浅草の奥山おまいりみちで食べた中華そば。
おかげで古の「来々軒」に思いが至った。
確か、その流れを汲むのが
目黒区・祐天寺の「来々軒」だったハズ。
数日後の晴れた午後。
世田谷線沿いを散策する予定で
その前に立ち寄ってみようか・・・
そんな気になった。
いわゆる行き掛けの駄賃というヤツだ。
メトロ日比谷線を中目黒で降り、
ひと駅トコトコ歩いた。
4年ぶりの訪れになる。
事前にいろいろ調べておいた。
浅草「来々軒」に居た傅サンが
昭和8年(1933)に独立して
大田区・大森に店を開き、
その2年後、祐天寺に移転して
現在に至っている。
12時半に到着すると、
週末のせいか、かなりの賑わいぶり。
それでも二人掛けに席を得て
ドライの生大をお願いした。
もちろん狙いは元祖中華そばである。
菜単(メニュー)には
ラーメンと表記されているけどネ。
菜譜はよく見掛けるが
菜単はあまりお目に掛からない。
10分足らずでどんぶりが着卓。
うん、いいネ、いいですネ。
人は見掛けが9割と云うけれど
ラーメンもまた9割なんでないかい?
透き通ったスープを一口。
ううっ、美味い!
しなやかな細打ち麺も一口。
噛み噛みしてやったら
これまた、美味いのなんのっ!
前回より大きな感慨が押し寄せる。
どんぶりを彩る具材は
バラ肉チャーシュー1枚とシナチク。
あとは刻みねぎが散るだけだ。
ここで J.C.、
美味さをもたらす隠し味に気づく。
ねぎが長ねぎのみに非ず、
玉ねぎが使用されており、
まろやかな甘みの源泉となっている。
なるほどなァ。
帰り際、レジのオジさんと短い会話。
この人が傳サンのお孫さんだった。
数年前、「新横浜ラーメン博物館」に
オープンした「来々軒」は
当店とまったく関係ナシ。
ただ、敵方は開店前に何度も訪れ、
味の秘訣をシツコく訊ねていったそうだ。
いずれにしろ、まだラーメンしか
試していない祐天寺の「来々軒」。
家からずいぶん遠いけど、
どうにか通うことになりましょう。
よくぞ暇人に生まれけり。
「来々軒」
東京都目黒区祐天寺2-3-13
03-3712-2355