2026年6月6日土曜日

第4090話 歓びアーカイブ 第22回

此度は浅草の奥座敷、
観音裏のそのまた奥で
吉原の隣り町にご案内。
南千住・汐入からも近いです。

2016年8月9日火曜日

第1421話 浅草の奥深し (その3)

浅草の奥も奥、橋場の「山海」にいる。
かつおのあと、生のわさびを得て
岡山産の蝦蛄が本領を発揮。
これでこそ本物のしゃこわさだ。
しっとりとしていながら
しっかりとした蝦蛄の美味を堪能した。

せっかくの本わさびだから
もうちょいと生モノをつまみたい。
青森の平目や常磐のかれいに惹かれるが
かつおのあとで白身もないものだ。
よって〆さばをお願いした。
三浦半島は松輪の産である。
松輪は半島の最南端、
城ヶ島の西に位置している。

大分県佐賀関に揚がるのが関さばなら
松輪漁港に揚がるのは黄金さば。
いわゆるブランドさばなのだ。
蝦蛄ほどではないが水準は高い。

刺身系はもうじゅうぶん。
何か目先・箸先の変わった料理がほしい。
うなぎ好きのT栄サンが肝焼きを択んだ。
もちろん鶏ではない、うなぎの肝である。
見るからに国産の一級品
中国産みたいにバカデカくないのが好い。
白鹿の生酒とともに賞味した。

お次は品書きに江戸前と明記された穴子の天ぷら。
天つゆではなく粗塩で
身肉にプリッとした弾力があり、
食味もなかなかにけっこう。

江戸前の穴子となれば、
羽田や金沢八景の名産だが
十数年前に羽田は
壊滅状態になったと聞いた。
今はどうなのだろう。
小柴の蝦蛄が消えた現在、
金沢八景の穴子は無事だろうか?

白鹿をお替わりする。
さほどつまんでないのに何となく満腹。
締めの代わりにあっさりと
水茄子の浅漬けをもらう。
大阪は泉州・岸和田の特産である。
泉州以外では育たぬ特殊な茄子ながら
最近は茨城産を目にするようになった。

夜の帳(とばり)の降りた街を歩く。
浅草の夜はまだ浅いが浅草の奥は深い。
相方が見たいというので吉原をゆく。
言わずと知れた一大ソープランド街だ。
女性連れなら呼び込みに
声を掛けられることもなく好都合。

千束から象潟(きさかた)に抜けた。
柳通りの見番(産業組合)、
その2階に灯りが点っている。
宴席、あるいは芸者さんの稽古だろう。
夜風に吹かれながら
江戸情緒に浸ったのでした。

=おしまい=

「山海」
 東京都台東区橋場1-30-10
 03-3873-4731

2026年6月5日金曜日

第4089話 旨いとんかつ 食べたくて

前日の大塚「三節」のとんかつに
少なからず不満を残したため、
旨いとんかつを食べたくなり、
連日のとんかつ行脚を敢行する。

出掛けて行ったのは
上野駅入谷口の「まる一」。
一時期、とあるミッションで
東上野に通う機会があり、
何度かお世話になって
深く首肯した覚えがあった。

ロースカツ定食(1600円)を
ドライ中瓶とともに発注。
トッピング・メニューから
ふた口カレー(200円)という
ヤツもお願いしてみた。

見慣れた姿でロースが登場。
脇には焼き麩&青菜の味噌汁と
しば漬け&たくあんが少しづつ。
ごはん多めにキャベツは控えめで
「三節」の3分の1程度だ。

カツはさすがだった。
しっとりと揚がり、
肉質よろしく脂身の付き具合も
理想的であった。
カレーはやさしい味わいながら
まあフツーかな。

かつてとんかつ発祥の地、
上野でその名も高き、
 ”とんかつ御三家” 。
「双葉」すでになく、
「ぽん多」は赤身主体で
脂身の楽しみなく、
高価に過ぎて庶民にはキビしい。
小津安二郎が愛した、
「蓬莱屋」はヒレカツ専門につき、
ロース好きは近寄るべからず。
マイ・ベストは断然「まる一」だ。

あれは7年前。
近くのそば屋のカウンターで
「まる一」のオーナーの
オジイちゃんと隣り同士になり、
意気投合して菊正の熱燗を
酌み交わしたことがあった。
お元気でおられるだろうか?

そんなことを思い出しながら
坂本龍馬に因んで名付けられた、
船中八策の冷たいのに移行。
土佐の酒では酔鯨より好みだ。
満足しての会計は3300円也。

さて、上野駅構内のスーパー、
「GARDEN」に立ち寄り、
夜のつまみの調達と参ろう。

「とんかつ まる一」
 東京都台東区上野7-8-22
 03-3841-6671

2026年6月4日木曜日

第4088話 上とんかつに すればよかった

しばらくご無沙汰の南大塚「小倉庵」。
出向いてみると店先で下水工事。
店のオバちゃんが立ち会っており、
「すみませんねェ、お暑い中せっかく
 来ていただいたのにー。
 またよろしくお願いします」
「ええ、近々おジャマしますネ」

三業通りを大塚駅方面に進む。
「三節」の暖簾が目についた。
古くからあるとんかつ屋だが
利用したことは無い。
いい機会だからと入店。

調理場にかなり年配の店主と
その倅だろうか?
接客はやはり年配の女将さん。
スリーオペである。

カウンターの角を促され着席。
ドライ中瓶を飲みながら
品書きに見入る。
昼メニューを紹介しよう。
全てライス・味噌汁・お漬物付き。

とんかつ      1400円
上とんかつ     1600円
ひと口ひれかつ   1600円
ミックス
(チキン・きす)     1300円
三種丼
(ひれ・きす・いか)1250円

ほかに昼夜共通メニュー。
中でも突出しているのが
ロースかつ(上)ひれかつ(上)
生姜焼き オール3800円
ずいぶん高いなァ。
手は届くけど手を延ばしたくない。
慎ましい J.C.はとんかつを通す。

驚いたことに生姜焼きが
そこそこ出ている。
キャベツは元々多めだが
生姜焼きになると、ものスゴい。
その上に分厚いポークソテーを
7つくらいに切り分けて乗せ、
生姜だれをたっぷり掛け回す。
人間の食べもんを超えてるヨ。

やや薄めのとんかつが着卓。
1切れ口元に運んで
う~ん、期待ほどじゃないな。
大根の鬼おろし、豆腐赤だし、
胡瓜大根漬物、白飯はそれなり。
菊正の生貯蔵酒に切り替えた。

お隣りの上とんかつは
200円差なのに見映えがよい。
食味にも違いが出そうだ。
何で頼まなかったんだろう?

ちょいとみじめになって来た。
トホホ、石川啄木に倣って
いや、啄木をパクッて一首。

大塚のかつて栄えた三業地
われ泣きぬれてカツとたはむる

お粗末!

「三節」
 東京都豊島区南大塚1-60-16
 03-3945-9967

2026年6月3日水曜日

第4087話 初めて食べたアルバニア

「ますや」の小さいコンビ後、
昼めし前に覗いたスーパー、
サントクに戻った。
目を付けていたのは
道産のマツカワガレイだ。
ザラザラの皮目が松の皮みたい。
それが名称の由来となった。

イの一番にソイツを
イン・マイ・バスケット。
さらに物色を続け、これまた道産、
クロガシラカレイに出逢う。

ん? 初めて見るカレイだ。
クロガレイに似ている。
1切れ180円とはずいぶん安いな。
初顔合わせのサカナは必買。
バスケットに投じた。

そのあとに控えしは養殖本まぐろ。
コイツがアルバニア産と来た。
自慢じゃないが J.C.、
生まれてこのかた、
アルバニアの食べものは
一度も口にしたことが無い。
コレはクロガシラ以上の必買品だ。

たかだか500円なのに
中とろ&大とろが混じって5切れ。
アドリア海育ちのまぐろは
バーゲン以外の何物でも無い。

ギリシャ、クロアチアは行ったが
さすがにアルバニアは未踏。
欧州を放浪していた若い頃、
貧乏旅行者のバイブル的な本に
「10 dollars a day in Europe」
というのがあった。

ヨーロッパ各国のガイドブックで
そのアルバニアの稿には
素っ気なくただ一筆。
=Forget it !=
考えない方がいい!
行く必要がない!
ということでしょう。

その日の夕刻。
缶ビールをプシュッとやって
まずはマツカワの刺身。
朝締めと見えてコリッコリ。
エンガワもしっかり付いている。
カレイ類ではホシガレイが
断トツながら勝るとも劣らない。

アルバまぐろも実に好かった。
大間産に匹敵するほどだ。
I'll never forget you !
アドリア海の宝石に
恋する J.C.でした。

イケなかったのはクロガシラ。
水っぽく、味も何だかなァ・・・
そんな感じで図らずも
安い理由が判明したのです。

「Santoku 汐入店」
 東京都荒川区南千住8-12-5
 03-3803-3313

2026年6月2日火曜日

第4086話 散歩にオススメ 千住の汐入

荒川区・南千住に
汐入と呼ばれる一画あり。
神奈川県・横須賀にも
汐入はあるが両者に関係は無い。

ふと思い立ち、日暮里駅前から
亀戸行きのバスに乗り、
泪橋の先、橋場2丁目で降りた。
エリアに足を踏み入れると
広場や公園が散在して
高層マンションだらけの町に
住みやすそうな環境が整っている。

汐入中央通りを北上し、
やって来たのは日本そば「ますや」。
荒川区役所前の行きつけ店、
「ますや」とはこれも無関係。
あちらの発祥は足立区・西新井だ。

その前に向かいのスーパー、
三徳(Santoku)に立ち寄る。
いつものように鮮魚売り場へ直行。
ふむ、なかなかじゃないかー。
買いたいものがいくつかあった。
のちほどつまみを調達しよう。

「ますや」は地元の人気店。
客入りは9割といったところ。
ドライの中生を通した。
ここには ”小さいそば” と
”小さいどんぶり” が何品か揃い、
少食派 J.C.を労わってくれる。

小さいもりそばと
小さいカレー丼をお願いした
大して食べられないくせに
いろいろ試したい身にうれしい。

しなやかなそばが期待以上。
池之端の行きつけ「新ふじ」に
ちょいと似ている。
つゆもそんな感じだ。

豚バラ肉薄切りと
玉ねぎいっぱいのカレー丼も
「新ふじ」ほどではないにせよ、
水準を超えている。

瓶はキリンラガーだし、
ドライ生は泡だらけだから
イマイチ楽しめないが
再訪はじゅうぶんにあり得る。

散歩にも最適の汐入。
次回は麦歩ともか、
蕎歩ともを連れて来よう。
水神大橋を渡り、墨田区・鐘ヶ淵。
あるいは千住汐入大橋の向こう側、
足立区・京成関屋で
飲み直し必至となりましょう。

「ますや」
 東京都荒川区南千住8-4-5
 03-3807-0509

2026年6月1日月曜日

第4085話 ニューのみともと足立区飲み (その2)

宮崎県・延岡市から
遠来の K子サンと飲み歩き。
トコトコと区界を越えて
葛飾区・小菅の町へ。

小菅と云えば誰しも
第一感は東京拘置所だろう。
実は拘置所の裏手に
絶好の散歩スポットがある。

親水緑道をそぞろ歩く。
お堀があったりして
鯉の群泳も見られる。
彼らは人影を認めると
エサが貰えるかと寄って来る。

捉われの身に散歩は叶わない。
だのに何ゆえこんな所に?
町のイメージを少しでも
明るくするためだろうかー。

歩いてもよかったけれど
彼女が小菅駅を利用するのは
おそらく生涯これきりだろうと
小菅から北千住まで
ひと駅だけ伊勢崎線に乗った。

最近なじみの「千住 845」。
今日はカウンターが満席で
テーブルに向かい合う。
此処でもドライ大瓶を注ぎ合い、
本日3度目のグラス合わせ。

お通しはゴーヤのおひたし。
つまみは本鮪中とろと赤貝ひも。
そしてイワシのカルパッチョ。
いずれも良質である。

11時から飲める「幸楽」、
14時(土日は12時)からの「845」。
両雄並び立つ北千住へは近頃、
より頻繁に訪れるようになった。
2軒のおかげに疑いの余地はない。

菊正樽酒に切り替えたはいいが
互いに酔っぱらって来ちゃったゾ。
「カラオケお好きなのよネ?」
「うん、まあネ、
 年を取るとノドが一番大事。
 声がかすれてきたら
 人間、先は長くないヨ」
「そうなのネ?
 今度カラオケデビューしたいと
 思ってるんでご指導よろしく」
「へえ~っ、いいとも!」

「幸楽」が定休日のため、
その向かい「千住の永見」へ。
此処もドライ大瓶だ。
ビール好きの J.C.、
大瓶だとウキウキしてくる。
当店特製の千住揚げを
ニンニク有りと無しとで食べ比べ。
やっぱり有ったほうがいいな。

足立区3軒飲み歩きを
大いに楽しんだ。
北区・梶原の妹宅に帰る相方と
北千住から駒込病院行きの
バスに乗り、熊野前で降りた。

あちら都営荒川線。
こちら日暮里・舎人ライナー。
手を振り合って
また逢う日まで、逢える時まで。

「千住 845」
 東京都足立区千住2-39
 03-5284-7588

「千住の永見」
 東京都足立区千住2-62
 03-3888-7372

2026年5月30日土曜日

第4084話 歓びアーカイブ 第21回

今回はシンガポール料理の紹介です。

2011年8月10日水曜日

第115話 この舌が忘れない

神保町の「東京堂書店」へ出掛けた。
書籍を買い求めに行ったのではなく、
石田千&浅生ハルミン、
御両人のトークショウを聴きにー。

石田千サンといえば、
今期の芥川賞候補にもなった、
今をときめく女流作家。
彼女とは行きつけの店が
一緒なので知らぬ仲ではない。
デートをしたことはないが
会食はご一緒した。
まっ、その程度の間柄である。

テンネン色の強い2人のトークは
3~40代の女性のツボを
おさえて会場は笑いの渦。
こちらは話題になかなか
ついていけず、置いてけ堀だ。
隣りの女性があまりに
ケラケラ笑い転げるので
どんなツラか見てやったら、
視線が合って気まずい思いをした。

イベントのあとは
招いてくれた友人にお返しの馳走。
まだ17時半なのに
早めの夕食と相成った。

神保町の交差点から
店を物色しつつ、白山通りを北上。
途中、奥野かるた店で
足が止まり、道草を食う。
ここでは麻雀牌を買ったことがある。

ついこの間、当ブログにも書いたが
軽井沢で覚えたゲームは
ブロッキーではなくブロックスと判明。
フランス生まれの世界的な
ヒット商品だったとは知らなんだ。

水道橋駅にほど近い
「海南鶏飯 水道橋本店」に上がる。
海南島は未踏につき、
本家の実情は存ぜぬけれど、
シンガポールで海南鶏飯は
国民食の代表である。

当地には4年もいたので
何回食べたか数え切れない。
ちょいとクセがあり、
好きずきあろうが慣れたら
やみつきになること請け合い。

とり肉・とり飯・とり汁のセット

この料理は上記3点、
いずれが欠けても成り立たない。
3種のソースも決まりごと。
本場の味にはかなわぬものの、
この値段で手っ取り早く
食べられるのは実にありがたい。

シンガポール風チキンカレー

こちらも好物だった。
ココナッツミルクが効いて
なかなかの仕上がり。
ライスが付いてくるが
あえてロティ・プラタを追注する。

油多めのパンケーキ

インド由来のシンガポール名物は
大の上にもう一つ大が付く好物で
手でちぎってカレーソースに浸す。
主として朝食メニューだが
週に一度は食べていた。
よって海南鶏飯よりも
回数が多いくらいだ。。

いずれにせよ、彼の地で覚えた味は
この舌が明確に覚えており、
忘れることはない。
10年前は都内に数えるほどしか
なかったシンガポール料理店。
こんなに増えるとはねェ。
うれしい誤算と云えましょう。

「海南鶏飯 水道橋本店」
 東京都千代田区三崎町2-1-1
 03-3264-7218