2026年7月7日火曜日

第4116話 「醉心」に 心醉いしれ

本日は恒例のイレブン・セブン。
ホームグラウンドの神田は
北店も南店も満卓で予約が取れず、
新橋店での開催である。

この日は打牌後、4人で飲む予定。
普段は東風戦を18回打つのだが
今日は15回で切り上げた。
そうして向かったのが
戦場から徒歩1分の酒場、
心酒蔵」である。

J.C.は過去に1度だけ
利用したことがある。
あれは1980年の秋口だった。
金融業界に足を踏み入れた年で
夏にシンガポールへ長期出張した。

その際、一番お世話になったのが
某大手都市銀のチーフディーラー、
業界では知らない人のいない、
K田サンだった。

この銀行には同姓で
二人のK田サンがおり、
もうお一方は
シンガーソング・ライター。
「シクラメンのかほり」を
世に送り出した人である。
ハハ、これじゃ某銀行なんて
ボカしてもバレバレですわな。

お世話になったK田サンと
再会して飲んだのが
「醉心酒蔵」なのだ。
雀荘から至近に在り、
その夜は此処にしようと
J.C.が勝手に決めた。

4人はめいめい、
好みのグラスを合わせる。
打牌中、ずっと
飲み続けたビールだが
飽きることなどない。

まずは黒ラベル中瓶を
1本飲っといて
店名にもある広島県三原市の銘酒、
醉心の樽酒に切り替えた。
店と蔵元に縁はあろうが
直営ではないようだ。

つまみは刺身盛合わせとハムカツ。
あと何だったけかな?
あまり食べてないから覚えてない。
お通しのフキの煮たのが
やけに美味しかった。

醉心に心奪われながら
思い出すのは
K田サンのことばかり。
源義経が一ノ谷の合戦で敢行した、
鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし。
志半ばにして病に斃れたK田サンは
あの崖の上の墓園に眠られている。
もう一度酒を酌み交わしたい。
心からそう想う。

「醉心酒蔵」
 東京都港区新橋2-6-9
 03-3580-2455

2026年7月6日月曜日

第4115話 また「王将」でリユニオン

3カ月に1度くらいで
オッサンが集まるNYリユニオン。
今回はメンバー全員が
気に入りの「ニュー王将」だ。

去年、奥浅草から
もっと奥に移転して
J.C.は何度も訪れているが
他のメンバーは
ほとんどみな初訪である。

18時スタートなのに
1時間も早乗りした J.C.。
カウンターで一杯飲りながら
おおよその料理を決めておく。

初老に差し掛かる夫婦と
三十路娘のスリー・オペ。
近況を語り合いながら開宴前に
中瓶2本を空けちまった。
当店の瓶はサッポロ赤星。
最近は赤星を置く店が
ずいぶん増えたように思う。

集結したのは総勢6人。
ビールで乾杯すると
運ばれたのは平目の薄造り。
これはおろしポン酢で。
続いて本まぐろ赤身&中とろ。

J.C.はひそかに富山の銘酒、
立山の冷たいのをもらい、
生醤油と同割りにしたところに
まぐろを沈め、即席ヅケを作成。
「ニュー王将」の基本は
洋食でありながら
刺身の質も高いものがある。

お次はカニサラダ。
あらかじめ、値段倍付けで
カニの量も倍にするよう、
お願いしてあった。
とっても旨いんだガニ。

キンミヤ水割り派と
角ハイ派に分かれて飲み続ける。
アカイカのゲソバターと
ハゼフライが来て
世界で一番のメンチカツ。
何度も紹介しているから
深くは語らない。

「ニュー王将」のオムレツは
炒めた豚挽き&玉ねぎを
溶き玉子に混ぜ込むタイプだが
あえて玉子でくるんでもらう。
亡き母親の得意料理だったんだ。

締めはソース焼きめしと
チキンライスを1人前づつ取り、
6人で分け合った。
お勘定は一人頭6500円也。

浅草駅までエッチラ歩き、
メンバーに手を振って独り、
田原町の「三富珊瑚」へ。
2カ月ぶりである。

オリオンビールの小瓶で一息。
沖縄豆腐のジーマーミをつまみに
沖縄泡盛の古酒(クース)、
光龍をロックで1杯。

K世ママに送られ夜の街に出た。
酔い覚ましに上野まで歩き、
来合わせた京浜東北線に乗って
帰りましたとサ。

「ニュー王将」
 東京都台東区浅草6-43-4
 03-3875-1066

「三富珊瑚」
 東京都台東区西浅草1-3-17
 03-6795-1344

2026年7月4日土曜日

第4114話 歓びアーカイブ 第26回

浅草のスーパーで
珍しいハマグリを見つけた話です。

2016年7月28日木曜日

第1413話 クラムだって恋をする (その6)

平日の明るい時間だというのに
浅草のランドマーク、
「神谷バー」は大盛況だった。
この店の2階は
「レストラン神谷」が正式名。
カジュアルな1階が「神谷バー」で
食券制を採用している。

J.C.は煙草のけむりと騒音にまみれた、
(当時の1階は喫煙可)
1階を利用することはほとんどない。
「神谷バー」といったら
イコール2階なのだ。
中ジョッキを飲みながら
着信したメールをチェックする。

つまみは欲しくなく頼まなかった。
夕暮れに過ぎゆく時間の流れは
各駅停車もいいところ、
ゆるゆるのゆるである。
でも好きだなァ、このひととき。
お替わりの電氣ブランを
あおって階下に降りた。

河岸を替える前にふと思い出す。
わさびを1本買っておかねば・・・
このことであった。
自宅の冷蔵庫の生わさびが
チビでしまって要調達。
購入するのはいつも
浅草のスーパーマーケットだ。
「神谷バー」から
その「オオゼキ」へは徒歩2分。
目の前の雷門通りを渡った。

真っ先にわさびを選りすぐり、
最良の1本をバスケットに投じたら
目的を果たした安堵感を抱きつつ、
ザッと店内をパトロール。
というより徘徊だネ、これは―。

鮮魚コーナーに目を凝らしたときである。
ん? おや?
視線を奪う物体に遭遇したのであった。
青いネットに包まれて
ふむ、青ネットねェ。
赤ネットなら甘栗か蜜柑だが
どう見ても貝である。
それも二枚貝だということは遠目にも判る。
いやはや二枚貝と二枚目(?)のご対面だ。

パックを手にとっていささか驚いた。
ラベルには千葉産ホンビノスと
明記されているものの、
どこか本邦のハマグリを
想起させる貝殻模様なのだ。
ホンビノスはアメリカ東海岸から
タンカーのバラスト水に
混入して東京湾にやって来た外来種。

15粒ほど入って税抜き399円、
格安と言わねばならない。
ユニークな模様と廉価な値付け、
わさびの隣りに放り込み、レジに向かう。

帰宅後、ネットを破って砂抜きである。
真ん中2粒のガラをご覧くだされ
周りを取り囲むのは紛れもなくホンビノス。
しかるにこの2粒は違いますゾ。
これは日本のハマグリとのハーフなのだ。
東京湾の底で交わされた国際結婚。
国を超え、言葉を超えて
そう、クラムだって恋をするんです。

=おしまい=

「神谷バー」
 東京都台東区浅草1-1-1
 03-3841-5400

「オオゼキ」
 東京都台東区雷門2-15-1
   03-5830-0731

=本日追記=
あれ以来、貝の混血児には
一度も出逢っておりません。

2026年7月3日金曜日

第4113話 大鹿村の鹿肉たたき (その2) 

GINZA SIX 6F にも
姉妹店がある「銀座 真田」。
すずらん通り店は
奥にテーブル席、
手前にカウンター。
横並びを好むわれわれは
一も二も無くカウンターへ。

サッポロ赤星を注ぎ合い、
グラスを合わせた。
「真田」の店名が示す通り、
当店は信州との縁が深そうだ。

最初のつまみは
信州名物の盛合わせ。
くらかけ豆と野沢菜である。
聞き慣れない豆は青大豆の一種。
緑色の豆に黒い模様がまたがって
馬の背に鞍を掛けたようで
パンダにも似ていることから
別称・パンダ豆。

日本で一番高い所を走る鉄道、
小海線・小海あたりの特産だ。
普通の枝豆と比べ、
特段に旨いわけでもないが
珍しさに一食の価値はある。

生麩と茄子の揚げびたし、
鹿肉のたたきを追注した。
生麩は二人の好物、
満足の一品だった。

好かったのは鹿肉。
南信は下伊那郡、
大鹿村の特産である。
村の人口より鹿が多いらしい。
味わいに奥行きがあり、
今までに食べて来た鹿肉のうち、
ワン・オブ・ザ・ベスト。

ここ10日の間に湯島で羊、
神保町で牛・豚・鶏、
銀座で鹿と肉三昧に明け暮れた。
此処に馬が加われば
一気通貫の完成となる。
近々、馬刺しで一杯飲ろうかな?

中瓶を4本空け、
締めにはせいろをたぐり合う。
銀座の高級店でありながら
そば&つゆは信州らしい
素朴さを感じさせた。
会計は1万円ほど。

階下の「銀座NAGANO」で
しばし買い物に勤しみ、
当方は生わさび、
相方は野沢菜をブラ下げて
銀ブラに勤しむWブラ。
銀ブラなる流行り言葉の発祥を
当たってみたら
意外なことが判明した。

ときは大正15年。
明治・大正期の新聞記者、
松崎天民が中央新聞夕刊に
連載した「銀ブラ」が
事の起こりだったようだ。

それはそれとして
歌の一番に出て来る、
”灯ともし頃” にはちと早いが
二人で歩く銀座でありました。

「銀座 真田」
 東京都中央区銀座5-6-5
 NOCOビル3F
 03-5537-7355

2026年7月2日木曜日

第4112話 大鹿村の鹿肉たたき (その1)

わが家の冷蔵庫に
無くてはならない生わさび。
最近の調達先は銀座の・・・
おっと、ベンチャーズの
エレキギターが聴こえてきたヨ。
そして男女のデュエットまでも。

♪ 触れ合う頬 夜の二人
  甘い香り 熱い二人
  みゆき通り すずらん通り
  なにも言わず ときめく胸の
  二人の銀座     ♪
  (作詞:永六輔)

和泉雅子&山内賢が歌った、
「二人の銀座」の二番だ。
作曲は演奏するベンチャーズ。
1966年9月のリリースで
ビートルズの初来日から
2カ月半後のことだった。

歌詞に出て来る、
みゆき通りとすずらん通り。
この当時、中学三年の J.C.が
よく歩いたのはみゆき通りだ。
男性ファッションメーカー、
JUN の本店があったため、
なけなしの小遣いを工面して
足繁く通っていた。

おっとっと、
生わさびの調達先であった。
長野県のアンテナショップ、
「銀座NAGANO」。
すずらん通りにあるのだ。

J.C.がもっぱら
買い求めるのは生わさびのみ。
たまに信州名物のおやきと
野沢菜に手を出すくらい。

近頃、わさびは高騰して
1本2200円前後もする。
ものにもよるが
主役の刺身より高くつく。

この日も調達のため、銀座へ。
その前の昼食は階上の日本そば、
「銀座 真田」と決めていた。
せっかくのそば屋だから
蕎歩とも・Mきに
声を掛けたら奴さん、
満面の笑みで現れやがった。

まっ、今日は何となく
幸せな二人の銀座に
なりそうな気配です。

=つづく=

2026年7月1日水曜日

第4111話 映画の前の挽き肉三昧

今日は久々に神保町シアターへ。
通常は14:15の回を観るんだが
折り合い悪く12時のスタート。
11時前にはチケットを買った。
時間が早いから
腹は全然空いてないけど
麦酒だけでも飲んどこう。

これも久しぶりの「TACOBELL」へ。
ドライ中生とビーフタコスを1個。
会計は1120円。
いつもは1階の小カウンターで
済ませるが2階に上がり、窓際へ。
道行く人々を眺めながら味わう。
此処の中生は量がタップリ。
まことに J.C.好みである。

時間の余裕がまだあった。
本屋で立ち読みもいいが
ちと飲み足りない。
町のメイン・ストリート、
すずらん通りの
「川府」を通りすがった。

小籠包がウリとあって
軽くつまんでおこうかー。
2階に上がる。
今日は2階づいてるなァ。
映画観るのは地下だけどネ。

入口の中国人女性スタッフに
「小籠包とビールだけで
 ランチ食べないけどいい?」
言葉が通じたかどうか不明ながら
頷かれたからいいんだろう、入店。

ビールは生も瓶もサントリー。
より飲み易い生を選択。
小籠包も二者択一で
定番小籠包(豚肉)3個 480円
三色小籠包+焼売 4個 580円

この三色が面白い。
白ー豚肉 ー鶏肉 
ー豚&フカヒレ
当然、こちらにする。
そこそこ美味しくいただき、
1260円也を支払って
シアターに向かう。

本日の映画は若くして戦病死した、
山中貞雄監督の「人情紙風船」。
ずっと観たいと思っていた作品だ。

ところがギッチョン。
昭和12年作と古いためか、
ところどころ音声が聴きにくい。
肝心なシーンが小声になったり、
あらすじも途切れ途切れだ。
よって論評すること能わず。

残存する彼の作品は3本のみ。
「河内山宗俊」はすでに観たが
「百萬両の壺」は未観。
でも、同じことが予想され、
断念することにしました。
まったくもってこの世は
人情紙風船なりけり。

「TACOBELL 神保町店」
 東京都千代田区神田神保町1-8-5
 03-5577-6328

「川府(SENFU)」
 東京都千代田区神田神保町1-5-1
 03-3518-9430

2026年6月30日火曜日

第4110話 昼下がり 独りで焼いた 成吉思汗 (その2)

文京区・湯島の「だるま」。
カウンターには
成吉思汗用の鍋が設置され、
係の女の子がそこに
キューブ状の真っ白な羊脂を
置いてくれた。

豚脂はラード、牛脂はヘット、
それでは羊脂は?
調べたらスエットというらしい。
聞いたこともなかった。

鍋には大量の野菜。
といってもほとんど
玉ねぎに少量の長ねぎ。
皿の羊肉は赤身が中心だ。
あとは白菜キムチにキャベツ浅漬け。
そして茶碗の白飯は
(小)といってもじゅんぶんな量。

トングで肉をつまみ、焼いてゆく。
溶けだした羊脂が
鍋の淵に溜まる。
羊脂が溶け切ったら彼女が
新しいのを乗せてくれる。

中瓶をお替わり。
キムチと浅漬けはたっぷりあり、
野菜の補給には打ってつけ。
実に健康的な昼食である。

ビールをのお替わりと
思ったものの腹はパンパン。
かなり体重が増えたと思う。
J.C.が普段から健康面で
気にしているのは体重だけで
常に63kg前後をキープする。
現在は65kgに達していそうだ。

次から次の来客は
若者中心でリーマンは
せいぜい40代そこそこ。
カップルは多いが単身女性は
一人も現れなかった。

7月下旬にはすぐ近くに
2号店がオープンするという。
北海道民ならともかくも
日本人ってこんなに
羊好きだったかな?

会計は3500円弱。
焼肉屋の出入りが少ないため、
高いのか安いのか、
今一つピンと来ないが
安いとは云えないだろうな。

栄養付けて野菜も摂って
好い昼食ではあった。
そして何よりも
SAPPORO CLASSICとの
再会がうれしかった。

八戸のE子にも逢いたいなァ。
地震が気がかりだけど
心から無事を祈る。

「ジンギスカンだるま 上野御徒町店」
 東京都文京区湯島3-41-5
 03-6240-1430