2026年2月12日木曜日

第3992話 温そばに おろし生姜とは!

千駄木からバスに乗って浅草へ。
いつも飲むだけの「神谷バー」で
たまにゃ食事を取ろうと目論むが
折悪く休業と来たもんだ。

数軒隣りの並び、
「尾張屋 支店」の敷居を
数年ぶりにまたぐ。
1階は満席、2階に通された。

当店の人気は天ぷらそばと天丼。
海老がデカいからネ。
J.C.はさほど海老天を好まない。
(車海老なら文句ないけど)
むしろ小ぶりな芝海老が好き。
芝に限らず小さめが好きで
乾焼蝦仁(海老チリ)や
シュリンプカクテルを好む。

でも、久しぶりだから
天南ばんをいってみよう。
ドライ中瓶とともに通した。
天ぷらそばだと
2尾付けだが南ばんなら1尾。
値段も安く節約につながる。

運ばれ来たどんぶりは
老舗らしく威風堂々。
海老もさることながら
長ねぎの存在感が際立つ。
そもそも天南ばん、鴨南ばん、
カレー南ばんの南蛮は
ねぎのことを指す。

ささがきの斜め切りではなく、
スパッと縦に真っ二つ、
いわゆる唐竹割りが武士好みだ。
通はこのねぎを南蛮切りとも呼ぶ。

傍らの薬味はさらしねぎに
ん? んん?
何と、おろし生姜と来たもんだ。
確かに温そばとわさびは
相性がよろしくない。

「尾張屋」では常に冷たいそば。
温そばなら当店の常連だった、
永井荷風が好んだかしわ南ばんを
食べたことはあるが
生姜なんざ付いて来なかった。

あれは「尾張屋 本店」のほうで
10年も昔だからなァ。
とにかく素晴らしくはなくとも
そこそこ美味しくいただいた。
生姜もちょっぴり使ってネ。

「尾張屋 支店」
 東京都台東区浅草1-1-3
 03-3841-8780

最近始めた=歓びアーカイブ=。
浪花の小姑・らびちゃんはじめ、
多くの方々のご好評をいただき、
その声に応えたく、
今週から休載日の土曜に
お届けすることにしました。
ご愛読のほどよろしく願います

2026年2月11日水曜日

第3991話 柴又に 続いて芝を 往きました

柴又街道を往った翌々日。
今度は芝を歩く J.C.の姿を
見ることが出来た。
ん? ンなモン、
見たかないぜ! ってか? 
そう仰らずに先をお読み下され。

まずは腹ごしらえ。
芝二丁目界隈で
人気の「サンギュリエ」へ。
ライスの上に骨付き鶏モモが
ドーンと1本乗った、
ムルギカレーが看板商品だ。

ムルギカレーと茄子カレーが
どちらも北里柴三郎1枚。
トッピングと呼ばれ、
両方乗ったのが100円増し。
しかし茄子人気は冴えず、
ほとんどの客がムルギを注文。
J.C.も右へ倣えである。

黒ラベルの生ビールは
チューリップ型グラスに
300ccくらいかな?
1杯700円と少々割高だが
2杯飲みました。

さっそくのサラダは
サニーレタスにりんごが
ちょびっと添えてある。
じゃが芋みたいな色合いは
王林だと思われた。

運ばれ来たカレー皿には
真ん中にライスの山がこんもり。
てっぺんにくだんのチキン。
その周りを囲む山のふもとは
ヒタヒタのカレーソース。
具材が見当たらず、
シャバシャバのスープカレー風。

カレー自体はとても美味しい。
備え付けの辛味ペーストも
きちんと役割を果たしている。
少食派にはライス多過ぎで
代わりにソースはもっとほしい。
デカい鶏モモを食べ切れず、
ライスも5分の1ほど残した。

狭い地域ながら芝二丁目を
グルグル歩き回る。
旧新堀町はのどかな一郭である。
食べもの屋が何軒も建ち並び、
港区では赤坂や六本木、
挙句は麻布十番をもしのぐ、
最も好きなエリアだ。

町中華風本格派「綿徳」。
穴子天ざるの「ざるそば屋」。
酒場兼食堂「浜松屋」。
それぞれに魅力的で定期的に
通うこととなるのでしょう。

「サンギュリエ」
 東京都港区芝2-24-1
 03-3451-9041

2026年2月10日火曜日

第3990話 柴又街道を往きました (その2)

前話のつづき。
わけの判らん店が出張ってきて
図々しくも「とらや」を
名乗ったものだから
松竹と山田洋次監督は
「とらや」から「くるまや」へ
屋号の改名を余儀なくされたのだ。
世の中に悪の種は尽きず、
悪人もまた絶えることがない。

ドライ中瓶2本&だんごセット。
3本付けの1皿には
焼きだんご(みたらし)。
草だんご(あんこ乗せ)。
磯おとめというのは
醤油の素焼きに切り海苔まぶし。

周りを見渡すと
だんごセットの客がほとんどで
二人連ればかりだ。
30分の滞空後、せっかくだから
帝釈天へ向かう。
門前で一礼し、参拝はしない。

相方が柴又駅前で向かい合う、
寅&さくらの銅像が見たいと云う。
連れてったら、ちとシラけ気味。
うん、デキが良くないんだ。
さくらはちっとも似てないし、
寅さんはスゴんだやくざみたい。

目の前の居酒屋「春」を
チラリとのぞいた。
ママが元気に立ち働いている。
あとは娘と初見のオバちゃん。
女ばかりの3人体制である。

立ち寄るべきか、素通りするか、
かなり迷ってハムレットの心境。
「ねえ、どうするの?」
せっつかれ、結局は薬局、
ステップ・インの巻。
当店では渥美清が撮影の合間に
納豆オムレツを食べている。

一番搾り中瓶を注ぎ合い、
本日三度目の乾杯だ。
つまみは目の前の大皿から。
当方がマカロニサラダ。
相方は甘らっきょう。

柴又ハイボールに切り替え、
ママに訊いてみた。
「23年前に3回続けて
 おジャマしたけど
 覚えてないでしょ?」
「それは昔過ぎるわ」

ツレは往時の元カノ・K子。
ママが彼女を気に入って
帰る際に柴又駅のホームまで
見送ってくれたものだ。
オニイちゃんを見送る、
さくらみたいにー。

ちょいと高めの濁り酒、
三戸ドンベリを1杯いただき、
「またおジャマするネ」
「ハイ、もっと短いスパンでネ」
今回は見送りがありませんでした。

「高木屋老舗」
 東京都葛飾区柴又7-7-4
 03-3657-3136

「春」
 東京都葛飾区柴又4-8-14
 03-3657-3518

2026年2月9日月曜日

第3989話 柴又街道を往きました (その1)

本日は麦歩とも・N子と
京成小岩で待ち合わせ。
上野発の電車を日暮里から
乗り込もうとしたそのとき
グイッと右腕をつかまれた。

ん? なんだ、なんだ!
振り向けば乱暴者は 
N子その人だった。
大した偶然ではないけれど
まあ、プチ偶然ではあるわな。

目的地に到着した途端、
石川さゆりが歌い出す。

♪ 上野発の私鉄電車
  降りた時から
  京成小岩は風の中
  家へ帰る人の群れは
  誰も無口で
  改札口を抜けてゆく
  われわれ二人
  コートの襟を立て
  こごえそうな肩を寄せて
  歩いていました
  あゝ柴又街道・冬景色 ♪

去年の暮の級友との忘年会。
京成小岩からJR小岩の南まで
歩いたときに遭遇したのが
「淡路島バーガー」なる店だ。

淡路島特産の玉ねぎを
ふんだんに使ったバーガーと
カレーライスが主力商品で
どうせなら両方食べたい。
でも一人じゃムリ。
そこで相方に肥掛け、もとい、
声掛けしたのであった。

バーガーはプレーン。
カレーには玉ねぎカツ。
うむ、どっちもなかなかだ。
玉ねぎの甘みが味覚を魅了する。
ハイネケンの小瓶を
二人で3本飲っつけた。

あとで調べたら「淡バーガ」は
都内に10軒近くあった。
でも、出逢った店を訪れるのが
筋というものだろう。

柴又街道を北に向かって歩む。
けっこうな数の飲食店を
通り過ぎて帝釈天参道に到達。
迷うひまもあらばこそ、
「高木屋老舗」に入店した。

柴又に来れば寄るの「高木屋」は
寅さん映画の舞台、
「とらや」のモデルになった店だ。
参道中ほどの「とらや」は
真っ赤な偽物だから読者は
くれぐれも騙されないようにネ。

=つづく=

「淡路島バーガー 京成小岩店」
 東京都江戸川区北小岩2-5-6
 03-5876-8651

2026年2月6日金曜日

第3988話 歓びアーカイブ 第3回

今日は =歓びアーカイブ= 第3回。
”生きる歓び” の前身、
"食べる歓び” から
その第1回をお届けします。

第1回 2006年7月3日

= J.C.って何なのサ?=

私に関する質問でイチバン多いのは
「J.C.って何のことですか?」
まずは名刺代わり、
このお訊ねにお応えします。

初めて金融業界に
アシを踏み入れたのは1980年代。
当時、神谷町にあった、
英国のマネーブローカーでした。

最初の3ヶ月間ほどは毎朝、
英国陸軍出身の支店長による
直々のトレーニング。
外国為替取引とはなんぞや、
東京ドルコール市場とはなんぞや、
懐かしく思い出される若き日々です。

休憩時間にスモーカーだった私は
愛飲していたゴロワーズを一服。
ところがこの支店長、
エジプト葉を使う、
フランス煙草の匂いが大嫌い。

いつしか私を典型的な
フランス男子の名称の
ジャン・クロードと呼び始め、
そのニックネームが定着しました。
そのうちイニシャルの J.C.に
縮まったワケなのです。

閑話休題。
「食」の話題をご披露せねば。
前フリが長くなったので
初回は軽く今日の昼メシ。

神保町の中華料理屋で
雲呑麺でもツルツルやろうと思い、
A1出口を出ようとすると、
突然の驟雨に見舞われる。
雨宿りの群集に混じって
しばし思案投げ首だ。

ふと見れば「大衆酒場 一休」が
目の前の半地下にー。
大衆酒場で酒は飲んでも
メシは食わない主義で
メシなら大衆食堂のほうが
信頼感指数が高い。

とは言うものの、
泣く子と降る雨には勝てんもん。
運ばれ来たる焼き魚定食(800円)は
赤魚粕漬け・きんぴら・
きゅうりと大根のぬか漬け・
わかめの味噌汁・ごはん。
ボリュームたっぷりだ。

オマケに希望すれば、
納豆か生玉子がサービスで付く。
朝メシじゃないからサービス品は辞退し、
パクパク食べて
味のほうはともかくも栄養は摂取した。

それにしても客の9割近くはみなお父さん。
学生街なのに学生がおらん。
女性客の姿も見えん。
調理にいそしむ娘さんが
不釣合いに可愛いのが救い。

地上に出ると、カラリ雨も上がって、
まぶしいほどに太陽がいっぱい。
「さぁ、オフィスに戻って原稿書くぞぉ!」
と書き上げたのがコレ。
今後ともヨロシク願います。

と、こんな感じで
第一歩を踏み出したのです。

2026年2月5日木曜日

第3987話 出雲そばと岡山にぎり

2泊3日の旅の最終日。
米子を発ったバスは出雲大社へ。
20年前に来たときは
みんなしてぶっとい注連縄に
賽銭を投げつけ、縄に刺されば
ご利益があると聞いたが
今は誰一人投げていなかった。

昼食は「観光センター いずも」。
云わずと知れた出雲そばである。
申し訳ないが出雲そばを
旨いと思ったことは一度もない。

若き日、ホテルで働いていた頃。
大パーティーには模擬店が並ぶ。
一番人気はにぎり鮨。
二番が天ぷらで出雲は毎度残る。
神田神保町に専門店もあったが
いつしか消えて中華に代わった。

中海(なかうみ)に浮かぶ、
大根島の由志園へ。
通年咲き誇る牡丹と
雲州人参(高麗人参)で名を成す。
ツアー一同、人参茶を振る舞われ、
人参の効能を聞かされた。

お次はデッカい鬼太郎像と
海産物が待つ境港へ。
水槽の活本ずわい蟹で
一番高いのは2万5千円也。

此処で遭遇したのがババア。
いえ、人間の婆さんではなく、
サカナのババアだ。
噂には聞いていたが
実物には初めてお目に掛かった。
奇想天外な容貌をしており、
タナカゲンゲあるいは
キツネダラの異名を持つ。

冷凍の切り身が売られており、
見初めたサカナは必ず買う J.C.、
嬉々として購入に及んだ。
ん? ジジイがババア買って
どうすんだ! ってか?
フン、ほっとけや!

2時間ほど走って岡山着。
旅の終わりの駅や空港へは常に
早め早め、今回も例外ではない。
1時間の余裕があった。

歓び勇んで切歯扼腕。
駅周辺の止まり木探しだ。
蛇の道は蛇、飲む店は呑兵衛。
「飛鳥」なる瀬戸内酒場に入店。

何となれば、店先の看板に
”岡山にぎり” を発見したからだ。
いずれも岡山名物、
ままかり・しゃこ・穴子が
2カンづつ計6カンで1500円。
絵にかいたような J.C.好みに
迷うことなく中瓶と一緒に通す。

そう云や、昨夜も米子で
3種6カン食べたっけ・・・。
中国地方でも歴史は繰り返す。
ところが好事魔多しの諺通り、
揃ってイマイチと来たもんだ。

それでも阿呆巻、もとい、
恵方巻なんぞよりは
ナンボかマシだろう。
生涯一度も食ってないけどネ。

しかし、岡山で飲めたことは
僥倖と云わねばなりません。

「観光センター いずも」
 島根県出雲市大社町杵築東273
 0853-53-3030

「飛鳥」
 岡山県岡山市北区駅元町3-10
 0862-52-4151

2026年2月4日水曜日

第3986話 鯖しゃぶで飲む あんみつ姫

松江城の周りを散策して
バスに乗り込んだ。
今夜の宿泊は米子、鳥取県に戻る。
途中、足立美術館に立ち寄った。
此処は美術品より日本庭園で有名。
雪景色の鳥取砂丘とは対照的に
白と緑の織り成す景色は
目を和ませてくれた。

米子駅前のホテルに投宿後、
すぐさま街に飛び出す。
駅前通りの「ゆらく」へ。
目当ては米子名物・鯖しゃぶだ。

NYリユニオンのメンバーで
米子市出身のフタちゃんに
強く推奨されたのが鯖しゃぶ。
米子市淀江産の銀のさばは
陸上養殖で天然より美味という。

鯖しゃぶの前ににぎり鮨をー。
山陰特産の猛者(もさ)海老。
本まぐろの幼魚・よこわ。
馬頭鯛というのは的鯛のこと。
3種を2カンづつ通した。
いずれも美味しくビールが進む。

鯖しゃぶの用意が調った。
薄造りは17切れあった。
鍋には大量の玉ねぎが浮き沈み。
まずはそのまま刺身で7切れ。
しゃぶは箸先で軽く泳がす。
下関のふくに勝るとも劣らない。

くだんのフタちゃんに
勧められたものがもう一つ。
いなたひめ強力(ごうりき)なる、
純米吟醸酒だ。

稲田本店は米子で1673年創業。
山口県・岩国市の銘酒、
獺祭をツンとすました、
かぐや姫と見立てれば、
稲田姫はおちゃめな味わいが
ありもしてさしずめ、
あんみつ姫といったところかー。
美味い酒である。

銀鯖しゃぶもいなたひめも
佳いものすすめてくれて
フタちゃん、あんがと!

「ゆらく」のマネージャーに
米子の歓楽街を訊ねたら
角盤町周辺との応答。
駅から遠く、15分以上歩いた。

ふ~む、米子の街は
県庁所在地の鳥取より
迫力があって盛り場にも
パワーが噴出している。

スナックを求め、ぶ~らぶら。
品定めは十軒近くに及んだ。
J.C.が長年培ってきた嗅覚は
自分で云うのもなんだが鋭い。

「さんらいず」のドアを引く。
先客はゼロでマニラ出身のママ。
鳥取県はフィリピーナが多い。
客が来ないのをいいことに
デュエットを含め、
二人で十数曲づつ歌った。

滞空は3時間にも及び、
飲んだのはドライ小瓶5本。
クルマを呼んで貰い、
ハグして See You Again !
夜の米子は女子(おなご)まで
なかなかにイケておりました。

「美酒佳肴 ゆらく」
 鳥取県米子市明治町227
 0859-21-2606