落合南長崎の「エシャロット」。
舌平目は立派なサイズだった。
魚体の上にはカープル(ケイパー)と
パセポン(パセリのみじん切り)。
薄褐色のノワゼット・ソースをまとっている。
こう呼ばれるが俗に言う焦がしバターのことだ。
J.C.もたまに自宅でコレを作る。
でもサカナは常にエイ(カスベ)。
フランス本国ではエイが定番。
ソールに用いるのを初めて見た。
主菜は前菜以上にガルニテュール満載。
にんじん・ほうれん草・トマトは
ブイヨンで温めた感じ。
加えてマッシュドポテトに南瓜のフリット。
生ビールをお替わりし、
フォークを刺したレモンを搾る。
こんがりと火の通ったところに
焦がしバターが絡み、まことにけっこう。
久方ぶりのソール・ムニエルである。
ちなみにムニエールは粉職人の意。
素材に小麦粉をはたいて
焼くからこそのネーミングにつき、
素焼きの場合はムニエルと呼ばない。
魚料理にナイフを使わぬ主義ながら
骨付きの舌平目ではそうもいかない。
作法通りに骨を外し、キレイに平らげた。
皿下げに来たマダムに通したデセールは
クレーム・ブリュレ&エスプレッソ。
リムーザン地方の銘菓・クラフティ、
それも王道のサクランボ(米国産)が
リストにあったけど
タルト生地付きタイプだと持て余すので敬遠。
あらためて店内を俯瞰する。
5人組1、2人組2、9人すべて中高年の女性。
ハイソな奥様といった雰囲気などなく、
近所のオバちゃんたちの普段使いだ。
目視可能な限りではシュークルートと
ブッフ・ブルギニヨンが人気を二分していた。
すると、独りの若い女性が来店。
今夜の予約のためだが、あいにく満席。
レベルの高い料理に控えめな価格設定だから
地元の支持を得ているのもうなづける。
大通りが交差して落ち着かない町ながら
落合南長崎の住人はシアワセといえましょう。
「エシャロット」
東京都新宿区西落合1-14-14
03-3953-9986