載っている。

春の夜や女見送る柳橋

感心しないなァ。
句界の改革を成し遂げた、
子規とは思えぬ凡句ですネ、これはー。

「洋食 大吉」
 東京都台東区柳橋1-30-5
 03-3866-7969

2022年8月19日金曜日

第3084話 2年越しのカレーチャーハン

来月、のみとも・M央が旦那の転勤に伴い、
アラバマ州に渡米する。
昨年末、忘年会で顔を合わせた4人が
別れの宴を開くことにー。

カレー専門のO野チャン、パン専門のP子、

そして本人は小五娘のママである。

今回、O野チャンが択んだのは台湾料理店「生駒」。

J.C.は未訪ながら、この店には因縁がある。


あれは2年前のこと。

祖師ヶ谷大蔵の「キッチン・マカベ」で食べた、

スペシャル・インディアンライスがあまりにヒドく、

その惨状を綴ると、読者の方から

「生駒」のカレーチャーハンを推奨されたのだ。


数日後、JR錦糸町に降り立ったものの、

いつもの気まぐれ発症。

駅そばの本格中華「大三元」に浮気し、

五目焼きそばでビールを飲んだのだった。


当日、P子が体調を崩してアブセント。

3人でのお別れ会となる。

横浜から来るM央も遅れ、

生ビールのジョッキを合わせたオッサン二人。

早くも紹興酒に移行した。

台湾料理屋なのになぜか上海産の15年物だった。


合いの手に通したカニときゅうりの冷菜は

ズワイ缶だがヤケに塩辛く、いや、マイッたな。

主役が到着し、怒涛のように料理が運ばれる。

茄子の山椒揚げは鷹の爪も効いて刺激的。

珍しいイカの春巻は餡もユニークなクリーム仕立て。


当店の名物、皿シューマイがよかった。

J.C的には本日のベストだ。

楕円形の皿に餡を敷き詰め、

その上にシューマイの皮をおっかぶせ、

ヒタヒタのスープとともに蒸し上げる。

ちょいとした台湾風ラザーニャだネ、これは。

「生駒」の品々は着想の賜物である。


O野チャンは酎ハイにチェンジ。

J.C.はM央に付き合い、生ビールにリターン。

焼き餃子、黒酢酢豚と続き、

締めはくだんのカレーチャーハン排骨乗せ。

2年越しで逢瀬がかなった。


ところが一同、意外とレンゲが進まない。

やはりチャーハンに余計なものを乗っけたり、

ぶっ掛けたりするもんじゃないネ。

食べ過ぎたせいもあるけれど

皿には4分の1ほど残っちまった。


はるか昔、グレゴリー・ペック主演の映画、

「アラバマ物語」を観たが

スジをまったく覚えていない。

プラットフォームで帰国時の再会を約した。

総武線と横須賀線、西と南の泣き別れ。

達者でな!


「生駒」

 東京都墨田区緑4-30-9

 03-3633-4089

2022年8月18日木曜日

第3083話 四谷しんみち タコスのランチ

東京メトロ丸ノ内線の四ツ谷と四谷三丁目。
訪れるのは懐の深い夜の町、
荒木町を擁する三丁目のほうが多い。
四ツ谷はしんみち通りくらいしかないからネ。

その日出没したのは、そのしんみち通り。
昼どきに来るのは極めてまれである。
「エル・アルボル」なるメキシコ料理店へ。
前夜、眠りに落ちる前に決めた。

創業二十有余年、都内屈指のメヒカーナの老舗。
接客はメキシコ人のオジさんかと思いきや、
かなりお歳を召された日本のお婆ちゃん。

ランチメニューから
2種のタコスの盛合わせをお願いすると
「ドリンク択べます。
 パッションフルーツかグアヴァのジュース、
 ジンジャーエール、あとは生ビール」
「エッ? 生ビールお願いします」ー即答の巻。

メキシコ産のテカテかコロナを飲むつもりだったが
ここは当然、生だろう、しかもドライだ。
一気に飲み干し、追加はドライつながりの中瓶。
ハハ、セニョリータから大和なでしこに浮気したヨ。

タコスはトルティーヤを揚げたほうが
中にマッシュドポテト。
焼いたのは別添えのチキンソテー、
生野菜(トマト・オニオン・レタス)を自分で包む。

ドルセ(甘口)・ピカンテ(辛口)・
メヒカーナ(野菜とハーブ)サルサは3種。
その名の示す通り、
メキシコを感じさせるメヒカーナがいい味だ。

タコスの具材は
クミンやコリアンダーの効いた牛挽き肉、
いわゆるタコミートをイメージしただけに
ちょいと拍子抜け、悪くはないけどネ。

2種のタコスの食べ方を
写真でていねいに解説してあった。
ポテト入り揚げタコスは
言われた通りにして食べた。

1780円の会計時に
「アルボルってどういう意味ですか?」ー
お婆ちゃんに訊ねると
「キです、キィ!」
「ハァ~ッ?」
何のことはない、”木”であった。

スペイン語は同じラテン語系の
フランス語に似た単語が多い。
4年前まで六本木にあった伝説の仏料理店、
「オー・シザーブル(6本の木)」を
懐かしく思い出したのでした。

「EL ARBOL(エル・アルボル)」
 東京都新宿区四谷1-7
 03-3357-6868

2022年8月17日水曜日

第3082話 近所の「松屋」と「ちよだ鮨」

お盆に入る前、団子坂下を歩いていて
牛めし「松屋」の前を通りかかった。
店先に大きなパネルあり。
スーパードライ中瓶の写真よりも
目を引いたのはこの文言だ。

もう我慢するの、やめません?
瓶ビール値下げ HAPPY SUMMER
490円→390円

コレはJ.C.のために始まったサービスじゃないか。
勇気づけられ、背中を押され、飛び込んだ。
購入した食券をカウンターに置いて着席。
すると接客のアンちゃんの様子がおかしい。
どこかモジモジしている。
いや、オドオドのほうが正確な表現かな。

「ビールだけで・・・よろしいですか?」
「うん、食事はしてきたから・・・」
瓶とグラスを運んで来た彼に
「ビールだけのお客はあまりいないよネ?」
「エッ? ええ、初めてです」
「エエ~ッ、初めてなのっ?」

こいつは驚いた。
帰り際に
「また来てもいいかな?」
「ハイ、お待ちしてます」
うん、うん、キミは好い青年だ。

HAPPY SUMMER とあるから夏場だけだろう。
数日後、食事を兼ねて再訪し、
牛めし小盛りのつゆ抜きと注文した。
この程度の量でじゅうぶんなのだ。
中瓶付きのランチが締めて740円也。
申し訳ないみたいだネ。

その帰り道。
谷中よみせ通り入口そばの「ちよだ鮨」。
今度は店頭のポスターに目がとまった。
”琉球すぎ” ? 何だコレ?
見たことも聞いたこともないゾ。

白身のサカナである。
真鯛は身肉に透明感があるが
琉球すぎはほんのりと白濁している。
にぎり4カン入りのパック(430円)を買った。

さっそく調べてみると、
群れをつくらないため、まとまった漁獲がない。
しかし、世界各地で養殖されており、
本品は文字通り沖縄産。
図鑑を見たら鰆に似た面構えと体形をしていた。

種をペロッとめくって粉わさびを拭い去り、
おろし立てのわさびを忍ばせてパクリ。
う~む・・・美味いじゃないですか。
脂のノリが軽やかで上品、臭みはまったくない。

2日後、リターン・トゥー・「ちよだ鮨」。
この日も琉球スギを4カン購入し、
晩酌時にゆっくりと味わった。
間を置かずに再食したワケは
このサカナの食味・食感を舌に覚えさせ、
脳に記憶させるためでありました。

「松屋 千駄木店」
 東京都文京区千駄木2-33-8
 03-5834-1361

「ちよだ鮨 千駄木店」
 東京都文京区千駄木3-37-17
 03-3828-8272

2022年8月16日火曜日

第3081話 どっこい 昭和は残ってた

この日も暑かった。
文京区・根津の行きつけでスポーツ誌を読みながら
もりそばでもたぐろうか・・・。
いや、暑いときには熱いものがいい。
だけど、かけそばの気分じゃないなァ。

ラーメンにしてみるか。
「砺波」亡きあと、近所に美味しい店は皆無。
過去のリストをつぶさに眺めて択んだ。
千駄木からメロロ千代田線に乗って3駅。
新御茶ノ水下車。

聖橋で神田川を渡り、孔子を祀る湯島聖堂を
右に見ながら通り過ぎ、清水坂下の「大至」へ。
リストでは花マル付きなのに13年ぶリである。
かくも長き不訪。

見覚えのある引き戸を引くと
すぐそばのテーブルに領収書がゴッソリ。
店のスタンプまで置いてある。
必要な方はご自分でどうぞ、ということらしい。

ビールはドライの小瓶(390円)。
とても1本じゃ足りないから2本。
ラーメン(830円)とワンタン(170円)を。

券売機に明記されていたのは
麺少なめのお客様
ミニサラダサービス 又は 100円引き
食券を手渡すときに申告しないと
あとからでは対応しかねるとのこと。

カウンターのオネエさんに訊かれ、
ラーメンとサラダを同時に食べる習慣がないため、
100円玉をゲット・バック。
彼女の次の質問はワンタンの選択肢。
ラーメンのトッピングの代わりに
ビールのつまみにも出来得ると言う。

へえ~っ、粋な計らいじゃござんせんか。
つまみで頼んでみたら
ワンタン2個に醤油スープがヒタヒタ。
豚挽き肉に竹の子が恰好のアクセントだ。

整ったラーメンを彩るのは
豚バラチャーシュー薄切り2枚、シナチク、
ナルト、海苔、ほうれん草、固ゆで半玉と
昭和の支那そばの役者が勢揃い。
そうだヨ、昔はこうだったんだヨ。
ゆで半玉のみ余計な気もするが
これとてサービス精神の表れだ。

中太ややちぢれ麺はしまいまでノビない。
もうちょい細打ちが好みだけどネ。
そしてこのラーメンの最大の魅力は
鶏ガラを前面に押し出したスープ。
油の浮き多くとも口当たりはアッサリ。
中盤から酢を掛け回してさらに好し。
飽くことなく姦淫し、もとい、完飲しちまった。 

帰宅後、PCを開き、リスト上の「大至」に
花マルをもう一つ、打ち込んだのでした。

「大至」
 東京都文京区湯島2-1-2
 03-3813-1080

2022年8月15日月曜日

第7980話 昭和どころか 平成も遠く (その3)

田町駅前の「やまとや」でホイスを飲んだところ。
長居は無用と身の振り方を思案。   
取り合えず、山手線の外側に出てみてビックリ。
ややっ、こいつは驚いた。

ちょいと来ない間に景色は一変。
なぎさテラスなんてのが建っておる。
以前は此処に居酒屋や町中華が軒を連ね、
下町ックな雰囲気が漂っていたんだ。

さらに歩みを進めた。
羽田から海っべりを走っていたモノレールは
浜松町に近づき、この辺でカーブする。
周辺がみなピカピカと新しいから
レールを支えるコンクリートの橋脚はだけが
やけに古ぼけて見える。
そろそろ改修しなきゃマズいんでないかい?

かつて料亭「牡丹」があった場所に行ってみた。
女将が友人の知り合いという縁で
何度もおジャマした店だが影も形もない。
ちょうど世紀の変わり目で平成12年前後。
20年でずいぶん変わっちゃうもんだ。
近所の「キクヤ レストラン」は今も健在。

浜松町に到達。
駅前の高層ビル、世界貿易センターは
建て替え中だが南館は竣工したもよう。
第一京浜交差点そばの「秋田屋」をのぞくと
立ち飲みカウンターはキツッキツ。
こりゃアカン、何処かに移動せねばー。

最寄りの地下鉄駅・大門は
ともに都営の浅草線と大江戸線。
取り合えず潜ろう。
浅草線なら文字通り浅草、
大江戸線なら上野の二者択一。

降りたのは浅草線のプラットフォーム。
こりゃ「神谷バー」しかないな。
食欲はないから Drink Only OK の1階へ。
ドライ大瓶と電氣ブランオールドの食券を購入。

はす向かいの初老夫婦に話しかけられた。
「瓶ビールが好きなんですか?」ー旦那さん。
「いえ、生も好きですけど、泡が苦手で」ーJ.C.。
「エエ~ッ、泡が美味しいんでしょ」ー奥さん。
「でも、泡はほとんど空気ですからネ」ーJ.C.。

言葉を交わすこと20分。
おいとまして歩く仲見世。
感染者数激増のせいか思いのほか、
人出はずっと少ないのでした。

=おしまい=

「やまとや」
 東京都港区芝5-34-7
 03-3451-3550

「神谷バー」
 東京都台東区浅草1-1-1
 03-3841-5400

2022年8月12日金曜日

第3079話 昭和どころか 平成も遠く (その2)

田町駅前の立ち飲み「やまとや」。
熊本産馬刺しは小鉢に5切れ。
ハラミとのことだが一箸つけて愕然。
何だよぉ、この硬さはよぉ!

吐き出すわけにもいかず、飲み込むこともできない。
ティッシュに包んで足元の屑入れに放り込んだ。
3切れの赤身はどうにか飲み下せたが
膜付きの2切れはどうにもならん。

その硬さといったら
頑なに口を閉ざすセクハラ議員の如し。
議員どころか
あんなのが国会の議長じゃ国民は不幸だ。

悪事隠しのカルト教会名称変更認可。
当時の文化相も国立大入試問題の民間委託はじめ、
いかがわしいことのオンパレード。
地元の友人たちは”板橋区の恥”と恥じ入っている。

議員という人種は票につながれば何でもするな。
金になるなら下着を下ろす娼婦と同じだ。
いや、親や子どものために春をひさぐ行為は
よほど人倫の道に則した生き方と言える。

作詞家・なかにし礼が自ら作曲を手掛けた、
流行歌「時には娼婦のように」。
きゃつらときたら選挙のたんびに娼婦だもんネ。
いや、それじゃ娼婦に失礼、娼婦以下だぜ、ったく。

将棋史上初の三冠となった升田幸三元名人。
参院選出馬を打診され(自民党だったと思う)、
こう応えた。
「本業に自信のある者は
 政治家なんかにならんもんだよ」
まさしくである。

政治家にブラ下がる金魚のフンみたいな
政治記者はもとより、この国のマスメディアは
クソの役にも立たんジャーナリストもどきだらけ。
将棋の名人にして人生の達人の一言は
惰メディアの万筆を一蹴してなお余りある。

いかん、熱くなっちまったヨ。
それはそれとして・・・
とは安易にいかないんだが、まあ、それとして
過日は門仲のレバフライ。
今日は田町の馬刺し。
近頃、不発続きの立ち飲み酒場。
口直しにホイスを1杯もらった。

昭和30年代、不味い焼酎を
飲みやすくするために開発された割り材は
20年代生まれのホッピーの弟分的存在なのだ。

=つづく=

2022年8月11日木曜日

第3078話 昭和どころか 平成も遠く (その1)

大森北1丁目の飲み屋街を抜け、
京浜急行・平和島の高架下。
かつての駅名は学校裏で、わが家の最寄りだった。

第一京浜の1本東を並行して走る美原通りを北上。
なじみ深い商店街にあった美原映画が
ラジオ以外に楽しみのない家族には最大の歓びだった。

錦之助、千代之介、裕次郎、圭一郎、
みんな此処で観た。
鶴田浩二、若山富三郎、高倉健の任侠映画に
心酔するのはずっとあとのこと。

平和島入口手前の路地を右折。
通った大森第五小の通用門に続く道筋だ。
此処にわが家があった。
2階建ての2階2部屋の間借りだけどネ。

界隈はみな建て替わってしまい、
当時のおもかげなど跡形もない。
この状態は十数年前に確認したものの、
あらためて思う、昭和は遠くなりにけり。

磐井神社にやって来た。
小学3年くらいだったかな?
あれは節分か何かで
クラス仲間からお金がまかれるとの情報が入り、
一同、気合いを入れて乗り込んだ。
落ちて来るおひねりを夢中で拾い集め、
3つか4つゲットしたが中身はみんな5円玉。
それでも子どもにとって得難き大金でした。

直射日光のせいでバテてきた。
大森海岸から京浜急行に乗る。
泉岳寺で都営浅草線に乗り換え、三田下車。
目の前のJR田町駅に隣接するビルの1階、
立ち飲み「やまとや」に入店。
5年ぶりである。

あのときは白金の名刹にて満開の桜を愛でたあと、
泉岳寺に立ち寄り、四十七士の代表者、
大石内蔵助の墓前で手を合わせ、
田町まで歩いたのだった。

瓶ビールはなく、生もキリンラガーのみ。
取り合えず、気の進まぬ中ジョッキ。
土曜の15時過ぎで先客が3人。
駅前の好立地ながら
とても上野・浅草のようにはいかない。

生姜焼き定食のあとだから
何も食べたくない。
らっきょ(200円)でお茶を濁すかな?

メニューを手にして馬刺し(600円)を発見。
しかも本日のおすすめボードの真っ先に
”熊本馬刺し”の一筆。
馬刺し好きは看過能わず、
よせばいいのに注文に及ぶのだった。
これが馬違(まちが)いの始まりなり。

=つづく=

2022年8月10日水曜日

第3077話 豚バラの ”お食事”うまし 飲み屋街

「吉池食堂」に上った翌日。
リブロース生姜焼きを求めて大田区・大森へ。
「お食事 まるやま」は大森海岸通りの南側、
居酒屋やスナックが建ち並ぶ飲み屋街の一郭。
界隈の人気店は、煮込み「蔦八」、
珈琲亭「ルアン」が双璧かな。

それにしてもスナックの多いエリアだ。
昼過ぎから夕刻にかけて
いわゆる昼カラオケを営んでおり、
歌声があちこちからもれてくる。

初訪問の「まるやま」は小体な店だった。
目立たないものだから
「ルアン」のすぐそばなのに見落としてしまった。
大森北1丁目34番地をグルリ1周してようやく発見。

底辺が2席と短いL字カウンターは
縦のラインが10席、テーブルはない。
底辺ではカップルがドライ大瓶と玉露割り。
彼らの斜め前、入口に近い席で大瓶を発注した。

そうしておいて目当てのリブロースを
オバちゃんにお願いすると
「今日はリブロース終わっちゃったの。
 バラとロースはありますけど・・・」
失望と落胆のはざまで心が揺れている。
無いものねだりはできない、バラ肉を半ライスでー。

当店はとんかつと生姜焼きが二枚看板。
みな林SPFポーク使用で、生姜焼きの定食は
リブロースー1600円 
ロースー1200円 バラー1000円

土曜日とあって、みなさん飲んでいる。
背後のTVは「鎌倉殿の13人」。
画面が暗いうえ、店内は明るいから
ほとんど真っ黒、小栗旬の声だけが降って来る。

整った皿には豚バラが大小交えて12片ほど。
あとは繊切りキャベツにパセリ1房。
他店にありがちなマヨネーズは無かった。
うん、うまいネ。
6割高のリブだったら、うまさどんだけ~?
でも「お食事 まるやま」の豚バラは
じゅうぶんにうまかった。

自宅で作る自分の味付けは
ニンニク少々、その3倍の生姜、
あとは生醤油と日本酒だけだが
当店はそこに砂糖の甘みが加わる。

具だくさんの味噌汁は豆腐・油揚げ・もやし。
新香がまた立派。
ひねたくあん・きゅうり浅漬け・
きゅうり&キャベツ塩もみ。
じゅうぶんな量である。

支払いは1700円也。
小学校時代に暮らした町内にでも行ってみよう。
前日と打って変わった猛暑日の炎天下を歩き出す。
エッ? 日傘?
あんなもん差すのは男の恥。
麦わら帽子でもかぶってなさい、っての。

「お食事 まるやま」
 東京都大田区大森北1-34-14
 03-3298-8659

2022年8月9日火曜日

第3076話 のみともさん いらっしゃい!

去年の秋、実生活に異変が起こった。
曲者の口車にハメられて
LINEというヤツに手を出したら
蜂の巣を突ついたような騒ぎ。
ヒドい目に遭った。

まっ、そのおかげで音信不通だった旧友と
レンラクを取り合うことも出来たんだガニ。
おっと、いけネ、またやらかした。
どうもカニグセがついちまった。

この日、15年ぶりで再会したのは
都立板橋高校の後輩・N々。
約20年前、グルメガイド執筆のため、
毎日・毎晩のように銀座に出没していた。

そのとき懇意になり、情報交換に努めたのが
クラブママのM子。
銀座でも10本の指に入る人気クラブである。
何たって日本中で一番美味いものを食べてるのは
銀座のホステスだからネ。
当時、N々はM子の配下の若手ホステスだったのだ。

俳優の松村雄基も板高の後輩で
J.C.より一回り下の卯年。
N々はそのまた一回り下の卯年。
3人揃って銀座で飲んだこともある。
3羽のうさぎが酌交に及んだのだった。

今回、N々の懐かしの便りもLINEを通じて。
金曜の昼下がり、御徒町駅前は吉池ビルの9階、
「吉池食堂」に上がった。
見晴らしがよく、居心地も快適で
女性とのランチスポットとして都内屈指である。

当夜、飲むダンナのために
ハンドルを握る予定の相方はソフトドリンク。
当方は当然のようにドライの中瓶。
久方ぶりのグラスを合わせた。

当店のイチ推しは北海飯。
ほぐした鮭&イクラ乗せごはんだが
特上を奮発するとカニ&ウニが加わるんだガニ。
これを食べたら誰しも舌鼓をポン、ポン、ポン。

あとは練辛子を添えた長茄子一本漬け、
ケチャップを添えたフライドポテト。
N々はデザートに移行していったが
J.C.はずっとビール。
2時間半で4本だからペースはスローだ。

話題はあちこちに飛んで尽きることがない。
そりゃそうだろう。
何かの弾みでダンナに紹介したいと言い出した。
「ダンナのお兄さんみたいになっていただきたいの」
「そうなのかい?」

結局は薬局、9月になったら
二人の愛の巣を訪れることにー。
たまたま住まいが同じ文京区、それも近所だしネ。
いずれにしろ、新たなのみともさんはウェルカム。
手駒が2枚も増えることになりました。

「吉池食堂」
 東京都台東区上野3-27-12御徒町吉池本店ビル9F
 03-3836-0445

2022年8月8日月曜日

第3075話 ようやく!ロースカツ

吾妻橋の角打ち「明治屋」で飲みたくて
隅田川を渡った。
その前に軽く昼めしでもと
和食店「水もと」の店先にやって来たら
暖簾が仕舞われている。
時刻は13時半でL.Oは13:15だった。

浅草通りを押上方面に歩む。
「明治屋」を行き過ぎ、
「こだわりとんかつ かつき亭」に来た。
存在は20年も前から認知しているが
利用したことはない。
これも何かの縁と、あまり考えずに入店。

品書きはロースやヒレのとんかつ主体。
確か生姜焼きかポークソテーがあったハズだが・・・。
お運びのオネエさんに
「生姜焼きは無いんですか?」
「ええ、ございません」
「昔から?」
「わたし入って3年ですけど
 そのときから無かったです」

日替わり定食A(970円)というのを通した。
ロースカツとじゃが芋コロッケの組み合わせだ。
ごはんの量を訊かれ、少なめをー。

「ほかに支店とかは?」
「ありません。
 以前は浅草にもあったらしいです」
「ん? ちょっと待てヨ。
 あった、あったネ、雷門のはす向かいにー」
「そうなんですねェ?」
10年も前だが確かに見かけ、
浅草の一等地に進出したんだな、
そう思ったことだった。

そこそこのサイズのロースとコロッケが
油切りの金網に乗って現れた。
脂身の付きよく、値段的にも満足。
白菜漬け&たくあんの新香。
とうふ&油揚げの味噌椀。
ともに手抜かりなく、ふっくらごんも美味しい。

卓上には甘口&辛口のソースが2種。
キャベツ用のドレッシングもペッパーと胡麻。
ペッパーの容器に”いきなり!ステーキ”の文字がー。
おう、おう、此処は系列店なのかァ?

2年前の初夏。
今は閉じたが文京区・湯島で初めて
「いきなり!ステーキ」を利用した際、
=ようやく!ステーキ=と銘打ち、当欄で紹介した。
この「かつき亭」も20年を経て
=ようやく!ロースカツ=となった次第なり。

会計の際、コック帽のオニイさんに訊ねたら
好業績だった「ペッパー・ランシ」を切り離したあと、
「炭焼ステーキくに」、「牛たん仙台なとり」の各店に
この1軒の「かつき亭」が
「いきなり!ステーキ」傘下のお仲間店舗とのこと。

「いろいろあったけど、頑張ってネ」
「アハハハ、ハイッ、頑張ります!」
激励して店をあとにした。
さっ、これから「明治屋」で
壁のポスター相手に飲むんざます。

「こだわりとんかつ かつき亭 吾妻橋店」
 東京都墨田区吾妻橋3-6-15
 03-3625-9211

2022年8月5日金曜日

第3074話 コリアンタウンで海南鶏飯 (その2)

荒川区を貫いて走る尾竹橋通り。
ほとんど三河島駅前だが一つ南の停留所、
大下の前に位置する「勝正」に入った。
これは”おおした”ではなく、”おおさがり”と訓ずる。

ランチタイムもそろそろ終了とあって先客はゼロ。
四人掛けに座ったはいいが
テーブルにゲームが組み込まれていた形跡がある。
インヴェイダーか何かの。
昨日と同じオネエさんにドライの中瓶と
目当ての海南鶏飯を即注した。

キッチンに男性がいるようだが
お運びは女性二人、どちらもアジア系である。
おや? 箸袋に
三ノ輪店 千住店 日暮里店
とあった。

この三河島が最新の日暮里店とのこと。
そうだ、地番は東日暮里なのだ。
三ノ輪も千住(正しくは千住大橋)も
一般的なアチラ系中華で
当店だけが店名に”南国の味”を冠している。

待つ間、菜譜を繰っていたが
ベトナムのフォーとシンガポールの鶏飯が
ある程度で南国色は薄い。
タイやミャンマーのメニューは皆無だ。

最初にチキンスープと小冷奴、
そしてこの手の店にありがちな杏仁豆腐。
(デザートはあとでお持ちヨ)
見るたびにそう思う。
いえ、口にはしないけど・・・。

メインプレートもすぐに運ばれた。
少なめでお願いしたジャスミンライスはこんもり。
デフォだとスゴいことになったんじゃないかな。
IKKO姐さんじゃないけど
「どんだけ~?」

中国醤油にネギ少々の奴には
鶏飯用のネギ生姜を流用して食べ始めた。
スープの出汁が薄いな。
したがってライスのコクもちと足りない。

最大の問題は温められて出て来た鶏肉そのもの。
もも肉だが滋味に乏しい。
鶏の味がしないのだ。

三種の神器を駆使しながら
(とうとうコロナにヤられたかな?)
一瞬思ったものの、すぐさま否定する。
たぶん、素材に問題があるネ。
中国かブラジルあたりの冷凍肉なんだろうな。

1518円を支払いながら
近いうち、本物の鶏飯を食べに行こう。
心に決めたものの、こういうのって
そう簡単には実現しないんだ。
すぐに半年や1年経っちゃうものネ。

「南国の味 勝正」
 東京都荒川区東日暮里6-6-7
 03-3805-8187

2022年8月4日木曜日

第3073話 コリアンタウンで海南鶏飯 (その1)

都内第二のコリアンタウン・三河島。
浅草寿町行きの都営バスを
宮地の交差点で降り、尾竹橋通りを南下した。
本日の昼のターゲットは
海南鶏飯(ハイナンジーファン)、楽しみだ。

実はこの前日。
鶯谷の行きつけでドライの大瓶と
五目そば麺半分の昼食後、
三河島駅前のスーパーへ歩いて夕食の買い出し。
その途中、とある店先の鶏飯のポスターに
惹かれたのだった。

ながめ入っていると、
中からアジア系女性が出て来てつかの間の質疑応答。
「今日は昼めし食べちゃったから近いうちネ」
「ハ~イ、待ってますぅ」
それを翌日実行に移すんだから
われながら律儀なものよのぉ。

ポスターには皿盛りのチキンライスの横で
3種のソースが色鮮やか。
シンガポールに長いこと棲んだせいか
J.C.はタイのカオマンガイより
シンガポールの国民食、海南鶏飯を好む、
その大きな理由が3種のソースで
自分では三種の神器と呼んでいる。

ソースの写真に
ネギ生姜、チリソース、老抽王と明記されていた。
老抽王は中華のたまり醤油のことで
現地ではダークソースと呼ばれるが
J.C.はずっとダックソースと聞き間違えていた。

何だってチキン(ニワトリ)を食うのに
ダック(アヒル)のソースを使うんだい?
長いこと、この疑問を抱えていたのだ。

それが解明されたときの驚きと歓び。
そうだよねェ、たまり醤油はかなりダークだもの。
何だか往年のヴォーカルグループ、
ダークダックスみたいなハナシだネ。

まあ、ことのきっかけは
シングリッシュ特有の発音なんだガニ。
おっと、カニはもう終わったな。
とにかくダークがダックに聴こえちまうんだ。

例えば、He told me 
英米人なら ヒー・トール・ミー と音ずるハズ。
これが連中にかかっちゃ ヒッ・トッ・ミー だもの。
志村けんのひとみ婆さんじゃあるまいし。

とにかくこの春オープしたばかり。
「南国の味 勝正(しょうせい)」の引き戸を引いた。
何だかもろに居酒屋の居抜きだわ。

=つづく=

2022年8月3日水曜日

第3072話 リユニオンは鮎づくし (その2)

深川は門前仲町の「ますらお」。
レバフライがいただけない。
筋切り不十分で食感が悪い。
レベルの高い当店は何を食べても美味しいが
初めてはずされた。

サルが木から滑り落ちたり、
カッパも川で溺れたりするから
こういうこともたまにはあるよネ。
申し訳ないが
レバにはほとんど手をつけられなかった。
おっと、そろそろ時間だ。

18時ちょうどに赴くと
すでに総勢4人がカウンターに横並び。
時間厳守の精神が行き届いている。
って言うかァ、単にヒマなだけなんだねェ。
遅ればせながら一同と生のグラスをカチン。

すでにコロ助に感染したものの、無症状だったり、
本日の参加を見合わせたりしたメンバーもいたが
みな大事に至らず、楽しい日々を送っている様子。
何よりである。

丸盆に配された先付けの内容は手前から時計回りに
枝豆・鮎うま煮・小鮎開き唐揚げ・
川海苔の炊いたん・子うるか。
小粋な組み合わせだ。

続いて豪華なお造り。
鮎背越し・真鯒(まごち)・真子がれい・
甘海老・とり貝・かつお・本まぐろ中とろ。
かつお&まぐろは分厚く切りつけてある。
おろし立ての生わさびがたっぷり添えられた。

コースに組み込まれたお造りは
おざなりなケースが少なくないが
「天竜」はまことの真剣勝負。
サカナたちが実に活き活きとしている。
背越しを外さない点はさすがだ。

若鮎の塩焼きは2尾パー・パースン。
身に余るシアワセを蓼酢でいただいた。
天竜川の中流域で捕獲されたものだという。
素焼きの小鮎を浮かべた酢の物。
稚鮎の天ぷらと来て、鮎の炊き込みごはん。
丁寧な香の物と鮎出しの味噌椀で締める。

「愛遊割烹 天竜」の真骨頂を満喫した。
深酒はしなかったが、お代は一人一万円とちょっと。
お値打ちとしか言いようがない。
目黒区・五本木にNY由来の和食店があるとのことで
次回の会合は其処に決まった。

てなこって21時にはお開き。
二次会もなく、年寄りの集まりは
潮の引きが早くていいよネ。
ほうら、帰りの車内にライチャス・ブラザースの
「引き潮(Ebb tide)」が流れてきましたヨ。

「ますらお」
 東京都江東区富岡1-5-15
 03-5809-8256

「割烹 天竜」
 東京都江東区清澄3-3-28
 03-3630-8850

2022年8月2日火曜日

第3071話 リユニオンは鮎づくし (その1)

四半世紀前のNY時代。
TBSラジオの朝番組、
「森本毅郎・スタンバイ!」のコラム、
ウォールストリート情報に
現地から曜日替わりで出演していたメンバーの
リユニオン(同窓会)が久々に開催された。

ところはこの会を何度かおこなった鮎割烹「天竜」。
下町・深川は清澄庭園のそばにある。
中には仕事帰りのお疲れさん組もいて
一同顔を合わせたのは開店と同時の18時開始。

常にフライング気味のJ.C.は
それまでボーッとしていられやしない。
15時に家を出た。

どこか近場で独り0次会をと目論み、
やって来たのはもんじゃタウン、月島である。
いや、これから鮎をいただこうってのに
もんじゃなんか食べるつもりはありませんがネ。

適当な店が見つからず、
晴海運河を相生橋で渡り、門前仲町へ。
結局は薬局、毎度お世話になる、
立ち飲み酒場「ますらお」の止まり木に止まった。
われながらワンパターンに歯止めがかからん。

月初は此処で生搾りすだちサワー&知多ハイボールで
良質なかつお刺しを堪能したのだった。
さんざほっつき歩いてノドはカラカラ。
ビールを飲みたくて仕方ないがガマンしてすだち。

あれェ、隣りのオニイさんが
サッポロ赤星の中瓶を飲んでるじゃないかー。
お運びさんに質すと最近始めたんだと言う。
よってメニューにはまだ載っていない。
あわてて追随した。

人心地ついてつまみの選択。
宴会に備え、昼を抜いたから
一品くらい何の問題もない。

しかし「天竜」のコースは鮎づくしのほかに
彩り豊かな海のサカナたち。
これを個別に盛り付けてくれるのだ。
よってシーフードは避けておきたい。

ふと思いついてレバフライを通した。
実はさっき歩いた月島の、
もう一つの名物がレバフライなのである。
月島・佃両島民のおやつみたいな位置づけだったが
いつの間にか地域の名物として人気を博するようにー。

漫画「おそ松くん」に出てくる、
ハタ坊の頭上の旗みたいに
串を打たれてヒラヒラする感じが
月島名物のレバフライながら
「ますらお」のソレはブツ切りを揚げてあった。
やけにゴッツくていかにも不味そう。
取り合えず1ピース、口中に放り込んだ。

=つづく=

2022年8月1日月曜日

第3070話 白山下に博多名物

白山の薬師坂を下って白山下。
上のほうには白山神社があるため、無茶できないが
下はかつての三業地、フーゾクはお手のもの。
大正から昭和初期にかけてこの世の春を謳歌した。

此処に町中華「新三陽」がある。
近所の後楽園、田端、根津にも同名店。
根津店はどうやら閉業した模様だ。
経緯不詳ながらルーツは一緒と思われる。

前回訪れた際、壁のポスターに気を取られた。

福岡の元祖焼きラーメンを絶妙にアレンジ
つゆだく野菜たっぷりの焼きラーメンができましたっ
東京焼きラーメン

写真は切り海苔のかかった冷やし中華さながら。
すでにフツーのラーメンを発注したあとで
その日は見送るしかなかったが
次回試してみようかな?  ぼんやり考えていた。

博多名物焼きラーメンを知ったのは20年近く前。
ところは中洲の屋台である。
ツレと何軒かハシゴしたあとで
ラーメンなんか、とてもじゃないが入らなかった。
以来、すっかり忘却の彼方。
それがよみがえった次第だ。

先週、文京区役所に用事があり、帰りに立ち寄った。
中瓶を飲みながら、待つこと5分少々。
濃い目のつゆを張った皿に盛られていたのは
焼き麺ならぬ、茹で麺。
細打ちほぼ真っ直ぐの熱々である。

その上には野菜炒め、確かに野菜はふんだんだ。
キャベツ・ニラ・にんじん・もやし。
肉系はまったく使われておらず、
てっぺんには針海苔がどっさり。

肉野菜炒めの豚肉ほどは望まぬまでも
タンメンに見え隠れする小間切れくらいはほしい。
焼き豚1枚分の細切りがあればもっとうれしく
紅麹の赤い縁取りがあったらさらによし。
悪いけど海苔は要らないネ。

名物に旨いものナシの例え通り、
博多名物に期待はしなかったが、かなりイケた。
美味いか不味いか問われたら
明白に美味いと答え得る。
そして焼き豚が海苔に取って代われば、
そこそこの人気メニューに確定の赤ランプでしょう。

「新三陽 白山店」
 東京都文京区白山1-32-8
 03-3811-2973