2026年5月13日水曜日

第4069話 千駄木に キラリと光る 名酒場

のみともにしてポン友の B千チャン。
腰を痛めてしばらく打牌はお休み中。
リハビリを兼ねて酌交と相成った。
待ち合わせたのは
メトロ千駄木駅近くの「にしきや」。

千駄木は住み良い街ながら
酒場には恵まれない。
そんな中でキラリ精彩を放つのが
この「にしきや」である。

開店の17時半に予約を入れたら
直後は混み合って料理の支度が
遅れがちになるため、
「あらかじめお決まりのモノが
 ありましたら・・・?」
女将に問われて平目薄造りと
鰹たたきをお願いしておいた。

ビールが苦手の B千チャンが
つき合ってくれて乾杯。
すぐに相方は宮城県・大崎市の
一ノ蔵にチェンジ。
当方はドライをもう1本飲んで
山形県・庄内町の鯉川にスイッチ。
今宵は東北ダービーである。

そうしておいてつまみの追加は
牛もつ塩煮込みと
じゃが芋細切り炒め。
「にしきや」は何といっても
海鮮がイチ推しながら
焼き鳥・焼きとん・煮込みも
レベルが高く、柔軟双方に
長けているのが魅力だ。

炒めたじゃが芋も佳品。
火の通しが浅いため、
ホクホクとは真逆、
シャキシャキ感が快適。
中華では時々見掛けるが
和食店にはあまりない調理法だ。

酒盃のピッチも上がってきた。
そろそろ締めと参ろう。
J.C.のおすすめはソーズ焼きそば。
ごくフツーの味わいにつき、
自宅で自分で炒めるのと
さほど変わらないが
他人に作って貰うとより美味しい。

相方にも満足していただき、
二人分のお勘定は
渋沢栄一1枚でオツリが来た。

二次会は意外な展開にー。
歌を歌わぬ B千チャンが
カラオケスタジオと言い出した。
どういう風の吹き回しか
狐につままれたまま、
行きつけの「グランプリ」へ。

こちらはビール、あちらは角ハイ。
こちらは2曲歌ったが
あちらはひたすら聴いてるだけ。
どこが面白いのか
皆目判らんままに滞空1時間で
お開きとなりました。

「にしきや」
 東京都文京区千駄木3-34-7
 03-3828-0935

「グランプリ」
 東京都台東区谷中3-13-10
 03-3821-6376

2026年5月12日火曜日

第4068話 墓参のあとの「松戸ビール」

GW恒例のお墓参り。
岡澤家の墓があるのは
千葉県・松戸市にありながら
都営の八柱霊園だ。

都内では考えられないほど
のどかな環境に恵まれ、
市民の憩いの場になっている。
ピクニックはもとより、
広場にはテントまで張られ、
こうなるともうキャンプだネ。

毎年、墓参のあとは
上本郷の中華「大八北珍」だが
今年は趣向を変えてみた。
京成松戸線で松戸に移動する。

去年の3月31日までは
新京成と呼ばれた路線は
京成による吸収合併以後、
京成松戸線にその名を変えた。

駅東口の「松戸ビール」に一目散。
2時間近くも墓前を清めたため、
ノドはカラカラ。
完全なガス欠状態である。
金魚なら水面に出て来て
お口パクパクであろうヨ。

当店はクラフトビール専門店。
でもクラフト嫌いの J.C.には
猫に小判、豚に真珠、
河馬にエメラルドもいいとこ。
ただ、逃げ道が1本だけあって
サッポロ黒ラベルの用意あり。
九死に一生とはこのことだ。

中ジョッキを立て続けに2杯。
3杯目を通したところで
ようやく料理の発注に及んだ。
目当ての会津産馬刺しは品切れ。
いぶりがっこ&クリームチーズ、
山菜のフリット盛合わせ、
トロタク&ガリサバをお願いした。

ピンクペッパーをあしらった、
いぶりチーズがとても好い。
山菜は、ふきのとう・こごみ・
たらの芽の陣容だが
たらの芽が成長し過ぎて
たらの親になっている。
韓国のり付きのトロ&サバは
まあ、こんなものでしょう。

4杯目とともに締めのパスタ。
手打ち風のリングイニは
仔羊の白ラグー仕立て。
白と謳っていても
実際はトマトを使わぬ透明色。
これが意想外のヒットで
麺もラグーも出色の出来映え。

空に太陽がある限り、あいや、
店に黒ラベルがある限り、
来年もおジャマしようかな?
そんな気配濃厚であります。

「松戸ビール」
(Matsudo Beer Tap Room)
 千葉県松戸市松戸1151
 047-711-7218

2026年5月11日月曜日

第4067話 オジサンと また逢う ”幸”せ ”楽”しけり

3月20日の第4023話。
「バッタリ出逢った 珍魚オジサン」で
紹介したオジサンにまた出逢った。
場所は北千住の行きつけ「幸楽」。
この屋号は「渡鬼」だと町中華だが
こちらは街一番の繁盛ぶりを見せる、
大衆酒場である。

もつ焼き(焼きとん)がウリながら
もう一つの看板商品は刺身類。
殊に白身に注力しており、
常に2~3種類揃えている。

上野・浅草と並び、
北千住も J.C.がよく出没する街。
この日も銀行帰りに立ち寄ると
おすすめボードにオジサン発見。
この再会を見過ごす J.C.ではない。
即注に及んだ。

ドライ大瓶を飲りながら
待つこと5分少々。
ほんのりピンクの身肉が美しい。
髭面の容姿が名前の由来だが
刺身におろしてしまえば、
オジョウサンと呼びたくなる。

うむ、けっこうですな。
また逢う ”幸” せを噛みしめ、
思う存分 "楽" しんだ。
さすが「幸楽」である。
日本酒が欲しくなり、
大好きな山形は鶴岡の銘酒、
十水大山を所望する。

するとベトナム人のお運びが
徳利に半分だけ持って来た。
ん? 値段が上がったのかな?
瞬時に飲み干し、
同じ山形は高畠町の米鶴を追注。
するとまた徳利に半分だ。

「えっ、米鶴も値上がりした?」
「いいえ、あの・・その・・」
割って入るようにオニジさん登場。
初めて見る顔は店主かもしれない。
「両方ともこれで品切れでして
 あの、サービスしときますから」
「エエ~ッ、そうなの?
 それじゃ悪いから
 あとで九平次を頼むネ」
だけど、両方とも残り半合なんて
そんなことあるんかいな?

おすすめボードに
北海縞海老も居るじゃないかー。
北の海に生息する海老には
甘海老、ボタン海老などあり、
トロッとした食感が持ち味。

北海縞海老によく似た、
北海海老もあったりして
いろいろ調べてみたが
頭の中がこんがらかるばかり。
未だにはっきり判明しないし、
現地の人も把握し切れて
ないんじゃないかな?

とにかく J.C.は
茹でて食べるソレより
生食されるモノが好き。
赤地に白の縞模様も鮮やかに
甘やボタンより食味が良い。
とにかく名古屋の醸し人九平次で
美味しくいただいた。

オジサンとシマエビのおかげで
本日の北千住は
素敵な街となったのでした。

「幸楽」
 東京都足立区千住2-62
 03-3882-6456

2026年5月9日土曜日

第4066話 歓びアーカイブ 第17回

本日の =歓びアーカイブ= は
珍しくミャンマー料理です。

2015年3月19日木曜日

第1058話 なんとなくエスニック (その4)

千石の「TAWARA」で
スペシャル・ダンパウを待っている。
前話で紹介したおすすめメニューのうち、
最高値のディッシュだ。
それにしても「TAWARA」なる店名、
ミャンマー語だろうか?
なんとなく日本語の ”俵” を
連想させるものがある。
あとで調べたら、やはり「俵」であった。

ビールの中瓶が少なくなってきた頃、
待望のダンパウがやって来た。
サイドに3点セットを従えている。
チキン・ビリヤニそっくり

長粒米はその一粒ひとつぶが存在感を示し、
われこそはインディカ米なるゾ、
そう訴えているかの如し。

インドのビリヤニ、インドネシアのナシゴレン、
シンガポールの海南鶏飯、
インディカ米を使った米料理は
J.C.の大好物である。
こちらが3点セット

野菜スープに干し海老風味のチリ、
それにキャベツのサラダ。
キャベツにはナンプラーが
振りかかっている。
ミャンマーではこの魚醤を
ンガンピャーイェーという。
まったくもって
ミャンマー語の難解さにはお手上げ。

ともあれ、ライスを一匙口元に運ぶ。
ウ~ン、想像した通りの味と食感。
日本の誇るコシヒカリや
ひとめぼれとは別の美味しさだ。

ここで突然、ハナシは40年前に飛ぶ。
1975年当時、J.C.は二人の仲間ともども
ロンドンで小さな食堂兼雀荘を営んでいた。
日本人の学生やビジネスマン相手の
細々としたミニクラブだったが
将棋好きの英国人や麻雀好きの中国人が
出入りしたりもしていた。

そんな中の一人に
インドネシア人のイワンがいた。
イワンと聞けば
トルストイの「イワンの馬鹿」が第一感。
ロシアの男子名を連想させる。
しかるに彼はインドネシア人であった。

ウマが合ったというか、J.C.にとっては
最初で最後のインドネシア人の友人だ。
そう、そう、連れ立って
ピカデリー・サーカスだったかな?
いや、レスター・スクエアかもしれない。
とにかく一緒に
高倉健とロバート・ミッチャムの
「ザ・ヤクザ」を観に行ったっけ・・・。
ラストの健さんには奴さん、
異常に興奮してたネ。

そのイワンにわがクラブの炒飯を
振舞ったことがあったが
ほんの一匙、二匙で投げ出された。
ライスがスティッキー(ねばねば)で
とても食べられたもんじゃないんだと。
その一件を思い出させた、
スペシャル・ダンパウであった。

ディッシュの主役ともいえる、
チキンに手をつける。
スプーン&フォークを入れると
ホロホロに崩れた。

フレンチのロティでもなく、
アメリカ的なフライドチキンでもなく、
ましてや和風の照り焼きでもない。
ブイヨンで煮たのだろうが
これはこれでそこそこ
美味しくいただきましたとサ。

=おしまい=

「TAWARA(俵) RESTAURANT」
 東京都文京区本駒込6-5-1
 03-6902-1080

2026年5月8日金曜日

第4065話 米原は 何も無い町 寂れ町

6泊7日の旅も今日が最終日。
ところが朝から雨がしとしと。
昨夏の九州旅行以来、
旅は10回を数えるが
雨にたたられたのは初めてだ。

ホテルの傘を借り、
長浜城下の琵琶湖畔へ。
雨に煙って西岸は見えない。
岸辺にまたもやオオバンの群れ。
数えたら30羽も泳いでいた。
西日本でこの鳥は留鳥なの鴨?
もとい、かも?

1時間に1本しかない列車で
交通の要衝、米原に移動する。
狙いの鮨屋に予約を入れたら
混雑のため1時間待ちとの応答。
何だか説明もしどろもどろ。
ええい面倒だ、行っちまえ!
まさか、追い返されはしまい。

ところが・・追い返されました。
店を出ると入れ違いに
40人の団体様到着。
こりゃ仕方なかんべサ。

雨の日の町歩きほど
鬱陶しいものはない。
しかも食い物屋がまったく無い。
あるのは東横イン1軒のみ。
大きな駅弁屋のビルがあり、
弁当でガマンと立ち寄ったら
潰れたのか管理物件の貼り紙。

その隣りのスーパーにて
長浜名物・焼き鯖そうめんと
昨夜飲んで気に入った七本鎗、
石田三成なる銘柄を2本購入。

寂れ果てて何も無い町。
長居は無用とばかりに新幹線。
これがほぼ満席と来たもんだ。
隣りに妙齢のご婦人に座られ、
匂いの出る焼き鯖ははばかられる。
結局は薬局、車内では
”鎗” 1本のお世話になっただけ。

帰宅後、残った ”鎗" に
小魚佃煮と焼き鯖そうめんで
食べ損ねた遅い昼めし。
そこへ蕎歩とも・Mきより電話あり。

「お帰りなさいっ! 何してんの?」
「焼き鯖そうめん食ってんだヨ」
「エエ~ッ? 焼き鯖そうめん?」
「何だ! 知ってんのか?」
「だって今朝、NHKの『あさイチ』で
 紹介してたよぉ!」
「ふ~ん、そりゃまた偶然だな」

でもネ、長浜市民にゃ申し訳ないけど、
焼き鯖そうめんは口に合わなかった。
その代わり、イサザとゴリと
本モロコの佃煮はサイのコー!
”鎗” にもピタリと寄り添った。

大津の「大津屋」、長浜の「成駒家」。
おかげで琵琶湖の湖魚の美味に
遅ればせながら目覚めた次第です。

2026年5月7日木曜日

第4064話 琵琶湖の湖魚に舌鼓

滋賀県・長浜は初めての訪れ。
米原以北は長い連結の列車が
切り離されたりもして
かなり不便になる。

夕暮れ迫る長浜の町を散策。
琵琶湖特産のビワマスを
出す料理屋に目星をつけたが
生憎、今日も明日も臨時休業だ。

店の物色を兼ねながら
町を往ったり来たりと云うより、
右往左往に近いかも知れない。
市内を流れる米川(よねかわ)に
オオバンの群泳を見た。

落ち着いたのは宿からも
駅からも近い「成駒家」。
ちょっと見、立派な料亭風だ。
ドライ中瓶を飲りながら
品書きに目を移す。

ややっ! 居た、居た、
おった、おりました!
ビワマスのあらいが
両の眼(まなこ)に飛び込む。
恋人がわが胸に帰った心境だ。

そしてコレが超の付く美味。
冷水に身を引き締められ、
見た目もすこぶる美しい。
サクラマスの美味しさは
知り尽くしているが
似たもの同士のビワは
サクラに勝るとも劣らない。

琵琶湖北端、木之本の銘酒、
七本鎗に切り替えて
小鮎の佃煮、えび豆、
フナの子付き(真子まぶし)と
珠玉の湖魚を味わい尽くす。

壁に大きく琵琶湖八珍を
写したポスターが1枚。
ビワマス・ニゴロブナ・小アユ・
本モロコ・ハス・ゴリ・イサザ・
スジエビ、これぞ八珍。

ビワマスのにぎりと
焼き鯖そうめんに心惹かれたが
わが胃袋は根性ナシ。
断念してお勘定は金五千円也。

夕刻見つけておいた、
スナック「A」へ直行の巻。
長浜駅に隣接するビル、
長浜えきまちテラスの2階で
K子ママとH弓ちゃんのツーオペ。

オープン直後の19時から
閉店の23時まで客が来ないのを
いいことにセブンイレブン、
4時間も居座っちまった。

ドライ、VSOPハイ、角ハイを
3人でいろいろ飲りながら
歌った、唄いまくった。
交代で1人20曲だから計60曲。
各自1曲だけ紹介しておこう。

K子ー「恋のバカンス」
H弓ー「東京だョおっ母さん」
   (セリフ入り)
J.C.ー「冬子という女」

揃いも揃って古いわ。
二人のおかげと云うんじゃないが
湖畔の街、長浜の印象はとても好い。
H弓とはメルともにも
なったことだしネ。

「成駒家」
 滋賀県長浜市南呉服町5-25
 074-962-3031

2026年5月6日水曜日

第4063話 大津の街をぐ~るぐる

大阪をあとにして
京都を素通りし、
やって来たのは
滋賀県の県庁所在地。
琵琶湖畔の大津である。

6年前に散策したがそのときは
酒も飲まず、飯も食わず、
近江八幡へ移動したのだった。
此度は此処で昼めしの予定。
さっそく歩き始めた。

駅前商店街で出逢ったのは
「大津屋」なる湖魚専門店。
鮮魚を扱うのではなく、
店頭に小魚たちの佃煮が満載。
スゴいなァ、あとで買って帰ろう。

東から順に丸屋町・菱屋町・長等と
3つの商店街が1本につながる、
アーケードの総称はナカマチ商店街。
そこで見つけたのが
コーヒールーム「尊(たかし)」だ。

コーヒーを飲まない J.C.が
惹かれたのにはワケがある。
近江牛と近江米のカレーライス
近江の国に来ていながら
どうして看過出来よう。
ビールが無いのには目をつむり、
発注に及んだ。

ライスにざばっとカレーが掛かり、
見た目は素人くさいが味は好い。
近江牛の赤身が5片散在していた。
食後にコーヒーが付いて
800円の格安価格にも最敬礼である。

ビール抜きの昼めしは
何年ぶりだろう。
ちょいと記憶に無い。
麻雀のプレイ中など
昼めし抜きはしょっちゅうだが
ビヤレス・ランチは
特筆に値するほどの椿事なのだ。

比叡山を遠望しつつ、湖畔を歩む。
およそ450年前、あの山のあの寺で
この国の歴史上、最大にして
最悪のジェノサイドが
断行されたことなど
幻だったかの如くに
山は穏やかな表情を泛べていた。

大津の街をぐるぐる巡り、
そろそろ今宵の目的地に
移動するとしよう。
おっと、その前に「大津屋」だ。

本モロコ・イサザ・ハス・ゴリ。
4種の湖魚(こぎょ)の佃煮を
嬉々として購入する。
それぞれ小さなパック入りだから
量は少ないものの、一律150円。
計600円には心底驚かされた。

急ぎ、駅に戻って
近江塩津行きの列車に乗り込む。
今夜は長浜泊まりです。

「コーヒールーム 尊(たかし)」
 滋賀県大津市中央1-2-28
 077-522-4188

「大津屋」
 滋賀県大津市末広町2-8
 077-524-5550