2026年6月11日木曜日

第4094話 ワールドカップの思い出

いよいよ日本時間の明朝、
W杯が開幕を迎える。
3国共同開催である。
共同での開催は2002年、
日韓が最初であった。

今の日本なら三苫を欠いても
優勝は夢として
決勝トーナメントに
進むことはそれほどの
難題ではあるまい。

初戦のオランダにたとえ不覚を
取ったとしても
チュニジアはクリアできようし、
かつての強豪国スウェーデンは
近年、調子を落としている。

ノルウェーとの前哨戦も
1-3で敗れてるしネ。
まっ、日本のアイスランド戦も
ほめられたものでは
なかったけれどー。

本日のコラムはW杯の思い出を
思い出し出し、語ってみたい。
J.C.が初めて観たのは
イングランド大会(1966)。
中学三年生のときで
この年にビートルズも生で観た。

延長の末、優勝した母国に
エリザベス女王がもらした、
「サッカーにはドラマがある」
このひと言が世界中に流れた。

’70年のメキシコ大会は
ペレ率いるブラジルの圧勝。
ぶっちぎりの王者はW杯史上、
この大会のみである。

’74年西ドイツ大会の決勝は
ロンドンのパブで観た。
ヨハン・クライフ率いた、
オランダは健闘空しく、
西ドイツに敗れて準優勝。

あの大会はイングランドが
出場できなかった。
当時、盟友・S水とともに
イタリア人一家の2階に
間借りしていた。

イングランド破れて
イタリアが進出したが
そこの男の子が飛び上がって歓び、
家中を駆けずり回っていたっけ。

国営放送のBBCが連日、
ドント・フォゲット・サポート・
スコットランド!
そう叫んでいたっけ。

近年はイタリアの凋落と
イングランドの台頭が著しく、
隔世の感がある。
何やってるんだ! イタリアは!

他に印象に強く残る決勝戦は
’94年アメリカ大会。
ブラジルが優勢に試合を進める中、
粘るイタリアが PK戦に持ち込む。
幕切れはバッジョのキックが
ゴールバーのはるか上。
勝敗が決したのだった。

そのあと独りで
リトル・イタリーに出掛け、
淋しく晩めしを食った。
まるで昨日のことのようだ。

早いものであれから32年。
今年は地の利で南米勢かー。
だけど ’14年ブラジル大会の
ドイツみたいな前例もあるからネ。

2026年6月10日水曜日

第4093話 舌が鳴りますキンカンと

本日のランチは JR田端駅近くで
洋食かタイ料理にしようと思い、
動坂を上って行った。
途中、通りすがったのは
端正な佇まいを見せる焼き鳥屋。

こんな場所にこんな店あったかな?
しかもどうしたことか
店名が「清風名月」と来たもんだ。
らしくないねェ。
これじゃ高級和食店だヨ。
でも、せっかくだから
入ってみようか。

お昼は親子丼のみの提供で
あとは酒を嗜む客用に
小さなブラックボードがあった。

★カウンター限定★
 ◎おまかせ3本セット 
  串焼き3本 
  お飲み物1杯 ¥2000
 ◎ミニ親子丼    ¥600

限定品に白羽の矢を立てた。
飲み物は黒ラベル中瓶。
お通しは鳥皮ポン酢だ。
麦酒を飲みながら
なおも品書きを繰っていると
ちょうちんたまり漬けを発見。
好物につき、即注に及んだ。

オレンジ色に光り輝く
未熟卵が5粒並んでいた。
しかし、ヒモ(輸卵管)と
キンカン(未熟蘭)が
合体してこそ、ちょうちん。
品書きにはキンカンと
書いて欲しかったが
美味しさに舌が鳴りました。

ここでわが耳朶に
「とんがり帽子」が聴こえてきた。

♪ 緑の丘の 赤い屋根
  とんがり帽子の 時計台
  鐘が鳴ります キンコンカン
  メーメー小山羊も 啼いてます
  風がそよそよ 丘の家
  黄色いお窓は 俺らの家よ ♪
   (作詞:菊田一夫

敗戦間もない昭和22年に放送された、
NHKラジオドラマ「鐘の鳴る丘」。
その主題歌「とんがり帽子」である。
当方、鐘の代わりに舌が鳴っちゃった。
キンコンカンではなくキンカンと。

中瓶をお替わり。
串焼きは胸皮、もも元が塩。
温玉を添えたつくねには出汁醤油。
一ひねり加わって味わい深い。

締めにミニ親子丼もいただくと
比内鶏がたっぷり使われている。
玉子はブクブクとあぶくだらけ。
店はツー・オペで
秋田出身の主人と
カトマンズ出身のネパール女性だ。

「親子はいかがでしたか?」
店主に訊かれ、
「親子丼が飲み物ってこと
 初めて知りましたヨ」
こう、応えたものでした。

「清風名月」
 東京都北区田端1-5-3
 03-5834-2473

2026年6月9日火曜日

第4092話 この作詞家をリスペクト

橋本淳さんが亡くなった。
大好きな作詞家だった。
こちらも深く敬愛する、
筒美京平さんとのコンビで
幾多の名曲を世に出してくれた。
感謝をこめて哀悼の意を捧げたい。

例によって彼の作品から
マイ・ベスト20 まいります。
順位付けが難しいため、
TOP10とSECOND10 に
仕分けてみました。
作曲者と歌い手も列挙してあります。

=TOP10=
バラ色の雲
(筒美京平 ヴィレッジ・シンガーズ) 
太陽は泣いている
(筒美京平 いしだあゆみ)
雨のエアポート
(筒美京平 欧陽菲菲)
夜汽車
(筒美京平 欧陽菲菲)
北国の青い空
(ベンチャーズ 奥村チヨ)
スワンの涙
(筒美京平 オックス)
逢いたくて北国へ
(井上忠夫 小柳ルミ子)
雨の日のブルース
(筒美京平 渚ゆう子)
望むものはすべて
(筒美京平 ヒデとロザンナ)
ビューティフル・ヨコハマ
(筒美京平 平山三紀)

=SECOND10=
ヘッド・ライト
(筒美京平 黒沢明とロス・プリモス)
長い髪の少女
(鈴木邦彦 ザ・ゴールデン・カップス)
海へかえろう
(すぎやまこういち シャープ・ホークス)
北国の二人
(井上忠夫 ジャッキー吉川とブルーコメッツ)
捧げる愛は
(筒美京平 島倉千代子)
僕のマリー
(すぎやまこういち ザ・タイガース)
青いリンゴ
(筒美京平 野口五郎)
京都・神戸・銀座
(筒美京平 橋幸夫)
ローマの雨
(すぎやまこういち ザ・ピーナッツ)
カナダからの手紙
(平尾昌晃 平尾昌晃&畑中葉子)

最後に1曲紹介しましょう。
1967年リリース、超マイナーな
「捧げる愛を」をお送りします。
市場魚貝類図鑑じゃないけれど
この曲をご存じでしたら
貴方は達人級ですゾ。

♪ 捧げるものは 愛だけなのに
  あなたはいつも そうよあなたは
  いじわるね
  小指の先で 私の心
  あなたは今日も ふれるだけ
  花は散っても せつない恋の
  想い出だけは だきしめて 
  だきしめて
  私一人の 秘密にするの
  捧げる愛は 愛は消えない 
   (作曲:筒美京平)

橋本淳は青山学院大学で
筒美京平の1年先輩。
青学はほかに桑田佳祐&由子夫妻、
中村正人、かまやつひろし、
平岡精二と、多くの優れた、
音楽家を輩出している。
駅伝だけじゃありませんな。

2026年6月8日月曜日

第4091話 行きつけで ラーメン超える ラーメンを

日暮里駅前ロータリーに面する、
中国料理店「又一順」は
 J.C.のお休み処。
今日は暇な一日につき、
ザーサイをつまみに
麦酒を飲んでいた。

さて、何を食べようかな?
定番の小皿料理、
腸詰と干大根玉子焼きは
ちょいと飽きてきたし、
湯麺はアワビそばが好きだけど
滅多に食べないラーメンにした。

隣卓の老夫婦が
ドライ中瓶を分け合いながら
それぞれ海老チャーハンを
1人前づつ食べている。

そこへ餃子がこれも2皿。
近頃の老人の食欲は
若い者並みなんだネ。
その旺盛ぶりに
妙な感心をしちまった。

ラーメンが着卓。
あれっ? こんなんだったかな?
滅多に食べないから
記憶違いかも知れないが
見た目はずいぶん変わった。

周りを食紅に彩られた、
厚めのもも肉叉焼2枚が
真っ先に目を引く。
半味玉にわかめとシナチク。
余白を埋め尽くす大量の刻みねぎ。
通常のラーメンの風景ではない。

箸で引きずり出した、
シナチクに目を疑った。
長さ10cmはラクにあろう。
ソイツが4~5本横たわる。

節目があるから姫竹の一種かな?
それにしても
こんな竹の子見たことない。
食味はなかなかだった。

青みはほうれん草、
あるいは絹さやが理想ながら
シャキっとしたわかめは悪くない。
醤油スープと一緒にすする、
ねぎも好いアクセント。
ヨソではまず注文しない味玉も
半玉ならジャマをしない。

困ったのは大量の細打ち麺。
他店の大盛りはあろう。
食べ切るのに四苦八苦した。
見た目、材質、ボリューム、
全てがフツーのラーメンを
はるかに超えるラーメンでした。

「又一順(ユーイシュン)」
 東京都荒川区西日暮里2-18-3
 03-3801-8520

2026年6月6日土曜日

第4090話 歓びアーカイブ 第22回

此度は浅草の奥座敷、
観音裏のそのまた奥で
吉原の隣り町にご案内。
南千住・汐入からも近いです。

2016年8月9日火曜日

第1421話 浅草の奥深し (その3)

浅草の奥も奥、橋場の「山海」にいる。
かつおのあと、生のわさびを得て
岡山産の蝦蛄が本領を発揮。
これでこそ本物のしゃこわさだ。
しっとりとしていながら
しっかりとした蝦蛄の美味を堪能した。

せっかくの本わさびだから
もうちょいと生モノをつまみたい。
青森の平目や常磐のかれいに惹かれるが
かつおのあとで白身もないものだ。
よって〆さばをお願いした。
三浦半島は松輪の産である。
松輪は半島の最南端、
城ヶ島の西に位置している。

大分県佐賀関に揚がるのが関さばなら
松輪漁港に揚がるのは黄金さば。
いわゆるブランドさばなのだ。
蝦蛄ほどではないが水準は高い。

刺身系はもうじゅうぶん。
何か目先・箸先の変わった料理がほしい。
うなぎ好きのT栄サンが肝焼きを択んだ。
もちろん鶏ではない、うなぎの肝である。
見るからに国産の一級品
中国産みたいにバカデカくないのが好い。
白鹿の生酒とともに賞味した。

お次は品書きに江戸前と明記された穴子の天ぷら。
天つゆではなく粗塩で
身肉にプリッとした弾力があり、
食味もなかなかにけっこう。

江戸前の穴子となれば、
羽田や金沢八景の名産だが
十数年前に羽田は
壊滅状態になったと聞いた。
今はどうなのだろう。
小柴の蝦蛄が消えた現在、
金沢八景の穴子は無事だろうか?

白鹿をお替わりする。
さほどつまんでないのに何となく満腹。
締めの代わりにあっさりと
水茄子の浅漬けをもらう。
大阪は泉州・岸和田の特産である。
泉州以外では育たぬ特殊な茄子ながら
最近は茨城産を目にするようになった。

夜の帳(とばり)の降りた街を歩く。
浅草の夜はまだ浅いが浅草の奥は深い。
相方が見たいというので吉原をゆく。
言わずと知れた一大ソープランド街だ。
女性連れなら呼び込みに
声を掛けられることもなく好都合。

千束から象潟(きさかた)に抜けた。
柳通りの見番(産業組合)、
その2階に灯りが点っている。
宴席、あるいは芸者さんの稽古だろう。
夜風に吹かれながら
江戸情緒に浸ったのでした。

=おしまい=

「山海」
 東京都台東区橋場1-30-10
 03-3873-4731

2026年6月5日金曜日

第4089話 旨いとんかつ 食べたくて

前日の大塚「三節」のとんかつに
少なからず不満を残したため、
旨いとんかつを食べたくなり、
連日のとんかつ行脚を敢行する。

出掛けて行ったのは
上野駅入谷口の「まる一」。
一時期、とあるミッションで
東上野に通う機会があり、
何度かお世話になって
深く首肯した覚えがあった。

ロースカツ定食(1600円)を
ドライ中瓶とともに発注。
トッピング・メニューから
ふた口カレー(200円)という
ヤツもお願いしてみた。

見慣れた姿でロースが登場。
脇には焼き麩&青菜の味噌汁と
しば漬け&たくあんが少しづつ。
ごはん多めにキャベツは控えめで
「三節」の3分の1程度だ。

カツはさすがだった。
しっとりと揚がり、
肉質よろしく脂身の付き具合も
理想的であった。
カレーはやさしい味わいながら
まあフツーかな。

かつてとんかつ発祥の地、
上野でその名も高き、
 ”とんかつ御三家” 。
「双葉」すでになく、
「ぽん多」は赤身主体で
脂身の楽しみなく、
高価に過ぎて庶民にはキビしい。
小津安二郎が愛した、
「蓬莱屋」はヒレカツ専門につき、
ロース好きは近寄るべからず。
マイ・ベストは断然「まる一」だ。

あれは7年前。
近くのそば屋のカウンターで
「まる一」のオーナーの
オジイちゃんと隣り同士になり、
意気投合して菊正の熱燗を
酌み交わしたことがあった。
お元気でおられるだろうか?

そんなことを思い出しながら
坂本龍馬に因んで名付けられた、
船中八策の冷たいのに移行。
土佐の酒では酔鯨より好みだ。
満足しての会計は3300円也。

さて、上野駅構内のスーパー、
「GARDEN」に立ち寄り、
夜のつまみの調達と参ろう。

「とんかつ まる一」
 東京都台東区上野7-8-22
 03-3841-6671

2026年6月4日木曜日

第4088話 上とんかつに すればよかった

しばらくご無沙汰の南大塚「小倉庵」。
出向いてみると店先で下水工事。
店のオバちゃんが立ち会っており、
「すみませんねェ、お暑い中せっかく
 来ていただいたのにー。
 またよろしくお願いします」
「ええ、近々おジャマしますネ」

三業通りを大塚駅方面に進む。
「三節」の暖簾が目についた。
古くからあるとんかつ屋だが
利用したことは無い。
いい機会だからと入店。

調理場にかなり年配の店主と
その倅だろうか?
接客はやはり年配の女将さん。
スリーオペである。

カウンターの角を促され着席。
ドライ中瓶を飲みながら
品書きに見入る。
昼メニューを紹介しよう。
全てライス・味噌汁・お漬物付き。

とんかつ      1400円
上とんかつ     1600円
ひと口ひれかつ   1600円
ミックス
(チキン・きす)     1300円
三種丼
(ひれ・きす・いか)1250円

ほかに昼夜共通メニュー。
中でも突出しているのが
ロースかつ(上)ひれかつ(上)
生姜焼き オール3800円
ずいぶん高いなァ。
手は届くけど手を延ばしたくない。
慎ましい J.C.はとんかつを通す。

驚いたことに生姜焼きが
そこそこ出ている。
キャベツは元々多めだが
生姜焼きになると、ものスゴい。
その上に分厚いポークソテーを
7つくらいに切り分けて乗せ、
生姜だれをたっぷり掛け回す。
人間の食べもんを超えてるヨ。

やや薄めのとんかつが着卓。
1切れ口元に運んで
う~ん、期待ほどじゃないな。
大根の鬼おろし、豆腐赤だし、
胡瓜大根漬物、白飯はそれなり。
菊正の生貯蔵酒に切り替えた。

お隣りの上とんかつは
200円差なのに見映えがよい。
食味にも違いが出そうだ。
何で頼まなかったんだろう?

ちょいとみじめになって来た。
トホホ、石川啄木に倣って
いや、啄木をパクッて一首。

大塚のかつて栄えた三業地
われ泣きぬれてカツとたはむる

お粗末!

「三節」
 東京都豊島区南大塚1-60-16
 03-3945-9967