2026年9月4日金曜日

第4168話 「道 dao」のお次は「道坂 ときわ」

油っこい「~道~dao」の翌日。
反省しながら考えました。
昼食はやっぱり、アッサリ、
サッパリがよろしかろうとー。
ですよねェ? ですとも!

正午過ぎに現れたのは
動坂下交差点にほど近い、
「動坂 ときわ」である
此処は文京区・本駒込。
自宅から歩いて15分につき、
昼の独り飲みには打ってつけ。

J.C.が日常生活において日頃から
気に掛けているのは体重だけ。
日に2度はヘルスメーターに乗る。
ん? ちょっと太目だな。
そう思ったときは
昼めしをしっかり食べず、
ビール1~2本と清酒1合に
軽いつまみで済ませることが多い。

昼めしは省いても
昼飲みは欠かさない今日この頃。
それにビール太りなんて言葉を
よく聞くがアレは嘘ですな。
少なくとも J.C.に限ってはー。

この日もそうだった。
昨日のヘビー中華には
ちょいとマイッたからネ。
ドライ大瓶と通したのは
ホタテ刺しの小サイズ。
当店の刺身はすべて
ハーフで頼めるのが有難い。

150円だったかな?
焼き海苔を追注し、
磯辺風に巻いたりもした。

最近、気に入りの穴子天ぷらを
やり過ごし、思いあぐねながら
白鶴純米の冷酒に移行して
壁の品書きを見上げる。

味噌汁の品揃えが
イヤというほど多種多彩。
あさり汁、玉ねぎ汁、豚汁、
わかめ汁、玉子汁、にら玉汁。
これが一律280円と来たもんだ。

大特価ではあるけれど
あさりと玉ねぎが同値とは
原価がまったく違うだろうにー。
当店はそういうことに
あまり頓着しないようだ。

味噌汁を注文したことはない。
今日は節食を心がけているし、
緑黄野菜の摂取も考慮して
にら玉汁をお願い。

すると・・・うわっ!
スゴいのが来たぜ!
かつ丼用の丼になみなみとー。
溶き玉子なんか2玉かな?
いや、3玉かも知れん。
にらもタップリとこれでもか!

少食の J.C.だから
普通の昼めしでもこれに半ライス、
そしてつけ新があれば十分。
当店は付け合わせの小新香を
そう呼ぶ習わしだ。
とにかく腕まくりで頑張って
しっかり飲み切りましたとサ。

「動坂 ときわ」
 東京都文京区本駒込4-37-5
 03-3821-7420

2026年9月3日木曜日

第4167話 「道 dao」という名のニュー中華

しばらくぶりに
麦歩とも・N子と昼めし。
谷中は清水町公園に近い、
「道 dao」なる中華料理店だ。
開業後1年余りになろうか?

台東区のコミュニティバス、
めぐりんの道筋に面しており、
たまたま見掛けて認知した。
実は10日ほど前に独り訪れ、
牡蠣の特製油淋ソースかけ
昼めしを食べた。

他の料理も気になって
麦歩ともに肥掛け、もとい、
声掛けした次第なり。
ランチメニューは他に
国産鶏の特製油淋鶏
牡蠣のピリ辛甘酢ソース
麻婆豆腐~道~スタイル
エビのチリソース煮
以上、計5品のみ。

赤星中瓶を注ぎ合い、協議して
麻婆豆腐とエビチリに決定。
最初にわりと丁寧なサラダ、
エノキ&黒ばら海苔スープ、
ザーサイがサーブされた。

当店は町中華や大陸系とは
趣きを異にするモダンさが信条で
おそらくシェフはホテルか
高級店の出身と推察される。

麻婆は花椒のしびれが際立つ。
エビチリは昔、J.C.が籍を置いた、
東京プリンス内の「満楼日園」に
よく似たタイプで、ねぎタップリ。
ともに味自体はなかなかである。

ところがどちらもヤケに油っこい。
皿にギットリと油が溜まっている。
前回の牡蠣はこんなことなかった。
ポケットティッシュを
丸ごと皿の底の片側に敷き、
傾斜をつけて油を片方に寄せる。

此処で思い出したのが
数日前にディナーをともにした、
アパレル業界のT子サン。
築地のブティックの店長を
していたときの仕事帰りに
築地駅前の中華屋で食事中。
向かいに居合わせたオッサンが
小姐に文句を言っている。

「こんなに油っこいの食えねェよ。
 作ってる奴に言っとけよ!」
すると小姐、やおら皿の片方を
持ち上げて傾け、
サァどうぞと云わんばかり。

客は呆気に取られながらも
そこから食べたそうだ。
しばらくして
「もういいよ、持ってけよ!」
小姐、ツンツン。
いや、この話には腹を抱えて
笑っちまいやした。

思い出し笑いをする J.C.に
相方からキツいお言葉。
「わざわざ人を呼びつけといて
 こんなに油っこい料理を
 食べさせないでよねェ。
 少しは考えて欲しいわ!」

油だけにコッテリ油を
搾られたのでした。
やれやれ、ご馳走してやって
文句を言われたんじゃ、
やってられまへん。
男はつらいよ、ジッサイ。
妹・さくらみたいな女がいいな。

「中国菜~道~dao」
 東京都台東区谷中1-1-31
 03-5834-7046

2026年9月2日水曜日

第4166話 西浅草で穴子三昧

今宵は蕎歩とも・Mきと一献。
舞台は互いに便利なエンコの街で
「川井(旧あな太朗)」は
穴子料理と地酒が自慢の店だが
17時に入ったら19時には出てけ!
とのキツいお達し。

そこは温厚な性格の J.C.、
噴き出す不満を抑え、
甘んじて受け入れた。
もっとも2時間ありゃじゅうぶん。
文句などないけどネ。

浅草ビューホテルのロビーで
待ち合わせた。
ふ~ん、水玉模様のワンピースが
可愛いじゃないかー。
馬子にも衣裳とはこのことだ。

開店時間の17時ちょうど。
カウンターに横並んで
ドライ中瓶を注ぎ合い、カチン。
相方の要望を踏まえながら
料理の品定めをしてゆく。

皮切りは何はともあれ穴子刺し。
長崎県・対馬の産である。
一時代前の東京で穴子の刺身は
まず食べることが出来なかった。

韓国あたりじゃ日本に先駆けて
各所で食べられたがネ。
殊に釜山の海岸沿いは
穴子刺しの宝庫。
これも対馬海域での漁獲だろう。

身肉の弾力がコリッコリ。
煮てよし、揚げてよし、
焼いてよし、生でさらによし。
穴子は実に美味しいサカナだ。
J.C.的には鰻を凌駕する。

魚沼の深雪なすと
青森のさくちゃんトマトが
いずれもみずみずしく、
口中に涼風をそよがせた。

ここで三重の銘酒、
而今の冷たいのに切り替える。
甘口ながら奥行きのある酒は
 ”じこん” と音ずる。

子持ち鮎有馬煮のアタマを
ガブリとやった。
骨が硬くて咀嚼するも
ノドを通すことが出来ない。
仕方なくティッシュに包み、
空いた皿の片隅に置く。

お次の穴子肝煮が白眉。
アッサリ煮上がり、滋味いっぱい。
夏野菜の冷やし鉢も好かった。
深雪に加え、枝豆、かぼちゃ、
さつま芋、新生姜が鉢に
ひんやりと盛り込まれていた。

麦焼酎発祥の地、
壱岐の放下著ロックに移行。
これは ”ほうげじゃく”と読む。
穴子と無花果の揚げ出し、
奄美大島産猪の金山寺味噌煮と
快調に食べ進んだ。

そして締めのにぎりは
大阪の金太郎いわし、千葉のコチ、
再び対馬の煮穴子。
地図上の隣り同士、
壱岐の焼酎と対馬の穴子が
仲良く目の前に並んだ。
はるか750年もの以前、
元寇に蹂躙された悲劇の島々です。

「浅草 川井(旧あな太朗)」
 東京都台東区西浅草2-26-1
 03-5828-3132

2026年9月1日火曜日

第4165話 銀座の片隅 BDディナー (その2)

銀座のはずれの「ビストロ シンバ」。
赤ワインがちっとも開いてくれない。
開いてもこの程度なのかな?
モレ・サン・ドニは
もっと香るハズだけどなァ。

長良川の鮎リゾットが調った。
カワウが一度呑み下した鮎だろう。
アタマまでカリッと揚げられ、
枝豆とゴーヤも散見され、
スダチの爽やかさが引き締める。
尾頭もきれいに平らげた。

続いては当店の名代、
ブイヤベースである。
この料理に必須のサフランを
使わないのが特徴の逸品は
スープ・ド・ポワソンで仕上げる。

皿に並んだ魚介は車海老に
サカナが真鯛・平目・ヒラスズキ。
ハハハ、これじゃ真っ平ヒラだヨ。
でも、煮込まれずに
炙られたサカナたちがイマイチ。
それをカバーするスープは
素晴らしく存分に飲み干した。

モレを何杯かお替わりしたが
相変わらず閉じたまま。
自閉症じゃあるまいし。
他の何かに切り替えようと
思ったほどだ。

BDディナーの締めくくりは
ブレス産鳩である。
フランス南部のブレスは
ジビエの宝庫として名高く、
淡水魚の漁獲量も多い。
いわゆる美食の都なのだ。

さすがでしたネ。
雉やほろほろ鳥の肉は色白だが
鳩や鴨は赤身で赤ワインと好相性。
ガルニテュールのじゃが芋が
とてつもなく甘い。
雪の下で一冬越したおかげである。

ピーマンのような
獅子唐のような緑の野菜が辛い。
ハハ~ンと思い、
ギャルソンに訊ねた。
「神楽南蛮です」
「やっぱりネ、ウチの冷蔵庫にも
 眠ってるんだヨ」
「エッ、ホントですか?」
新潟の友人からのいただき物だ。

ブレス鳩はさすがだったが
惜しむらくは今夜のモレが
完全に力負けしている。
とかくこの世はままならぬ。

われわれはデセールを好まない。
カフェも飲まずに
お勘定は金27400円也。
思ったより安く上がった。
でも、グラスにちょびっと
注がれたワインが1杯2千円は
いかがなものでありましょうや?
満足も中くらいなり真夏日の夜
でありました。

気を取り直しての飲み直しは
ホテルのラウンジにでも
昇ってみましょうかー。

「ビストロ シンバ」
 東京都中央区銀座1-27-8
 03-6264-4218

2026年8月31日月曜日

第4164話 銀座の片隅 BDディナー (その1)

今年も8月がやって来た。
8月の恒例行事に
バースデイ・ディナーがある。
J.C.よりは若いが
今もアパレル業界で
辣腕をふるうT子サン。
彼女の生まれ月が8月なのだ。

ここ数年の舞台は
浅草の「弁天山美家古寿司」に
固定されていたが協議の結果、
今夏はフレンチで行こうとなった。

待ち合わせたのは
メトロ銀座線・京橋駅改札。
向かったのは京橋公園を臨む、
「ビストロ シンバ」。
銀座一丁目の東端に位置し、
都心環状線の向こうは新富町。
銀座のはずれの片隅である。

黒ラベルの生を2杯。
「片方泡少なめだと嬉しいな」
「ハイ、ボクも少なめが好きです」
ギャルソン(男性給仕)は
ナイス・ガイだった。

択んだ料理はかくの如し。
山形産馬肉のタルタルw/丸茄子
長良川・天然鮎のリゾット
シンバ特製ブイヤベース
フランス・ブレス産鳩のロースト

最初にアミューズが運ばれる。
1片の生真鯵を大葉でくるみ、
口元に運ぶ。
鯵は良質ながら料理人が
奇をてらった感あり。

ワインに移行する。
当店にリストは無い。
くだんのギャルソンによる、
説明というか・・・、
彼と相談しながら決めてゆく。

カベ・ソーは苦手だから
ピノ・ノワールを指定すると
モレ・サン・ドニ '18 の提示。
オディフレなる造り手には
初めてお目に掛かった。

ん? グラスに注がれる絶対量が
少な過ぎじゃないかい?
取り合えず、カチン。
いえ、カチンと来たのではなく、
合わせたグラスの音です。
香り、舌ざわりともに
イマイチだった。

けっこうな量の馬肉タルタルは
実山椒のパンチが効いている。
なぜか、殻付きハマグリが1個。
セルヴーズ(女性給仕)に
この意味を質すと
馬肉はハマグリ出汁とのこと。

何だって馬に貝出汁なんだ?
まっ、不味くはないが
さほど効果を発揮してもいない。
それでも山形ホースの赤身は
なかなかの食味であった。

=つづく=

2026年8月29日土曜日

第4163話 歓びアーカイブ 第35回

11年前に何度か通った、
巣鴨駅そばのワインバー。
もっぱらランチでの利用だったが
当時は仕事をかかえており、
ビールを控えたのでした。

2015年12月23日水曜日

第1257話 グッと巣鴨がイカすなア (その2)

JR巣鴨駅から
徒歩2分の「プチ・ポワ」。
注文したコンフィが来る前に
野菜たっぷりの熱いスープが運ばれた。
暖冬とはいえ、この時期にありがたい。
スープはサラダとの二択だが
いつもスープを択ぶ。

サイドにはバゲットが
2片添えられている。
空腹だったこともあり、
スープとともに食べ終えた。
お替わり可能ですしネ。

いつものことながら
スープとメインの間隔が空く。
この時間が少々手持無沙汰で
時間の制約がある、
OLやサラリーマンには
使い勝手がよくない。
したがって、いつ訪れても
混雑していることがない。

鶏もものコンフィがようやく整った。
プックリ感が食欲をそそる
骨に沿ってナイフを入れ、
大き目の切り身をパクリ。
ウ、ウマい!
本格的なビストロの水準に達している。
バゲットをもう1片所望した。

食後のコーヒー・紅茶は
めったに取らないので
食べ終えたらすぐにお勘定。
次回は海南鶏飯を食べよう。

翌々日、再び「プチ・ポワ」に参上。
もちろん目当ては
ハイナネーズ・チキンライスだ。
注文の際、浮気心につまづいて
よほど本日のカレー、
ポーク・ヴィンダルーと思ったが
結局は薬局、初心貫徹の巻。

本場・シンガポールのそれとは
多少ルックスが異なるものの、
日本女性のデリカシーが皿に表れている。
香菜(パクチー)も添えられて
チリとダークソースは不在なれど、
しっかり楽しめるワンプレートだった。

フレンチ・ワインバーだから
ビストロ系の料理が主体でも
東南アジアやインドの風そよぐ
「プチ・ポワ」は
読者、殊に女性には自信を持って
オススメできる佳店であります。

=つづく=

「プチ・ポワ」
 東京都豊島区巣鴨1-1-16
 03-3944-8508

=本日追記=
店名の「プチ・ポワ」は
グリーンピースのこと。
現在はランチをやめて
夜の営業のみです。

2026年8月28日金曜日

第4162話 もりを手繰りに「まつや」再訪

翌週、「まつや」に舞い戻った。
池波正太郎翁は
「酒を飲まぬくらいなら
 蕎麦屋には入らぬ!」
とまで言い切ったが
入ればちゃあんと
そばを手繰っている。

先週の J.C.は酒を飲んだが
そばは食べなかった。
これでは翁の
「これ J.C.、そちもなかなかの
 阿呆よのぉ!」
そんな誹(そし)りが
耳元に届いて来そうだ。
くわばら、くわばら。

でもって今日は
いただきますとも。
よって再訪と相成った次第なり。

開店前の10時50分に到着すると
すでに8人待ち。
猛暑日になることは確定的。
あたる陽射しが半端ではない。
待ってるだけで一汗かいた。

そのせいもあって
ドライ大瓶に精一杯、
ノドを鳴らされた。
J.C.にとって世の中に
これ以上美味いものは皆無。
この瞬間のために日々、
生き抜いていると言っても
過言ではない。

瞬く間に2本目突入。
この時点でお通しのそば味噌は
まだ手付かずのまま。
2本目は残されたそば味噌と
今日もまた葉わさびで愉しむ。

続いて菊正常温と
やきとりを塩でお願い。
もも肉6片に白ねぎ4片。
脇には粗塩、練辛子、
レモンスライス、パセリ。
美味いねェ、嬉しいなァ。

菊正は1合にとどめ、
すみやかにもりを通した。
100円だか150円だかの
有料生本わさびもちゃんと
お願いしてネ。

しなやかなそばに
甘みを内包したつゆ。
かなりの人気を誇るそばゆえに
美味くないわけがない。
かといって特段に
舌を唸らせるのでもない。

最後に当店謹製のゆず七味を振り、
満足して湯桶のそば湯を注ぐ。
お勘定は津田梅子女史1枚で
小銭のおつりを頂戴した。

淡路町からメトロ丸の内線に乗る。
東京ビルTOKIAの地下に潜伏して
飲み直しと参りましょう。
どうして来る日も来る日も
こんなに飲むんでしょう。
肝硬変には気を付けないとネ。

「神田まつや 本店」
 東京都千代田区神田須田町1-13
 03-3251-1556