2026年6月25日木曜日

第4106話 浅草に Tempura From New York (その1)

西浅草をぶらぶらしていて
たまたま見つけた「天ぷら 福岡」。
店舗の顔ともいえる、
ファサード看板に
” 天ぷら 福岡 From New York "
とあった。
一体、どういうこと?
その日は昼食後だったため、
翌週、舞い戻った。

ドライ中瓶を飲みつつ、
眺めた Lunch Menu はかくの如し。

海老天丼                  1500円
海老のかき揚げ天丼 1900円
穴子天丼      2200円
デラックス天丼   2700円
天ぷら定食     2100円

穴子好きは迷わずである。
カリッとではなく、
シットリ揚がって
これもまた好し。
脇を固める野菜は
蓮根・茄子・獅子唐・さつま芋。

そして特筆すべきは
きゅうり&大根新香と
千本の人参&大根味噌椀。
いずれも手抜かりが無い。
これは佳店の証明である。
切盛りはご夫婦だろうかー。

2900円を支払いながら訊ねた。
「From New York の意味って?」
「主人が New York の
 『レストラン日本』出身でして」
「あゝ、何度もおジャマしました」
「エッ、あちらに居らしたんで?」
「長いこと棲んでました」

そこから盛り上がり、長い立ち話。
「ぜひ、またいらして下さい」
「今度はお好みでいただきます」
「ウチはお昼だけなんですが
 よろしくお願いします」

インバウンドであふれ返る浅草は
天ぷらはじめ、鮨、鰻、和牛と、
彼らを見込んだ店舗が目立つ。
吾妻橋の西詰には
「Tempura Asakusa SAKURA」
なんていう店もある。

翌週、ウラを返した。
麦酒で一息ついて
前回、気に染まった浅漬けを。
「鰻屋さんの上新香みたいに
 お鉢でいただけますか?」
女将さんニッコリ微笑み、
「ハイ、かしこまりました」
そうしておいて
高い位置に掲げられた、
天種の木札を見上げる。

=つづく=

2026年6月24日水曜日

第4105話 深川で ちとチグハグな はしご酒 (その2)

森下の「ふかがわ翁」。
牡蠣オイルと鯛わたで
菊姫を飲っているが
日本酒ではノドの渇きを
癒すことができない。

サントリー・オールフリーを
しぶしぶ発注した。
ビール好きがノンアルを
飲まなきゃならぬせつなさよ!

鹿児島の芋焼酎・悪魔の抱擁に
切り替えた。
焼酎らしからぬラベルが印象的。
悪魔と美女が描かれ、仏語で
”L'etreinte du diable” と来て
恐れ入りやした。

花わさびの三杯酢を追注。
わさびの辛味と砂糖の甘味が
意外とマッチする。
わさびは主要な根茎以外に
花も葉も大好きだ。

締めはイチジクの天ぷらと
九条ねぎの冷かけをー。
丸ごと揚げたイチジクが
4つにカットされ、
刻まれた九条ねぎが
これでもかと盛られている。
細打ちそばも甘さ控えめのつゆも
「翁」の存在感を主張している。

目の前のバイトと思しき娘さんは
そば味噌造りに忙しい。
一生懸命、しゃもじに
味噌を塗りたくっている。
会計は7800円だった。

森下駅に戻る道すがら
「翁」と同じ並びにある、
「魚三酒場」を通りすがった。
これは素通り出来ないな。
だけど締めのそばまで
食っちゃってるし・・・。
う~ん、ガマンできない、
入っっちゃえ! われながら
やることがチグハグである。

入ってびっくり。
あの人気店がスカスカだ。
森下の町にいったい何が
起こっているんだろう?

とにかくドライの大瓶に
ありついて渇いたノドを潤す。
腹一杯につき、つまみは少量。
赤貝3枚、甘海老3尾でしのぐ。

壁のポスターに目を奪われた。
黄桜 京とくり
これは濁り酒である。
せっかくだから
いただきましょう。
味わっていると
目の前に接客のオバちゃん。

「にごり酒、甘いでしょ?」
「うん、たまにゃ、
 こういうのもいいモンだヨ」
「アタシにゃ甘すぎちゃって・・」
「デザート代わりみたいなもんサ」
「あっ、そうかァ!
 そう思えばいいのよねェ」
勘定は2千円とちょっと。

気取ったそば屋より、
気の置けない酒場が
性に合う J.C.なのでした。

「ふかがわ翁」
 東京都江東区常盤2-12-12
 03-6659-2294

「魚三酒場 常盤店」
 東京都江東区常盤2-10-7
  03-3631-3717

2026年6月23日火曜日

第4104話 深川で ちとチグハグな はしご酒 (その1)

先日、昼めしどきに来て
降りたシャッターが気になった
森下のメイン・ストリート。
高橋夜店通り(のらくロード)に
この日は夕暮れに訪れた。

う~ん、やはりシャッターを
閉ざす店が目につく。
この町も不況に
見舞われているのだろうか?
界隈は下町・深川の北限である。

小名木川に架かる高橋(たかばし)
北詰の「ふかがわ翁」に来た。
東京には上野と神楽坂に「翁庵」。
浅草には「翁そば」と
屋号に ”翁” を冠する店が点在。

当店は著名な高橋邦弘氏率いる、
翁達磨グループの流れを
汲むそうだ。
屋号の似る「しながわ翁」と
同系列ということかー。

翁の歴史は古い。
平安時代から続いている。
”今は昔、竹取の翁と
 いうものありけり”
おっと、これは日本最古の物語。
「竹取の翁」でありました。

開店時間の17時半ちょうどに
到着したが営業する気配がない。
同時に独りの女性も来店。
当方を尻目に引き戸を引いたが
すぐに閉めた。
「開いてないんですかネ?」
「まだ誰もいません」
「エエ~ッ!」

ちょいと間をおいて
今度は J.C.が様子見。
奥に男性の姿が見えた。
「今日は店開けるんですか?」
「今、開けます、開けます」

二人、同時に入店し、
席を一つ空けて横並び。
数えたらカウンター9席の
小体な店である。

品書きを見て愕然。
麦酒が苦手なプレモルしかない。
いや、マイッたな。
パスしてハナから日本酒で行く。
石川県・白山市の銘酒、
”菊姫 先ず一杯”を所望。

つまみに自家製牡蠣オイル漬けを
見つけて店主に訊ねた。
「今の時季に牡蠣がありますか?」
「ええ、通年やってます」
3個お願いし、好物の鯛わた塩辛も。

ビールを飲まずに
いきなりの清酒は何年ぶりだろう?
コレだからこだわる店は
困っちゃうんだ。

ここでリンダが歌い出したが
口うるさい浪花の小姑が
何か言い出すに決まってる。
うっちゃって先に進みましょう。

=つづく=

2026年6月22日月曜日

第4103話 朝鮮焼きをあきらめて

本日は練馬区・平和台に遠征。
相棒は久々の麦歩とも・N子。
メトロ有楽町線・平和台駅で
落ち合ったら環八沿いを
板橋区方面に歩くこと3分。
「グリルおおくぼ」に到着した。

「今、片付けますから
 外でお待ちください!」
環八に面しているので
クルマがビュンビュン。
5分待って席にありつけた。
即刻、ドライ中瓶を発注する。

あらかじめ下調べ済みの
朝鮮焼きに決めていたが
念のため、確認に及ぶ。
似たようなのが下記3品。

やき肉定食     770円
朝鮮焼き肉定食 1040円
生姜焼き定食  1230円

値付けの意味がよく判らない。
やき肉と生姜焼きの価格差は
何を根拠としているのだろう?

お運びのオネエさんに
豚肉の厚みを訊ねると
朝鮮焼きは厚めとのこと。
結局は薬局、朝鮮焼きをあきらめ、
一番薄いやき肉に決定。

洋食がズラリ並ぶメニューから
N子が択んだのは
おこのみ定食(1560円)
+あじフライ(265円)
おこのみの内容は
海老フライ・一口カツ・
クリームコロッケだった。
ずいぶん食うな、と思ったが
まっ、分け合うんだけどネ。

それぞれの定食に
大根浅漬け&胡瓜しば漬けと
豆腐味噌汁が付き、
ライスはともに半分でお願い。
でも、けっこう食べ出があった。

ビールは珍しく1本づつのみ。
2軒目はナシの約束だったから
自ずと散歩も短距離だ。
環八を北西に歩き、
旧川越街道を左折する。

超レトロな北町アーケードと
北町楽天地をぶらぶらしたあと、
東武東上線に乗って池袋へ。
其処からは JR山手線外回り。
相方は西日暮里、当方は日暮里。

すんなり別れたけど、
一時期のダラダラ飲みが
嘘のような今日この頃。
どうやら倦怠期が訪れたようです。

「グリルおおくぼ」
 東京都練馬区平和台4-21-7
 03-3934-5313

2026年6月20日土曜日

第4102話 歓びアーカイブ 第24回

朝食時のライムスカッシュは
一時期、欠かせなかった。
ライムの安売りに目がくらみ、
爆買いしたときのハナシです。

2016年1月22日金曜日

第1279話 ライムを爆買い (その2)

帰宅後、袋から解放したライムは20個。
安値に刺激され、
ハズミがついて爆買いしたものの、
さすがにちょいと当惑気味である。

取りあえず半量の10個を
スクイーザーでキッチリ搾った。
果汁は小さなペットボトルに
移して冷蔵庫にキープする。

ついでだからわが家の
冷蔵庫の中身を発表しちゃおうか。
常備する飲食物を
重要な順にランク付けしてみよう。
ベストテン・イン・マイ・フリッジだ。

① ビール  ② 生わさび  
③ 炭酸水  ④ ロックアイス
⑤ 柑橘果汁  ⑥ バター  
⑦ 玉子  ⑧ 食パン
⑨ ロースハム  ⑩ 牛乳

といった感じでありまっしょう。
炭酸水に違和感を
覚えた向きがおられようが
ここ10年ずっと愛飲している。
そのまま水変わりに
飲むこともあるがほとんどの場合、
酎ハイやその他アルコール飲料を
割るために使う。

二日酔いのときに
飲みたくなるソフトドリンク。
例えばオランジーナや
三ツ矢サイダーさえも、
甘みを抑えるため、
炭酸で半々に割るのだ。

ハムはサンドイッチかハムエッグ用。
あとはポテトサラダや
マカロニサラダに
入れたり入れなかったり。

牛乳はミルクティー専用、
そのまま飲むことはまずない。
生まれて間もなく
母猫から引き離されたせいか
愛猫・プッチも牛のミルクにゃ
まったく興味を示さない。
ハッキリ言って猫またぎに等しい。

当夜は冷蔵庫の中に
夏みかんの果汁がたっぷりあったが
ライムを搾ってモヒートを作った。
季節はずれのモヒートだが
ホワイトラムとスペアミントを
ちゃあんと使った本格派。
しかもバーテンダーが
J.C.本人とあっては
銀座のオーセンティック・バーに
勝るとも劣らない。
と、悪乗りして自画自賛の巻。

氷だってコンビニで
買ってきたロックイス。
これが冷蔵庫の製氷器で
作ったアイスじゃまったくダメ。
妙な匂いが入り混じって
味わうに耐えないモノと化す。

今現在もこれを書きながら
カンパリソーダを飲っている。
カンパリソーダには通常、
スライスレモンを浮かべる、
スタイルがポピュラーだろう。
ところが違うんだな。
スライスライムの香りが
よりシンクロナイズする。

カンパリを2杯やっつけ、
お次はボンベイ・サファイアで
ジンソーダといきたい。
もちろんライムの果汁少々に
スライスも添えましてネ。 

=本日追記=
最近、こういう飲みものは
めっきり飲まなくなりました。
血糖値が上がるため、
ソフトドリンクとも
おさらばしました。

2026年6月19日金曜日

第4101話 夜の裏路地 三河島

スマホに不具合が生じ、
ドコモ西日暮里店へ。
結局、買い替える羽目に陥った。
やれやれ。

縁起直しに一杯飲りたい。
まっ、毎晩飲むんだけどネ。
西日暮里には食指ならぬ、
飲指の動く店があまりない。

かといって日暮里は
ホームグラウンドにつき、
ちと食傷気味である。
そうだ、ときどき出掛ける、
リトル京城・三河島に行こう。

8年前に読者の K野サンと一度、
訪れた居酒屋「春駒」にしよう。
その後、閉店したが線路際に
移転して営業を始めている。

ネットで調べたらそれは駅前店。
街を貫く尾竹橋通りの裏筋に
未踏の本店があった。
2店の家系は同じで本店が本家。
駅前は店主の弟が開いたという。

今年で開業60周年の本店へ。
以前の駅前店に比べると
ずいぶんコンパクトだ。
20席ほどしかない。
先客一人が佇むカウンターへ。

サッポロ赤星大瓶を所望。
居酒屋らしからぬ前菜が出た。
枝豆、小さな冷奴に
鴨ロースが1枚。
かに酢を通すと
細いずわいの脚4本に
たっぷりのシャキシャキわかめ。

水なす浅漬けを追加し、
サントリー知多ハイに移行する。
高価なウイスキーが
意外と安い値付けだった。

カウンターの独り客が入れ替わり、
結局は J.C.と二人体制。
ふと思って振り向いたら
卓はみな埋まっていた。

何かしっかりしたモノを
一品いっておこう。
「ミックスフライ下さい」
「フライ盛合わせね?」
女将さんに云い直された。

スタッフは男3人が厨房。
女性独りが接客で全員外国産。
顔つきと言葉の調子から
ミャンマーと見て
間違いなさそうだ。

盛合わせの中身は
海老1本、キス1枚、
ベイビー帆立2個、
串かつ1本だったが
豚肉と長ねぎの串かつが
一番好かった。

飲み足りないので
普段は滅多に飲まない、
黒ビールの小瓶をお願い。
これが日常、
敬遠しまくっている、
エビスと来たもんだ。

ラベルのど真ん中で
エビス顔の恵比寿さまが
鯛を抱えておりましたとサ。

「春駒 本店」
 東京都荒川区荒川3-60-5
 03-3801-1468

2026年6月18日木曜日

第4100話 坂道ばっかり 白金高輪

久々の広尾商店街を
往ったり来たり。
何度か利用したイタリアン、
「イル・ブッテロ」は消えていた。

外苑西通りを南下する。
バスが行き交う北里通りを越え、
プラチナ通りの坂を上る。
かつてシロガネーゼが
一世を風靡した場所だ。

白金を正しく読むと ”しろかね”。
”しろがね” 派が多いのは
シロガネーゼなる言葉が
広く人口に膾炙したせいだろう。

目黒通りにぶつかった。
此処が外苑西通りの終点。
左折して日吉坂上から
今度は右折で桑原坂。
すぐ左手に八芳園が控えている。

桜田通りの交差点には
明治学院大学がおっとりとした
表情を見せている。
横切って直進。
二本榎通りを渡り、
高輪消防署と高輪警察の間、
桂坂を下って往く。

中腹には可愛らしい洞坂があり、
深紅の舗装の滑り止めが特徴。
車両が入れないため、
滑り止めは歩行者用だろう。

上り下りした洞坂を回れ右。
再び上り下りして戻る。
ぶつかった第一京浜を北上。
伊皿子坂下の泉岳寺を
眺めながら四十七士の墓には
参らず駅の階段を降りた。
これにて散歩はおしまい。

都営浅草線を3つ先の新橋下車。
何のために? ってか?
ハハハ、もちのろん、
ガス欠解消のためですわい。

ニュー新橋ビルの地下に潜るも
これといった飲み屋に当たらず、
烏森通りの先の「ちから」なる、
居酒屋に入店した。

1杯308円の黒ラベルに
惹かれたためである。
肉味噌キャベツのお通しの
418円は必要経費だ。

何かつまみを1品頼まなきゃ。
一番軽そうな梅水晶を発注する。
んん? 何だかヘンなモンが
出て来たたゾ。

本来、梅水晶は鮫軟骨の梅肉和え。
何だこりゃ? 鮫じゃないぜ。
何と、鳥の薬研軟骨じゃないか!
鮫が大量に水揚げされる、
宮城県・気仙沼発祥の梅水晶だが
鳥のヤゲンとは考えやがったな。

キャベツも水晶も
ちょっぴり付けた箸を
そのまま置いて出て来た。
生はちゃんと3杯飲んだけどネ。

「炭火焼 ちから 新橋店」
 東京都港区新橋3-21-3
 03-6368-3414