2026年7月25日土曜日

第4133話 アーカイブ 第30回

今日は下町の話。

2015年6月26日金曜日

第1129話 横井サンが死んじゃった (その1)

 ♪ 下町の空に かがやく太陽は
  よろこびと 悲しみ写す ガラス窓
  心のいたむ その朝は
  足音しみる 橋の上
  ああ太陽に 呼びかける   ♪
   (作詞:横井弘)

横井サンが死んじゃった。
グアム島から生還した横井サンじゃないヨ、
大好きな作死者、もとい、
作詞者の横井サンだヨ。

冒頭に掲げた「下町の太陽」は
小学校五年生のとき、
リアルタイムで聴いていた。
倍賞千恵子のトランスペアレントな
歌声が東京のみならず、
日本全国に響き渡ったハズだ。
横井弘の作詞もさることながら
江口浩二の曲がまたすばらしい。

その年は1962年。
J.C.は下町もド下町、
深川に暮らしていたのでありました。
この1962年、昭和なら37年は
歌謡曲の当たり年。
ズラリ並べるというより、
その年のマイ・ベストテンを
ご披露してみましょう。

① 下町の太陽 (倍賞千恵子)
② 赤いハンカチ (石原裕次郎)
③ 遠くへ行きたい (ジェリー藤尾)
④ 川は流れる (仲宗根美樹)
⑤ コーヒー・ルンバ (西田佐知子)
⑥ 湖愁 (松島アキラ)
⑦ 寒い朝 (吉永小百合とマヒナスターズ)
⑧ 江梨子 (橋幸夫)
⑨ 若いふたり (北原謙二)
⑩ 星屑の町 (三橋美智也)
 次点:なみだ船 (北島三郎)

流行歌ファンなら誰しもが
ご存じの曲たちである。
自他ともに認める寅さんファンの J.C.ながら
女優であり歌手である倍賞千恵子に関しては
たとえば寅次郎の妹・さくらよりも
歌手としての実力を高く評価している。

彼女のナンバーでは「下町の太陽」の3年後、
「さよならはダンスのあとに」も
スマッシュヒットを記録した。
これがまた無類の名曲なんです。
驚くべきことに「下町の~」、
「さよならは~」はともに横井弘の作詞だ。

作曲家に比して作詞家は
過小評価されてきた感がある。
その証拠に国民栄誉賞を
もらった作曲家が何人もいるのに対して
作詞家は誰一人としていやしない。
どうやらこの国において
国語は音楽より劣っているらしい。

=つづく=

=本日追記=
もともと国民栄誉賞なんて
ときの総理大臣が
人気を取るための戦略。
無能な彼らでも作詞ならば
そこそこ出来ようが
作曲となるとハナからムリ。
自分の出来ないことを
過大評価するんでしょうヨ。

2026年7月24日金曜日

第4132話 猛暑日に めげず歩いた 炎天下(その2)

何はともあれ、とりあえず、
区役所の敷地から離れた。
バスに乗れば、浅草、南千住、
向島、曳舟、亀戸、
何処へでも行ける。

何せ、猛暑日だから
無謀な歩行は謹んでおきたい。
でも男 J.C.、若い頃からずっと
好きな季節は真夏で
暑さには滅法強い。
熱中症とはまったく無縁の身、
かかってみたいほどなのだ。

公園のほとんど隣りに
「徳勝楼」なる中華料理店あり。
バスで何度も通っているから
存在は認識している。
浅草寿町行きバスに乗ると
三ノ輪支店の前も通る。
近くで2軒の営業となれば
人気と実力が予想されよう。

店頭のメニューもそれなりだし、
未訪ながら試してみようか?
そんな気になって入店。
マダムというか、女将というか、
オバちゃんに案内されて
奥の四人掛けに通された。
愛嬌たっぷりだが声のデカさから
大陸系中国人と推測される。

卓上と壁面の品書きを見比べて
中華丼&半ラーメンのセットを
丼のライスも半分でお願いした。
初めての中華屋に来ると
半チャンラーメンの麺も半分が
定番になりつつある。
1回の訪問で2種の料理を
味わえるからだ。

でもネ、毎回それじゃ芸が無いし、
何よりも読者に飽きられる。
よって今日はひねりを加え、
滅多に食べない中華丼にした。

ラーメンはまずまず。
平打ちちぢれ太麺に
あっさり醤油スープ。
バラ叉焼1枚・シナチク・わかめ。
具材もシンプルで好し。

けれども好事魔多し。
中華丼がアカンかった。
小海老・イカ・豚バラ・うず玉に
竹の子・白菜・人参・小松菜・
キクラゲと具は多彩で豊富なれど、
大半が白菜の白い部分。
松田優作じゃないが
何じゃこりゃあ! なのである。

そこは我慢しても醤油ベースに
ニンニク臭強く味付けが濃すぎる。
ドライ中瓶はちゃんと2本飲み、
会計は金2050円也。
中瓶1本550円は安いなァと
思いつつ、炎天下を
家まで歩くことにした。

ガスを補給した後の J.C.はタフ。
荒川仲町通りを往かず、
常磐線のガードをくぐって
日暮里中央通りを右折し、
日暮里駅へまっしぐら。
おかげで汗ぐっしょりだ。

帰宅後は即、
頭から水シャワーを浴びる羽目に。
たかだか3時間の間に
2度目の洗髪と相成りました。

「徳勝楼 荒川区役所前店(本店)」
 東京都荒川区荒川2-1-9
 03-3801-2858

2026年7月23日木曜日

第4131話 猛暑日に めげず歩いた 炎天下(その1)

谷中よみせ通りをブラブラと
突き抜け、道灌山通り。
田端銀座に向かって
道を横断したらおりよく
浅草寿町行きのバスが来た。
乗っちゃえ!

われながら己の気ままさに
あきれてしまう。
勝手に自分でやっといて
勝手にあきれてりゃ世話ねェ!
ってか? ハイ、ごもっとも。

バスは宮地交差点を過ぎてゆく。
南側一帯は三河島である。
昨日は昼間っから独りで
和牛カルビを焼いたが
毎日現れるわけにもいくまい。

だが次の停留所で降りた。
此処は荒川3丁目。
気に入り町そば「ますや」で
一杯飲っとこう。
当店のまぐろとろろ(山かけ)は
麦酒でん、清酒でん、
この上ない酒の友になるからネ。

ん? おや、あれ、おかしいな。
シャッターが降りてるゾ。
日曜定休のハズなんだが・・・
おっと、そうか、
今日は祝日だったんだ。

猛暑日の海の日。
いや、マイッたな。
次のバスを待つとするか?
いや、立ってるだけで
汗が噴き出る暑さ。
歩けば空気が自然に風になる。
明治通りを三ノ輪方面に歩いた。

ほどなく荒川区役所。
区役所内に入ったことはないが
この区役所は都内屈指。
目の前の緑豊かな荒川公園を
他区に見倣って欲しいくらいだ。

グルッと一めぐりして
ベンチに腰掛け、一休み。
缶ビールが欲しいところだが
近所にコンビニはないし、
区役所で酒類販売はなかろう。
もっとも今日は祝日で休みだ。

ボケッとしていられやしない。
木陰のお蔭で暑さは凌げたが
さて、どうするか?
ほとほと思いあぐねていた。

=つづく=

2026年7月22日水曜日

第4130話 和牛カルビを独り焼く

都内23区で
 J.C.の出没率が高いのは
上野、浅草が頭抜けている。
あとは銀座・神保町・北千住辺り。

それがこのところコリアンタウン、
三河島が頭角を現してきた。
この日も行く先を決めずに
日暮里駅前から
亀戸駅行きのバスに乗った。

まだ11時半だったが
三河島駅前を過ぎてほどなく、
気になっていた「焼肉リン」を通過。
営業中の看板を見とめ、
尾竹橋通りと明治通りが交差する、
宮地の交差点であわただしく降りた。

小ぢんまりとした店内は
四人掛けが四卓だけ。
二卓はすでに埋まっていた。
ぜいたくに独りで一卓を占有。
ドライ中瓶をお願いした。

お運びの女性は外国人だが
コリアンではない。
おそらくミャンマーかネパールで
丁寧な接客ぶりは
間違ってもチャイナじゃなかろう。

ランチメニューに目を通す。
どちらも1400円のカルビ定食と
ハラミ定食で迷った。
脂身を取るか
赤身を取るかの二者択一。
ハラミにしようかな?

そこに割って入ったのが
和牛カルビ定食(1800円)だった。
四人掛けを独りで占めているんだ。
多少なりとも売り上げに協力して
ぜいたくついでに和牛行っちゃえ!

綺麗なサシ入りスライスは6枚。
その上に南瓜と人参が1切れづつ。
あとはワカメスープに
サラダがサニーレタス・水菜・
人参・玉ねぎ。
キムチは白菜に加え、
きゅうりのオイキムチも1個。
韓式定食はおかずが多彩だが
当店もご多分にもれることはない。

家を出たときに
独りで肉を焼くことなど、
まったく想定していなかった。
先刻の彼女が赤いペーストを
運んで来てくれた。
ヤンニンジャンである。

醤油・唐辛子・ニンニク・生姜・
ねぎ・胡麻油などからなる、
非発酵調味料がコレ。
発酵調味料のコチュジャンは
ビビンパやチゲとの相性がいいが
ヤンニンは焼肉や餃子に向いている。

中瓶を1本にとどめ、
お勘定は2695円。
たまには独り焼肉もいいもんだ。
さあ。七五三通りを抜けて
日暮里まで歩いて帰ろう。

「焼肉リン」 
 東京都荒川区荒川3-68-1
 03-6681-4249

2026年7月21日火曜日

第4129話 戦いすんで 途方に暮れて

お気付きの方が
多々おられたでしょうが
実はこの稿、書きかけでアップ。
昨夜突然、パソコンが
駄々をこね出して
起動不能に陥ったのです。
幸い、秋葉原ですぐに治り、
書き上げ版を改めてお送りします。

W杯三国大会が終わった。
決勝はスペイン有利と
予想していたが
これほどとは思わなかった。
そういった意味では歴代最も
決勝戦にふさわしくないゲームと
決めつけても過言ではない。

アルゼンチンのシュート数が
90分+でゼロ、前代未聞だ。
延長で2本打ったが
枠内に飛んではいない。

予選リーグとはいえ優勝国と
引き分けたカーボベルデを
J.C.は賞賛したい。
再起を目指す日本代表は一度、
カーボベルデの胸を借りたらいい。

翻って3位決定戦。
一部のメディアは
サッカーの醍醐味なんぞと
絶賛するが親善試合ならともかく
W杯の本戦ではいただけない。

3位なんてどうでもよくて
選手たちはやる気がないから
あんな大味な試合になる。
J.C.はもともと
3位決定戦不要論者。
まったく意味がないネ。

まっ、FIFAの金儲けには
一役買うわけだから
前任者・ブラッター以上に
地獄の沙汰も金次第亡者、
インファッキング・
ビリーバブルの
インファンティーノが
会長をやってる間は続くだろう。

さて、恥ずかしげもなく、
優勝宣言したわれらが日本。
メディアは惜敗なんて書くが
あれは間違いなく完敗。
いや、惨敗と云ってよい。

スウェーデン戦の終盤を観て
いや~な予感がしていた。
日本はリードを許して
追い掛ける展開はいいんだが
リードを守り切るのはド下手。
前回大会の対ドイツ、
対スペイン戦が如実に証明する。

ブラジル戦の後半は
目も当てられなかった。
森安の作戦ミスと断言できる。
大きくクリアしたボールを
ことごとく拾われ、
波状攻撃にさらされて
サンドバッグ状態。
パスをつないで攻めないから
あんな惨状に見舞われる。

スコアこそ1ー2で済んだが
実際の実力差は1ー4だろう。
戦い済んで日が暮れて、
サッカーを愛してやまない J.C.は
独り途方に暮れておりまする

2026年7月20日月曜日

第4128話 吟行で 汗だくだくの 百花園

「鳩家」で豆鉄砲を食らったが
とにかく腹ごしらえは済んだ。
さァ、吟行である。
5分歩いて向島百花園に到着。
30年ぶりくらい、
いや、もっと昔じゃないかな?

それにしても猛暑日寸前。
園内を歩き回るも
汗だくだくと来たもんだ。
J.C.は牛丼でもかつ丼でも
つゆだくは大嫌い。
汗だくはもっとイヤだ。

唯一、目を和ませてくれたのは
荷風好みの寂れた池を
泳ぎまくるカルガモの雛たち。
三井物産の池が消えたあと、
こんなところに来ていたのかー。
まさか同じファミリーって
こたあないかー。
しかしこの池、
鯉の子一匹居らず、何かヘン。

民家のような一棟、
御成座敷(おなりざしき)で
句会は始まったが
参加者はわずか3名。
高齢のお婆ちゃんたちが
家族の引き留めに合い、
断念したものと思われる。

何せこの会、J.C.が最年少にして
ただ一人の雄(♂)。
毎月、敬老の日が
やって来るようなもんなんだ。

まっ、それもいいだろう。
普段、娘とは云わないまでも
そこそこ若い元娘と
飲む・食う・歩くの日々だからネ。

人数が少ないせいか、
13時スタートが15時過ぎには終了。
婆ちゃんたちとは
歩く速度がまったく違うため、
玄関でお別れする。
数日後には、三鷹でまた
顔を合わせることになる。

帰り際、御成座敷の生垣に
かんつばきの名札を
ぶら下げた一株を見とめる。
ここで俳人・J.C.、
すかさず一句。

寒椿 吐くのはよそう 痰唾

お粗末!
ハハ、句会じゃとても
発表できそうにないですな。

「向島百花園」
 東京都墨田区東向島3-18-3
 03-3611-8705

2026年7月18日土曜日

第4127話 歓びアーカイブ 第29回

W杯開催中につき、
サッカー・ネタいきます。
はるか昔の =食べる歓び= からです。

2009年6月15日

第769回

またサッカーで ごめんなさい(その2)

フランスはサン・エティエンヌに所属する
松井大輔を語っている。
ピッチの中に紛れ込んだエクストラ・ボールを
松井が外に蹴り出す、そのことであった。
観客を魅了するMFは
細やかな心遣いの持ち主でもあったのだ。

こういう気配りはサッカーに限ったことではなく、
人生においても大事なことである。
たとえば、エレベーターを降りるときに
OPENボタンを押して女性に先をゆずれる男。
それに会釈で応えることのできる女性。
些細なことだが、J.C.はこんな人たちが好きだ。

それにしても松井をベンチに置きっぱなしの
サン・エティエンヌの監督さんよ、
あんたの目は節穴かい?
アラン・ペランというふざけた名前のフランス人は
アラン・ドロンとジャック・ペランを二股掛けた、
その名前がまず気に食わん。
オマエなんざ、ピッチの代わりに草原に寝転んで
メリー・ホプキンの歌でも聴いてればいいんだ!
(判らない方は「サン・エティエンヌの草原」をググッて)

何だか八つ当たり気味になってきたので
話題を本田圭佑に転じることにしよう。
同じ海外組でもこちらは出場機会に
もっとも恵まれている日本人選手。
何たってオランダ2部のMVPですものね。

22歳とまだ若いし、
将来のジャパンを背負って立つのは
おそらくこの男だろう。
何事にも臆さない性格も海外向き。
加えて類いまれなるボディバランスは大きな武器。
オランダに渡ってからというもの、
キック力だけでなく、キープ力がグンと増した。
彼の一番の特徴は手の使い方の上手さ。
サッカーの名選手はみな足技同様に
手技にも長けている(第662回参照)。
究極のプレイヤーがイングランドを
奈落の底に突き落とした、神の手・マラドーナ。

いよいよ残すところは豪州戦のみとなった。
因縁の相手だけに観るほうにも力が入るが
そんな思いに水を差したのは海外組の離脱。
松井も本田もサヨウナラでは
消化試合とはいえガックシだ。
ドイツで苦杯を舐めさせられた天敵には
アジア杯でPK戦の末に勝ったけれど
借りを返したとは言いがたい。

松井も本田もいないとなれば、
拍子抜けの感否めずながら
気の抜けた麦酒のような試合だけは願い下げだ。

=本日追記=
こうして日本代表は南アフリカに乗り込み、
海外でのW杯初勝利も挙げて
決勝トーナメントに進んだのでした。