2022年4月20日水曜日

第2997話 ゆらりゆられて路線バス

ビストロ「エシャロット」を出て
ふと思いついたのは
20年8月に閉園した、としまえん。
わりと近くだし、様子を見に行ってみよう
再び都営大江戸線の豊島園駅下車。
およそ20年ぶりだけど、町はずいぶん寂れた。
短い商店街は消滅の危機にさらされている。
ハリー・ポッターのテーマパークに
生まれ変わるらしいが
柵越しに見る限り、始動の気配はなかった。

たまたま来た赤羽駅西口行きのバスに乗る。
平和台、志村三丁目の駅前を通るため、
どちらかで途中下車するつもりが
終点まで行ってしまった。

赤羽はひと月前に飲んだばかり。
東口ロータリーに回ると
西新井行きのバスが停まっている。
渡りに舟ならぬ、ロータリーにバス。
これ幸いと乗り込んだ。

発車してすぐ、バスは新荒川大橋を渡り始める。
おい、おい、向こう岸は埼玉県・川口市だぜ。
こんな路線があるんだ、知らなかったなァ。
か細い流れの芝川添いをしばらく走り、
都内に戻って足立区・鹿浜、そして西新井着。

時刻は16時。
ちょいと早いがどこか開いているだろう。
駅前に「やきとりの扇屋」があった。
炭火焼きだし、ビールの銘柄もバッチリ。
「お一人様、ご案な~い!」

11時半~18時はハッピーアワー。
大ジョッキが368円で
2杯は飲むからありがたい。
焼き鳥は上ハツともも皮を1本づつ。
ドイツの岩塩に惹かれ、塩で通した。

すると、上ハツは看板に偽りあり。
むしろ並にも届かぬ下(げ)だネ。
焼き過ぎてパサパサのカラカラ。
もも皮は多少マシながら
それでも水準に達していない。
感じの好いお運びサンに救われたけどネ。

帰宅後、調べてみたら「扇屋」は
かなりの数の店舗を全国展開しており、
新宿区・早稲田に本拠を構える、
ヴィア・ホールディングスの経営だった。

そうと知ったからには、あえて物申す。
この焼き方じゃ、せっかくの炭火が無意味だ。
スタッフ研修をやり直しましょうや。

「やきとりの扇屋 西新井駅前店」
 東京都足立区西新井栄町2-7-2
 03-5845-5532