柏崎にやって来た。
最近、頻繁にまた酒を
酌み交わすようになったN美。
彼女はNYのラウンジ「U」の
ホステスだったが
「U」のライバル店「E」で
No3だったM紀。
彼女の生まれ故郷が此の地だ。
どうでもいいことですけどネ。
駅前に大手菓子メーカー、
ブルボンの本社ビルがそびえ建つ。
商店街を一気に北上して日本海。
柏崎中央海水浴場の浜辺を歩む。
北陸の海は断崖絶壁ばかりだが
此処だけは平地がずっと続く。
海の中も遠浅に相違ない。
ん? 柏崎の海岸?
突然、或る記憶が蘇った。
1978年、蓮池さんと奥戸さんが
北朝鮮の工作員に拉致されたのは
この海岸じゃないか!
24年後に夫妻となった2人を含め、
計5人の帰国が叶ったけれど、
柏崎・小浜・佐渡と
犯行現場はみな日本海。
海は今も哀しみを
たたえているかのように見える。
森昌子が歌い出したが
不謹慎なので自重しておく。
狙いを定めた「花月食堂」へ。
店先に5人並んでいたが
ホンの数分で入店が叶い、
カウンターに促される。
「瓶ビールありますか?」
「置いてません」
カックン!
こりゃ、早いとこ脱出せねばー。
周りはほとんど焼肉定食か
野菜炒め定食をもりもり。
傷心の J.C.はカレーライスを
半量でお願いし、3分で完食。
付属のかき玉スープも完飲。
駅への道筋を引き返す。
先刻、食堂や中華料理屋を
何軒か目撃したから
そこから択ぼう。
「アスター」なる定食屋のような
町中華のような店に入った。
テーブルはいくつもあるが
3席しかないカウンターの左端へ。
何はさておきビールである。
銘柄はドライ中瓶。
料理を通す前に1本空ける。
ハーフとはいえ、
カレーのあとだからなァ。
ミニカツ丼を選択した。
女将さんが
「ソース掛けてもいいですか?」
「いいですヨ」
丼のライスはけっこうな量。
千キャベが敷かれ、5切れのカツ。
福井もそうだが新潟の名物も
ソースカツ丼なのだ。
正しくはソースではなくタレ。
神保町シアターのそばにも
タレカツ丼専門店があるしネ。
中瓶をお替わりし、
1600円を支払って柏崎駅。
次の目的地は長岡であります。
♪ 旅行は続くよ どこまでも ♪
「花月食堂」
新潟県柏崎市東本町1-11-14
0257-22-4844
「アスター」
新潟県柏崎市駅前2-1-63
0257-22-3068
(駅前なんて地番があるんだ!)
昨夜降り出した雨が
やむ気配をまったく見せない。
今日は糸魚川で昼めし、
直江津で晩酌の予定だ。
午前中に目的地の糸魚川へ。
到着はしたものの、
雨足は逆に強まっており、
駅舎から出ること能わず。
諦めて次の列車に乗り込んだ。
直江津着は10時過ぎ。
直江津市は高田市と合併し、
現在は上越市に組み込まれている。
朝めし抜きだから腹はペコペコ。
泊まる予定のホテルで訊ねるも
フロント娘が言うには
近隣の飲食店はまだ開店前。
喫茶店すらなく、
モーニングも望めない。
それでも昼の食堂と夜の居酒屋は
彼女好みの店を教えてくれた。
あれっ、駅の脇に立ち食いそばが
営業中じゃないかー。
フロントのコは何考えてんだかー。
「直江津庵」で和風中華そばと
ドライレギュラー2缶の食券購入。
そばだし中華麺は悪くなかった。
街をぶらぶらするうちに11時半。
彼女推奨の「味菜十食堂」へ。
ドライ中瓶に野菜炒め半分と
ちょい唐揚げ(2個)をお願い。
そばを食べたからライスはパス。
野菜炒めにはキャベツ・もやし・
玉ねぎ・ニラに加え、豚バラも。
半量とは思えぬボリュームで
野菜と肉が不足気味だったから
恰好の一皿といえよう。
妙高市の銘酒・鮎正宗を所望。
ワンカップのグラスに
若鮎の群泳が描かれ、
味もさることながら
舌より目を楽しませてくれた。
直江津の街は歩いて楽しい。
殊に安国寺通りが好きだ。
歩道と軒並みの間にもう1本、
アーケードの歩道が設置され、
古く良かりし情緒が漂う。
ショッピングセンター、
エルマールは市民の憩いの場。
J.C.も書店の居心地良き卓で
休憩を兼ねながらヘプバーンの
写真集を読了してしまった。
晩酌は駅近の「まるちゃん」。
旅立つ前に下調べしてある。
カウンターでドライ大瓶。
するとお通しがあんまりだ。
三枚おろしの鯖塩焼きは
カシラ付きの上半身。
1/4尾分がド~ンと来た。
正直云って有難迷惑。
これじゃ食いたい料理より、
少量のものを択ばざるを得ない。
熟慮の末の海胆天ぷらは当たった。
直江津の地酒のつもりが
好きな麒麟山を見つけ、
回避すること能わずに所望。
こちらは阿賀町の産。
よって今日は昼も夜も
直江津の地酒とは無縁となる。
締めはにぎりを3カンのみ。
平目・鯖・どろ海老である。
お勘定は4千円とちょっと。
ずいぶん安上がりだった。
安国寺通り添いにある、
スナック「C.P」のドアを押す。
ママ独りに先客はゼロ。
角ハイのグラスを重ねつつ、
70代のフィリピーナ婆ちゃんと
マイクを競い合いましたとサ。
「直江津庵」
新潟県上越市東町1-1
0255-43-1175
「味菜十食堂」
新潟県上越市西本町1-16-1
0708-913-9858
「まるちゃん」
新潟県上越市中央1-1-31
0255-44-2597
毎週土曜の「歓びアーカイブ」を
休んで北陸ひとり旅のつづきです。
明日日曜もいきますとも。
こういうものは一気呵成に
書き上げないと間が抜けてしまう。
富山をあとにして魚津に来た。
日本で一番深い湾は駿河湾。
二番目に深い富山湾を臨むのは
蜃気楼と埋没林が自慢の魚津だ。
実は「生きる歓び」の読者にして
兵庫県・西宮在住ののみとも、
近チャンよりLINEあり。
彼も3泊4日の富山旅行で
同じ日に富山湾の魚津の対岸、
雨晴海岸に来ていたんだそうな。
富山湾の西岸に雨晴海岸。
一方の魚津は東岸で
両者は左右対称の位置関係。
奇遇といえば奇遇だが互いに
惹かれ合ってるのかもネ?
ともかく宿にバッグを預けたら
魚津港の「魚津丸食堂」へ一目散。
漁業組合の直営店は昼のみ営業で
13時半までに入らぬと
食いっぱぐれの憂き目を見る。
これが早仕掛け&大急ぎの理由。
狙いの深海魚たちはほぼ全滅。
ゲンゲだけが辛うじてあった。
その唐揚げとドライ中瓶を通し、
長崎由来のフライド海老サンド、
魚津ハトシを追注する。
どちらもまずまずでだった。
ほどなく閉店時間となり、
埋没林博物館に立ち寄る。
海岸線を散策後、チェックイン。
ベッドに身体を横たえ、
柄にもなく休息の巻である。
今朝が早かったからねェ。
夜は駅前の「海風亭」に赴く。
創業明治41年(1908)。
当店も百歳超えである。
この時、にわかに豪雨襲来。
とてつもない雨足である。
予約で満席のところを
1時間だけの約束で
カウンターに陣取った。
ビールのアテに、ばい貝含め煮。
爪楊枝で貝殻奥の肝を
引き出すのに四苦八苦した。
お造り盛り合わせを発注。
内容は、サクラマス・鯵・
あおりいか・ふくらぎ(若い鰤)・
甘海老・すずき・真蛸・ばい貝。
すべてが良質。
魚津唯一の酒蔵、
その名も魚津酒造の北洋に
切り替えるとフツーに美味いが
どうしても福井の越前岬を
思い起こしてしまう。
ばい貝の肝を追注して
ようやく酒と肴が肩を組み、
シナジー効果が生まれた。
時間がないから
お替わりの北洋を半合にとどめ、
お勘定は5千円とちょっと。
昼にはゲンゲと海老。
夜は6種の刺身とばい貝。
やはり魚津では魚介に明け暮れた。
ホテルまで歩けば5分の距離を
雨の中、全力疾走の J.C.でした。
「海風(かいふう)亭」
富山県魚津市釈迦堂1-13-5
0765-22-7303
翌朝は早仕掛け。
9時半には富山駅に着いた。
金沢同様、当地も20年ぶり。
あの時は富山に始まり、
高岡・氷見・金沢とめぐった。
本日の狙いは
「廻転とやま鮨 富山駅前 本館」。
近くに新館を構える繁盛ぶりだ。
”ご当地回転寿司フェスティバル”
というのがあって
2024初代チャンピオンが当店。
東京・銀座にも支店がある。
開店の10時半まで時間があり、
富山城址と松川沿いを散策。
いや、懐かしい。
しばし今は亡きGFの面影を偲ぶ。
10時15分に戻ると待ち客3人。
なあんだ、大したことないじゃん。
ところがギッチョン、
15分の間に20人も来襲した。
単身客は入口近くに通され、
2名以上は奥に案内される。
ビールはドライの中ジョッキのみ。
こういうタイプの鮨屋にありがちな
パネルによる注文スタイルだ。
さっそくにぎりから攻めてゆく。
最初につじのみ。
カサゴやメバルにも似た磯魚は
歯応えのある白身。
続いてかがみ鯛。
愛嬌ある顔を持つ銀色の魚は
これもまた白身。
御徒町の「吉池」には
小柄な魚体の干物があったが
最近はトンとお目に掛からない。
ここで紅ずわい蟹のつまみ。
脚肉・ほぐし身・蟹みその3点。
石川・福井は本ずわいが主流だが
富山だけは紅ずわいの天下。
金沢「八郎すし」の二代目に
そう教わった。
にぎりに戻り、さすそで。
これはメカジキの肩肉。
マカジキならもっと好いが
カジキ類は好きな魚だ。
漬けしょうがに切り昆布を
混ぜ込んだ昆布がりが
オリジナルで好評ながら
別段、取り立てることもない。
以上、生1杯、にぎり4カン、
つまみ1品で金3674円也。
鮨種、コスパともに
上野駅構内の行きつけ店、
「佐渡弁慶」に軍配を挙げたい。
さあ、魚津へ急がねばー。
「廻転とやま鮨 富山駅前店 本館」
富山県富山市桜町1-4-9
050-5571-6675
福井の街に夜の帳が下りた。
休憩のおかげでスタミナ十分の
ノクターナル・アニマルが
活動を開始する時間となった。
昼に断念の憂き目を見た、
「ヨーロッパ軒」を再訪。
ありゃりゃ、夜も行列だ。
でも3人じゃさほど待たない。
ところが J.C.が入店したとき、
いつの間にやら背後に十数名。
トンデモない人気店だ。
2階に通される。
テーブル席と座敷があり、
キャパはかなり大きい。
サッポロ黒ラベルの大瓶に
枝豆が付いて来た。
当店は大正2年、早稲田鶴巻町に
誕生したが関東大震災で被災し、
創業者は福井に帰郷。
大正13年、当地に再建された。
今では福井県内に
20軒近く展開されている。
昼同様に夜も齢百歳の老舗。
ハンバーグ・ビフテキ・
ポークチャップなど並ぶ中、
客のほとんどがソースカツ丼。
レディースセットもあり、
カツ1、エビ1、ごはん小盛り、
サラダ、みそ汁付きで1400円。
お子様や男性もどうぞとあって
渡りに舟と乗船に及ぶ。
でもなァ、不味くはないけど
そんなに旨いものとも思えない。
そば屋の玉子でとじたかつ丼に
軍配を挙げざるを得ない。
福井のみなさん、ごめんなすって。
隣りに若いカップル着卓。
男はカツ3枚のレギュラー丼。
娘がオムライスを通した。
チラリ覗くと玉子が綺麗に
まとめられ、ルックス良し。
真っ当な洋食店で
あることは確認できた。
大瓶1本にとどめ、夜の街に出る。
今宵は昨夜の「E」の目と鼻の先、
スナック「H」のドアを引く。
路面店だけに店内はゆったり。
女性スタッフが3人も待機する。
そして珍しいことに
ホワイトドッグが1匹。
柴犬と何かの雑種で
コイツが人懐っこく可愛い。
犬まで接客を担うスナックに
生まれて初めて入りました。
「ヨーロッパ軒 総本店」
福井県福井市順化1-7-4
0776-21-4681
旅先の夜はスナックに
寄ること多々あり。
今夜もそうだった。
片町の片隅にこんな店があった。
福井で最初のカラオケ
音響一級品
飲み放題・食べ放題2000円
1品税込み500円
安心価格もさることながら
”福井で最初”に惹かれ、
3Fの「E」に上がってみると
店主独りにバーレディも独り。
中ジョッキ4杯とハイボール1杯。
1時間で2曲歌い、
女性に2杯おごって3千円の支払い。
そこそこ楽しいひとときを過ごした。
翌日の昼も再び片町へ歩く。
福井名物・ソースカツ丼発祥の店、
「ヨーロッパ軒」には20人ほどの列。
此処は夜に再訪するとして
夜行く予定だった老舗中華料理店、
「ピリケン本店」に振り替える。
足羽(あすわ)川のほとり、
九十九橋のたもとに
立派な構えの建物があった。
創業は大正10年(1921)。
すでに百年を超えている。
何でもエビチリ&エビマヨを
2皿取り合わせた、
紅白海老合戦が名物とのこと。
足羽川を臨む2階の窓辺で
ドライ中瓶を飲みつつ開く、
品揃え豊富なメニューに
お食べ得感あふれる、
組み合わせランチあり。
麺・飯・一品から
一つづつ択んで1100円と破格。
紹介してみましょう。
■麺
ピリケンラーメン・四川ラーメン・
五目ラーメン・あんかけ焼きそば
■飯
中華飯・ホイコーロー飯・天津飯・
炒飯
■一品
トンポーロ(東坡肉)・エビチリ・
焼売・春巻・餃子
タイトルロールのピリケン、
天津飯、トンポーロを選択すると
いずれも水準が高い。
殊にトンポーロなど、これだけで
1100円の価値を見出すことが
出来るほどである。
中瓶2本にちょいと気張って
陳年紹興酒 貴酒十年を
1グラスいただく。
これが1200円だった。
1階のレジ横にピリケン像が鎮座。
説明書きの”ピリケンの由来”に
1908年、アメリカの女流美術家の
不思議な夢により誕生したとあり、
像の足の裏をなでながら願い事を
唱えると良い事が起こるそうだ。
J.C.には足裏に触れる習慣がなく、
見合わせておいたがネ。
九十九橋を渡り返して市内の散策。
柴田勝家由来の柴田神社、
福井城址、養浩館庭園を廻った。
=つづく=
「つくも橋 ピリケン本店」
福井県福井市つくも1-5-28
0776-36-3536
夕闇迫る福井駅に降り立つ。
初めての福井市である。
この4月に和歌山県を訪問し、
5月には徳島県を訪れた。
これで日本全国47都道府県を
全てクリアしたのだったが
都道府県庁所在地のほうは
青森市と福井市が残っていた。
本来は此度の福井で
全国制覇達成のハズだったけど
9月半ばにホテルが
まったく取れず、断念した青森市。
47番目の県庁所在地は
来夏に持ち越しとなった。
それはそれとして駅に
隣接する宿にチェックインし、
夜の街に打って出る。
あらかじめ目星を付けて
おいたのは居酒屋「錦輝」。
これを「にしき」と読み下す。
カウンターに着きドライ中瓶。
真っ先に通したのは
これも目星を付けていた、
福井の珍味五種盛り合わせだ。
越前汐うに(バフンウニ塩漬け)
鯖のへしこ(鯖の糠漬け)
ふくのこ(ふぐ卵巣の粕漬け)
花らっきょう(三年熟成小粒逸品)
つまみたら(干しだら) 1600円
少食なくせにあれやこれやと
手を出したいスケベ人間に
これ以上のつまみはない。
中瓶なんぞすぐカラとなり、
越前岬の冷酒を所望した。
ほうら小林旭が歌い出す。
♪ 哭くな荒磯(ありそ)の海燕
夕陽が落ちる
ひびけ男の嘆き唄 越前岬に
いまさら呼んでも 還る女か
泣くため生まれて来たような
おまえのふるさとにゃ
似合いすぎる 暗い海だ 日本海だ…
雪子…雪子
何故に この世を捨てた ♪
(作詞:吉田旺)
「越前挽歌」はNY時代に
クルマを飛ばしながらさんざ聴いた。
カセット収録の次の曲、
細川たかしの「おんな岬」と
J.C.の頭ん中ではペアを組んでいる。
さて、福井の地酒・越前岬だが
なぜか日本海と反対の永平寺町、
田辺酒造の手によるもの。
品書きに"抜群の後キレのよさ" 。
いや、驚きました。
その通りである。
のど越しスッキリどころか
瞬時に消えてなくなる印象。
こんな酒は生まれて初めて。
日本酒党はぜひ試して欲しい。
九頭竜川の天然鮎、
その白子と卵の塩辛、
うるかを追注に及ぶ。
稀少な珍味はなかなかである。
ここで福井市・安本酒造の
白岳仙に切り替えた。
ほどよい酸味が特徴ながら
何せ越前岬のアトなので
どうしても印象が薄れてしまう。
〆サバの炙りで文字通り〆て
お勘定は6千5百円。
好い店だった。
この旅、最初の夜。
ここで寄宿する J.C.ではない。
市内随一の繁華街、
片町へ足を向けたのでした。
=つづく=
「錦輝(にしき)」
福井県福井市大手3-14-6
0776-28-2829