2026年10月24日土曜日

第4213話 歓びアーカイブ 第45回

ここ数年、朝食はほとんどパン。
ごはんを食べることは滅多にない。
町歩きをしていても
パン屋はよく覗く。
ええ、そうです。
昔のパン屋で買ってます。

2014年12月9日火曜日

第986話 秋の日の一人歩き

結局は薬局、前話のつづきみたいだが
こち亀タウンでラーメンを食べたあと、
まっすぐ都心に戻りはしなかった。
小春日和りを味方につけて
真東に進路を取った。

荒川と江戸川の間に中川が流れている。
その中川を中川橋で渡った。
するとほどなく現れたのがコレだ。
新しくとも老舗ベーカリーの風情あり
以前にもたびたび述べているが
J.C.は古いパン屋に弱い。
オサレなブーランジェリーなんぞ興味ナシ。

でもって、入っただヨ。
スペースのある店ながら品数はきわめて少ない。
それでも惹かれたのがコレだ。
三色パンと称する
いや、マイッたなァ、懐かしいなァ。
実はこのパンを見るのは 30年ぶり。
小学生の頃に棲んだ大田区・大森辺りでは
”三つ島” と呼ばれていた。
ちゅうちょなく買い求め、
一人歩きはなおも東へ東へ。
いや、正確には東北東かな。

JR常磐線・金町駅のロータリーを横切り、
ガードをくぐり抜けて北上し、
かなり歩いて水元公園にやって来た。
何年ぶりだろうか? たぶん35年ぶりだが
水周りの風景をよく覚えている。
この池は小合溜(こあいだめ)という。

其処からさらにテクテク歩いた。
ふと気がつけば埼玉県・三郷市に入県。
いや、この日目指したのは埼玉じゃなく
千葉県・松戸だったんだけどネ。

かなり遠回りの末、
やっとこさたどり着いた松戸だった。
松戸神社や旧平潟遊郭跡を散策したものの、
かつて訪れた酒場の開店には
まだだいぶ時間がある。
ええい、ままよ! 
再び徒歩で都内の金町に引き返す。

引き返したが、さすがの健脚も
くたびれ果ててヨレヨレ。
息も絶えだえに「末広飯店」へ。
注文はまたもやラーメン(550円)だ。
店は上湯(シャンタン)をウリにしており、
この値付けはお値打ちといえる。
具はチャーシュー・シナチク・うず玉
さすがにスープ上質にして
麺もシコシコと極上のラーメンを味わえた。
金町まで遠出する価値、大いにありの佳店だ。
(現在は閉業)
結局、昼も夜もラーメンの一日になった。

おっと、帰宅後に開いた三色パンを披露せねば。
ジャム・クリーム・あんこの3点
煎茶を淹れて食したものの、
美味しさはまずまず止まりだが
J.C.にとっては懐かしみも旨みのうち。
まっ、しっかたなかんべサ。

「星野ベーカリー」
 東京都葛飾区新宿2-11-1
 03-3607-2930

「末広飯店」
 すでに閉店

=本日追記=
最近はレトロブームなのか
あちらこちらで三色パンを
見掛けるようになりました。

2026年10月23日金曜日

第4212話 居心地よろしく 麦酒も美味し (その2)

そんなこって彼女らの会話が
ヤケに騒々しい。
こりゃ、口ん中に
何か放り込んでやらにゃあ、
収まることはないな。
騒ぐ女子会は居酒屋でおやりっ!

ところがどんどん料理が
運ばれても彼女らの口角から
泡が消えることはなかった。
哀れオッサン、独り淋しく
諦めの境地に沈んでいた。

仕方ないからメインの料理をー。
TOKYO-X は2種類あって
肩ロースのグリルと
部位は定かでないが
柔かく煮込んだ X 豚のオーヴン焼き。
どちらか行こうと迷ったものの、
ポーションが大きそうで尻込みする。

結局は薬局、温かい前菜から
天使の海老のカダイフ包み揚げを。
カダイフはトルコ由来で
小麦粉と水から成る麺状の食材。
”天使の髪” の愛称を持ち、
イタリアンのカペッリーニと同名。
天使の海老の天使の髪包みねェ。
見事にダブル・エンジェルだわ。

天使たちの羽ばたきは
軽やかにして繊細。
パリはマドレーヌ広場の
三ツ星レストラン、
「ルカ・カルトン」の
名物料理をほうふつとさせる。

あちらはより高級なアカザエビ、
いわゆるスカンピが使われ、
アラン・サンドランスの才能を
いかんなく発揮する逸品だった。

お勘定は4400円也。
明細を見たら麦酒と料理が
仲良く2200円づつ。
我ながら上手に飲み、
食べ分けたものだと感心。

帰りに1階の売店でみやげを物色。
TOKYO-X の規格外ベーコンを
発見して小躍りする。
いわゆる切り落としだが
150g で1000円と規格外は破格。
ここは買いの一手である。
そうだ、明日の朝は
ベーコンエッグを焼いて
トーストの友としよう。

そんなことを考えながら
福生の街をあとにした。
Y野サンとの義理も果たせて
肩の荷が降りた心持ちであります。

「シュトゥーベン・オータマ」
 東京都福生市福生785
 0425-51-1325

2026年10月22日木曜日

第4211話 居心地よろしく 麦酒も美味し (その1)

「シュトゥーベン・オータマ」は
当地の大多摩ハム直営店。
シュトゥーベンは
居心地のいい部屋を指す。
ダイニング・フロアの天井高く、
都心ではまず考えられない、
ぜいたくな空間を誇っている。

窓辺の四人掛けに案内され、
まずは麦酒の品定め。
クラフトビールは苦手につき、
一番スッキリのデンマーク産、
カールスバーグを大ジョッキでー。

前菜はハム盛合わせのハーフ。
お運びのコに内容の説明を受ける。
TOKYO-X とフツーの豚のロースハム。
ソーセージも2種で
ボローニャともう1種は
残念ながら彼女に知識なく、
"もう一つのソーセージ" となった。

ハム・ソーセージにパンは必須。
一緒に食べると互いに引き立て合う。
アbゲットを追注したら
きちんとバター付きで来た。
最近はバターを省く所が多い中、
この店はいい店だ。

ハムたちの上に美食家のパセリの
異名を取るセルフィーユが1房。
くだんの彼女に
「もちろん有料で構わないから
 セルフィーユを10房ほど
 貰えないかな?」
「ハイ、かしこまりました」

しばらくして戻り、
「150円いただくとのことです」
「エッ、もっと高くてもいいのに」
小皿に10房以上がこんもりと来た。

お替わりは福生の石川酒蔵による
ピルスナーを同じく大ジョッキで。
此処の(大)は1100円。
750円の(中)の倍は楽にあり、
呑ん兵衛は迷わず(大)にすべし。

18時近くになって立て混み始めた。
カップルや家族連れなどさまざま。
若い娘ばかりの8人組が来店し、
急に騒がしくなった。
店はにわかにざわめいて来た。
ほうら松山千春も歌い出す。

♪ 深く耳をすませば 
  朝一番の汽笛
  街はにわかに ざわめいて
  遠い旅の空から 
  君に送る便りは
  力まかせの なぐり書き
  まわり道でも 旅の終わりに
  君にもう一度 
  会えたならいいね    ♪
   (作詞:松山千春)

「人生(たび)の空から」は
1980年のリリースで
彼の9枚目のシングル。
浪花の小姑は知ってるだろうか?

=つづく=

2026年10月21日水曜日

第4210話 横田基地に 興味は無くとも

青梅から乗ったJR青梅線は
十数分で福生に到着。
余りに小ぢんまりした駅に
拍子抜けしてしまう。
2駅東京寄りの拝島が
立派な駅なだけに
この印象も無理はない。

福生といえば横田基地。
そう、アメリカ空軍のネ。
まずは行ってみるかー。
いえ、キャンプ内には入れない。
ベースサイドストリートを
ただ歩くだけでここは国道16号線。

道の東側はフェンス&鉄条網。
西側に店々が軒を連ねている。
米兵を当て込んだ食い物屋が多い。
ハワイアンにタコライス。
ベーグル、ピッツァ、ハンバーガー。
スパムおにぎりに
名物イタリアンライスなんてのも。

数ある食べ物にはほとんど興味ナシ。
むろんのことに
横田基地にもまったく興味がない。
長居は無用とばかり、
福生駅方面に引き返す。
来た・見た・帰った! の典型例。

夕食予定の「オータマ」。
そのすぐ近くにバーやスナックが
密集する裏通りを発見。
言わば、アメリカ版飲み屋横丁だ。
この街に1泊するつもりなら
食後に立ち寄ってもいいが
今回はそうもいかない。

「オータマ」の開店までは
まだまだ時間があり、
駅の反対側の西口に回ってみた。
こちらも思ったより開けている。
「FUSSA 福生」なるエスニックは
アジアに限らず、
南米料理もウリにしており、
23区内にはまず無いタイプ。

サルタード、エンパナーダ、
ジャークチキン、セビッチェ、
ティラピアのフライまであった。
このサカナは淡水に生息し、
和名を泉鯛という。

ちなみにサルタードは
ペルーの中華料理とも
いわれる肉野菜炒め。
エンパナーダは具材を包んだ、
餃子型パンでスペイン発祥ながら
アルゼンチンの国民食となる。
J.C.もブエノスアイレスで食べた。

どうにか時間を潰し、
開店の17時と同時に入店。
一番乗りである。
ふむ、なかなかにオサレな
空間じゃないでしょか。

=つづく=

2026年10月20日火曜日

第4209話 青森転じて 青梅になった (その2)

東青梅のうどん店「根岸屋」。
カレー南ばんが運ばれたのは
かっきり30分後だった。
混雑しているとはいえ、
ちと時間が掛かり過ぎの感あり。
まっ、いいか。

武蔵野うどんはぶっとい。
歯応えもかなりのものである。
しかも並盛りで
他店の大盛り分はあった。

カレーが並々を超えて
どんぶりから溢れて出ている。
イヤだなァと思いつつも
食べざるを得ない。

TOKYO-X は3片。
足せば薄切りロース1枚分だ。
噛んだときの食感がミシッミシ。
独特の味わいがあって旨い。

地元・青梅市の小澤酒造による
冷たい澤乃井に切り替えた。
1合500円だが片口に
たっぷり入って来た。
1合半はあるんじゃなかろうか。

フロアで独り奮闘する
お運びのオバちゃんに
「これで1合? もっとあるよネ」
「サービスなのよ」
「へぇ、大サービスだありがと!」

うどんは食べ切れんかった。
普段は麺半分にするが
初めての店ではどれほどの量か
見当がつかないからネ。
こういうものを書き綴る以上、
内容を正確に伝える義務も
生ずるし・・・。

東青梅から青梅まで1駅歩く。
旧青梅街道を西へズンズンズン。
途中、昭和幻燈館と
昭和レトロ商品博物館に立ち寄る。
ここで多くを語らないのは
どちらもそれなりだからだ。

青梅の街の南を流れる多摩川に
行ってみようとも思ったが
坂を下らねばならないため、
帰りがけっこうキツそうで
遠望するだけにとどめた。

駅に近い仲通りは寂れていたが
鰻「寿々喜家」と
日本そば「玉川屋」は揃って健在。
殊に「寿々喜家」は
また来る機会があったら
一飲一飯の恩恵にあやかりたい。

まだ15時前、さて、どうしよう。
此度、背中を押してくれたY野サン。
そうだ、彼女の棲む福生に行こう。
以前から気になっている
「シュトゥーベン・オータマ」で
生ビールを飲もう。

「根岸屋」
 東京都青梅市勝沼1-40-4
 0428-22-3083

2026年10月19日月曜日

第4208話 青森転じて 青梅になった(その1)

この9月、みちのくに
ひとり旅する予定でいた。
弘前→青森→八戸→盛岡→仙台
かように周遊するつもりだった。

それがホテル予約の段階で
いきなりつまづく。
青森3市の宿を確保するため、
それぞれ3軒のホテルに電話。
驚くなかれ、全9軒すべて
満室と来たもんだ。
ねぶたの季節を避けたのに
嘘みたいなホントの話である。

何と9連続三振。
江夏にボコボコにされた、
パリーグの打者さながらである。
今月は北陸ひとり旅の手筈だし、
来年も4月、6月とすでに
旅程を組んでしまってある。
結局は来夏に延期の憂き目だ。

ここで思い出したのが
ずいぶん前に読者のY野サンから
いただいたお便り。
福生市在住の主婦の方だが
一部を紹介してみよう。

まことに失礼ながら
J.C.さんって都内23区は
小まめにお回りになられますけど
東京都の市部はほとんど無視ですね。
かねてより私は
淋しく思っておりました。

言われてみれば仰る通りである。
一つ出掛けて行こうかな。
まず目をつけたのが青梅市。
青森転じて青梅かァ、
森が梅に代われども
青つながりで悪くはないな。

神田から乗った高尾行きを
新宿で青梅行きに乗り換え、
降り立ったのは東青梅である。
昼めしに狙いを定めた、
「根岸屋」へ直行の巻。

正午過ぎで店内は大盛況。
8人掛け相席の片隅に落ち着いた。
ビールはキリンラガーorエビス。
さすればラガーしかない。
茹で立ての枝豆が付いてきた。

壁の木片(竹片かも?)に
”うちの目玉は カレーうどん”。
なるほどほぼ全客、ソレである。
フツーの豚肉使用と
青梅発祥 TOKYO-X の二本立て。
迷わず TOKYO-X カレー南ばんをー。
この豚肉は大好きでかれこれ
四半世紀のつき合いになる。

=つづき=

2026年10月18日日曜日

第4207話 歓びアーカイブ 第44回

それでは取るものも取り合えず、
昨話のつづきであります。

2011年11月23日水曜日

第190話 愛猫プッチ 失踪す!(その2)

いない、いない、ウチの猫がいない!
いったいどこへ消え失せたのか?
これは家出か? はたまた失踪か?

14年前、アメリカから帰国して間もない頃。
ある日、一人の部下がデスクにやって来て
「スンマセン、早退させてください」
「どうした?、体調でも悪いのか?」
「いえ、ウチの猫がいなくなっちゃいましてー」
「それで?」
「いえ、あの、近所を捜さないと・・・」
「ハア?」
こんな会話が交わされた。

結局は早退を許可したが心の内では
「ったく、最近の若モンはナニ考えてんだか!」
であった。
だども、今のわが身にはヤツの気持ちが
痛いほど判るんですなァ。
そう、生きものを飼うってことは
その生きものを愛するってことは
こういうことなのだ。

愛猫プッチが忽然と姿を
消したのはいかなる理由か?
数時間前の記憶をたどり、推理をめぐらせる。
経験則から、たとえ玄関にすき間があっても
せいぜい顔を出す程度、
絶対に外出することはない。

さすればちょくちょくお出ましのベランダだ。
以前にもベランダ沿いに隣家を訪れ、
しばらく滞在してから帰って来たことがある。
身を乗り出して隣りをのぞくも真っ暗闇。
まさか夜の夜中にピンポンは出来ない。
すべては夜が明けてからとあきらめた。

あきらめてはみたが
寝つきの悪いことったらない。
帰宅の遅い夫を待つ妻の心境を
生まれて初めて身をもって知った。
世の旦那サン、愛妻のために
お帰りはお早めにネ。

浅い眠りに寝返りばかりを打ち、
いつしかしらじらと明け方の5時。
小用にベッドを離れると
開けてビックリ玉手箱。
リビングの板の間に奴さん、
ちゃっかりうずくまってるじゃないのっ。
「コネ野郎、さんざ心配させやがって!」―
取りあえず叱咤しただけで体罰は免除し、
朝まで(もう朝だけど)同衾を許した。

数時間後に目覚め、
さて、刑罰を与えねばならない。
すると敵もしたたか
空気を察して盛んに逃げ回る。

物陰に隠れて視線合わせず

罪の意識があるのだろうか? あるハズないやネ。
引きずり出して実刑はデコピン一発だ。

観念したものか真名板の鯉状態

額(ひたい)にキツい一発をお見舞いしたら
止めるスキもあらばこそ、一目散に逃げ出した。
まっ、いいか、放免してやろう。

10時間の失踪事件はこれにて一件落着。
と思ったものの、厄介なのは3缶開けたツナ缶だ。
それから3日間はバカ猫とともに
せっせこ、せっせこ、ツナを食いまくりましたとサ。
しっかし、ツナ缶っつうのは旨いもんじゃねェな。

=本日追記=
初代・プッチはいろんなモンが好きで
何でもよく食ったが
二代目・スミはキャットフード一本やり。
飼い主としてはラクでいいけど
つまらないっちゃあ、つまらんネ。