2025年8月13日水曜日

第3861話 かつて通った「京橋モルチェ」

飲む・食う・歌うのさんとも、
O戸サンと久しぶりに昼食。
落ち合ったのは京橋。
その名も「京橋モルチェ」だ。
「明治屋」の直営店である。
モルチェとは
”馬上の天使”なる意味らしい。

旧明治屋ビルの面影を残しつつ、
改築されてエドグランとなり、
早くも10年近く経つ。
近隣のOL&リーマンにとって
憩いの場としての役割も担う。

昔は勤め先が近かったため、
よくお世話になったもので
とりわけチキンカレーが
大好きだった。

「明治屋」はとにもかくにも
キリンビール一辺倒。
キリンが「明治屋」を作ったのか
「明治屋」がキリンを作ったのか
よく判らないくらいだ。

ハートランドの中瓶を
注ぎ合ってグラスを合わせる。
海老フライに目の無い相方が
カニクリームコロッケを要望。
ズワイ蟹タップリの良品は
他店の追随を許さない。

ビヤホールの雰囲気が残る店内。
J.C.的にはビールに必須のアテ、
串カツも外せない。
揚げ物がカブるがそんなこたあ、
知ったこっちゃない。

あとは当店の一番人気ハンバーグ。
仔牛のハンバーグが売り切れて
ハンバーグ・シュバール風を通す。
シュバールは正しくはシュヴァル。
仏語で馬のことである。
どこまでも馬にこだわる、
「モルチェ」なのだ。

コンビネーションサラダも。
昔ながらのホワイトアスパラ缶を
期待したがアスパラは不在。
昔はつきものだったけれど
近頃はトンと見掛けなくなった。
代わりにハムとチーズの細切り。
あまりうれしくないがネ。

二人で中瓶を4本空けて
O戸サンも満足した様子。
これから谷中の行きつけ、
カラオケスタジオに向かいます。

「京橋モルチェ」
 東京都中央区京橋2-2-1 
 京橋エドグランB1
 03-3274-3891

2025年8月12日火曜日

第3860話 修善寺を歩む

バスは先ほど上った達磨山を
またすり抜けて修善寺に到着。
今回、伊豆半島をバスに揺られ、
深く印象に残ったのは竹林の多さ。
とにもかくにも竹林だらけで
竹藪焼けた、もとい、
竹藪多かった。

1時間の自由を与えられ、
町を歩き始める。
TD(ツアー・ディレクター)が
配布してくれた手造りの
修善寺温泉マップを手に散策。

竹林の小径・修善寺(お寺)・
日枝神社・とっこの湯・
十三士の墓・源頼家の墓・
指月殿などを見て廻る。
時間が余ったので
温泉街に足を延ばした。

あまご料理専門店があって
一献傾けたかったが休憩中。
もっとも飲んでる時間など
ありはしなかったがネ。

この町に深く関わった、
歴史上の人物は
修善寺を開祖した、
弘法筆の誤りの空海と
この地に幽閉され、
暗殺されてしまった、
悲劇の鎌倉幕府二代将軍、
源頼家の二人だろう。

修善寺の好いところは
観光地にありがちな
”とってつけた感”が
まったく無い点である。

町は自然体の美しさをたたえ、
そのまま其処にある。
あらためて独りゆっくり、
ノンビリと訪れてみたい。

この6月から旅行づいてしまい、
北九州、伊勢志摩、
丹後若狭などを訪れたが
中には観光地として
美化を目指すあまり、
あざとい商魂が垣間見えもして
後味の悪い思いをして来た。
よって殊更、修善寺の好さが
胸に迫り来る。

帰路も湯河原から踊り子。
駅で30分ほど時間を
与えられたが
あちこち行ってるヒマはない。

コンビニで缶ビールを調達し、
駅前のベンチで飲みながら
昨日・今日と開催されている、
五所神社例大祭のお囃子、
ピーヒャラチンドンに
耳を傾けておりました。

2025年8月11日月曜日

第3859話 巨大蟹 総身に味が 回りかね

西伊豆の戸田は
深海魚の宝庫と言われる。
駿河湾は日本で最深の湾だからネ。
本日の昼食はその戸田で
高足蟹専門店を自認する、
「お食事処かにや本店」。
網元 光徳丸直営店である。

1階の売店には水槽というか、
もはやプールがいくつかあって
世界最大の蟹がウジャウジャと
ひしめき合っている。
蟹類はおおむね水の中で
ジッとしているものだが
高足は元気いっぱいだ。

大きさもさることながら
生きているのに色鮮やで
茹でる前から真っ赤。
脚は鱈場蟹より細いが
見た目はとても美しい。

2階のダイニングに上がり、
駿河湾を眺めながら
蟹のしゃぶしゃぶをいただく。
脚肉2本、バラしたボディ。
あとはキス・イカ・海老が1つづつ。
そして椎茸・エノキ・水菜・うどん。
締めに雑炊まで出来る。
ほかにも刺し盛り・塩辛・茶碗蒸し。
まだ何かあったが例によって省く。

とまれ年配者が多いツアーで
こんなに要らないけれど
けっこう食うわ、最近の年寄りはー。
家で嫁さんに食わせてもらって
ないんだネ、たぶん。

さて、肝心の蟹の味である。
ハッキリ言って期待ほどではない。
どうにも大味なんだ。
大男 総身に知恵が 回りかね
じゃないけれど、
巨大蟹 総身に味が 回りかね
でありやした。

おまけに世界一大きい蟹は
世界一食いにくい蟹でもあった。
とは云え、話のタネに
一度は食べてみて欲しい。

総量の半分は残したが
蟹だけはしっかりやっつけ、
そして今日は気兼ねなく、
中瓶を2本飲んだ。

1階の売店で物色していたら
高足蟹の甲羅があって
高足面と名前が付いていた。
面白いので購入すると
割れちゃいけないってんで
丁寧に包んでくれる。

さあ、これから未踏につき、
ずっと訪れてみたかった、
修善寺に向かいます。

「御食事処かにや本店」
 静岡県沼津市戸田354-4
 0558-94-2235

2025年8月8日金曜日

第3858話 鯵の開きと城ケ崎

翌朝はまず大浴場に入り、
7時から和朝食。
昨夜と同じ席で担当もロジーナ。
彼女の住まいは
他のスタッフと一緒のアパート。
ホテルの送り迎えはあるが
いったい、いつ寝てんだ?

小鉢が9品、3列3弾構え。
面倒なので内容を省く。
伊勢海老出汁の味噌椀は花マル。
七輪に鯵の開きが焼かれている。
坂上の二郎サンみたいな
鯵の目がこっちを見ていて
何か問い掛けている気がした。

「お客さん、アンタ、
 どうしても私を食うのかえ?」
意表を衝かれつつ、即答する。
両手の甲に向かって
「食べます、食べます!」

「お客さん、昨日残したプリン、
 冷やしときました」
ロジーナがかぼちゃプリンを
運んで来てくれた。
こんなことをしてくれるのは
旅館ならではだ。

大勢のスタッフに見送られ、
手を振られる中、
バスが向かったのは城ケ崎。
ロス・プリモスの久保チャンが
歌い出したが自重しておく。
浪花の小姑も五月蠅いしネ。

志摩の横山、福井の東尋坊など、
最近は高い所から海を見て来たが
此処の迫力はひと味違う。
門脇吊り橋の存在が大きい。
足元に白波砕け散る光景を
上から眺めてると足がすくむ。

「城ケ崎ブルース」の歌碑があり、
なぜか3番だけだ。
一度は思いとどまったが
しょうがない、いっちゃうかー。

♪ 愛してくれた 小指の爪を
  そっとかたみに
  つつんで入れた
  ハンカチ白い 城ケ崎
  あなたが帰る 遠笠山が
  涙にかすむ 夜のはて ♪
   (作詞:星野哲郎)

この曲は1968年のリリース。
地元の観光協会がレコード会社に
依頼して制作された。

相模湾を臨む東伊豆の城ケ崎から
西伊豆方面へ移動。
ランチは待望の高足蟹が
駿河湾を臨む戸田(へだ)で
待っているが、その前に達磨山へ。

あいにくの富士山は麓だけ。
頂上を見ること叶わなかった。
まっ、夏場はかすむから
高所に上っても遠望はムリだネ。
さァ、昼めし、昼めし、高足蟹!

「ホテル 志なよし」
 静岡県賀茂郡東伊豆町
 奈良本983-1
 0557-23-2260

2025年8月7日木曜日

第3857話 細うでの舞台は 熱川だった!

熱川温泉に到着し、
「ホテル 志なよし」に投宿。
蒲団を並べれば8人は
眠れそうな大部屋に独りだ。

かき氷は食べないけれど
2階に設置された、
かき氷サービスコーナーに
出向いたら古い新聞の切り抜き。

1970年にオンエアされた、
TV番組「細うで繁盛記」を
論じていて観たことはないが
新珠美千代をイビる、
富士真奈美の決めゼリフ、
「ちょっくら加代!
 おみゃ~の出る幕じゃあ
 にゃ~ズラよ!」
コレはよく耳にした。

驚いたのは温泉旅館の舞台が
この熱川だったこと。
さっそく晩めし前に
旅館街を歩きめぐる。

スゴいとこだネ、此処は!
あちこちに温泉が噴出している。
流れる川の水も熱く、
熱川の名前はここからだ。

18時に夕食が始まった。
温泉旅館のご多分にもれず、
すさまじい量の料理が
卓上にところ狭し。
誰がこんなに食うんだい?

食うのも大変だが書くのも厄介。
よって主な料理だけにしておく。
献立はトロ箱プランと来たもんだ。

刺身ー伊勢海老・鮑・
   真鯛・鯵・まぐろ
酢物ー鯵南蛮漬
焼物ーバサ(亜細亜ナマズ)照焼
煮物ー金目鯛姿煮
  ほかに10品ほど

頑張った。
でも、だいぶ残した。
金目なんか半分もイカない。
白飯・味噌椀・デザートはパス。
中瓶1本と中生2杯は飲んだ。

接客はネパール娘のロジーナ。
なかなか好いコで
細かいところにも気働きが及ぶ。
久しぶりの日本旅館だが
スタッフと客との気脈が通じ、
タマにはいいもんだネ。

温泉は明朝にして夜の町に出る。
先刻、目星をつけておいた、
スナック「ブーケ」へ。
46歳のママ独りの切盛りだ。
なかなか可愛い人で
熱川も捨てたもんじゃないねェ。

23時くらいまで居たのかな?
4本の中瓶を飲んじまいやした。

「Bouquet(ブーケ)」
 静岡県賀茂郡東伊豆町
 奈良本984-4
 090-9268-0087

2025年8月6日水曜日

第3856話 鰻のあとの大社と御用邸

衝動的に申し込んだツアー第3弾。
今回の行く先は
伊豆グルメと熱川温泉2日間。
三島うなぎ・高足蟹・
伊勢海老・金目鯛が味わえる。

J.C.の狙いは何と云っても
世界最大の蟹、高足蟹で
他は無くても構いません。

朝8時半に東京駅に集合し、
特急 踊り子で1時間ちょっと。
神奈川県・湯河原駅前で
バスに乗り込んだ。

到着したのは「割烹 御殿川」。
ずいぶん立派な建物で
国道136号線沿い。
東側を御殿川が流れている。

三島うなぎを味わうとの
キャッチフレーズで
JR三島駅から3kmほど南だ。
団体用の大部屋に通され、
食事がスタート。

あれえ、誰も飲みものを
注文せず、総勢19人中、
ビールを発注したのは
われ独りの有様である。

重箱の蓋を開けると鰻クン。
上半身半分に下半身丸々、
4分の3尾が横たわっていた。

あまり期待しなかったが
一箸入れて深く頷いた。
蒸しも焼きもタレの塩梅も
高水準に到達している。
さすがに三島の鰻であった。

吸い物に肝は無く、
あさり2個・三つ葉・焼き麩。
香の物は出来合いで
しば漬けとつぼ漬けたくあん。
独りで飲み続けるのも何だから
中瓶1本にとどめた、
周りに気を遣うJ.C.なのでした。

三島大社へ。
20年ぶりくらいになるかな。
お参りもそこそこに
境内の神鹿園にまっしぐら。

奈良の鹿みたいに
放し飼いではないが
人によくなついており、
金網越しに餌をねだる。
インバウンドの少女が
煎餅だかパンだか与えていた。

沼津に移動し、御用邸記念公園。
明治26年に大正天皇のため、
造営された御用邸は
昭和44年に制度が廃止され、
都市公園として一般公開された。

人の棲んだ所を見ても
心に響くものとて無し。
ここでもすぐ外に出て
黒松林を散策し、駿河湾を臨む。
この林は三島の翌年に
来た記憶がある。

バスは伊勢海老と金目鯛の待つ、
熱川温泉へ走り続けています。

「割烹 御殿川」
 静岡県三島市梅名477-8
 055-977-6234

2025年8月5日火曜日

第3855話 足立区・綾瀬に 二人のかあちゃん

足立区の東のはずれ綾瀬に
「立ち呑み処 かあちゃん」なる、
酒場があり、明るいうちから
地元の呑兵衛で賑わっている。
J.C.も何度か利用させて貰った。

この街にはもう1軒、
「かあちゃん」があって
二人のかあちゃんがいるのだ。
存在は認知していたものの、
初めて二人目の引き戸を引いた。

コの字カウンターに
テーブル席が2卓。
カウンターに促される。
ランチタイムは
昼めし派が主流だが
昼飲み派もちらほら。

ドライの中瓶に
ハンバーグ定食のハンバーグを
単品でお願いした。
たっぷりかかったソースは
ケチャップ多めのデミグラス。

繊キャベが添えられて来たが
温かい料理には
温かい付合せが望ましい。
トンカツはじめ揚げ物なら
キャベツで問題ないけどネ。
強めのレモンサワーを貰い、
勘定は1560円也。

翌週、ウラを返す。
中瓶と此度は玉ねぎフライを。
串カツでビールを飲むのは
大きな歓びなんだが
豚肉そのものより
玉ねぎのほうが嬉しいくらい。
よって関西風の串揚げは好まず、
東京風串カツ一本槍である。

生搾りレモンサワーと
玉子焼きを追加した。
玉子焼きは塩・醤油・砂糖の三択。
迷わずお砂糖でお願い。

図らずも玉ねぎフライと玉子焼き。
玉玉コンビの結成を見た。
途中からウスターソースで
食べるのが好きなんだが
卓上には中濃のみ。
まっ、いいか。

本日の会計は1660円也。
ふと思い立ってオネバさんに
二人のかあちゃんの関係を
訊ねてみた。

もともと同経営だったが
先代社長が亡くなり、
たもとを分かつことに
なってしまったそうだ。
「ふ~ん、喧嘩別れだネ?」
「いいえ、トンデもない、
 喧嘩なんかしてまっせん!」
きっぱり言われちゃいやした。

「かあちゃん」
 東京都足立区綾瀬2-26-1
 03-6662-4333