2026年11月5日木曜日

第4224話 新潟の 古町「田舎家」 再訪す

夕闇迫る新潟の街。
出動の時間がやって来た。
昼間けっこう歩いたので
駅前からバスに乗る。
目指すは新潟の夜の代名詞、
さっき歩いた古町アゲインだ。

17時開店の「田舎家」に直行。
前回はGFと佐渡に渡る前に
此処で昼めしを食べた。
彼女は若き日の J.C.と
同じホテル勤めで花屋の娘。
1979年8月のことだから
もうじき半世紀に成る。

うん、うん、記憶は薄れても
店内の様子に見覚えがあった。
カウンターの左隅に促され、
ドライ中瓶をトクトク。
お通しは、たこ若布胡瓜酢。
もずくもお願いした。
おそらく佐渡産だろう。

そして生モノだが刺し盛りに
ド~ンと来られたら往生する。
無難な南蛮海老でしのぐ。
甘海老のことを新潟では
こう呼ぶのが習わしだ。
確か、47年前も食べたっけ。
小さめが6尾でこれなら楽勝。

やはり前回も通したのっぺいを。
建長寺発祥のけんちん汁に似るが
こちらには鶏肉が加わる。
直江津の夜にも飲んだ麒麟山に
切り替え、爽快感を楽しむ。

「田舎家」となれば
第一にわっぱめしながら
腹に溜まる炭水化物は
晩酌時に極力避けたい。

食用菊のひたしをお願いする。
山形では ”もってのほか”と
呼ばれるもので
新潟では ”柿の素”と称する。
ほのかな赤紫が目に鮮やか。
今宵は海藻・根菜・花びらと
身体にいいものばっかり。

地元新潟市の樋木酒蔵による
鶴の友に移行した。
何だか腹がくちくなって
料理はこれにて打ち止め。

お運びのオネバさんと
しばし談笑する。
47年ぶりの再訪には
驚きの眼(まなこ)を剥かれた。
「貴女が生まれる前のことだヨ」
「エッ? アハ、そういうことに
 しときましょう、ハハハ!」

今宵もまたスナック。
スナック菓子には
まず手を出さない J.C.が
旅先ではスナックに連夜の出没。
同じ古町の2階、「R」に上がる。

この旅のスナックめぐりで
初めてボックス席に落ち着いた。
相手をしてくれたのは
またしてもフィリピン出身で
なかなかの話し上手だ。

同伴で遅れて来たママも同国人。
新潟はフィリピーナ・パラダイス。
県全体では一体全体、
何人居るのだろうか?
すさまじい数に上るでしょうヨ。

「わっぱ飯 田舎家 古町本店」
 新潟県新潟市中央区古町通9番町1457
 0252-23-1266

2026年11月4日水曜日

第4223話 新潟の カレーはたして そこまでか?

新潟県の県庁所在地に到着。
駅前ホテルのロッカーに
バッグを押し込んだが
荷物預かりロッカーのある
ホテルに投宿するのは初めて。

そうしておいて街に出た。
目指したのはバスセンター。
此処の立ち食いそば屋の
カレーライスが大評判なのだ。

前客8人ほどが列を成す、
「万代そば」の券売機には
ビールが見当たらない。
サクッとカレーを食うだけだから
まあ、いいや。

ミニカレー(500円)があって即買。
でも、黄色いカレーはけっこうな量。
赤い福神漬けもこんなに必要か?
具は玉ねぎと豚バラだが
大きめスライスが5枚もあった。

ちょっぴり辛味が効いて
まずまずの旨さではあるけど
そこまでのデキだろうか?
ただミニとはいえ全体量も
豚肉もタップリでワンコイン。
この点には敬意を表したい。
周りを見渡してもそば・うどんを
食べる客は一人としてナシ。

隣りの隣りにビアバー「SUMER」。
クラフトビールが並ぶなか、
辛うじて黒ラベル生があり、
立て続けに2杯あおった。
押っつけの小さなポテサラ付きで
支払いは1700円とやや高め。

新潟の街を歩き始めよう。
信濃川のほとりを川下へ。
街のシンボルマーク、
万代橋は川っぺりからは渡れず。
南詰へいったん駅側に戻る。
日本最長の信濃川は川幅も広い。

半袖シャツで旅に出たため、
川風が肌に冷たい。
本町市場でカーディガンを買う。
イタリア製だが古着っぽい。
3千円だものネ。

目指すはいにしえの面影残す古町。
途中「加島屋本店」を通りすがる。
当店の一口筋子には世話になった。
鮭やいくらなどの瓶詰は
東京のデパ地下でも買えるけど
此処には見慣れぬ商品がズラリ。
八海山梅酒の梅の実と
純米酒粕を買い求める。

古町にやって来た。
かつて栄えた花街の香りを残す、
鍋茶屋通りを往ったり来たり。
ほぼ半世紀ぶりのホテル、
「イタリア軒」のロビーで一服。
いや、何とも懐かしい。

夜の出陣に備え、
いったんバスで新潟駅に戻る。
チェックインを済ませ、
日記をつけたら束の間、
横になるとしましょうかー。

「名物 万代そば」
 新潟県新潟市中央区万代1-6-1
 バスセンタービル1F
 0252-46-6432

「SUMER 万代」 
 新潟県新潟市中央区万代1-6-1
 バスセンタービル1F
 0252-50-1356

「加島屋本店」
 新潟県新潟市中央区東堀前通8番町1367
 0120-00-5050

2026年11月3日火曜日

第4222話 長岡は 越後美人の 宝庫かな

魚津・直江津・柏崎と
初訪の街をめぐって来た。
新潟県第二の都市、
長岡も恥ずかしながら未踏。
到着時は夕暮れ間近だった。
ほうら、山川豊が歌い出す。

♪  君は変わらない 
  月日が過ぎても
  髪を切ったので
  少し若くなった
  アメリカ橋のたもと
  黄昏れが間近い
  煙草やめたの いつからと
  それとなくきいて
  眼をそらす 眼をそらす
  ガラスのむこう
  遠い 遠い かえらない青春 ♪
   (作詞:山口洋子)

1998年リリースの「アメリカ橋」。
山川豊のナンバーでは
ぶっちぎりのマイベストである。
元銀座ママの詞もさることながら
平尾昌晃のメロディーラインが
心にジ~ンと響く。
浪花の小姑も90年代なら
知っていることだろう。

それはそれとして長岡の街を
さっそく歩き出す。
メインストリートの大手通りを
スズラン通りで右折。
界隈をうろうろして見つけたのが
大衆酒場「焼きとん 丸天」だ。

好物の真コチ薄造りがあり、
ドライ大瓶とともに発注。
すると薄めではあるものの、
ほとんど通常の刺身と変わらず。
若干の不満を残すことになった。

長岡の吉野川と朝日山の冷酒を
1合づつと焼きとんは
カシラを塩、レバーをタレで。
酒は美味いが豚クンたちは
イマイチかな?

それよりも当店の目玉は
一人のお運びさん。
「長岡で一番の飲み屋街は?」
この問いに
「それはですネ」
J.C.の開いた市内地図を眺め、
殿町(とのちょう)を
白魚のような指先で示す。

面立ちも見るからに越後美人。
頬と頬がくっつかんばかりに
寄せてくるので百戦錬磨の 
J.C.もいささかたじろいだ。
とにかく好いコでありました。
長逗留なら一杯誘うんだがな。

殿町までは徒歩10分。
界隈を二めぐりほどして
「S」なる路面店に白羽の矢。
ここもフィリピーナ2人に
ブラジリアン1人だった。
新潟は比国に席巻されている。

いずれも器量よし。
長岡は越後美人の宝庫かもネ?
殊に可愛いママは日本人に
見えるがやはりフィリピン。
おっとっと、越後美人ならぬ、
マニラ美人でありました。

「焼きとん 丸天 長岡店」
 新潟県長岡市城内町2-5-5
 0258-31-5060

2026年11月2日月曜日

第4221話 柏崎 哀しみ本線日本海

柏崎にやって来た。
最近、頻繁にまた酒を
酌み交わすようになったN美。
彼女はNYのラウンジ「U」の
ホステスだったが
「U」のライバル店「E」で
No3だったM紀。
彼女の生まれ故郷が此の地だ。
どうでもいいことですけどネ。

駅前に大手菓子メーカー、
ブルボンの本社ビルがそびえ建つ。
商店街を一気に北上して日本海。
柏崎中央海水浴場の浜辺を歩む。
北陸の海は断崖絶壁ばかりだが
此処だけは平地がずっと続く。
海の中も遠浅に相違ない。

ん? 柏崎の海岸?
突然、或る記憶が蘇った。
1978年、蓮池さんと奥戸さんが
北朝鮮の工作員に拉致されたのは
この海岸じゃないか!

24年後に夫妻となった2人を含め、
計5人の帰国が叶ったけれど、
柏崎・小浜・佐渡と
犯行現場はみな日本海。
海は今も哀しみを
たたえているかのように見える。
森昌子が歌い出したが
不謹慎なので自重しておく。

狙いを定めた「花月食堂」へ。
店先に5人並んでいたが
ホンの数分で入店が叶い、
カウンターに促される。

「瓶ビールありますか?」
「置いてません」
カックン!
こりゃ、早いとこ脱出せねばー。
周りはほとんど焼肉定食か
野菜炒め定食をもりもり。
傷心の J.C.はカレーライスを
半量でお願いし、3分で完食。
付属のかき玉スープも完飲。

駅への道筋を引き返す。
先刻、食堂や中華料理屋を
何軒か目撃したから
そこから択ぼう。

「アスター」なる定食屋のような
町中華のような店に入った。
テーブルはいくつもあるが
3席しかないカウンターの左端へ。
何はさておきビールである。
銘柄はドライ中瓶。
料理を通す前に1本空ける。

ハーフとはいえ、
カレーのあとだからなァ。
ミニカツ丼を選択した。
女将さんが
「ソース掛けてもいいですか?」
「いいですヨ」

丼のライスはけっこうな量。
千キャベが敷かれ、5切れのカツ。
福井もそうだが新潟の名物も
ソースカツ丼なのだ。
正しくはソースではなくタレ。
神保町シアターのそばにも
タレカツ丼専門店があるしネ。

中瓶をお替わりし、
1600円を支払って柏崎駅。
次の目的地は長岡であります。
♪ 旅行は続くよ どこまでも ♪

「花月食堂」
 新潟県柏崎市東本町1-11-14
 0257-22-4844

「アスター」
 新潟県柏崎市駅前2-1-63
 0257-22-3068
(駅前なんて地番があるんだ!)

2026年11月1日日曜日

第4220話 直江津は 鮎正宗と 麒麟山

昨夜降り出した雨が
やむ気配をまったく見せない。
今日は糸魚川で昼めし、
直江津で晩酌の予定だ。

午前中に目的地の糸魚川へ。
到着はしたものの、
雨足は逆に強まっており、
駅舎から出ること能わず。
諦めて次の列車に乗り込んだ。

直江津着は10時過ぎ。
直江津市は高田市と合併し、
現在は上越市に組み込まれている。

朝めし抜きだから腹はペコペコ。
泊まる予定のホテルで訊ねるも
フロント娘が言うには
近隣の飲食店はまだ開店前。
喫茶店すらなく、
モーニングも望めない。
それでも昼の食堂と夜の居酒屋は
彼女好みの店を教えてくれた。

あれっ、駅の脇に立ち食いそばが
営業中じゃないかー。
フロントのコは何考えてんだかー。
「直江津庵」で和風中華そばと
ドライレギュラー2缶の食券購入。
そばだし中華麺は悪くなかった。

街をぶらぶらするうちに11時半。
彼女推奨の「味菜十食堂」へ。
ドライ中瓶に野菜炒め半分と
ちょい唐揚げ(2個)をお願い。
そばを食べたからライスはパス。

野菜炒めにはキャベツ・もやし・
玉ねぎ・ニラに加え、豚バラも。
半量とは思えぬボリュームで
野菜と肉が不足気味だったから
恰好の一皿といえよう。

妙高市の銘酒・鮎正宗を所望。
ワンカップのグラスに
若鮎の群泳が描かれ、
味もさることながら
舌より目を楽しませてくれた。

直江津の街は歩いて楽しい。
殊に安国寺通りが好きだ。
歩道と軒並みの間にもう1本、
アーケードの歩道が設置され、
古く良かりし情緒が漂う。

ショッピングセンター、
エルマールは市民の憩いの場。
J.C.も書店の居心地良き卓で
休憩を兼ねながらヘプバーンの
写真集を読了してしまった。

晩酌は駅近の「まるちゃん」。
旅立つ前に下調べしてある。
カウンターでドライ大瓶。
するとお通しがあんまりだ。
三枚おろしの鯖塩焼きは
カシラ付きの上半身。
1/4尾分がド~ンと来た。

正直云って有難迷惑。
これじゃ食いたい料理より、
少量のものを択ばざるを得ない。
熟慮の末の海胆天ぷらは当たった。

直江津の地酒のつもりが
好きな麒麟山を見つけ、
回避すること能わずに所望。
こちらは阿賀町の産。
よって今日は昼も夜も
直江津の地酒とは無縁となる。

締めはにぎりを3カンのみ。
平目・鯖・どろ海老である。
お勘定は4千円とちょっと。
ずいぶん安上がりだった。

安国寺通り添いにある、
スナック「C.P」のドアを押す。
ママ独りに先客はゼロ。
角ハイのグラスを重ねつつ、
70代のフィリピーナ婆ちゃんと
マイクを競い合いましたとサ。

「直江津庵」
 新潟県上越市東町1-1
 0255-43-1175

「味菜十食堂」
 新潟県上越市西本町1-16-1
 0708-913-9858

「まるちゃん」
 新潟県上越市中央1-1-31
 0255-44-2597

2026年10月31日土曜日

第4219話 魚津では 昼夜魚介に 明け暮れて

毎週土曜の「歓びアーカイブ」を
休んで北陸ひとり旅のつづきです。
明日日曜もいきますとも。
こういうものは一気呵成に
書き上げないと間が抜けてしまう。

富山をあとにして魚津に来た。
日本で一番深い湾は駿河湾。
二番目に深い富山湾を臨むのは
蜃気楼と埋没林が自慢の魚津だ。

実は「生きる歓び」の読者にして
兵庫県・西宮在住ののみとも、
近チャンよりLINEあり。
彼も3泊4日の富山旅行で
同じ日に富山湾の魚津の対岸、
雨晴海岸に来ていたんだそうな。

富山湾の西岸に雨晴海岸。
一方の魚津は東岸で
両者は左右対称の位置関係。
奇遇といえば奇遇だが互いに
惹かれ合ってるのかもネ?

ともかく宿にバッグを預けたら
魚津港の「魚津丸食堂」へ一目散。
漁業組合の直営店は昼のみ営業で
13時半までに入らぬと
食いっぱぐれの憂き目を見る。
これが早仕掛け&大急ぎの理由。

狙いの深海魚たちはほぼ全滅。
ゲンゲだけが辛うじてあった。
その唐揚げとドライ中瓶を通し、
長崎由来のフライド海老サンド、
魚津ハトシを追注する。
どちらもまずまずでだった。

ほどなく閉店時間となり、
埋没林博物館に立ち寄る。
海岸線を散策後、チェックイン。
ベッドに身体を横たえ、
柄にもなく休息の巻である。
今朝が早かったからねェ。

夜は駅前の「海風亭」に赴く。
創業明治41年(1908)。
当店も百歳超えである。
この時、にわかに豪雨襲来。
とてつもない雨足である。

予約で満席のところを
1時間だけの約束で
カウンターに陣取った。
ビールのアテに、ばい貝含め煮。
爪楊枝で貝殻奥の肝を
引き出すのに四苦八苦した。

お造り盛り合わせを発注。
内容は、サクラマス・鯵・
あおりいか・ふくらぎ(若い鰤)・
甘海老・すずき・真蛸・ばい貝。
すべてが良質。

魚津唯一の酒蔵、
その名も魚津酒造の北洋に
切り替えるとフツーに美味いが
どうしても福井の越前岬を
思い起こしてしまう。
ばい貝の肝を追注して
ようやく酒と肴が肩を組み、
シナジー効果が生まれた。

時間がないから
お替わりの北洋を半合にとどめ、
お勘定は5千円とちょっと。
昼にはゲンゲと海老。
夜は6種の刺身とばい貝。
やはり魚津では魚介に明け暮れた。
ホテルまで歩けば5分の距離を
雨の中、全力疾走の J.C.でした。

「海風(かいふう)亭」
 富山県魚津市釈迦堂1-13-5
 0765-22-7303

2026年10月30日金曜日

第4218話 越中・富山も20年ぶり

翌朝は早仕掛け。
9時半には富山駅に着いた。
金沢同様、当地も20年ぶり。
あの時は富山に始まり、
高岡・氷見・金沢とめぐった。

本日の狙いは
「廻転とやま鮨 富山駅前 本館」。
近くに新館を構える繁盛ぶりだ。
”ご当地回転寿司フェスティバル”
というのがあって
2024初代チャンピオンが当店。
東京・銀座にも支店がある。

開店の10時半まで時間があり、
富山城址と松川沿いを散策。
いや、懐かしい。
しばし今は亡きGFの面影を偲ぶ。

10時15分に戻ると待ち客3人。
なあんだ、大したことないじゃん。
ところがギッチョン、
15分の間に20人も来襲した。

単身客は入口近くに通され、
2名以上は奥に案内される。
ビールはドライの中ジョッキのみ。
こういうタイプの鮨屋にありがちな
パネルによる注文スタイルだ。
さっそくにぎりから攻めてゆく。

最初につじのみ。
カサゴやメバルにも似た磯魚は
歯応えのある白身。
続いてかがみ鯛。
愛嬌ある顔を持つ銀色の魚は
これもまた白身。
御徒町の「吉池」には
小柄な魚体の干物があったが
最近はトンとお目に掛からない。

ここで紅ずわい蟹のつまみ。
脚肉・ほぐし身・蟹みその3点。
石川・福井は本ずわいが主流だが
富山だけは紅ずわいの天下。
金沢「八郎すし」の二代目に
そう教わった。

にぎりに戻り、さすそで。
これはメカジキの肩肉。
マカジキならもっと好いが
カジキ類は好きな魚だ。

漬けしょうがに切り昆布を
混ぜ込んだ昆布がりが
オリジナルで好評ながら
別段、取り立てることもない。

以上、生1杯、にぎり4カン、
つまみ1品で金3674円也。
鮨種、コスパともに
上野駅構内の行きつけ店、
「佐渡弁慶」に軍配を挙げたい。
さあ、魚津へ急がねばー。

「廻転とやま鮨 富山駅前店 本館」
 富山県富山市桜町1-4-9
 050-5571-6675