2026年5月1日金曜日

第4059話 十三に オッサン二匹 どんぶらこ

去年11月の断筆騒動。
そのおかげで知り合ったK藤サン。
兵庫県・西宮在住の方だが
再び酒盃を交わすこととなる。

J.C.のリクエストは
とにかく十三で飲みたい、
このことであった。
大阪で最も大阪らしい街は
十三と信じて疑わないからネ。

11時から飲み始めようと云う。
「そんな時間に店開いてんの?」
「だいじょぶ、十三はミニ上野っ!」
J.C.の感覚ではアカデミックな
エリアは置いといて
飲み屋街なら上野がミニ十三だ。
それほどに十三はふところが深い。

駅東口で落ち合い、向かったのは
その名も「一軒め酒場」。
それこそ上野にも何処にでもある、
チェーン店で養老乃瀧グループだ。

一軒めボール(豆腐入り肉団子)・
穴子炙り干し・厚切りハムカツ・
おつまみグリーンピースなどで
黒ラベル中ジョッキを4杯づつ。

2軒め「大阪イギー」はたこ焼き屋。
たこ焼きと初めて食べるすじ焼きで
一番搾り中瓶を1本づつ。

3軒めが日本そば「松風」。
たこ酢とおでんで J.C.は
ドライ中瓶に黒松白鹿1杯。
相方が何だったか覚えちゃいない。

4軒め「よりや」は飯と酒の店。
女性二人の切盛りだ。
サントリー生中2杯に
何かつまんだものの、記憶喪失。

5軒め「スタンド トニー」は
ちょいとオサレなワインバー風。
ドライ生中と知多ハイ2杯。
つまみはブルスケッタ1切れ。

最終6軒めが「現場スタ」。
立ち飲みだが折りたたみ椅子を
自分で拡げて着席可。
おそらくビールを飲んだけど、
生だったか? 瓶だったか?
銘柄すら完全に忘れた。

歳も考えずに6軒のハシゴ。
十三と云う名の川に
オッサン二匹がどっぷり浸かり、
桃太郎さんの桃みたいに
どんぶらこ、どんぶらこと
流れて行ったのでした。

「一軒め酒場 十三店」
 大阪府大阪市淀川区十三東2-7-11
 066-302-0090

「大阪イギー」
 大阪府大阪市淀川区十三東2-3-10
 090-1714-2120

「松風」
 大阪府大阪市淀川区十三本町1-14-12
 066-308-1476

「よりや」
 大阪府大阪市淀川区十三本町1-5-24
 070-8553-5076

「スタンド トニー」
 大阪府大阪市淀川区十三東2-12-41
 066-711-4880

「現場スタ」
 大阪府大阪市淀川区十三本町1-4-17
 電話ナシ

2026年4月30日木曜日

第4058話 岸和田立ち寄り 大阪入府

今日は大阪市に戻る予定だが
泉州岸和田に立ち寄りたい。
和歌山に入る前、
堺で1杯飲ったようにネ。
そう、堺と岸和田は以前から
訪れてみたかったのだ。

駅前商店街のアーケードを物色。
気に染まった店が1軒あった。
「縁たく家」はアジアンフードと
あわび料理が二本柱。
ただし J.C.の在店中に
あわびを発注した客は皆無だった。

赤星中瓶とシシグを通す。
シシグの別称はフィリピンの昼食。
豚バラ&ミミガー炒めだが
ミミガーが硬いのなんのっ!
今回の旅は硬いモンによく当たる。
海老すり身を挟んだトースト、
エビパンを追加して仕上げた。

大阪市内に入って一路、十三へ。
宿に荷物を置いたらすぐに外出。
2時間ほどこの街を
まさぐるように徘徊し、
地理と主な店々を頭に叩き込む。

そうして向かったのが大阪駅から
JR環状線で一つ東の天満だ。
環状線は東京の山手線に当たり、
天満は安うま密集地の異名を取る。

天神橋筋商店街に出たら
天五(天神橋五丁目)へ北上。
多くの大衆鮨屋に混じり、
中華やコリアンもチラホラ。
1軒だけ高級感漂う鮨店、
「天使(あまつか)」に入店。

つけ台の一番奥に促された。
ドライ中瓶に先付け3品。
桜海老・あさり・春キャベツ白和え。
鯛わたをあしらった山芋。
鳥の煮凝りである。

伝助穴子の焼き霜造りをお願い。
播磨灘から揚がる特大雌穴子で
伝助はデカくて役立たずの意味。
塩で食べるが山葵でもやりたく、
所望すると混ぜ山葵。
本わさ100%に代えてもらう。
うむ、まずまずながら
やはり穴子は小ぶりに如くはなし。

中瓶のお替わりと
今が旬の筍木の芽味噌和え。
そうしてスイッチした冷酒は
青森・田酒と福井・黒龍。
ここでにぎりに移行する。

剣先いか・さより・真鯛・
のどぐろ炙り・小肌の5カン。
ベストは断然さよりだ。
勘定は1万5千円弱。
それなりの満足感は残った。

十三に舞い戻って飲み直し。
東駅前商店街を抜け、
スナック「O」の店先に
ボーッと佇んでいると
中からママが現れ、拉致された。

ドライ小瓶2本と
黒霧島のロックを1杯。
数曲歌ったものの、深酒を避け、
大人しく帰宿しましたとサ。

「縁たく家」
 大阪府岸和田市五軒屋町1-1
 072-439-5537

「天使(あまつか)」
 大阪府大阪市北区天神橋5-5-13
 066-358-5252

2026年4月29日水曜日

第4057話 醤油醸造発祥の地へ

和歌山の1泊目はぐっすり。
早起きして昨晩の美園町を散歩。
前夜は気づかなかったが
大きな商店街にアーケードが
縦横無尽、走りまくっていた。

この日はJRきのくに線に
45分乗って湯浅を訪れた。
和歌山の南25kmに位置する、
醤油醸造発祥の地である。

いの一番に赴いたのは
湯浅駅から徒歩3分。
土手焼きが名物の「はたよ食堂」。
無人の店内に踏み入ると
奥からオヤジさん登場。

「観光?」
「ええ、さっき着きました」
ドライ大瓶に土手焼きを3本。
内訳は、牛すじ&こんにゃく、
大根、厚揚げである。

黒ラベルの中ジョッキに切り替え、
話好きのオヤジさんとしゃべくる。
話題はもっぱら日米の株式市場。
あとは為替相場だ。

40分ほどの滞空でお勘定。
「1670円!」
千円札を2枚出して
「お釣りはけっこう」
「エッ? チップくれんの?
 ありがと、ありがと!」
伝統的建造物群保存地区を
隅から隅まで歩き廻った。

夕暮れには和歌山帰着。
今朝見つけた美園アーケードへ。
「菜乃屋」は女性4人の切盛り。
ビールはサントリー生大瓶だ。
お通しのマカサラが意想外の佳品。

本日のお造り二種盛りは
ばちまぐろ赤身&かんぱち。
すかさず紀の川の銘酒、
雑賀を貰って即席づけの作成。
醤油は関西特有の甘口につき、
食卓塩を振り込んで辛口にする。

刺身でそのまま食するよりずっと
づけは味覚に訴えて来るのだ。
サントリー知多の炭酸割りを
Wで1杯いただき、2軒目へ。

昨夜に続いて「酒一」を再訪。
さっそくドライ中瓶を1本飲み、
当店の常備酒、伏見の豊富をー。
これは ”ほうふ” ではなく、
”とよとみ”と訓ずる。
云われてみて虚を衝かれるのは
日本人の頭に ”ほうふ”が
こびりついているからだろう。

旅に出ると野菜が不足がちに
なるので補うために春菊おでん。
そして此処にも鹿と猪が居た。
「多田屋」みたいにステーキは
やらないが串焼きのほか、
ソーセージがあり、猪でお願い。
うん、串焼きより柔らかく、
なんぼか食べやすい。

明日は早起きのため、
深酒を避けて帰宿に努めました。

「はたよ食堂」
 和歌山県有田郡湯浅町湯浅1290
 073-762-2876

「菜乃屋」
 和歌山県和歌山市美園町5-6-5
 073-422-6363

「立ち飲み 酒一」
 和歌山県和歌山市美園町5-12-3
 073-436-4613

2026年4月28日火曜日

第4056話 旅のはじめは 堺と和歌山

3カ月ぶりに旅に出た。
東京駅から乗った新幹線を
降りたのは新大阪。
大阪は大いに久方ぶり。

メトロ御堂筋線と
南海電車を乗り継いで
やって来たのは初めての堺。
千利休ゆかりの町である。

時間があれば利休の屋敷跡にでも
行ってみるところだが
先を急ぐ身、駅そばは南海高架下、
「義経」なる居酒屋でガス欠解除。
ドライ中ジョッキのお通しは
鳥皮&オニスラポン酢だ。
つまみつつ、メニューをパラパラ。

17時から本営業だが時刻は13時前。
この時間はスピードメニューの
つまみ類とお造りのみ。
真鯛・かんぱち・サーモンのほか、
馬刺しユッケがあって
馬刺し好きは当然そこに落ち着く。
卵黄を落としたユッケはなかなか。
中生を1杯にとどめて堺駅に戻る。

和歌山市着は15時。
そこから和歌山駅まではJRで2駅。
東口のホテルで一休み後、
賑やかな西口に出陣した。

だいぶ寂れたかつての繁華街、
ぶらくり丁界隈を徘徊する。
気に染まった店は無い。
畑屋敷からアロチ(新内)を
流すもスナックばかり。
今ひとつである。

駅近のみその商店街で
ようやく佳い店を見つけた。
「多田屋」は昭和2年創業。
来年で百歳を迎える。
カウンターに滑り込み、
ドライ大瓶を所望した。

多彩な品書きに鹿と猪を発見。
ステーキと串焼きがあり、
当然のように串焼きを1本づつ。
ところがコイツら硬いのなんのっ!
寅さんの売(バイ)じゃないが
”色が黒くて食い付きたいが
 あたしゃ入れ歯で歯が立たないよ”
と来たもんで
入れ歯じゃなくとも歯が立たん。

はだか麦焼酎の兼八と
チンザノ白ロックを1杯づつに
キス&穴子天ぷらを追加。
でもネ、齢百歳の老舗にゃ悪いが
食べもんがイマイチなんだよネ。
まっ、昼夜に渡り、猪鹿蝶ならぬ、
猪鹿馬をやっつけたからいいかー。

帰り際、駅裏の片隅に
立ち飲み酒場を見つけ、即入店。
するとこの「酒一」は
「多田屋」の経営と来たもんだ。
ドライ中瓶に麦焼酎・壱岐をー。
麦焼酎発祥の地、壱岐産は美味い。

つまみはきずし(〆鯖)をお願い。
「多田屋」よりいいんじゃないかー。
造り手の腕、いや、舌がいいんだ。
明日の晩も此処に寄ろうっとー。

「義経」
 大阪府堺市堺区栄橋町1-10-1
 050-5456-9766

「多田屋」
 和歌山県和歌山市美園町5-11-18
 073-422-2276
 
「立ち飲み 酒一」
 和歌山県和歌山市美園町5-12-3
 073-436-4613

2026年4月27日月曜日

第4055話 小雨降る午後 ハラミ丼

朝からしとしと雨が降っている。
遠出はしたくない。
自宅前のセブンイレブンで
何か買うとするかの?
いや、「一寸亭」でビール大瓶と
半炒飯も悪かァないな。

自宅前の谷中よみせ通りを
北に歩いて行った。
突き抜けてぶつかる道灌山通り。
その信号の向こうに
焼肉店「雅山」があるんだが
利用したことはない。
フラフラッと入っちまった。

当店は中野に本店を構え、
中野新橋にも支店があるようだ。
その両店は至近ながら
何だってまた千駄木に
出店したんだろう?

生憎と瓶ビールが無く、
ドライの中ジョッキをー。
ランチメニューは
カルビ・ハラミ・ロースの
それぞれ定食(1210円)と
丼(990円)が揃っている。
ハラミ丼をごはん少なめで通した。

近隣のリーマンやカップルが
ポツリポツリと入店して来る。
数十年前、言われたことに
焼肉を食うカップルは
もうすでにデキていて
鮨屋ならまだ一線を越えていない。
何てのがあったな。
一理あるかもしれない。

丼の着卓前にジョッキがカラ。
お替わりをお願いする。
そうこうするうち運ばれた。
ハラミを数えたら9片あった。
上に白髪ねぎが載っている。
あとはわかめスープとナムルと
サニーレタスサラダ。
付合せはみな少しづつ。

味わいはまあフツーである。
でも思ったネ。
やはり焼肉は厨房で焼かれたのが
白飯上に盛られたのより、
自分でジュウジュウ焼くのが一番。
焼肉丼を注文するのは
もうこれきりにいたしましょう。

「焼肉 雅山」
 東京都文京区千駄木3-50-12
 03-4283-8198

2026年4月25日土曜日

第4054話 歓びアーカイブ 第15回

今日のアーカイブは12年の昔。
みちのくひとり旅の一コマです。

2014年1月17日金曜日

第754話 郡山では餃子と焼売

栃木県・黒磯をあとにして
到着したのは福島県・郡山。
この街を歩いたことがなく、
長居はできなくとも乗り継ぎまで
1時間以上の余裕を持たせてあった。

さっそく駅周辺をパトロール。
商店街のアーケードは
ほとんどシャッターが下りている。
あまり聞かないアイテムながら
まぜそば専門店に行列ができていた。

ステーキまぜそば、ネギトロまぜそば、
気色の悪いメニューが
これでもかと並んでいる。
いったい誰がこんなん食うんやろ?
どうでもいいけど中華麺に
ネギトロは混ぜないだろうから
日本そばなのかな? 
とにかくアッシには関わりのねェ店だ。

商店街を突き抜けたところに
餃子と焼売の店、
「包龍(パオロン)」を発見。
ビールで一息つくのにはちょうど好い。
通したのは薄焼きしそ餃子と黒豚焼売。
小ぶりな薄焼きが5枚

せいろに大きな焼売が3個 
餃子はアッサリのサッパリ。
餡の塩梅もよろしく、
レベルの高さをうかがわせる。
しかしその上をいったのが焼売。
鳥ナンコツをしのばせ、
食感にアクセントをつけている。

お運びの小姐(シャオチエ)に訊ねると、
みちのくで4店舗を展開しているが
残念ながら首都圏には未進出、
横浜中華街ですら
ここより旨い焼売はないのに残念だ。
横浜駅の名物など足元にも及ばない。

郡山駅に戻り、奥羽本線、
愛称・山形線の米沢行きに乗り込む。
目的地は終点の米沢。
山形へ乗り継ぐまでの時間は47分。
駅の近くでラーメンを
食べるくらいの時間しかない。

1973年頃、縁あって
この地方都市を何度も訪れた。
久しぶりに米沢ラーメンが食べたい。
ツルツルのちぢれ醤油ラーメンをー。

駅舎を出ると空模様はみぞれまじり。
ロータリーのあちこちに
雪が積もっている。
コンビニでビニール傘を買うのもなァ。
目の前にラーメンとうどんの店が見えた。
時間もないことだし、ここは即断。

手動の引き戸を引くと、
すぐ目の前はカウンター。
ハハ~ン、こりゃ喫茶店の居抜きだな。
カウンターの上に貼り紙があった。
「二階にいるので呼んでください」―
おい、おい、二階で何してんだい?
ヘンな店に入っちまったぞなモシ。

=つづく=

「包龍」
 福島県郡山市大町1-3-6
 024-925-2315

2026年4月24日金曜日

第4053話 幾年超えて 童心に帰る

数日前に三越前の「利休庵」で
そばを食べなかったせいか
朝から日本そばの雰囲気。
自宅に雑用が山積しており、
遠出は避けたい雰囲気。

日暮里駅にやって来た。
バスで竜泉「東嶋屋」かな?
荒川区役所前「ますや」、
日本堤「十一屋」という手もある。

結局、日暮里・舎人ライナーに
乗り込んじまった。
それも一駅先の西日暮里で下車。
思い泛んだのは「童心舎」で
帰宅後、調べたら
2001年6月以来と来たもんだ。
実に25年ぶりである。

ドライ中瓶と厚焼き玉子を発注。
そうしておいてそばの品定め。
通常のもりのほか、生粉打ち・
田舎・変わりそばまである。
本日の変わりは紫蘇切りだった。

J.C.は御膳粉(更科粉)に
いろんなモノを打ち込む
変わりそばが大好き。
柚子切りと紫蘇切りが双璧で
逆にあまり好まぬのは
茶切り・胡麻切りあたり。

新潟県は長岡の銘酒、
朝日山の冷たいのに切り替え、
紫蘇切りをお願いした。
待つことおよそ10分。
色白そばに大葉が散っていた。

うむ、これは期待できそうだ。
とは思ったものの、
一箸つけて鼻先に寄せるが
あまり大葉が香ってくれない。
ん、何だかおかしいな。

そのまま口元に運んで
モグモグモグ。
う~ん、どうしたんだろう?
ちょいと肩透かし気味。
それでもしっかり食べ終え、
そば湯もいただいた。

「童心居」には少なからず
期待をそがれたけれど
かれこれ四半世紀を経て
童心に帰れたことだけは
疑いようのない事実でした。

「蕎麦吉里 童心舎」
 東京都荒川区西日暮里6-52-6
 03-3893-1879