2025年6月23日月曜日

第3824話 水清き吉井 人多き久留米

大分県・日田から福岡県・筑後吉井へ。
白壁土蔵と水路の町である。
一級河川の巨瀬(こせ)川、
水路の災除(さいのき)川と南新川、
清らかな流れが心まで洗ってくれる。

バッグを駅のロッカーに放り込み、
町を歩き始めたら災除川に大きな看板。
”災除川は吉井の宝 川をきれいに!”
言われなくてもじゅうぶんにきれいだ。

筑後吉井の顔、南新川には驚かされた。
水の勢いが半端ではない。
町中で激流を見るのは初めてのこと。
足を踏み外したら命はございませんな。

白壁の土蔵や居蔵(住居兼用の蔵)を
見て廻り、どこぞで昼食をと思ったが
日曜のせいか開いてる店がない。
駅に戻って久留米行きの汽車に乗る。

J.C.が取った宿は JR久留米駅前。
ところが繁華街は西鉄久留米周辺ときた。
両者の距離はゆっくり歩いて30分。
おかげで歩数がうなぎ上りになる。

アーケードのほとめき通り商店街近く、
焼き鳥と蒸し料理の「しん吉 本店」へ。
生中を通すとアジア人のアンちゃん、
「お昼は大ジョッキも同じ値段です」
「じゃ、大をちょうだい!」
銘柄はサントリー生だが550円は破格。

お通しは大分県のりゅうきゅうみたいだが
白身・赤身・蛸とリッチな顔ぶれ。
天心(点心)盛合わせもお願いすると
海老&肉焼売・イカ焼売・小籠包の3種。
生はプレモルより飲み易いが
結局、ドライの中瓶に切り替えた。
1時間の滞空で会計は2千円。

街の北西端、久留米城跡に上る。
九州随一の大河、筑後川を見下ろし、
歩き下ってほとりを散策した。
スマホの歩計はすでに3万歩を超えた。

夕刻も繁華な西鉄久留米方面へ。
池町川の流れが風情を漂わせてナイス。
六ツ門橋たもとに「潘陽軒」があった
「ばんようけん」と音ずるのだろう。
昭和23年創業の久留米ラーメンの店だ。

ドライ中瓶を飲みながら店主に訊ねる。
「潘陽って中国の街の名前ですよネ?」
「瀋陽のことですが日本軍が占領して
 勝手に名前変えたみたいです。
 ウかんむりを取ったりしちゃって」
「へえ~ッ、そうなんだァ」

8カンの餃子を4カンにして貰い、
ガラム焼きも量半分でお願い。
ガラムというのはドイツ語で
豚のシロモツのこと。
久留米大医学部の学生が名付けたらしい。

中瓶のお替わりに
締めはチャーシュー抜きの素ラーメン。
博多ラーメンとの違いが判らんが旨い。
麺半分を云い忘れて苦戦したものの、
完食してお勘定はちょうど3千円。

日田や吉井など静かな町を訪れたせいか
久留米の人の多さに都会を感じながら
ホテルへ歩いて帰りました。
歩計はほとんど4万歩と来たもんだ。

「しん吉 本店」
 福岡県久留米市東町36-6
 0942-64-9496

潘陽軒 本店」
 福岡県久留米市六ツ門町7-52
 0942-35-2237