2026年4月8日水曜日

第4039話 肝焼きと ひれ焼き食べて 桜坂 (その2)

この鰻屋はスゴい!
確信に近いものがあった。
通常の吸い物+100円の肝吸いも
しっかりしているし、
何より驚いたのはお新香だ。

きゅうり・大根・奈良漬け。
殊に大根が素晴らしい。
七十余年生きてきて
人生最高の大根にめぐり逢えた。

大きめにカットされ、
塩加減よろしく、歯ざわりが白眉。
多摩川沿いではちょいと遠いため、
再訪は簡単ではないが今度来たら
上新香でビールを堪能したい。

先代のオヤジさんと
娘姉妹の妹が接客担当。
厨房は姉と女将さん。
家族経営でしかも女性が3人。
これほどハイレベルな仕事に
感服してしまう。

会計時、妹さんと談笑。
訊けば、もともとは
中央区・京橋に在ったという。
ん? 京橋?
アッ、そうだ、思い出したゾ!
確かに一度利用したことがある。
帰宅後、調べてみたら
2004年10月のことであった。

うな重こそ1つだけながら
いろいろつまんで
中瓶を5本も飲んで
お勘定は1万1千円也。
高級店に行くのがバカらしくなる。

店から徒歩1分。
桜坂下にやって来た。
遠くの桜並木に向かい、
坂を上ってゆく。
ほうら、福山クンも歌い出す。

♪ 君よずっと幸せに
  風にそっと歌うよ
  愛は今も 愛のままで
  揺れる木漏れ日 薫る桜坂
  悲しみに似た 薄紅色
  君がいた 恋をしていた
  君じゃなきゃダメなのに
  ひとつになれず
  愛と知っていたのに
  春はやってくるのに ♪

彼自身が作詞・作曲を
手掛けた「桜坂」は
2000年4月のリリース。
京橋「川京」のさらに
4年も以前とは!
あらためて驚かされた。

「川京」
 東京都大田区田園調布本町29-4
 03-3721-0561

2026年4月7日火曜日

第4038話 肝焼きと ひれ焼き食べて 桜坂 (その1)

例によっていつものヤツが
福山雅治の桜坂を歩いてみたい、
そう云うもんで腰を上げた。
東急多摩川線で
多摩川駅から一つ目、
沼部駅で待ち合わせる。

30分先乗りして駅周辺を散策。
この町へ来るのは二度目。
8年前にここから
とっとことっとこ歩き、
武蔵新田の居酒屋と
矢口渡の鮨屋で飲んだ記憶あり。

時間通りに現れた、
麦歩ともを引き連れ、
潜った暖簾は鰻屋「川京」。
どこか聞き覚えのある屋号だ。

実は念のため、前日に電話で
席の確保をしておいた。
その際に品切れが懸念される、
肝焼きとひれ焼きを2本づつ、
キープしてもらう。

ドライ中瓶を注ぎ合って乾杯。
突き出しはウドのキンピラ。
なかなかに気が利いているし、
味付けもよろしい。

自家製新らっきょうは甘酢漬け。
新といってもけっこうなサイズだ。
新竹の子の刺身もお願い。
新のお好きな店である。

2本目を通したとき、
肝とひれが焼き上がった。
当店の実力が如実に
表れる出来映えに
二人の笑みがもれる。

本日の相方のセーターは水色。
ビールはもう1種類、
キリン晴れ風の用意がある。
そのラベルと同色なのだ。
キリンでは好きな銘柄につき、
3本目は晴れ風に移行した。

この店なら焼き鳥も
イケるんじゃないかー。
そう思って2本お願い。
相方は塩、当方はタレである。

そうしておいてうな重は
1人前を分け合うことにー。
(松)は4分の3尾付けで
上半身が半尾、
下半身は4分の1尾。

下(しも)好きな J.C.、
有無を言わせず、そいつをゲット。
すると、これが超一級品。
美味しさに一瞬、言葉を失った。

=つづく=

2026年4月6日月曜日

第4037話 2本目の ビールに寄り添う プレゼント

神保町に渥美清を観に行った日。
例によってチケットを買ったら
まずは腹をこしらえる。

小糠雨そぼ降る日だったが
靖国通りを越え、
錦華通りに差し掛かったところで
雨足が急激に強まった。

こいつはかなわん!
シアター方面に逃げ帰る。
飛び込んだのはすぐ近くの
「カレー食堂 たんどーる」。

2年前の1月に訪れて以来で
あのときも映画を観る前。
確か「東京の女」だった。
小津安二郎の初期の作品である。

ビールはキリン一番搾り。
数日前の三河島、
「松栄庵」と同じ銘柄だが
あちらは中瓶、こちらは小瓶。

通したのは房総ポークカレー。
これも前回と同じ。
豚肉の小間切れというか、
薄切りというか、
ソースにたっぷり投入されている。

J.C.は具の多いカレーを
あまり好まぬが
まあ、許容範囲内ではある。

小瓶はすぐに無くなってお替わり。
するとインド人(?)シェフが
小鉢を運んで来てくれた。
当店はカレーでさえ、
キッチンカウンターに
客が出向いて受け取るスタイル。
それがわざわざシェフ本人による、
サーヴと来たもんだ。

「おつまみに食べてネ」
のぞき込むと
ほぐしたチキンのようだ。
合点がいった。
2本目のビールへの気遣いが
これである。

「たんどーる」の店名通り、
タンドゥーリ・チキンのほぐし身。
ニンニクスライスも散見された。
しかも生だった。
インド人が生ニンニクを食べる。
初めて知った事実である。

それにしても
ビールのお替わりに対する心配り。
そば屋の日本人のオバちゃんも
カレー屋のインド人のオッサンも
優しさに国境はないんだネ。
ホッコリ気分でありがたく、
そして美味しくいただきました。

「カレー食堂 たんどーる」
 東京都千代田区神田神保町1-25-5
 03-6811-0623

2026年4月4日土曜日

第4036話 歓びアーカイブ 第12回

中国人は生野菜を食べない。
近頃の状況は知らないが
ひと昔前はそうだった。
その代わり青菜炒めはよく食べる。
本日は J.C.が最も愛する青菜です。

2012年3月5日月曜日

第265話 築地市場をブラブラと (その2)

築地場内の飲食店の栄枯盛衰を
チェックして場外に移動した。
テリー伊藤の実家の玉子焼き屋には
若者たちの群れ。
TVのチカラは大きいなァ。

おでん種はじめ、
練りモノ製品で有名な「築地 佃權」。
その隣りの「田所食品」にて
紅すじ子を買い求めた。
紅すじ子は紅鮭の腹子。
大きめのヤツ2腹で900円は
デパ地下の半値以下だ。

並びの「第二築地製麺所」では
細打ち中華麺を
塩と醤油のスープと購入する。
麺5玉にスープ2袋を所望したら
売り手のオジさん、
「スープは2つでいいの?」ー
その気持ち判るが
「いいの、いいの」ー
軽くいなし、買物の継続だ。

築地一番の人気を誇る、
ラーメン「井上」の店先は
いつものように黒山の人だかり。
化調を感じさせ過ぎる、
スープはどうかと思うが
客たちはシコシコ麺と
タップリ叉焼が目当てかもネ。

「井上」の数軒先、
「豊吉」の店頭で足が止まった。
ここは京野菜など、
稀少な青物がウリの店。
足を止めさせたのはコイツである。
神津島産のとうみょう(豆苗)

夕飯の買物をしない男ならいざ知らず、
家庭の主婦なら豆苗をご存知のハズ。
ここ十数年、スーパーにも
並ぶようになった豆苗は
実を言うと本来の豆苗ではない。

大根の貝割れの如く、
えんどう豆の苗だから
ニセものとは言えないけれど、
真っ当な中国料理店が使う豆苗とは別物。
本来はえんどう豆の苗ではなく
若芽のことを指す。
それが証拠に香港や台湾の料理屋で
日本の豆苗を出したら
クレームがつくだろう。

当然、食味は若芽のほうが
数段よろしく値段もずっと高価。
日本の青果店でホンモノを
見たのはこれが初めてだ。
パッケージから出すとこんな感じ

カメラに収めていると何が気に入ったのか
愛猫プッチがムシャムシャやり始めた。
猫にも草食系はいるんです

豆苗の料理法はいたって簡単。
油でサッと炒めるだけでよい。
味付けは塩コショウでじゅうぶん。
本場に近づけたい向きは
上湯を少々掛け回す。
一般家庭に上湯なんかなかろうから
市販の鳥ガラスープを代用しよう、
できれば無化調が望ましい。

小松菜・法蓮草・青梗菜・空芯菜、
この世に青菜炒めは数あれど、
豆苗を超えるものはナシ。
もしもどこかで遭遇したら
迷わず試していただきたい。
魅了されること保証しましょうゾ。

「豊吉」
 東京都中央区築地 4-8-7
 03-3541-26883

2026年4月3日金曜日

第4035話 リトル・ソウルで また日本そば

リトル・ソウルの三河島。
七五三通りの「大黒屋」で
もりそば&ミニ天丼のセットを
いただいたのは去年の10月。

其処へ舞い戻った。
当然、三河島には焼肉店が多く、
そば屋は非常に少ない。
JR常磐線の反対側、
荒川仲町通りに「松栄庵」を
見つけたのはわりと最近だ。

「松栄庵」といえば
文京区・目白台の日本女子大。
その真裏にあり、
他は埼玉県に散在する。

初回は二月の寒い日だった。
一番搾りの中瓶に
板わさのお通しはサービス。
柿ピーを出す店が多い中、
まことに立派なものです。

かつ丼&たぬきそばセットを
お願いしたものの、
結局は年寄りの冷や水。
セットのそばは少なめながら
完食するのに四苦八苦した。

二度目はつい先日。
そば屋のカレーライス目当てで
カレー&もりセットに挑む。
学習効果あって少なめのそばを
さらに半分でお願いした。
接客のオバちゃんが
怪訝な顔をしてたが通す。

前回同様、そばはなかなか。
近所の常連客が入れ替わり、
立ち替わりの繁盛ぶりだ。
そば屋の黄色いカレーを
想定したが色はずっと濃く、
どちらかというと
一般家庭のママさんカレー。
味は水準に達していた。

ここで中瓶のお替わり。
するとオバちゃん、
「つまんでみて下さ~いっ!」
小皿にきゅうり浅漬け。
こういうのって実にうれしい。
2本も飲んでくれるんなら
何かしなくちゃネ。
そんな気働きの成せる業だろう。

仲町通りを三河島駅に
戻りながら思った。
コリアン・ピープル多かれど、
夜は焼肉、昼は日本そばで
じゅうぶん楽しめる町だとー。

「松栄庵」
 東京都荒川区荒川3-13-5
 03-3807-1456

2026年4月2日木曜日

第4034話 日暮里駅の下と上 (その2)

日暮里と西日暮里をつなぐ道、
にっぽりルートの「太平山」に
蕎歩とも・Mきと二人。
ビールのお通しはめかぶポン酢。
しらすと茗荷が散っていた。

豚肉より玉ねぎのほうが
好きなくらいな J.C.、
玉ねぎ串カツをお願い。
カレー味の冷製フジッリが
たっぷり添えられていた。

相方はウドの酢味噌和え。
驚いたことに立派なイカゲソが
脇に盛られている。
丸みを帯びた姿は
スミイカのソレに相違ない。
さすが海鮮自慢の店だ。

次があるので軽く抑えよう。
それでも大瓶を3本空けた。
相方に生モノを勧めたが
首を横に振られる。
お勘定は五千円弱。

日暮里駅のエスカレーターを
昇って崖の上に到達。
御殿坂を上がって
焼けくそだんだん方面へ。

軽食&喫茶の「あづま家」と
「花家」が2軒並ぶ、
その先につい最近、
「スターバックス」が開店した。

周りの環境に配慮したためか
シックな佇まいながら
3階建ての大箱である。
焼けくそだんだんに
十数メートルの距離。
何もこんな場所に
開かなくともなァ。

驚いたことに麦歩とも・N子、
彼女の娘の旦那の友人が
このスタバを設計したという。
麦歩との関係は深くもないが
偶然といえば偶然だ。

「夕焼け酒場」に到着した。
1週ぶりで今夜も同じママ。
ビールがエビスにつき、
合わせたグラスは
ブラックニッカのハイボール。
突き出しは野菜のコンソメだ。

ところが待てど暮らせど
再会を約したオバちゃんは
現れなかった。
まっ、世の中こんなものかー。
八十路のお年寄りだしねェ。

サングリアに移行して
豚のリエットを乗せた、
バゲットをつまんで
閉店前の22時にはお暇しました。

「太平山酒蔵 日暮里店」
 東京都荒川区西日暮里2-21-7
 03-3801-1919

「夕焼け酒場」
 東京都荒川区西日暮里3-10-15
 電話:やっぱり無かった

2026年4月1日水曜日

第4033話 日暮里駅の下と上 (その1)

ここんとこプッシュして来る、
蕎歩ともと今宵も酌み交わす。
何となれば前週、
焼けくそだんだんの
「夕焼け酒場」に居合わせた、
オバちゃんと再会を
約束したためである。

その前に1軒立ち寄ろう。
日暮里駅の北口改札で落ち合い、
西日暮里へ向かう、
ルートにっぽりを往く。
此処は上野から田端まで続く、
山手線沿いの崖下に当たる。

「太平山酒蔵」は都内に
何軒か残存しており、
四ツ谷しんみち通りに
総本店を名乗る店舗があるが
一度しか利用していない。

最もお世話になったのは
芝大門店で何度も通った。
でも半世紀も前のこと。
ご無沙汰しているうち、
8年ほど前に閉業した模様だ。
あとは人形町店だが
あまり評判よろしくなく
未訪のままにしてある。

さて、日暮里店。
二人訪れるとフロアを仕切る、
大将にカウンターに
着くよう指示された。

「瓶ビールの銘柄は?」
「ウチはサッポロ一本です」
「ハイ、お願いします」
赤星大瓶を注ぎ合った。

経木にビッシリ記された、
品書きが凄まじい。
魚介中心で殊に
貝類の品揃えが豊富である。

串カツ好きの J.C.が
目を留めたのは玉ねぎ串カツ。
ん? 何だコレ?
玉ねぎだけのカツかな?

店主と思しき大将に訊くと
「玉ねぎと豚肉です。
 長ねぎなのか玉ねぎなのか
 訊ねるお客が多いので
 当店では明記してあります」
キッパリ言い放たれた。

=つづく=