2026年5月7日木曜日

第4064話 琵琶湖の湖魚に舌鼓

滋賀県・長浜は初めての訪れ。
米原以北は長い連結の列車が
切り離されたりもして
かなり不便になる。

夕暮れ迫る長浜の町を散策。
琵琶湖特産のビワマスを
出す料理屋に目星をつけたが
生憎、今日も明日も臨時休業だ。

店の物色を兼ねながら
町を往ったり来たりと云うより、
右往左往に近いかも知れない。
市内を流れる米川(よねかわ)に
オオバンの群泳を見た。

落ち着いたのは宿からも
駅からも近い「成駒家」。
ちょっと見、立派な料亭風だ。
ドライ中瓶を飲りながら
品書きに目を移す。

ややっ! 居た、居た、
おった、おりました!
ビワマスのあらいが
両の眼(まなこ)に飛び込む。
恋人がわが胸に帰った心境だ。

そしてコレが超の付く美味。
冷水に身を引き締められ、
見た目もすこぶる美しい。
サクラマスの美味しさは
知り尽くしているが
似たもの同士のビワは
サクラに勝るとも劣らない。

琵琶湖北端、木之本の銘酒、
七本鎗に切り替えて
小鮎の佃煮、えび豆、
フナの子付き(真子まぶし)と
珠玉の湖魚を味わい尽くす。

壁に大きく琵琶湖八珍を
写したポスターが1枚。
ビワマス・ニゴロブナ・小アユ・
本モロコ・ハス・ゴリ・イサザ・
スジエビ、これぞ八珍。

ビワマスのにぎりと
焼き鯖そうめんに心惹かれたが
わが胃袋は根性ナシ。
断念してお勘定は金五千円也。

夕刻見つけておいた、
スナック「A」へ直行の巻。
長浜駅に隣接するビル、
長浜えきまちテラスの2階で
K子ママとH弓ちゃんのツーオペ。

オープン直後の19時から
閉店の23時まで客が来ないのを
いいことにセブンイレブン、
4時間も居座っちまった。

ドライ、VSOPハイ、角ハイを
3人でいろいろ飲りながら
歌った、唄いまくった。
交代で1人20曲だから計60曲。
各自1曲だけ紹介しておこう。

K子ー「恋のバカンス」
H弓ー「東京だョおっ母さん」
   (セリフ入り)
J.C.ー「冬子という女」

揃いも揃って古いわ。
二人のおかげと云うんじゃないが
湖畔の街、長浜の印象はとても好い。
H弓とはメルともにも
なったことだしネ。

「成駒家」
 滋賀県長浜市南呉服町5-25
 074-962-3031

2026年5月6日水曜日

第4063話 大津の街をぐ~るぐる

大阪をあとにして
京都を素通りし、
やって来たのは
滋賀県の県庁所在地。
琵琶湖畔の大津である。

6年前に散策したがそのときは
酒も飲まず、飯も食わず、
近江八幡へ移動したのだった。
此度は此処で昼めしの予定。
さっそく歩き始めた。

駅前商店街で出逢ったのは
「大津屋」なる湖魚専門店。
鮮魚を扱うのではなく、
店頭に小魚たちの佃煮が満載。
スゴいなァ、あとで買って帰ろう。

東から順に丸屋町・菱屋町・長等と
3つの商店街が1本につながる、
アーケードの総称はナカマチ商店街。
そこで見つけたのが
コーヒールーム「尊(たかし)」だ。

コーヒーを飲まない J.C.が
惹かれたのにはワケがある。
近江牛と近江米のカレーライス
近江の国に来ていながら
どうして看過出来よう。
ビールが無いのには目をつむり、
発注に及んだ。

ライスにざばっとカレーが掛かり、
見た目は素人くさいが味は好い。
近江牛の赤身が5片散在していた。
食後にコーヒーが付いて
800円の格安価格にも最敬礼である。

ビール抜きの昼めしは
何年ぶりだろう。
ちょいと記憶に無い。
麻雀のプレイ中など
昼めし抜きはしょっちゅうだが
ビヤレス・ランチは
特筆に値するほどの椿事なのだ。

比叡山を遠望しつつ、湖畔を歩む。
およそ450年前、あの山のあの寺で
この国の歴史上、最大にして
最悪のジェノサイドが
断行されたことなど
幻だったかの如くに
山は穏やかな表情を泛べていた。

大津の街をぐるぐる巡り、
そろそろ今宵の目的地に
移動するとしよう。
おっと、その前に「大津屋」だ。

本モロコ・イサザ・ハス・ゴリ。
4種の湖魚(こぎょ)の佃煮を
嬉々として購入する。
それぞれ小さなパック入りだから
量は少ないものの、一律150円。
計600円には心底驚かされた。

急ぎ、駅に戻って
近江塩津行きの列車に乗り込む。
今夜は長浜泊まりです。

「コーヒールーム 尊(たかし)」
 滋賀県大津市中央1-2-28
 077-522-4188

「大津屋」
 滋賀県大津市末広町2-8
 077-524-5550

2026年5月5日火曜日

第4062話 旧友・M子と再会を果たす

今宵は珍しい人と逢う予定。
NY時代からの旧友・M子は
銀座に本拠を構える大手寿司店が
マンハッタンに開いた支店の
フロアマネージャーだった人。

よく食事もしたが何と云っても
第一感はゴルフ友だちである。
往時、彼の地での女飛ばし屋は
氷見に嫁いで行ったA子ママと
M子マネージャーが双璧で
J.C.より飛ばしやがる。

JR循環線・福島駅で待ち合わせ。
宵闇迫る街に1時間も先乗りした。
彼女が予約してくれたのは
街で人気のイタリアン、
「マチェレリア・ディ・タケウチ」。
その前にガス補給を済ませたい。

いつものことだがこの国では
軽く1杯飲める店に難儀する。
東京の各所でお世話になる、
牛めし屋を探すも福島には無い。

捨てる神あらば拾う神あり。
1軒の角打ちに遭遇した。
驚いたことに「竹内酒店」だ。
「タケウチ」前の「竹内」だが
店主によれば、両者に関係は無く、
「あっちはずっと新しい!」んだと。

カウンターの注意書きに
アテをお一人様一品お願いします
きずし・きびなご・たら子なども
揃うが韓国海苔に逃げる。
ドライ大瓶を1本空けて退出。

福島駅に戻ると懐かしの姿あり。
いきなりキツめのハグ。
20年ぶりじゃ、さもありなん。
銀座「六三亭」での食事以来だ。

「タケウチ」のカウンターに横並び、
プロセッコのグラスを合わせた。
J.C.も饒舌だけど、とても敵わない。
油紙に火をつけたように燃え上がる。
初めて知ったがM子は西宮生まれ。
「昨日はずっと西宮のオッサンと
 飲んだんだヨ、6軒も」
「あらまあ、そうっだたの?」

どこか和風な新竹の子マリネと
クワトロ・フォルマッジを
つまみつつの白はトッレビアーノ。
桜海老&新玉ねぎのフリットで
ネッビオーロ・ロエロ '22に切り替え、
骨付き仔羊を塊りで焼いてもらう。
マチェレリアは伊語で肉屋のことだ。

デザートワインのモスカートで締め、
2軒目は近所の「あわ鷹 別邸」なる、
小ジャレた立ち飲み処。
当方はハートランド中瓶。
相方は山形の十四代とつぶ貝を通す。
此処は魚介の品揃えが実に多彩。

J.C.も日本酒に追いつき、
兵庫の播州一献をカチン。
さらに今錦・中川村のたま子。
おたまじゃくしラベルの珍酒は
長野県にありながら
米澤酒造を名乗る造り手だった。

10年ぶりに大量に飲んだと云う、
M子はどうしてどうして
足取りもしっかりしている。
短いスパンの再会を約し、
福島駅で右と左に泣き別れ。
月がとっても青い夜でした。

「竹内酒店」
 大阪府大阪市福島区福島6-3-9
 066-451-1047

「マチェレリア・ディ・タケウチ」
 大阪府大阪市福島区福島6-8-17
 066-455-2977

「あわ鷹 別邸」
 大阪府大阪市福島区福島5-12-21
 066-454-6006

2026年5月4日月曜日

第4061話 飛田を彷徨い 道頓堀へ

昨日はしこたま飲んだ。
今日も人と逢う約束がある。
ただし、昼前から飲もうなどと
血迷い事を口にしない相手。
よって朝から一人のんびりと
大阪見物の巻である。

朝いちばんに向かったのは
知る人ぞ知る飛田新地。
判り易く云うと東京なら吉原。
ただし、ソープランドではない。
ハンブルグのザンクト・パウリや
アムステルダムの運河沿い。
彼の地の飾り窓を彷彿とさせる。

到着したのは9時半。
店々の表向きは立派な料亭で
一帯に150軒ほどあろうかー。
初めての人なら誰しも
度肝を抜かれるに違いない。

時間が早く歩いているのは我一人。
顔見世に出ているコもいない。
やり手バアさんが座るくらいだが
10時を過ぎてポツポツと現れた。

ビックリしたのは
彼女たちの可愛さ、綺麗さ。
日本を代表する二大航空会社。
そのCAたちの一段、いや二段上だ。

「オニイちゃん、寄ってってェ!」
バアさんから声が掛かる。
70過ぎのジイさんにオニイちゃんも
ないもんだが、そう呼ぶ習わしかー。

いずれにしろアチラ方面に
興味のない J.C.なんだが
こういう場所を流すのは大好き。
徘徊は早い時間がよい。
ただし注がれる彼女たちの視線に
耐えうるだけの度胸が
貴方にあればの話だけどネ。

書き出したら筆は止まらないが
深くは掘り下げまい。
興味のある方は
飛田新地をググッて下され。

ジャンジャン横丁から通天閣を仰ぐ。
串かつにも二度漬けにも
興味がなく、ひたすら北へ向かう。
なんばを抜けて法善寺横丁。
懐かしのおでん屋「おかめ」に
心温まるも訪れる夜が残っていない。

そろそろ昼めし。
心斎橋「明治軒」と迷った末に
道頓堀「今井本店」に決めた。
過去2回訪れているが20年も以前。
建て替わったビルの4階に通された。

ドライ中瓶に穴子肝煮と笹巻き寿司。
さすがに老舗の逸品、甲乙つけ難し。
中瓶をお替わりし、きつねうどんと
いきたいが過去2回ともきつね。
昔は無かったそばを試したい。

品書きによなきそばを見つける。
夜泣きそばなんて
時代劇の世界だけだと思っていた。
お運びさんに内容を訊ねたら
おぼろ昆布・油揚げ・おかきに
かつお節ならぬ、まぐろ節入り。

食べてうれしや、よなきそば。
でもネ「今井」はやっぱり、
うどんに限ります。
そばは東京人に任しとき。
てなもんや三度笠。

「今井本店」
 大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-22
 066-211-0319

2026年5月2日土曜日

第4060話 歓びアーカイブ 第16回

今日の舞台は横浜。
吉幾三の名曲が流れ出したが
先を急ぎましょう。

2016年11月23日水曜日

第1497話 昼下がりの横浜 (その8)

昼下がりの横浜中華街で飲み始め、
東神奈川の夕まぐれ。
肝付き皮はぎにご満悦の巻である。
右隣りの紫煙は少々迷惑ながら
さほど気にならなくなってきた。

はぎを食べ終えてさあ、
もう一品いきましょうや。
ここは対抗馬のこち、
あるいはしゃこだろう。
白身に重ねての白身は
ちっともイヤじゃないが芸がない。
しゃこわさをお願いする。

2本目の大瓶も残りわずかとなった頃、
到着したしゃこに目を見張った。
しゃこは尾頭付きだった
その店の品書きに載っていれば、
まずはずさないしゃこながら、
尾頭付きは初めてである。
小ぶりの個体につき、
胴体だけでは見映えがしない。
そのことを考慮したものと思われる。
海老フライの尻尾が
とれちゃったら間が抜けるものなァ。

ナリは小さくとも身はしっとり。
茹で具合もよろしく、
ヒョッとしたら幻の小柴産かもしれない。
銀座の鮨屋が目の色変えて
探し求める小柴のしゃこ。
まさかそんな上物が
出て来るワケもないか―。

燗酒が飲みたくなった。
壁には 
 上撰(400円) 金印(360円)
とあった。
昔の一級酒・二級酒みたいな
仕分けだろうか?
ここはあえて金印をー。

うむ、ウム、胃の腑にしみるのぉ。
ほんの数分で食べちゃったしゃこわさ。
何かもう一皿ほしい。
結局はこち刺しである。
こちは夏のサカナだからすでに名残り。
イルカの歌声が脳裏をかすめてゆく。
”なごりこち” は
皮はぎほどではないにせよ、
水準に達していた。

金印の小徳利も2本目。
調子に乗って追加したのは
新かきフライである。
まっ、この時期ならどこの店でも
”新かき” だろうがわざわざ ”新” を
謳うのも珍しいといえば珍しい。

フライなら玉ねぎか
ポテトという手があったが
かきには時期がある。
やはり看過できなかった。

かきフライを完食して
支払いはおよそ3500円。
これから自宅に戻り、
焼き豚で紹興酒を飲み直しましょう。

=おしまい=

「根岸家」
 神奈川県横浜市神奈川区東神奈川1-10-1
 045-451-0700

2026年5月1日金曜日

第4059話 十三に オッサン二匹 どんぶらこ

去年11月の断筆騒動。
そのおかげで知り合ったK藤サン。
兵庫県・西宮在住の方だが
再び酒盃を交わすこととなる。

J.C.のリクエストは
とにかく十三で飲みたい、
このことであった。
大阪で最も大阪らしい街は
十三と信じて疑わないからネ。

11時から飲み始めようと云う。
「そんな時間に店開いてんの?」
「だいじょぶ、十三はミニ上野っ!」
J.C.の感覚ではアカデミックな
エリアは置いといて
飲み屋街なら上野がミニ十三だ。
それほどに十三はふところが深い。

駅東口で落ち合い、向かったのは
その名も「一軒め酒場」。
それこそ上野にも何処にでもある、
チェーン店で養老乃瀧グループだ。

一軒めボール(豆腐入り肉団子)・
穴子炙り干し・厚切りハムカツ・
おつまみグリーンピースなどで
黒ラベル中ジョッキを4杯づつ。

2軒め「大阪イギー」はたこ焼き屋。
たこ焼きと初めて食べるすじ焼きで
一番搾り中瓶を1本づつ。

3軒めが日本そば「松風」。
たこ酢とおでんで J.C.は
ドライ中瓶に黒松白鹿1杯。
相方が何だったか覚えちゃいない。

4軒め「よりや」は飯と酒の店。
女性二人の切盛りだ。
サントリー生中2杯に
何かつまんだものの、記憶喪失。

5軒め「スタンド トニー」は
ちょいとオサレなワインバー風。
ドライ生中と知多ハイ2杯。
つまみはブルスケッタ1切れ。

最終6軒めが「現場スタ」。
立ち飲みだが折りたたみ椅子を
自分で拡げて着席可。
おそらくビールを飲んだけど、
生だったか? 瓶だったか?
銘柄すら完全に忘れた。

歳も考えずに6軒のハシゴ。
十三と云う名の川に
オッサン二匹がどっぷり浸かり、
桃太郎さんの桃みたいに
どんぶらこ、どんぶらこと
流れて行ったのでした。

「一軒め酒場 十三店」
 大阪府大阪市淀川区十三東2-7-11
 066-302-0090

「大阪イギー」
 大阪府大阪市淀川区十三東2-3-10
 090-1714-2120

「松風」
 大阪府大阪市淀川区十三本町1-14-12
 066-308-1476

「よりや」
 大阪府大阪市淀川区十三本町1-5-24
 070-8553-5076

「スタンド トニー」
 大阪府大阪市淀川区十三東2-12-41
 066-711-4880

「現場スタ」
 大阪府大阪市淀川区十三本町1-4-17
 電話ナシ

2026年4月30日木曜日

第4058話 岸和田立ち寄り 大阪入府

今日は大阪市に戻る予定だが
泉州岸和田に立ち寄りたい。
和歌山に入る前、
堺で1杯飲ったようにネ。
そう、堺と岸和田は以前から
訪れてみたかったのだ。

駅前商店街のアーケードを物色。
気に染まった店が1軒あった。
「縁たく家」はアジアンフードと
あわび料理が二本柱。
ただし J.C.の在店中に
あわびを発注した客は皆無だった。

赤星中瓶とシシグを通す。
シシグの別称はフィリピンの昼食。
豚バラ&ミミガー炒めだが
ミミガーが硬いのなんのっ!
今回の旅は硬いモンによく当たる。
海老すり身を挟んだトースト、
エビパンを追加して仕上げた。

大阪市内に入って一路、十三へ。
宿に荷物を置いたらすぐに外出。
2時間ほどこの街を
まさぐるように徘徊し、
地理と主な店々を頭に叩き込む。

そうして向かったのが大阪駅から
JR環状線で一つ東の天満だ。
環状線は東京の山手線に当たり、
天満は安うま密集地の異名を取る。

天神橋筋商店街に出たら
天五(天神橋五丁目)へ北上。
多くの大衆鮨屋に混じり、
中華やコリアンもチラホラ。
1軒だけ高級感漂う鮨店、
「天使(あまつか)」に入店。

つけ台の一番奥に促された。
ドライ中瓶に先付け3品。
桜海老・あさり・春キャベツ白和え。
鯛わたをあしらった山芋。
鳥の煮凝りである。

伝助穴子の焼き霜造りをお願い。
播磨灘から揚がる特大雌穴子で
伝助はデカくて役立たずの意味。
塩で食べるが山葵でもやりたく、
所望すると混ぜ山葵。
本わさ100%に代えてもらう。
うむ、まずまずながら
やはり穴子は小ぶりに如くはなし。

中瓶のお替わりと
今が旬の筍木の芽味噌和え。
そうしてスイッチした冷酒は
青森・田酒と福井・黒龍。
ここでにぎりに移行する。

剣先いか・さより・真鯛・
のどぐろ炙り・小肌の5カン。
ベストは断然さよりだ。
勘定は1万5千円弱。
それなりの満足感は残った。

十三に舞い戻って飲み直し。
東駅前商店街を抜け、
スナック「O」の店先に
ボーッと佇んでいると
中からママが現れ、拉致された。

ドライ小瓶2本と
黒霧島のロックを1杯。
数曲歌ったものの、深酒を避け、
大人しく帰宿しましたとサ。

「縁たく家」
 大阪府岸和田市五軒屋町1-1
 072-439-5537

「天使(あまつか)」
 大阪府大阪市北区天神橋5-5-13
 066-358-5252