2026年6月29日月曜日

第4109話 昼下がり 独りで焼いた 成吉思汗 (その1)

はっきりしない空模様の下、
外出に気が進まないものの、
ブランデーの在庫が切れて
調達のため、湯島に赴く。

まずは界隈で昼めしだ。
湯島には心惹かれる、
日本そば屋がまったく無い。
10年前に「池之端 藪蕎麦」が
閉じて「蓮玉庵」が残るが
 J.C.との相性はよろしくない。

ここで不図、思い出したのが
2年ほど前にオープンした、
ジンギスカンの「だるま」。
札幌に本店を構える人気店だ。

思い出すなァ、アレは1989年。
往時のGF・E子と訪れた。
青森県・八戸出身の彼女と
出逢ったのは東京だが
すでに帰郷しており、
札幌で待ち合わせた。

E子だけに、いいコだった。
生ラムを焼きながら
生ビールをしこたま飲んだ。
札幌だから銘柄は
サッポロだったのだろう。

その後、すすきののクラブだか
スナックだかに繰り出して
夜明け近くまで飲んだ。
J.C.も30代、若かったんだねェ。

それはそれとして
湯島の「だるま」。
1階のカウンターに着く。
SAPPORO CLASSICがあった。
今じゃ北海道限定のビールだ。

当時は東京でも
たまに何処かで見掛けて
気に入りだったから
あれば購入していた。

記憶が確かなら十数年前、
足立区・綾瀬のスーパーは
イトーヨーカ堂だったかな?
遭遇して即購入。
五反野への道すがら
飲みながら歩いたものだ。

昔の恋人に再会したような気分で
中瓶をトクトクのプッファー!
う~ん、懐かしいなァ。
アレ以来だが生産は続いてたんだ。
そうしておいてメニューの吟味。
見とめたのはコレである。

<ランチ限定セット>
・成吉思汗<お肉増量!>
・野菜・おしんこ・キムチ
・ライス(小)または(中)
 ¥1800(税込¥1980)

ライス(小)で発注に及ぶ。

=つづく=

2026年6月27日土曜日

第4108話 歓びアーカイブ 第25回

「渡る世間は鬼ばかり」の
再放送をたまに観ている。
舞台の町中華「幸楽」の長男坊、
眞は東大受験に失敗したが
 J.C.は無事入ることができた。
いえ、食堂で昼めしを
食っただけですがネ。

2011年4月4日月曜日

第23話 東大に入りました!

このたびめでたく東大に入りました!
ただし裏口から・・・。

本郷の東大にはいろいろと入口があって
正門のほかに赤門が有名だ。
裏口となれば、さしずめ弥生門だろう。
本学にはもう一つ、
東大病院に続く竜岡門があるが
こちらは裏というより、横の印象が強い。

その日は弥生門から学内に入った。
何のために? ってか?
エヘヘのヘ、昼めしを食いにですヨ。
なあ~んだ、めしか! ってか?
若さも能力もないこの身と頭、
入学なんか出来るわけないじゃん。

東大、東大と申しやしても
いささか広うござんす。
学食にもいろいろあって
此度目指したのは「第一食堂」、
またの名を「銀杏・メトロ食堂」。

今は昔、学園闘争で
その名を天下に知らしめた安田講堂。
その直下のスペクタクルな
「中央食堂」も悪くはないが
「銀杏・メトロ食堂」は
銀杏・レトロ食堂」と
改名したいくらいのものだ。
入口の手洗い場からして
こんな感じですもん。

手を洗いながらタイムスリップ

どうです? 懐旧派にはこたえられんでしょ?

さて、肝心の ”めし”。
いかに日本の最高学府の、
そのまた最高府といえども
格別に味がよいわけでも何でもない。
作ってくれる方々には申し訳ないが
正直言って学食なんて
単なる”エサ場”でよいのだ。
学生のうちから美食に
うつつを抜かしていたら
将来、ろくな人間になりゃしません。

学食に引っ掛けて
大学の後輩を誘ってみた。
声を掛けるたびに
けっして断らないヤツである。
もっとも毎度こちらの奢りだからネ。

おっ、そうだ、そうだ、
東大で奢りとなると、
大江健三郎の「死者の奢り」が第一感。
高校2年のときに初めて読んだ、
この一作は開高健の「裸の王様」と
芥川賞を競い合った末に
惜しくも敗れた秀作である。

それはそれとして
自分で運んで来たカツカレーがこれ。

ちょっと見はコロッケカレー

口にしてみると、とんかつもカレーも
学食の水準をクリアしている。
相方の食べた日替わり定食はこんなだ。

かれい唐揚げ・コロッケ・おひたし

白飯ではなく舞茸の炊込みごはん。

周りを見ると外国人、
おそらくアメリカ人の先生が多く、
押しなべて温かい日本そばをたぐっている。
ライスに醤油をぶっかける民族だから
東京風のしょっぱいつゆが
お気に召すのかもしれません。

「銀杏・メトロ食堂」
 東京都文京区7-3-1
 03-3811-5297

=本日追記=
しばらく学内に
足を踏み入れていないので
近いうちに再訪するつもりです。
「メトロ食堂」だけは
夕方からだけど
ビールも飲めるしネ。

2026年6月26日金曜日

第4107話 浅草に Tempura From New York (その2)

西浅草の「天ぷら 福岡」。
品札によれば本日の魚介は
車海老・キス・穴子・
あおりいか、4種のみ。
難を云えば、ここに
銀宝とは云わないまでも
メゴチかハゼが欲しいところ。

まずは定石通りに
2本の車海老でスタート。
銀座・日本橋の高級店では
お好みでも最初は海老2本を
強制されることすらある。

天つゆ&おろしを使わず、
塩だけでいただく。
身もさることながら
頭&足の旨さが格別なり。

早くも中瓶は2本目。
浅漬けが恰好のつまみになる。
続いてはキス、これも塩。
天つゆを使うヒマが無い。

あおりいかは感心しなかった。
皮目の硬さが気になる。
一皮むけばまた違った味わいに
なるものと思われ、
ちと残念ではある。

野菜を一つ挟んでおこうかー。
かさ張るモノは避けて茗荷を。
舌先を変えるにはオツな小品だ。
そろそろ日本酒に移ろう。

宮城は塩釜の浦霞を所望する。
一昨年、創業200年を迎えた、
佐浦の手になるものである。
山形の酒を好む J.C.だが
浦霞は好きな銘柄だ。

締めは穴子。
下(しも)をおろしと生醤油。
上(かみ)で初めて
天つゆのお世話になった。

キス・メゴチ・ハゼ。
東京湾に揚がる江戸前の小魚は
みんな好きだが
穴子に如くはない。
もっとも今じゃ産地が
あちこちに散らばってしまった。

数多い天種で穴子に
匹敵するのはだだ一つ。
桜海老と新玉ねぎのかき揚げだ。
こればかりは駿河湾産に限る。
世界広しといえども
桜海老がほかで獲れるのは
台湾くらいじゃなかろうかー。

お勘定は8千円ほど。
昼飲み派にはありがたい1軒を
発見したものです。
しかもなじみの西浅草で。

「天ぷら 福岡」
 東京都台東区西浅草2-7-8
 03-5828-2313

2026年6月25日木曜日

第4106話 浅草に Tempura From New York (その1)

西浅草をぶらぶらしていて
たまたま見つけた「天ぷら 福岡」。
店舗の顔ともいえる、
ファサード看板に
” 天ぷら 福岡 From New York "
とあった。
一体、どういうこと?
その日は昼食後だったため、
翌週、舞い戻った。

ドライ中瓶を飲みつつ、
眺めた Lunch Menu はかくの如し。

海老天丼                  1500円
海老のかき揚げ天丼 1900円
穴子天丼      2200円
デラックス天丼   2700円
天ぷら定食     2100円

穴子好きは迷わずである。
カリッとではなく、
シットリ揚がって
これもまた好し。
脇を固める野菜は
蓮根・茄子・獅子唐・さつま芋。

そして特筆すべきは
きゅうり&大根新香と
千本の人参&大根味噌椀。
いずれも手抜かりが無い。
これは佳店の証明である。
切盛りはご夫婦だろうかー。

2900円を支払いながら訊ねた。
「From New York の意味って?」
「主人が New York の
 『レストラン日本』出身でして」
「あゝ、何度もおジャマしました」
「エッ、あちらに居らしたんで?」
「長いこと棲んでました」

そこから盛り上がり、長い立ち話。
「ぜひ、またいらして下さい」
「今度はお好みでいただきます」
「ウチはお昼だけなんですが
 よろしくお願いします」

インバウンドであふれ返る浅草は
天ぷらはじめ、鮨、鰻、和牛と、
彼らを見込んだ店舗が目立つ。
吾妻橋の西詰には
「Tempura Asakusa SAKURA」
なんていう店もある。

翌週、ウラを返した。
麦酒で一息ついて
前回、気に染まった浅漬けを。
「鰻屋さんの上新香みたいに
 お鉢でいただけますか?」
女将さんニッコリ微笑み、
「ハイ、かしこまりました」
そうしておいて
高い位置に掲げられた、
天種の木札を見上げる。

=つづく=

2026年6月24日水曜日

第4105話 深川で ちとチグハグな はしご酒 (その2)

森下の「ふかがわ翁」。
牡蠣オイルと鯛わたで
菊姫を飲っているが
日本酒ではノドの渇きを
癒すことができない。

サントリー・オールフリーを
しぶしぶ発注した。
ビール好きがノンアルを
飲まなきゃならぬせつなさよ!

鹿児島の芋焼酎・悪魔の抱擁に
切り替えた。
焼酎らしからぬラベルが印象的。
悪魔と美女が描かれ、仏語で
”L'etreinte du diable” と来て
恐れ入りやした。

花わさびの三杯酢を追注。
わさびの辛味と砂糖の甘味が
意外とマッチする。
わさびは主要な根茎以外に
花も葉も大好きだ。

締めはイチジクの天ぷらと
九条ねぎの冷かけをー。
丸ごと揚げたイチジクが
4つにカットされ、
刻まれた九条ねぎが
これでもかと盛られている。
細打ちそばも甘さ控えめのつゆも
「翁」の存在感を主張している。

目の前のバイトと思しき娘さんは
そば味噌造りに忙しい。
一生懸命、しゃもじに
味噌を塗りたくっている。
会計は7800円だった。

森下駅に戻る道すがら
「翁」と同じ並びにある、
「魚三酒場」を通りすがった。
これは素通り出来ないな。
だけど締めのそばまで
食っちゃってるし・・・。
う~ん、ガマンできない、
入っっちゃえ! われながら
やることがチグハグである。

入ってびっくり。
あの人気店がスカスカだ。
森下の町にいったい何が
起こっているんだろう?

とにかくドライの大瓶に
ありついて渇いたノドを潤す。
腹一杯につき、つまみは少量。
赤貝3枚、甘海老3尾でしのぐ。

壁のポスターに目を奪われた。
黄桜 京とくり
これは濁り酒である。
せっかくだから
いただきましょう。
味わっていると
目の前に接客のオバちゃん。

「にごり酒、甘いでしょ?」
「うん、たまにゃ、
 こういうのもいいモンだヨ」
「アタシにゃ甘すぎちゃって・・」
「デザート代わりみたいなもんサ」
「あっ、そうかァ!
 そう思えばいいのよねェ」
勘定は2千円とちょっと。

気取ったそば屋より、
気の置けない酒場が
性に合う J.C.なのでした。

「ふかがわ翁」
 東京都江東区常盤2-12-12
 03-6659-2294

「魚三酒場 常盤店」
 東京都江東区常盤2-10-7
  03-3631-3717

2026年6月23日火曜日

第4104話 深川で ちとチグハグな はしご酒 (その1)

先日、昼めしどきに来て
降りたシャッターが気になった
森下のメイン・ストリート。
高橋夜店通り(のらくロード)に
この日は夕暮れに訪れた。

う~ん、やはりシャッターを
閉ざす店が目につく。
この町も不況に
見舞われているのだろうか?
界隈は下町・深川の北限である。

小名木川に架かる高橋(たかばし)
北詰の「ふかがわ翁」に来た。
東京には上野と神楽坂に「翁庵」。
浅草には「翁そば」と
屋号に ”翁” を冠する店が点在。

当店は著名な高橋邦弘氏率いる、
翁達磨グループの流れを
汲むそうだ。
屋号の似る「しながわ翁」と
同系列ということかー。

翁の歴史は古い。
平安時代から続いている。
”今は昔、竹取の翁と
 いうものありけり”
おっと、これは日本最古の物語。
「竹取の翁」でありました。

開店時間の17時半ちょうどに
到着したが営業する気配がない。
同時に独りの女性も来店。
当方を尻目に引き戸を引いたが
すぐに閉めた。
「開いてないんですかネ?」
「まだ誰もいません」
「エエ~ッ!」

ちょいと間をおいて
今度は J.C.が様子見。
奥に男性の姿が見えた。
「今日は店開けるんですか?」
「今、開けます、開けます」

二人、同時に入店し、
席を一つ空けて横並び。
数えたらカウンター9席の
小体な店である。

品書きを見て愕然。
麦酒が苦手なプレモルしかない。
いや、マイッたな。
パスしてハナから日本酒で行く。
石川県・白山市の銘酒、
”菊姫 先ず一杯”を所望。

つまみに自家製牡蠣オイル漬けを
見つけて店主に訊ねた。
「今の時季に牡蠣がありますか?」
「ええ、通年やってます」
3個お願いし、好物の鯛わた塩辛も。

ビールを飲まずに
いきなりの清酒は何年ぶりだろう?
コレだからこだわる店は
困っちゃうんだ。

ここでリンダが歌い出したが
口うるさい浪花の小姑が
何か言い出すに決まってる。
うっちゃって先に進みましょう。

=つづく=

2026年6月22日月曜日

第4103話 朝鮮焼きをあきらめて

本日は練馬区・平和台に遠征。
相棒は久々の麦歩とも・N子。
メトロ有楽町線・平和台駅で
落ち合ったら環八沿いを
板橋区方面に歩くこと3分。
「グリルおおくぼ」に到着した。

「今、片付けますから
 外でお待ちください!」
環八に面しているので
クルマがビュンビュン。
5分待って席にありつけた。
即刻、ドライ中瓶を発注する。

あらかじめ下調べ済みの
朝鮮焼きに決めていたが
念のため、確認に及ぶ。
似たようなのが下記3品。

やき肉定食     770円
朝鮮焼き肉定食 1040円
生姜焼き定食  1230円

値付けの意味がよく判らない。
やき肉と生姜焼きの価格差は
何を根拠としているのだろう?

お運びのオネエさんに
豚肉の厚みを訊ねると
朝鮮焼きは厚めとのこと。
結局は薬局、朝鮮焼きをあきらめ、
一番薄いやき肉に決定。

洋食がズラリ並ぶメニューから
N子が択んだのは
おこのみ定食(1560円)
+あじフライ(265円)
おこのみの内容は
海老フライ・一口カツ・
クリームコロッケだった。
ずいぶん食うな、と思ったが
まっ、分け合うんだけどネ。

それぞれの定食に
大根浅漬け&胡瓜しば漬けと
豆腐味噌汁が付き、
ライスはともに半分でお願い。
でも、けっこう食べ出があった。

ビールは珍しく1本づつのみ。
2軒目はナシの約束だったから
自ずと散歩も短距離だ。
環八を北西に歩き、
旧川越街道を左折する。

超レトロな北町アーケードと
北町楽天地をぶらぶらしたあと、
東武東上線に乗って池袋へ。
其処からは JR山手線外回り。
相方は西日暮里、当方は日暮里。

すんなり別れたけど、
一時期のダラダラ飲みが
嘘のような今日この頃。
どうやら倦怠期が訪れたようです。

「グリルおおくぼ」
 東京都練馬区平和台4-21-7
 03-3934-5313