紀州名物・熟れ寿司がウリの小料理屋「かっぱ」にて
その熟れ寿司にフラれ、
それではと選んだいま一つの紀州特産、
ほねくにもありつくことができなかった。
度重なる肩透かしで土俵に転がされ、
背中も尻も砂まみれである。
それでもどうにかヨロヨロと立ち上ったところだ。
和歌山の銘酒・世界一統の五十五万石。
2杯目はその辛口というのをお願いした。
確か紀州という名だった。
こちらのほうが辛口である。
確か紀州という名だった。
こちらのほうが辛口である。
世界一統はもともと南方酒造の主力銘柄。
名付け親は天保生まれの佐賀藩士で
のちに明治政界の重鎮となり、
早稲田大学を創設した大隈重信である。
その威光にあやかったものか
社名も南方酒造から世界一統に変更されている。
ちなみにこの酒蔵は稀代の博物学者にして
欧州言語のほとんどを操ったという奇才、
南方熊楠の実家だ。
南方熊楠の実家だ。
梅干し入りの玉子焼きはおそらく、鶏卵2個分だったろう。
8切れあったが残りは一つ、つまみをもう1品いただこう。
これは先刻から目星をつけておいた、
かっぱ名物・お新香盛合せでキマリ。
品書きに
よしこが手がけた54年モノぬか床
との但し書きがあった。
女将のお名前はよしこサンだった。
その後の会話でお歳八十路半ばとも聞いた。
見た目もお若いし、動作もてきぱきとしている。
玉子焼きにしたって手際がよかった。
たばこ屋や煎餅屋の店番と違い、
小料理屋の女将にはかなりの肉体的負荷がかかるハズ。
そこをちゃんとこなしているのがエラい。
さて、54年モノのぬか床で一眠りした新香だ。
大きめの小鉢、と言うのもヘンな言い回しだが
かなりのサイズの盛合せだった。
大根とにんじんは一目でそれと判る。
8切れあったが残りは一つ、つまみをもう1品いただこう。
これは先刻から目星をつけておいた、
かっぱ名物・お新香盛合せでキマリ。
品書きに
よしこが手がけた54年モノぬか床
との但し書きがあった。
女将のお名前はよしこサンだった。
その後の会話でお歳八十路半ばとも聞いた。
見た目もお若いし、動作もてきぱきとしている。
玉子焼きにしたって手際がよかった。
たばこ屋や煎餅屋の店番と違い、
小料理屋の女将にはかなりの肉体的負荷がかかるハズ。
そこをちゃんとこなしているのがエラい。
さて、54年モノのぬか床で一眠りした新香だ。
大きめの小鉢、と言うのもヘンな言い回しだが
かなりのサイズの盛合せだった。
大根とにんじんは一目でそれと判る。
しかし、鉢の8割方を占める緑の野菜は何だろう?
瓜の類いは確かだけれど、
胡瓜・白瓜・青瓜ではなさそうだ。
箸をつける前に一考してピンときた。
ははあ~ん、アレだネ、アレだ。
=つづく=
ははあ~ん、アレだネ、アレだ。
=つづく=