2018年1月1日月曜日

第1777話 都の西北から東北へ (その1)

明けましておめでとうございます。
今年も変わらぬご愛読をお願い申し上げます。

と、挨拶もほどほどにさっそくまいりましょう。
師走も半ばを過ぎた頃。
早稲田は大隈記念講堂前に
J.C.オカザワの姿を見ることができた。

  ♪   都の西北 早稲田の森に
    聳ゆる甍は われらが母校  ♪

っちゅうわけですな。
当日の相方はT子サン。
年内に一杯飲っとこう、てなこって待合せた。
何でも早稲田の町に来たことがないんだと―。
当然、大学の聳ゆる甍なんぞ、見たこともないんだと―。

それじゃあと、軽くキャンパスを案内して差し上げた。
そうして向かった先はウソかホントか定かでないが
あの吉永小百合サンも通ったという町の中華屋、
その名も「メルシー」。
メルシー・ボークー! のメルシーであろうヨ。

今まさに到着しようとするわれわれの目の前を
キャリアウーマン風、そう、スーツ姿の女性が歩いている。
歳の頃は30代半ばくらいだろうか?
いえ、うしろからじゃ判然としないがネ。
肩で風切るほどではないにせよ、颯爽と歩を進めていた。

あらまっ、彼女が「メルシー」に入店したヨ。
何という奇遇でありましょうや。
後塵を拝しちまったが3秒置いて我らも続く。
店内のざわめきがワッと押し寄せてきた。

昼のピークはとっくに過ぎてるのに満卓だ。
キャリアウーマンが最後の空卓に着席。
ほぼ同時に入ったから、お運びのオバちゃん、
錯覚を起こして3人一緒に案内しようとする。
「いや、こちらは2名です」―
そうは言ったが結局は薬局、相席の栄誉に輝いた次第なり。

オバちゃん、テーブルの隅に
お冷やのコップを3つ置いてくもんだから
奥に座った彼女は取れないでしょ。
ここで紳士のJ.C.が紳士的行動に及んだのをきっかけに
彼女と短い会話が交わされた。

注文したビールが運ばれたときに1杯すすめてみたが
「これから仕事がありますので・・・」
ですよねェ、明るいうちから昼飲みのオッサンに
つき合っちゃいられませんよねェ。

=つづく=