2026年8月15日土曜日

第4161話 歓びアーカイブ 第33回

前話では「北京菜館」の
スイカ・サワーを紹介した。
実は今を去ること18年。
自家製スイカ・ドリンクを
自宅で作っていたのでした。
「食べる歓び」から一話です。

2008年8月18日

第555回
西瓜のカクテル ソルティ・ラビット
=男の手抜き料理シリーズ第4回=

久しぶりに男の手抜き料理シリーズいきます。
と言っても今回は食べものではなく飲みもの。
それも盛夏にふさわしく
西瓜を使ったアルコール・ドリンクです。

今年は去年より西瓜の卸価格が
2割以上も高いようだ。
それでも家族4人で食べて500円ほど。
桃や梨よりは割安といえる。
このコラムでも一度ふれたが
J.C.は子どもの頃、
西瓜があまり好きではなかった。
あの青臭さが嫌だったのだ。
好きな果物ベストスリーは
金=枇杷 銀=梨 銅=桃
もっとも枇杷は昔から高価だったため、
めったなことでは口に入らなかった。

大人になって西瓜が好きになった理由は
自分でもよく判らない。
日本橋高島屋の地下に「レモン」なる
フルーツパーラーがあるが
(新宿高島屋にもあります)
ここで食べた西瓜の味が忘れられない。
西瓜のフレッシュジュースも美味しかった。
このとき西瓜のおいしさを初めて実感した。

さて西瓜カクテルだ。
あまりポピュラーではないけれど、
西瓜のリキュールには
<キングストン ウォーターメロン>や
<すいかのお酒 小丸>なんてのが
洋の東西を問わずに存在する。
だが、ここでは入手しにくい酒は使わない。
用意するものは下記の通り。

ウォッカ適宜 西瓜適宜 アイス適宜
レモン少量 塩少量

(1)西瓜をプラスチックの大根おろし器でおろす。
(2)アイスの入った大き目のグラスにウォッカを注ぐ。
(3)おろした西瓜ジュースでグラスを満たしてステア。
(4)レモンスライスを1枚浮かべ、グラスの縁に塩を。

たったこれだけで美味なる夏の酒が生まれるのだ。
ウォッカはストリチナヤでもスミノフでも
ギルビーでも銘柄にこだわることはない。
安価な甲類の焼酎で代用してもよいくらいだ。
家族の食後の団欒に
子どもたちは西瓜をそのまま。
パパとママは西瓜のカクテルでおしゃれにキメる。

気になるネーミングだが
ヒョンなことからひらめいた。
当コラムを愛読してくれている大阪在住の
“らびちゃん”から残暑見舞いをいただいた。
彼女の愛称はうさぎの“ラビットちゃん”から
由来するものと想像していたが、ここでピンときた。
ウォッカとグレープフルーツと塩で作るのが
有名なソルティ・ドッグ。
グレープフルーツが<犬>ならば、
西瓜が<うさぎ>で悪かろうハズがない。

かくしてソルティ・ラビットの名称が生まれる。
しかもうさぎの赤い眼は
西瓜のイメージにピッタリじゃないの。
われながらよい名前だと
一人、悦に入っている今日この頃です。
ありがとう、らびちゃん!

=本日追記=
今年4月の大坂遠征では
会いそびれたけど
らびちゃんとのつき合いも
20年近くになるんだネ。
まさに光陰矢の如し。

2026年8月14日金曜日

第4160話 「北京菜館」のスイカ・サワー

この日は吟行である。
舞台は江東区・深川の清澄庭園。
深川図書館が隣接しており、
実は J.C.、此処には幼少のみぎり、
ずいぶんお世話になった。

あれは1962年、町には
「寒い朝」や「いつでも夢を」、
吉永小百合の歌声が
流れまくっていた。

小学五年生の夏休みに 足繁く、
この図書館に通い詰めたのだ。
読書家の卵、J.C.少年は
2日に1冊のペースで
読了したため、隔日で通った。

まっ、思い出は思い出として
吟行の前に腹ごしらえといこう。
下調べして白羽の矢を立てたのは
タイ料理店「マキン」なる店。
メトロ・清澄白河駅から
徒歩5分少々である。

やって来たら店は閉じていた。
貼り紙が1枚。
何でも店主のヤムちゃんが
里帰りでタイに帰国中。
今日まで10日間のお休みと
来たもんだ。

前の晩からグリーン・カレーと
心に決めていたため、
精神的打撃は大きい。
それでも近くの「北京菜館」へ。

大陸系女性のツー・オペである。
カウンターに着き、結局は薬局、
いつも通り、半チャンラーメンを
麺も半分でお願いした。
黒ラベル中瓶を飲みながら
待つこと5分でラーメン到着。

具材は肩ロースチャーシュー・
シナチク・小松菜・焼き海苔・
白ねぎ粗きざみ。
ほぼ真っ直ぐの中細麺に
醤油スープが日本風だ。

続いてのチャーハンには
玉子と青ねぎ細きざみ。
ねぎの使い分けが憎いネ。
ともに美味しくいただき、
期待以上のものがあった。

卓上にスイカ・サワーなる、
飲みもののイラスト発見。
猫が西瓜を担ぐ絵柄に
1杯580円とあった。
中瓶お替わりの代わりに
即注の巻となる。

いや、美味いネ。
いいアイデアだネ。
茹だる暑さもなんのその、
さあ、庭園に参りましょ!

「北京菜館」
 東京都江東区白河3-7-13
 03-3642-8038

2026年8月13日木曜日

第4159話 山梨の 帰りに寄った 八王子 (その2)

八王子最古のラーメン店「釜玄」。
最初にお断りしておくが当店は
刻み玉ねぎがいっぱい入った、
いわゆる八王子ラーメンを
供する店ではない。

東京ラーメンとは趣を異にするが
まあ、子どもの頃から
親しんだタイプではある。
レジでラーメンの食券を購入。

此処でハタと思い当たった。
当店にビールをはじめ、
アルコール類はまったく無い。
そのことであった。
仕方ないから
十数年ぶりの三ツ矢サイダーを。

ノドが渇いてるため、
旨いことは旨いネ。
ただ、余りに甘いので
お冷やで割って飲んだ。

三ツ矢サイダーといえば、
コレが大好きな歌手の北島三郎。
弟子だか付け人だかに
買いに行かせたら
7-up だかスプライトだか
他の商品を買ってこられて
飲んだ瞬間、
「違うじゃねェか!」と
激怒したそうな。
”風雪” を耐えて来たわりにゃ、
ずいぶん気が短いな。

う~ん、確かにこの味だった。
いえ、ラーメンのことですがネ。
例によって麺を半分にして貰う。
ちなみに現在、ラーメンは780円。
16年前から230円の値上がりだ。
滞空時間は15分。
前回同様「都まんじゅう」へ。

今日は店の佇まいを
拝むだけにしとこうかな?
と思ったものの、結局は買った。
10個入りが500円と
こちらも200円値上がりしていた。

「都まんじゅう」は
昭和30年代に浅草のデパート、
松屋のそばにも在った。
新仲見世の入口の角にネ。
小学生の J.C.は回転式の製造機を
飽きもせず眺めていたものだ。

運営している「つるや製菓」は
神奈川県・平塚に本社があり、
静岡県・沼津にも店舗がある。
だけど、このまんじゅうだけで
会社が成り立つとは驚きだ。

今日は立ち食いを控え、
一箱すべてお持ち帰り。
一人じゃ食べ切れないので明朝、
マンションの清掃のオバちゃんに
差し上げよう。
一生懸命働く人なのでネ。

八王子からの帰りは
中央線、山手線を乗り継ぎました。

「釜玄 ラーメン専門店 竹の家」
 東京都八王子市中町4-2
 0426-42-5450

「都まんじゅう(つるや製菓)」
 東京都八王子市旭町7-8
 0426-26-0223

2026年8月12日水曜日

第4158話 山梨の 帰りに寄った 八王子 (その1)

上野原を出た列車は高尾に到着。
当初はこの町の「F」という、
鰻屋でうなぎバター焼きを
つまみに一杯やるつもりだった。
ところがネットの写真を見て
ゲンナリしてしまった。
見るからに脂っこそう。

もしコレが美味ならば
他店も追随するに違いない。
どの店もやらないということは
やっぱり駄目なんだろうヨ。

脂っこいうなぎに
油っこいバターは
やはりいただけないと
誰しもが思うハズだ。

高尾で東京行きに乗り換えて
二つ先の八王子で下車した。
この街は16年ぶりになる。
その節は街最古のラーメン店で
ラーメンを食べた。
当欄では紹介しそびれたが
当時のメモが残っている。

「釜玄」のほとんどの客は
ラーメンを注文する。
他にはチャーシューメン、
メンマラーメン、かけラーメン、
それしかないからネ。

具はももチャー・シナチク・海苔。
柔かく煮られたシナチクが旨し。
醤油スープやや甘めで酢と好相性。
ちぢれ麺は太くも細くもない。
ややヤワいがノビにくい。
後味のいいラーメンといえる。

卓上にはギャバン黒胡椒に
生酢と割り箸立てのみ。
食券制でラーメンは550円、
かけラーメンが450円。
前掛け姿のおばちゃん3人。
白い髪を角刈りにした店主は
一人もくもくと仕事に打ち込む。

帰りに近くの「都まんじゅう」へ。
懐かしさに10ケ入り300円を購入。
中身の白あんは白いんげんと
砂糖のみだったんだ。
熱いうちに食べたくて
2ツほど道端で立ち食い。
行儀が悪いが旅の恥はかき捨て?
そこまではいかないだろうヨ。

と、ありました。
牡蠣カレー焼き飯のおかげで
腹はちっとも空いちゃいないが
今回を逃すと、またいつ来れるか
知れたものではない。
頑張るとするかな。

見覚えのある店先にやって来た。
キャノピー(ひさし)が
ピンク&ホワイトの
キャンディー・ストライプ。
その下の看板には
ラーメン専門店 竹の家
こんな名前だったかなァ?
薄茶色の暖簾を潜った。

=つづく=

2026年8月11日火曜日

第4157話 一年半 気になっていた 上野原

都営新宿線、京王線、JR中央線を
乗り継いで、やって来たのは
山梨県・上野原。
初めて降りる駅である。
狙いを定めていたのはただ一つ、
「一福食堂」だった。

駅舎と線路を見下ろす位置にあり、
此処でビールを飲むのが
最高と云う川本三郎さんの文章を
一年半前に読んで以来、
ずっと気になっていたのだ。
まっ、かの松本清張翁も
「一年半待て」を書いてるしネ。

そして此度、ようやく実現。
白い暖簾を潜り、木の扉を開いた。
外見より店内はずっとコンパクト。
テーブルは6卓だけだ。
接客のオネエさんに
一番奥の2人掛けに促された。

ビールは黒ラベル大瓶。
こういう店で大瓶は珍しい。
注文はハナから決めていた。
店の一番人気、
牡蠣のカレー焼き飯(1300円)だ。
海無県の山梨県で牡蠣が評判とは
何の因果か、実に面白い。
看板商品だけに通年の提供である。

待つこと5分少々。
大きめの皿が運ばれた。
カレーピラフの上に
ソテーされた真牡蠣が5粒。
プックリ太った良型である。
レタス・キャベツ・トマト、
サラダも一緒盛りで
あとはラーメンスープ。

高田馬場の「文流」もそうだが
夏場でも美味しい真ガキが
食べられるようになって
カキ好きには
これ以上の朗報はあるまい。

他のテーブルを眺めていると
牡蠣フライが注文を集めていた。
カキメニューには
牡蠣ソテー、牡蠣玉子とじ、
牡蠣バターラーメンなども。

卓上のカスターは
生しょうゆ・中濃ソース・辣油・
生酢・一味・白胡椒・爪楊枝。
過不足ございませんネ。

問題は営業日が
金・土・日のみであること。
それと駅を見下ろす好立地に
ありながら眺めを楽しめるのは
窓辺の1卓だけなのだ。
期待して来ただけに肩透かしを
食らった思いは拭えない。

けれどもフロアのオネエさん、
厨房のオヤジさん、
二人ともすこぶる感じが好い。
山梨県の人って
好人物が多いのかもしれないネ。

食後、駅の周りを散策したが
こう暑くちゃ、ままならず、
上りの高尾行きに乗りました。

「一福食堂」
 山梨県上野原市新田1053
 0554-63-0636

2026年8月10日月曜日

第4156話 わが青春の早大キャンパス

気分がいいので馬場から
早稲田まで歩くことにした。
古くて小さな映画館、
早稲田松竹の前を通りすがった。
ただ今遅れて「国宝」を上映中。
入館は数回に過ぎないが
向かいの雀荘「ワセダ」は
幾度も利用した。

馬場口の交差点を渡り、
早稲田通りをなおも東へ。
グランド坂上、西早稲田の手前に
居酒屋「源兵衛」が今も健在だ。

穴八幡の境内に入る。
せっかくなので手を合わせ、
石段を降りてゆく。
アレッ?こんなに急だったかな?
若い頃はトントン下ったけれど
年を取ると、ちょいと怖いネ。

石段の前は早大戸山キャンパス。
文学部があるところだ。
久方ぶりに立ち寄ってみよう。
校舎に続くスロープが
文学部の代名詞。
上って右手に学食がある。

受付のオジさんに訊いてみた。
「今日は学食、開いてますか?」
「エッと、今日はお休みです」
「今も坂の右手ですか?」
「いいえ、左ですよ」

ん?おかしいな。
右のハズだけどな。
移転したんだろうか。
それとも記憶違い?
そんなことはあるまい。

となると、移ったんだろう。
さすれば、在学中の吉永小百合が
よく座ったサユリズ・テーブルは
もう消えたことになる。

本学に廻ろう。
カレー南蛮の発祥店「三朝庵」が
閉業して久しい。
跡地は待ってましたとコンビニ。
まったくイヤになるネ。

値段も敷居も高くて入れなかった、
洋食店「高田牧舎」は
営業を続けているが
いつの間にかピザ屋に代わった。

書店「成文堂」は営業中ながら
雀荘「早苗」は廃業した。
通用門の脇にあって
仲間で入り浸った喫茶兼バー、
「ポントス」はとっくの昔に消滅。
今はインド料理屋「ターリー」が
カレーとナンを商っている。

通用門から本学のキャンパスへ。
大隈さんの銅像を仰ぎ正門を出た。
そろそろ帰ろう。
三ノ輪橋行き都電荒川線。
上野松坂屋行き都営バス。
どちらにしようかな?
どっちでもいいや!

2026年8月8日土曜日

第4155回 歓びアーカイブ 第32回

宮城県・登米市を訪れ、
懐かしきマーくんの全盛時代に
この年、唯一の敗戦試合を
中華屋のTVで観たのでした。

2014年3月27日木曜日

第803話 ありそでなかった中華のレバ焼き

宮城県・登米市となれば、
「麺や文左」のほかにもう1軒、
是が非にも紹介しておきたい店がある。
実は今回もスキを見ておジャマしたかった。
ところがスケジュールは
あまりにもキツッキツ。
よって訪問かなわずだった。

それでもちょっと間、
身体が空いたので電話を入れたものの、
休憩時間だったらしく、ノー・アンサー。
仕方なく断念した次第だ。
したがって前回訪れた際のリポートとなる。

忘れもしない昨年の日本シリーズ第6戦。
地元、楽天のマウンドには今をときめく、
マーくんがあのどんぐりマナコで
巨人打線を見下していた。
そのときJ.C.は店のTVの真ん前に独り、
陣を取っていた。
プレイボールからゲームセットまで
じっくり観戦したが2013年における、
田中将大の敗戦はこの1試合のみ。
貴重なゲームを観ることができた歓び、
いかばかりであろうか。

中華料理店の名は「賢龍」。
ストリートの名こそ知らねど、
幹線道路に面した、
プチ・ドライブインのような店。
前には晩秋の田んぼが拡がっていた。

この店を訪れるのは二度目だった。
前回、目にとめて惹かれ、
オーダーしたレバ焼きを再びお願い。
もともとレバーは大好物だから
しょっちゅう焼きとん屋を訪ねている。
中華料理店においてはせいぜい、
ニラレバくらいしか選択肢がない。
しかもニラレバを謳っていても
実際はモヤレバであることたびたび。
不満は残るし、納得もいかない。

しかしこの店ときたら豚レバが
ビシッと主役を張るレバ焼きなのだ。
試しに注文してみたが
ズドンと真ん中に命中だった。
オラ、こんなレバ好きだ!
これぞ純レバなりき
いいですなァ、いいでしょう?
脇の長ねぎとピーマンがことのほかうれしく、
かれらはかれらで
おのれの存在をけなげに訴える。
うん、キミたちの美味はよお~く判っちょる。

レバを口元に運びながらTVを観レバ、
おや? 今夜のマーくんは
いつもと様子が違うじゃん。
得意の持ち玉、スプリット・フィンガーに
心なしかキレがない。
あらら、高橋由伸が打ったヨ、
あやや、やったヨ、巨人が勝っちゃったヨ。

こんなシーンはまず観られない。
思わずビールを追加して
最後まで観切ったのだった。
よって夜更けの会合に
遅刻すること半時間。
失礼こうむった次第ながら
ワケを弁明すると、みなさん許してくれた。

しっかし、このレバ焼きを
炊きたての登米米の友としたら
さぞや旨かったことでありましょう。

「賢龍」
 宮城県登米市南方町王塚50−1
 0220-58-5228

=本日追記=
宮城県にはトンとご無沙汰だが
来月、青森・岩手の帰りに
立ち寄るつもりでいます。