2025年6月19日木曜日

第3822話 臼杵の太刀魚 大分の平目&皮はぎ (その2)

大分は県の経済の中心、繁華な街である。
温泉地の別府とは異なり、
東京にも似た活気に満ちている。

散策を始めてほどなく恰好の店に出逢った。
「五十六屋」の店頭の立て看板に
当店名物 
泳ぎカワハギとかぼすヒラメの食べ比べ
税込み 2178円
どちらも大好物につき、一発で決めた。

マネージャーにカウンターへ通されると
目の前に卓上ガスコンロ。
「鍋は頼まないのでコンロは要りません」
「あのうコレ、お通しに使いますんで」
「エエ~ッ、お通しでコンロ使うの?」
ブッタマげた。

ヒオウギ貝の小鍋仕立てが用意された。
この貝はホタテ同様イタヤ貝科で
貝殻がかなり色鮮やか。
しめじと水菜も入った中に
バターをポトンと落とすのがミソ。
スープともども実に美味しかった。

そうして主役の ”食べ比べ” 。
ポン酢と紅葉おろしでいただく。
いいネ、いいですネ、甲乙つけがたし。
かぼすを加えた餌で育てた、
平目もさることながら
新鮮な肝を添えたカワハギに
迷いつつも軍配かな?

中瓶をもう1本空けて
豊後銘酒の二種飲み比べに挑む。
食べ比べに飲み比べ。
大分市民は比べるのがお好きなようだ。
本醸造の鷹来屋(たかぎや)、
純米吟醸のちえびじん。
白身には吟醸の相性が優った。

カワハギとその肝の煮付けを追加すると
今度は鷹来屋が地力を発揮する。
とにかくカワハギまみれの宵となった。
お勘定は7200円ほど。
ちなみにヒオウギ貝のお通しは
500円少々と安価だった。

大分の夜の街を徘徊する。
あっちゃこっちゃ2時間歩いた末に
入店したのが「こつこつ庵」。
レトロな看板の数々がごちゃごちゃと
賑やかながら親しみを感じさせた。

ドライの中ジョッキに
突き出しは豆腐のしめじあんかけ。
続いてエクストラコールドを2杯。
中津産ブランド豚の錦雲豚は
残念ながら入荷ナシ。
鶏めしのおにぎりを1個所望した。

話し掛けてきたのは隣りのお爺さん。
名古屋から来た83歳である。
泊まってるホテルのフロントに
当店を勧められての来訪だという。
一人旅が趣味で予定が決まると
カミさんは手をたたいて歓ぶそうだ。
亭主元気で外がいい、ってか?

今日は臼杵から来たので臼杵の芋焼酎、
のみちょれのロックを1杯。
明日は日田に行くから日田の芋焼酎、
亀山(きざん)も1杯。
頭ん中がグルグルし始める、
1971年創業の老舗居酒屋でした。

「五十六屋 中央町店」
 大分県大分市中央町2-3-10
 097-574-8686

「こつこつ庵」
 大分県大分市府内町8-19
 050-5872-5312