2026年8月1日土曜日

第4149話 アーカイブ 第31回

本日はカレイに寄生した、
アニサキスをお目に掛けましょう。

2012年1月2日月曜日

第220話 アニサキス みいつけた!

以前より自炊率が上がって
食品の買出しも増えた。
数ある食品売り場の中でも
楽しいのは鮮魚売り場である。
次が青果で、精肉は
どちらかといえばつまらない。

日本の肉屋は牛肉が主役を張っており、
すき焼き用なんぞ
ピンからキリまでかなりの品目が並ぶ。
せめて1種でいいから
仔牛を置いておくれでないかい?

あとは豚肉と鶏肉と
せいぜい合鴨どまりだ。
仔羊でさえ手に入れるのに
難渋するくらいで、たまにデパ地下や
高級スーパーで見掛ける程度。
猪・鹿・鳩までは望まないが
兎・鶉くらいは揃えてほしい。

日本人が肉の味を覚えて
150年足らずではさもありなん。
まだまだ食の大国・日本も
こと肉食文化に関しては
後進国もいいところだ。
神戸牛だの、薩摩黒豚だの、
ブランド追求もたいがいにせいっ!

建替えを待つ数寄屋橋の東芝ビルに
阪急デパートが入っていた30年ほど前。
精肉売り場に真鴨や鶫(つぐみ)が
入荷していることがあった。
鶫は確かスペイン産だった。
デパ地下でジビエを見たのは
あれが最初で最後だ。

一度、大晦日に真鴨を購入して
今は亡き両親と弟と家族4人、
すき焼きにしたけれど
肉の臭みが総身に回ってしまい、
とても食べられたもんじゃなかった。

サカナを買いに行くのは当ブログでも
たびたび紹介した御徒町の「吉池」。
品揃えの豊富さにかけては
築地の場内を除けば都内随一だ。
サカナに限らず、
ここでは鯨肉と馬肉も揃う。
加えて近所に「松坂屋上野店」があり、
まさに鬼に金棒、耳に綿棒、
航平に鉄棒、永田町にでくの棒、
てなもんや三度笠。

年末に「松坂屋」で
珍しい鰈(かれい)に遭遇した。
その名もサメガレイは
鮫鰈と書くのであろう。
サイズのわりにエンガワ部分が多い。
パックを手にとってよくよく見ると、
1匹の回虫がクネクネと
ダンスを踊っているではないか。
おう、これは紛れもなくアニサキス。
ここで会ったが百年目、
迷わずアニサキス入りを買い求めた。

帰宅後、パックを開けたらアニサの野郎は
サメガレイの身肉を食い破り、
頭と尻だけ出してやがる。

右下に出ている糸状のヤツが見えますか?

ソイツを引きずり出してみた

カメラに収めたあとは
小皿にとって ”塩ぶっかけの刑” である。
昔、真鱈に寄生しているのを
同じ刑に処したら奴サン、
ナメクジみたいには溶けずに
身体をよじり、のた打ち回ったっけ。
残酷なようだが胃にでも
進入されたひにゃ大事にいたる。
今まで痛い目に会ってきた、
同胞の仇討ちだと思えば良い。

さて、肝心のサメガレイの味だ。
見た目からして水っぽいかな?
そんな懸念も吹き飛び、
刺身にしてよし、煮付けは更によし。
鮫皮のように固い皮が名前の由来で
皮をむかなきゃ食えないから
ムキガレイの異名を合わせ持つ。
いや、実にけっこうでござんした。

エッ? アニサキスはどうした! 
ってか?
塩じゃくたばらないからマッチの火で
”火あぶりの刑” にしてやりました。
鬼に金棒、アニサキスにマッチ棒ってネ。

「松坂屋 上野店」
 東京都台東区上野3-29-5
 03-3832-1111

=本日追記=
あれ以来、アニサキスは見ていない。
絶滅の危機に瀕しているのかもネ?
んなワケないかー。

2026年7月31日金曜日

第4148話 うたともと 飲んで歌って 酩酊す

本日はニューうたとも、
M祢チャンと昼下がり飲み。
2月以来だから5カ月ぶりだ。

15時に待ち合わせたのは
前回もご一緒した、
日暮里駅前ロータリーそば、
「荒川スタンド」。
スタンドの店名が示すように
立ち飲みバーである。

生黒ラベルのグラスを合わせた。
つまみのクロスティーニ2種は
ブッラータとレバーペースト。
最近、流行りのブッラータは
クリーミー・モッツァレッラ。
それにグラタンコロッケと
大阪森田屋のコロッケ。

互いの近況を語り合う。
ずっと元気でいたとのこと。
すぐに生のお替わり。
彼女が極上グリーンオリーブを
所望したら極上というより、
むしろ特大、ドデカい。

「荒川スタンド」自慢の
なみなみ赤ワインは
イタリアのサンジョヴェーゼ。
キャンティのセパージュだ。

2時間ほどの滞空で
2軒目に移動した。
谷中よみせ通りの行きつけ、
「グランプリ」へ。
相方は角瓶のハイボール。
当方は黒ラベルの中瓶。
今日はサッポロ黒ラベル一辺倒。

互いにずいぶん歌ったが
それぞれ1曲だけ紹介すると
彼女はたまたま昨日紹介した、
伊東ゆかりの「朝のくちづけ」。
J.C.は菅原洋一の「風の盆」。

あとはあまり覚えていないが
デュエットの「銀座ブルース」と
「逢えるじゃないかまた明日」は
仲良く歌った。

この日はこれで終わらない。
同じよみせ通りの居酒屋、
「みさき」に流れた。
ドライ中瓶を注ぎ合って乾杯。
お通しに煮凝りと鳥団子と
あともう一つ、黒い物体が
出て来たがアレは何だったのか
二人の記憶から消えている。

ほかにゴーヤの天ぷらを通した。
浦霞の冷酒に切り替えたあたりから
記憶がまったくおぼろげ。
最後に頼んだらしい焼きそばは
食べ切れずにM祢がお持ち帰り。

そんなに飲んだ自覚はないものの、
二人ともずいぶん酩酊したものだ。
酔ったけれど間違いだけは
起こしませんでした。

「荒川スタンド」
 東京都荒川区東日暮里6-60-1
 03-5604-9310

「グランプリ」
 東京都台東区谷中3-13-10
 03-3821-6376

「みさき」
 東京都台東区谷中3-8-8
 03-3824-0019

2026年7月30日木曜日

第4147話 ある子鳩との出逢いと別れ (その4)

谷中銀座のキジ夫とキジ子に
心癒されている J.C.。
それが2カ月ほど前のこと。
身体が小さいから子鳩だろうが
ビッコを引く1羽を見つけた。

この子はこれから
生きていけるのだろうか?
無理かも知れないな。
いっちょまえに飛ぶことは
出来るが足元が覚束ない。
ヨッタヨッタ歩くので
ヨタ子と名付けた。

毎日ではないが見掛けると
すぐそばのパン屋、
「ヒトテマ」に駆け込み、
クロワッサンを一つ買う。
ヨタ子を中心に食事の時間。

それが先週のこと、
ヨタ子は彼氏を作りやがった。
嘴と嘴を重ね合う、
いわゆる鳩のくちづけを交わす。
ほうら伊東ゆかりも歌い出す。

♪ あなたの面影 だきしめながら
  目ざめる朝の 私はしあわせよ
  愛してみて 愛してみて
  はじめてわかるのね
  あなたのもとへ 届けたい
  やわらかい 朝のくちづけ ♪
   (作詞:有馬三恵子)

「朝のくちづけ」は
1968年のリリース。
作曲は当時の有馬の夫で
先ごろ亡くなった鈴木淳。
ゆかりのナンバーでは
J.C.が一番好きな曲だが
浪花の小姑はご存じあるまい。

それはそうとヨタ子は
しばらく今の彼氏と
別れる気はないようだ。
まっ、それもよかろう。
温かく見守ってやろう。

検診は丸3時間かかった。
急いで帰宅する。
ソッとダンボールをのぞくと
眠っているのか身動きしない。
おかしいな・・・
いや、そうじゃないヨ、
哀れにもこと切れていた。

外見からは判らなかったが
内臓もやられていたんだろう。
すぐに保健所に運んでやれば
助かっていたかと思うと
胸が痛んだ。

子どもの頃から
ニワトりほどではないにせよ、
鳩は苦手なほうだった。
それが今ではキジバトに限らず、
ドバドですらも可愛いと思う、
J.C.なのであります。
鳩よ、安らかに眠っておくれ!

=おしまい=

2026年7月29日水曜日

第4146話 或る子鳩との出逢いと別れ (その3)

作話はロンドンの鳩の思い出。
今話はニューヨークだ。
あれは1990年、当時の恋人は
スペイン系エルサルバドリアン、
マルガリータ・ピネダ。
通称マギーだった。

その夜はミッドタウンの
「壽司田」で夕食を取った。
この4月に大阪で再会したM子。
彼女がフロア・マネージャーを
していた店である。

食後、クイーンズの彼女の家まで
送って行くため、ガレージに戻ると
片隅に一羽の鳩が
うずくまっている。

「オー・パロマ!」
歓んだ彼女が鳩を抱き上げた。
パロマはご存じのように
スペイン語で鳩のこと。

J.C.は傍らで言葉を失った。
抱き上げるのは何とか理解できる。
驚いたことにマギー、
鳩にキスをしたんだ。

こういう行動は
日本人の許容限度を超えている。
いや、アメリカ人も理解できまい。
スペイン系は鳩を
こよなく愛しているんだネ。
彼我の差をまざまざと
見せつけられる思いがした。

結局は薬局、
マギーは鳩をお持ち帰り。
翌朝、J.C.の不安は的中する。
彼女からの電話によれば、
ルームメートに野鳥の危険性を
とくとくと諭され、
やむなく手放すことにー。

そりゃそうだろう。
鳥インフルはないとしても
何かの菌を持ってる可能性は
じゅうぶんにあるからネ。

さて、そろそろ日本に戻って
昨今の鳩エピソード。
これがまたけっこうあるんだ。

先日は吟行の前に
東向島の「鳩家」で
ハンバーグを食べたし、
(こりゃ関係ないかー)
先週は西日暮里の交差点で
車に轢きつぶされたノシ鳩を
目撃している。

そして地元の谷中銀座。
かつては此処に
何匹もの野良猫がいたが
今ではすべて死に絶えたか
消え失せてしまい、
代わりに十数羽の鳩が
棲みついている。

中にキジバトと交配したと見え、
きれいな羽色を持つ2羽がいて
J.C.はキジ色の濃いのをキジ夫。
薄いのをキジ子と呼び、
人目を避けながらひそかに
パン屑を与えているんだ。

=つづく=

2026年7月28日火曜日

第4145話 或る子鳩との出逢いと別れ (その2)

日医大病院の待合スペース。
(鳩かァ・・・今まで
 いろんなことがあったなァ)
つらつらと思い泛べていた。

あれは1974年。
J.C.はロンドンにいた。
ハンバーグ・レストランで
ウエイターをしていた。

そこの皿洗いが
ポルトガル領マデイラ出身の
セニョール・マルティン。
この人のことは前にも書いたが
英語がほとんど話せない。

店はハンバーガーも
主力商品につき、
バンズは売るほどある。
週にいっぺんくらいかな?
自分の休みの前日になると
マルティンはバンズを
手に店先に立つ。

目の前は地下鉄の
グロースター・ロード駅。
駅は洋の東西を問わず、
鳩の恰好の棲みかなのだ。

バンズをちぎって通りにまくと
鳩たちが一気に全羽集合。
押し合いへし合いパクパクパク。
よく食うったらありゃしない。

すると何気ない顔して
様子を伺っていたマルティン。
やおら一羽の鳩を捕まえると
アッという間に
首根っこをコキッ!
哀れ、鳩は天国へと旅立ち、
初めてそれを見たわれらは
度肝を抜かれたのだった。

そのあと鳩は
どうなるかというと
ライスや野菜と一緒に
スープ煮にされるそうだ。
食味は子鳩がいいらしい。
大きく育つと肉質が
硬くなるんだとー。

われわれスタッフは彼のことを
”ピジョンキラーのマルティン”、
そう呼んで怖れたものだった。
その後、故郷マデイラに帰ったが
当時、60代だったから
もう生きてはいないだろう。
天国でも鳩を
捕まえているのかな?

=つづく=

2026年7月27日月曜日

第4144話 或る子鳩との出逢いと別れ (その1)

先週のことだった。
定期健診のため、
日医大病院へ向かい、
谷中よみせ通りを歩いていた。

ん? 何だ、あれは?
向こうで何かが
パタパタしている。
道の真ん中で鳥らしきもの。
近づいてみたら鳩だった。

翼を傷めたらしく、
羽ばたきは可能でも
飛び立つのは無理のようだ。
しかし出血も無く、
瞳にも力があった。
人差し指で頭を突ついたら
ちゃんと反応する。

すると背後から今度は
バタバタと駆け寄る足音。
「私も、私も、心配でー」
30代と思しき女性が
今にも泣き出しそうな表情。

「クルマに撥ねられたのかな?」
「そうみたいですっ!」
場所はマルエツの真ん前。
彼女は肉や魚を包むビニール袋で
両手を覆っている。

そうして恐る恐る鳩を
道端へと移動させた。
「ごめんね、ごめんね、
 これしか出来ないのヨ」
そう、囁きかけながら。

「助かるかもしれないな」
「そうでしょうか?」
「動物病院に連れてってみるヨ」
「エッ? 本当ですか?
 お願いします、お願いします」
何度も頭を下げるんだ。

1年ほど前、よみせ通りに
アニマル・クリニックが
開業したことは知っていた。
鳩を両手で抱えて持ち込むと
院長らしき男性が血相を変えた。

「車にぶつかったみたいだけど」
「アッ、あの、ウチでは
 野生動物を診ることが
 できないんです」
「じゃ、どうしたらいいの?」
「保健所に連絡してください!」

(クソの役にも立たなねェな)
口には出さず大人しく引き下がる。
仕方ないから家に連れて帰った。
検診の時間が迫っているし、
ダンボール箱にタオルを敷き、
そこに置いてひとまず病院へ。

気が気じゃなく、
待ち時間も落ち着かない。
尻の座りが悪いのなんのっ。
かつてあった鳩の思い出が
あれこれと蘇るのだった。

=つづく=

2026年7月25日土曜日

第4133話 アーカイブ 第30回

今日は下町の話。

2015年6月26日金曜日

第1129話 横井サンが死んじゃった (その1)

 ♪ 下町の空に かがやく太陽は
  よろこびと 悲しみ写す ガラス窓
  心のいたむ その朝は
  足音しみる 橋の上
  ああ太陽に 呼びかける   ♪
   (作詞:横井弘)

横井サンが死んじゃった。
グアム島から生還した横井サンじゃないヨ、
大好きな作死者、もとい、
作詞者の横井サンだヨ。

冒頭に掲げた「下町の太陽」は
小学校五年生のとき、
リアルタイムで聴いていた。
倍賞千恵子のトランスペアレントな
歌声が東京のみならず、
日本全国に響き渡ったハズだ。
横井弘の作詞もさることながら
江口浩二の曲がまたすばらしい。

その年は1962年。
J.C.は下町もド下町、
深川に暮らしていたのでありました。
この1962年、昭和なら37年は
歌謡曲の当たり年。
ズラリ並べるというより、
その年のマイ・ベストテンを
ご披露してみましょう。

① 下町の太陽 (倍賞千恵子)
② 赤いハンカチ (石原裕次郎)
③ 遠くへ行きたい (ジェリー藤尾)
④ 川は流れる (仲宗根美樹)
⑤ コーヒー・ルンバ (西田佐知子)
⑥ 湖愁 (松島アキラ)
⑦ 寒い朝 (吉永小百合とマヒナスターズ)
⑧ 江梨子 (橋幸夫)
⑨ 若いふたり (北原謙二)
⑩ 星屑の町 (三橋美智也)
 次点:なみだ船 (北島三郎)

流行歌ファンなら誰しもが
ご存じの曲たちである。
自他ともに認める寅さんファンの J.C.ながら
女優であり歌手である倍賞千恵子に関しては
たとえば寅次郎の妹・さくらよりも
歌手としての実力を高く評価している。

彼女のナンバーでは「下町の太陽」の3年後、
「さよならはダンスのあとに」も
スマッシュヒットを記録した。
これがまた無類の名曲なんです。
驚くべきことに「下町の~」、
「さよならは~」はともに横井弘の作詞だ。

作曲家に比して作詞家は
過小評価されてきた感がある。
その証拠に国民栄誉賞を
もらった作曲家が何人もいるのに対して
作詞家は誰一人としていやしない。
どうやらこの国において
国語は音楽より劣っているらしい。

=つづく=

=本日追記=
もともと国民栄誉賞なんて
ときの総理大臣が
人気を取るための戦略。
無能な彼らでも作詞ならば
そこそこ出来ようが
作曲となるとハナからムリ。
自分の出来ないことを
過大評価するんでしょうヨ。