2025年5月15日木曜日

第3797話 「あしたのジョー」のふるさとで (その2)

山谷のはずれの泪橋。
「居酒屋 ニュー泉」のカウンターで
ビールを飲んでいる。
一皿500円のくじベコがなかなかに良質。
感心することしきりであった。

日本酒に切り替えた。
大関生貯蔵酒300ml がよく冷えている。
つまみを何かもう1品と
コマイ(氷下魚)を所望した。
これも2尾で500円。

ハタハタ(鱩)でん、
シシャモ(柳葉魚)でん、
北の海を泳ぐサカナたちは
ホクホクとした白身が持ち味。
アジやイワシのように
青背の特徴の魚臭さがない。
サンマだけは北で生きてるけどネ。

お勘定は2600円也。
福州生まれの小姐に
「また来るネ」
「待ってますっ!」
手を振って退店した。

泪橋から吉野通りを南下する。
突き当りは言問通りと江戸通りが
交差して五差路の言問橋西詰になるが
そこまで行かずに手前で
通りすがった「居酒屋 アロー」。

チラリ中をのぞくと
地元の常連らしきオッサンたちが
けっこうな盛り上がりを見せている。
飲み足りないこともあり、
引き込まれるようにステップ・イン。

ドライ中瓶のお通しはブリ大根。
周りの雰囲気に溶け込みながら
気分よく飲むビールは格別だ。
隣卓の四人組がきこしめしながら
高尚な会話に口角泡を飛ばしまくる。

オスマントルコを語り出した、
J.C.のすぐ隣りのオッサンが
「あのほうらビザンチウムはさ、
 も一つ名前があって何だったっけな?
 あ~、思い出せん!」
お節介なおジャマ虫は聞き流すこと能わず。
「コンスタンティノープル」
割って入ると
「アッ、それそれ、アリガト!」
ここから会話が始まってもうた。

店はママと妹と娘のスリーオペで
これも一種の家族経営。
そのうちカラオケが始まって
店内はさらに盛り上がる。

四人組が席を立ったのを潮に
こちらもお勘定。
ビール2本とお通しで1600円でした。
これから吉原のソープ街を流します。
いえ、背中は流しませんけどネ。

「居酒屋 ニュー泉」
 東京都台東区清川2-39
 03-3871-6681

「居酒屋 アロー」
 東京都台東区清川2-16
 電話ナシ