2026年4月28日火曜日

第4056話 旅のはじめは 堺と和歌山

3カ月ぶりに旅に出た。
東京駅から乗った新幹線を
降りたのは新大阪。
大阪は大いに久方ぶり。

メトロ御堂筋線と
南海電車を乗り継いで
やって来たのは初めての堺。
千利休ゆかりの町である。

時間があれば利休の屋敷跡にでも
行ってみるところだが
先を急ぐ身、駅そばは南海高架下、
「義経」なる居酒屋でガス欠解除。
ドライ中ジョッキのお通しは
鳥皮&オニスラポン酢だ。
つまみつつ、メニューをパラパラ。

17時から本営業だが時刻は13時前。
この時間はスピードメニューの
つまみ類とお造りのみ。
真鯛・かんぱち・サーモンのほか、
馬刺しユッケがあって
馬刺し好きは当然そこに落ち着く。
卵黄を落としたユッケはなかなか。
中生を1杯にとどめて堺駅に戻る。

和歌山市着は15時。
そこから和歌山駅まではJRで2駅。
東口のホテルで一休み後、
賑やかな西口に出陣した。

だいぶ寂れたかつての繁華街、
ぶらくり丁界隈を徘徊する。
気に染まった店は無い。
畑屋敷からアロチ(新内)を
流すもスナックばかり。
今ひとつである。

駅近のみその商店街で
ようやく佳い店を見つけた。
「多田屋」は昭和2年創業。
来年で百歳を迎える。
カウンターに滑り込み、
ドライ大瓶を所望した。

多彩な品書きに鹿と猪を発見。
ステーキと串焼きがあり、
当然のように串焼きを1本づつ。
ところがコイツら硬いのなんのっ!
寅さんの売(バイ)じゃないが
”色が黒くて食い付きたいが
 あたしゃ入れ歯で歯が立たないよ”
と来たもんで
入れ歯じゃなくとも歯が立たん。

はだか麦焼酎の兼八と
チンザノ白ロックを1杯づつに
キス&穴子天ぷらを追加。
でもネ、齢百歳の老舗にゃ悪いが
食べもんがイマイチなんだよネ。
まっ、昼夜に渡り、猪鹿蝶ならぬ、
猪鹿馬をやっつけたからいいかー。

帰り際、駅裏の片隅に
立ち飲み酒場を見つけ、即入店。
するとこの「酒一」は
「多田屋」の経営と来たもんだ。
ドライ中瓶に麦焼酎・壱岐をー。
麦焼酎発祥の地、壱岐産は美味い。

つまみはきずし(〆鯖)をお願い。
「多田屋」よりいいんじゃないかー。
造り手の腕、いや、舌がいいんだ。
明日の晩も此処に寄ろうっとー。

「義経」
 大阪府堺市堺区栄橋町1-10-1
 050-5456-9766

「多田屋」
 和歌山県和歌山市美園町5-11-18
 073-422-2276
 
「立ち飲み 酒一」
 和歌山県和歌山市美園町5-12-3
 073-436-4613

2026年4月27日月曜日

第4055話 小雨降る午後 ハラミ丼

朝からしとしと雨が降っている。
遠出はしたくない。
自宅前のセブンイレブンで
何か買うとするかの?
いや、「一寸亭」でビール大瓶と
半炒飯も悪かァないな。

自宅前の谷中よみせ通りを
北に歩いて行った。
突き抜けてぶつかる道灌山通り。
その信号の向こうに
焼肉店「雅山」があるんだが
利用したことはない。
フラフラッと入っちまった。

当店は中野に本店を構え、
中野新橋にも支店があるようだ。
その両店は至近ながら
何だってまた千駄木に
出店したんだろう?

生憎と瓶ビールが無く、
ドライの中ジョッキをー。
ランチメニューは
カルビ・ハラミ・ロースの
それぞれ定食(1210円)と
丼(990円)が揃っている。
ハラミ丼をごはん少なめで通した。

近隣のリーマンやカップルが
ポツリポツリと入店して来る。
数十年前、言われたことに
焼肉を食うカップルは
もうすでにデキていて
鮨屋ならまだ一線を越えていない。
何てのがあったな。
一理あるかもしれない。

丼の着卓前にジョッキがカラ。
お替わりをお願いする。
そうこうするうち運ばれた。
ハラミを数えたら9片あった。
上に白髪ねぎが載っている。
あとはわかめスープとナムルと
サニーレタスサラダ。
付合せはみな少しづつ。

味わいはまあフツーである。
でも思ったネ。
やはり焼肉は厨房で焼かれたのが
白飯上に盛られたのより、
自分でジュウジュウ焼くのが一番。
焼肉丼を注文するのは
もうこれきりにいたしましょう。

「焼肉 雅山」
 東京都文京区千駄木3-50-12
 03-4283-8198

2026年4月25日土曜日

第4054話 歓びアーカイブ 第15回

今日のアーカイブは12年の昔。
みちのくひとり旅の一コマです。

2014年1月17日金曜日

第754話 郡山では餃子と焼売

栃木県・黒磯をあとにして
到着したのは福島県・郡山。
この街を歩いたことがなく、
長居はできなくとも乗り継ぎまで
1時間以上の余裕を持たせてあった。

さっそく駅周辺をパトロール。
商店街のアーケードは
ほとんどシャッターが下りている。
あまり聞かないアイテムながら
まぜそば専門店に行列ができていた。

ステーキまぜそば、ネギトロまぜそば、
気色の悪いメニューが
これでもかと並んでいる。
いったい誰がこんなん食うんやろ?
どうでもいいけど中華麺に
ネギトロは混ぜないだろうから
日本そばなのかな? 
とにかくアッシには関わりのねェ店だ。

商店街を突き抜けたところに
餃子と焼売の店、
「包龍(パオロン)」を発見。
ビールで一息つくのにはちょうど好い。
通したのは薄焼きしそ餃子と黒豚焼売。
小ぶりな薄焼きが5枚

せいろに大きな焼売が3個 
餃子はアッサリのサッパリ。
餡の塩梅もよろしく、
レベルの高さをうかがわせる。
しかしその上をいったのが焼売。
鳥ナンコツをしのばせ、
食感にアクセントをつけている。

お運びの小姐(シャオチエ)に訊ねると、
みちのくで4店舗を展開しているが
残念ながら首都圏には未進出、
横浜中華街ですら
ここより旨い焼売はないのに残念だ。
横浜駅の名物など足元にも及ばない。

郡山駅に戻り、奥羽本線、
愛称・山形線の米沢行きに乗り込む。
目的地は終点の米沢。
山形へ乗り継ぐまでの時間は47分。
駅の近くでラーメンを
食べるくらいの時間しかない。

1973年頃、縁あって
この地方都市を何度も訪れた。
久しぶりに米沢ラーメンが食べたい。
ツルツルのちぢれ醤油ラーメンをー。

駅舎を出ると空模様はみぞれまじり。
ロータリーのあちこちに
雪が積もっている。
コンビニでビニール傘を買うのもなァ。
目の前にラーメンとうどんの店が見えた。
時間もないことだし、ここは即断。

手動の引き戸を引くと、
すぐ目の前はカウンター。
ハハ~ン、こりゃ喫茶店の居抜きだな。
カウンターの上に貼り紙があった。
「二階にいるので呼んでください」―
おい、おい、二階で何してんだい?
ヘンな店に入っちまったぞなモシ。

=つづく=

「包龍」
 福島県郡山市大町1-3-6
 024-925-2315

2026年4月24日金曜日

第4053話 幾年超えて 童心に帰る

数日前に三越前の「利休庵」で
そばを食べなかったせいか
朝から日本そばの雰囲気。
自宅に雑用が山積しており、
遠出は避けたい雰囲気。

日暮里駅にやって来た。
バスで竜泉「東嶋屋」かな?
荒川区役所前「ますや」、
日本堤「十一屋」という手もある。

結局、日暮里・舎人ライナーに
乗り込んじまった。
それも一駅先の西日暮里で下車。
思い泛んだのは「童心舎」で
帰宅後、調べたら
2001年6月以来と来たもんだ。
実に25年ぶりである。

ドライ中瓶と厚焼き玉子を発注。
そうしておいてそばの品定め。
通常のもりのほか、生粉打ち・
田舎・変わりそばまである。
本日の変わりは紫蘇切りだった。

J.C.は御膳粉(更科粉)に
いろんなモノを打ち込む
変わりそばが大好き。
柚子切りと紫蘇切りが双璧で
逆にあまり好まぬのは
茶切り・胡麻切りあたり。

新潟県は長岡の銘酒、
朝日山の冷たいのに切り替え、
紫蘇切りをお願いした。
待つことおよそ10分。
色白そばに大葉が散っていた。

うむ、これは期待できそうだ。
とは思ったものの、
一箸つけて鼻先に寄せるが
あまり大葉が香ってくれない。
ん、何だかおかしいな。

そのまま口元に運んで
モグモグモグ。
う~ん、どうしたんだろう?
ちょいと肩透かし気味。
それでもしっかり食べ終え、
そば湯もいただいた。

「童心居」には少なからず
期待をそがれたけれど
かれこれ四半世紀を経て
童心に帰れたことだけは
疑いようのない事実でした。

「蕎麦吉里 童心舎」
 東京都荒川区西日暮里6-52-6
 03-3893-1879

2026年4月23日木曜日

第4052話 そばが好し 定食類は さらに好し

この日は何故か食欲旺盛。
いつもの昼飲み、あるいは
麺類で済ませるのではなく、
定食をガッツリ食べる気になった。
食堂か洋食屋に行こうかな?

ここで不図、思い泛んだのが
三越前の日本そば店、
「利休庵」である。
1階と地下はそばだけれども
2階と3階では定食を供する。

日本そばも水準を
超えるものがあるが
数種類揃う定食が
下手な日本料理屋顔負けなのだ。

神保町シアターで
チケット取得後、2階へ上がった。
過去を振り返れば、
定食とそばを食べる比率は9:1。
定食が圧倒している。

当店のお世話になったのは
新日本橋のオフィスに通った、
西暦2000年を跨ぐ11年間。
当時は若かったんだねェ。
そばじゃ物足りなく、
ひたすら定食を食べていた。

タイトルロールの利休定食は
いわゆるすき焼き定食。
J.C.の気に入りは
焼き魚と豚味噌焼きである。
価格はほとんどみな1700円で
天ぷらだけが飛び抜けの2700円。

一昨年亡くなったのみとも、
半チャンを偲んで彼が好んだ、
豚味噌に行き掛かったが
焼き魚にメヌケを見つけ、
大好きなサカナにつき、
そちらに浮気する。

ドライ中瓶を手酌で飲りながら
焼き上がりを待つ。
隣りの卓の女性三人組は
利休が二人に豚味噌一人。
パクパク食べながら
ワイワイガヤガヤ。

調った焼き魚定食は
メヌケにタップリのおろしと
自家製桜大根の桜花塩漬け添え。
大根と人参のキンピラ風。
きゅうり浅漬け&しば漬け。
豆腐&なめこ味噌椀。
白飯は大きめの茶碗でー。

しっかりいただきました。
満腹になりました。
では、神保町シアターに戻ります。

「利休庵」
 東京都中央区日本橋室町1-12-16
 03-3241-4006

2026年4月22日水曜日

第4051話 今宵もスンナリ 帰れずに

麦歩とも・N子と飲むと
なかなかゴールにたどり着けない。
結局、今宵もそうなった。
帰る方向が一緒だからだ。

思い出すのは東プリ時代。
往時の GFはホテルに出入りする、
生花店の娘・R子。
彼女の家は千代田線直通、
常磐線の千葉県・我孫子で
J.C.も同じく千葉県・松戸。

よってデートのフィナーレ。
最後の一飲みは北千住か
松戸と相場が決まっていた。
二人がもっともよく現れたのは
北千住の飲み屋横丁と
松戸の江戸川河川敷であった。

それはそれとして西日暮里。
いつぞや痛飲した、
「大将」でもよかったが
道灌山通りを西に歩いた。

以前、よく利用した今は無き、
コリアンスナック「Y」へと
曲がる角の「とり花」。
その赤提灯に誘われるまま、
敷居をまたいだ。

「Y」へ流れる前に二度ほど
おジャマしたことがあったが
あれは10年近くも前のこと。
久々の再訪と相成った。

女将さん独りのワン・オペ。
昔と同一人物だろうが
月日が経ち過ぎて見覚えはない。
カウンターだけの店に横並ぶ。

ドライ中瓶を注ぎ合って
本日二度目のカチン。
突き出しは日本そばの焼きそば。
こりゃ珍しい。
ニンニクスライスが散って
なかなかのアイデアだった。

相方が本日のおすすめボードに
コ・マ・ネ・チなる一品を発見。
「コマネチって何ですか?」
訊ねる彼女に
「頼まなきゃ教えられないっ!」
突き放す女将さん。
偏屈ではないが理屈を云う。

頼んでみたらコはコンビーフ、
マはマヨネーズで、ネはネギ。
最後のチが判らんと
ボヤくわれわれに
「もう一度頼んだら教えます」
軽くかわされる。
チは食材に非ずとヒントはくれた。

J.C.は日本酒に切り替え、
まずは富山の銀盤。
スッキリし過ぎて感心しない。
続いて秋田のまんさくの花。
これは以前から好きな銘柄である。

締めは自家製サングリアで乾杯。
道灌山通りを右と左に
泣き別れましたとサ。
ようやく帰れます。

「とり花」
 東京都荒川区西日暮里4-23-1
 03-3824-4802

2026年4月21日火曜日

第4050話 麦歩とも そのまた友と 3人飲み (その2)

麦歩ともN子と
彼女の友人のカコちゃん。
上福岡の偶然に驚いているうち、
話題は彼女の生まれ故郷にー。

それが何と成増と来たもんだ。
J.C.&K子のカップルは往時、
成増と上福岡に
それぞれ棲んでいた。
二人の役をカコは
一人二役でこなしているんだ。

偶然といえば、
J.C.&N子もそうである。
南信ツアーの際、
ある朝、駒ヶ根で言葉を交わし、
その夜、別れたのが西日暮里駅。

こちらは当駅から歩ける距離。
彼女は其処から
日暮里・舎人ライナーで
終点の見沼代親水公園へと帰る。
23区内に駅は数多あれど
サヨナラしたのが同じ駅とはネ。

そのほかにも
若き日の J.C.は配膳会に属して
勤務先が東京プリンスホテル。
一方のN子は正社員として
赤坂プリンスホテルで働いていた。
何だか赤い糸を感じてしまう。

まっ、それはそれとして
楽しく食べ、飲み、
話し、笑い合った。
お開きは18時頃だったかな?

池袋経由で帰途に就く、
カコちゃんをメトロ丸の内線の
東京駅改札まで送り、
われわれ二人は
JR山手線に乗り込んだ。

たまには浅い時間に帰ろかな?
秋葉原を過ぎた頃、
N子がつぶやいた。
「サッ、二人で飲み直しましょ」
「エエッ、まだ飲むんかい?」
「飲み足りないでしょ?」
「ん? まあそうだけど・・・」

結局は薬局、二人が改札を出たのは
あの西日暮里駅でありました。

「魚の店 オカモ倶楽部 丸の内店」
 東京都千代田区丸の内2-73
 TOKIA B1
 03-5962-9911