2026年3月26日木曜日

第4028話 寅さんだけが 渥美じゃない!

意に染まる特集の欠如により、
ご無沙汰してしまった、
神保町シアターに復帰。
現在、進行中は
 俳優・渥美清
彼の大ファンとして
行かねばならん、
行かねばならんのだ~っ!
三波春夫「大利根無情」は
平手造酒の心境なり。

「あゝ声なき友」(1972)は
病のおかげで本土帰還かなった、
男が戦友たちに託された遺書を
日本全国に配送する物語。
原作に心動かされて
渥美自身が製作に加わった。

感動を呼ぶ名作ながら
注目したのは豪華な女優陣。
小川真由美・倍賞千恵子・
市原悦子・香川美子・長山藍子・
春川ますみ・吉田日出子・
悠木千帆(のちの樹木希林)。
主役級が揃い踏んでいる。
監督は今井正、原作が有馬頼義。

「友情」(’75)の監督は宮崎晃。
瀬戸内に浮かぶ真鍋島が舞台だ。
岡山県の笠岡諸島に属する島は
映画「瀬戸内少年野球団」や
「獄門島」のロケ地になった。
人より猫の数が多い島としても
世に知られている。

暗い過去を持つ中年男と
苦学しながら大学に通う、
青年との友情物語で
青年役に五代目・中村勘九郎。
彼を助ける年上の恋人に
松坂慶子が扮している。

有島一郎・名古屋章・
米倉斉加年・笠智衆・
谷村正彦・加藤嘉らが脇を固め、
三十路となった佐々木愛が
初々しさを失うことなく可愛い。

全12作中「男はつらいよ」が3本。
複数回観ているので
今回は見送るとして
残り9本中、8本を観る予定。
寅さんだけが渥美清じゃない!
渥美はもっと厚みのある役者だ。
予定の詰まった年度末なのに
渥美ファンはつらいよ、ジッサイ。

2026年3月25日水曜日

第4027話 スタート地点は丸の内 (その3)

御徒町にやって来た二人。
上野に向かい、アメ横を往く。
入店したのは「かのや」2階。
此処の1階で遠来のニューとも、
K藤サンと飲んだのは去年の師走。
それ以来になる。

ドライ大瓶を注ぎ合ってカチン。
つまみはカニコロッケ1皿のみ。
19時前の到着だったが
30分後にはほぼ満席。
ワイガヤが頂点に達した。
こりゃかなわんと大瓶2本で退散。

さて、何処へ行こう。
上野から鶯谷、日暮里まで歩いた。
崖の下側、ロータリーの周辺を
フラフラするも的に当たらず。
駅の反対側、谷中方面へ昇った。

焼けくそだんだんに差し掛かると
「夕焼け酒場」の外で
煙草を吸っていたオばちゃんが
「中、空いてますよぉ!」
相方・Mきがそれに反応して
ステップ・インの巻である。

ビールはエビスのみ。
仕方なくハイボールを飲む二人。
「角瓶ですか?」
「ブラックニッカです」
ママが応える。
お通しは菜花を添えた小冷奴。
ふきのとう味噌が載っていた。

カウンターに常連のオバさんと
さっきの煙草オバさん。
仲良し同士のようだ。
小卓に陣取ったわれわれと
言葉を交わし始める。

ママは雇われで月数回の出勤。
次回はちょうど1週後とのこと。
彼女たちとまた此処で会う約束を
交わしてしまった。
酔うとこういうことがよくある。

そこへアジア系の若者が一人、
入店して来たじゃないかー。
われわれの卓に招き入れ、
エビスを注いでやって乾杯。
シンガポールからの来日だと云う。
彼の地で4年も暮らしたJ.C.、
自ずと会話に弾みがついた。

ビール1本で彼は宿に帰り、
あとはオバさんズと
また盛り上がる。
気が付けば看板の11時。
4人揃って夜更けの町に
出ましたとサ。

=おしまい=

「かのや」
 東京都台東区上野6-9-14
 03-5812-7710

「夕焼け酒場」
 東京都荒川区西日暮里3-10-15
 電話:無いみたい

2026年3月24日火曜日

第4026話 スタート地点は丸の内 (その2)

東京ビル(TOKIA)の地下、
「オカモ倶楽部」で
松山揚げのおでんを通した。
豆腐の薄切りを揚げたもので
食感はサクッのフワッ。
愛媛・松山の名物である。

大皿に2枚タップリ運ばれた。
ゲッ! こんなに来んのっ!
「支払うから1つは
 賄いのときみんなで食べて」
「エエッ? いいんですか?」
「いいともサ」
「ありがとうございますっ!」
ハハ、試食したことないんだな。

松山揚げは実に美味しかった。
「香川・愛媛せとうち旬彩館」に
あるはずだから
新橋に行ったら買ってこよう。

勘定は5千円と少々。
そこそこ飲んだものの、
お通しとにぎり2カンに
おでん2皿だけだから安上がり。

鍜治橋通りでガードを潜り、
高橋で亀島川を渡る。
橋上から見る南高橋の水景は
都内屈指の絶景である。

新川2丁目を抜け、
中央大橋で隅田川を渡ると佃島。
「ポンテ・チェントロ」という、
ピッツェリアにやって来た。
店名のイタリア語は中央大橋、
そのまんまの直訳である。

実は翌週、此処でTBSラジオ、
「森本毅郎・スタンバイ!」の
リユニオンが催される。
そのための赤ワイン、
バルバレスコを2本、
抜栓して貰うため、
デポジットを納めに来店した。
電話予約時のS木クンが
居てくれて話はスムースに進む。

晴海運河を越えて
門仲という手もあったが
まだ腹は減らないし、
帰路に近い所へ移動しちまおう。
意見の一致を見て
都営大江戸線に乗り込んだ。
下車したのは上野御徒町である。

=つづく=

「魚の店 オカモ倶楽部 丸の内店」
 東京都千代田区丸の内2-73
 TOKIA B1
 03-5962-9911

2026年3月23日月曜日

第4025話 スタート地点は丸の内 (その1)

蕎歩(きょうほ)とも・Mきから
皮肉交じりのライン着信。
「最近N子サンとお盛んらしいけど
 アタシもどっかに連れてゆけ!」
との仰せである。
フーテンの寅さんじゃないが
男はつらいよ、ジッサイ。

数日前に雄姿を拝んだ東京駅。
丸の内南口で14時半の待ち合わせ。
八重洲口で女子会があったそうだ。
よって相方は満腹状態。
夜まで食い物不要とあっては
自ずと飲み中心になる。

いずれにしろ今日もあちこち
飲み歩くことになりそうだ。
とにかくスタート地点は
丸の内南口であった。

かつての東京中央郵便局、
KITTEビルの隣りの東京ビル。
ニックネームというか、
またの名をTOKIAというらしい。
その地下に潜り込んだ。
此処はチェーン店もどきの佳店が
集客を競い合っている。
ハッキリ云って都心の穴場だ。

「魚の店 オカモ倶楽部 丸の内店」。
気に染まって足を踏み入れた。
都内には新宿と恵比寿にあり、
近々、渋谷店もオープンの予定。
瓶ビールが無いので
ドライの中ジョッキをガッチンコ。

おそらく有料と思われる、
お通しが出て来た。
辛子明太子である。
ひと箸付けたら胡麻油が香った。

J.C.はたらこ好きで
明太子嫌いなんだが
全く食べないワケじゃない。
明太に胡麻油かァ・・・
アイデアとして
悪くはない気がした。
でも勘定書きによると
1人当たり495円(税込み)は
ちょっとなァ。

加賀の銘酒、菊姫に切り替える。
わりと好きな酒である。
つまみゼロの愛想ナシは避けたい。
壁の札書きにキンキにぎりを発見。
2カンだけ通してみた。

するとコレがなかなかの美味しさ。
皮目を炙ることにより、
脂がほどよく抜けている。
江戸前鮨の店ではムリだが
北海鮨なら人気の鮨種となろう。

飲みに徹するMきを尻目に
何かもう1品いっとこう。
おでん種に松山揚げがある。
しばらく口にしていない。
どういう状態で来るのか
判らないけどオネエさんに
「松山揚げを二つお願いネ」
「ハイ、かしこまりました」

=つづく=

2026年3月21日土曜日

第4024話 歓びアーカイブ 第10回

今日は ”食べる歓び” から
お届けします。

第700回 2009年3月10日

=おかめの顔に心が和む=

M倉サンと大井町の「オリガノ」で
チキンドリアとミックスピザを
分け合ったあと、そこからほど近い
大井三ツ又交差点にある、
日本そば「吉田家」に向かった。

本店は立会川の旧東海道に
風格あるたたずまいを見せている。
支店のほうもどうしてどうして
なかなかに風雅な趣きがある。

素敵でしょ?

店先の品書きも親切にして品がよい。
二人ともおかめそばをお願い。
この店ではまだ温かい種モノを
試していない J.C.が選んだおかめに
M倉さんが追随したのだ。

注文後も品書きをつぶさにチェック。
せいろ・かけは735円。
けっこうなお値段である。
種モノは冷・温問わず、
1000円の品が多い。

頼んだおかめもそうだが
なめこ・とろろ・にしん・力・山かけ・
鳥南ばん・カレー南ばん、
みな千円札1枚である。
メニューの幅がきわめて広い。

ほぼ全種類、そば・うどんを選べる。
にぎわいそばって何だ?
お子様そばってどんな内容だ?
興味をそそられることしきりなり。

一品料理も充実のラインナップ。
まぐろぬた・いか納豆・酢の物・
焼き魚・揚げ出し豆腐・和風さらだ、
相当な品揃えである。

ごはんものにしても
天重や天ぷらごはんはもとより、
かき揚げごはんに地鶏すき焼きごはん、
鉄火重までカバーしている。
金2850円也の刺身ごはんは
どれほど立派な刺身が来るのだろうか。

鍋物まであった。
うどんすき・鴨すきに加えて、
あんこうすきには唖然としてしまう。
立会川の本店でさえ、
ここまでの布陣は揃っていなかった。
そうこうするうち、おかめそば登場。

ユーモラスな表情を見せるおかめそば

いいですねェ、この顔。
両目はこちらを見ているが、
頬っぺたは片頬だけを見せている。
しいたけと湯葉がその頬っぺに当たる。
生麩の眉毛が ”キミたちひょうきん族”。

この陣容ならそばを抜くおかめ抜きで
日本酒を飲んでみたくもなる。
かまぼこがズドンと2枚に
玉子焼きとほうれん草の青味。
一片の柚子も気が利いている。
後日、本店でもおかめそばをいただいた。

湯葉が鼻になっていた

よく似てはいるが、
眉毛と鼻が微妙に違う。
二つを並べて比べてみると、
三ツ又店のほうが
目鼻立ち整う、器量よしである。

【本日の店舗紹介】

「大井三ツ又 吉田家」
 東京都品川区大井3-6-7
 03-5718-5501

「吉田家本店」
 (現・そば懐石 立会川 吉田家)
 東京都品川区東大井2-15-13
 03-3763-5903

つい先日、旧東海道の「鈴乃家」に
立ち寄ったあと本店を通りすがり、
店頭の品書きにびっくり。
価格が暴騰していたがこれは
円安のせいばかりではあるまい。

気になって大井店の価格を
調べたら大変なことが判明。
何と去年の11月30日で
閉店していてもっとびっくり。
今のところ理由は不明です。

2026年3月20日金曜日

臺4023話 バッタリ出逢った 珍魚・オジサン

テレビ東京の人気番組、
「YOUは何しに日本へ ?」で
チャーハン好きの仏人が
訪れた上野の「珍々軒」。
久々に出向いたら定休日だった。

はて、何処に行こう?
引き込まれたのは
向かいの「ほていちゃん」。
カウンターの右隅に立ち、
赤星大瓶を発注した。
割安価格の瓶ビールは
カウンターでしか飲めない。

つまみはホタテ塩辛と
牡蠣のバタ焼きポン酢。
この酒場は安いわりに
一ひねり加えた料理がなかなか。

大瓶1本で切り上げて移動した。
近くの「立飲み たきおか」は
スーパードライ大瓶が主力。
ほとんどの客がこれを飲む。
豚白モツ満載の煮込みも
人気商品で驚きの200円だ。

当店も大瓶1本で退散。
晩酌用つまみの調達に向かった。
なじみの「吉池」を物色する。
何か珍しいものがあるかな?
あった、あったヨ、
三重県産のオジサンと来たもんだ。
ほうら、桜たまこも唄い出した。

♪   おじさん 好きならば
     夢の中 今
     おじさん どこまでも
     連れてって 今
     きらめく恋の夜 ゆれてる
     あなただけ今晩わ
     これから これから 
     二人はどうなるの
     教えて 教えて 愛のゆくえを
     おじさん ちょっぴりの
     倖せが好き
     恋する東京娘    ♪
  (作詞:石坂まさを)

「東京娘」は1976年のリリース。
渡辺マリが1961年にヒットさせた
「東京ドドンパ娘」の
リメイクとも言われた。

それはそれとしてオジサンである。
鯉より長いひげのおかげで
こんな名前になった。
赤身がかった派手な身体を持ち、
仏料理の重要食材、
ルジェ(ヒメジ)を二回りほど
大きくした感じだ。

千葉・竹岡産のクロダイと
購入して刺身にしたら
ピンクの身肉が実に美味。
ごちそうさん、オジサン!

「ほていちゃん 上野本店」
 東京都台東区上野6-10-13
 03-5846-6660

「立飲み たきおか」
 東京都台東区上野6-9-14
 03-3833-2777

「吉池」 
 東京都台東区上野3-27-12
 03-3831-0141

2026年3月19日木曜日

第4022話 よみせ通りに沖縄誕生

一昨日のことである。
WBC準決勝を観る気も失せて
何もやることが無い。
ボーッとしているうちに13時半、
何か食べに出よう。

近所の「一寸亭」で
大瓶と半チャーハンにしようと
出向いたものの、
こんな時間なのに8人待ち。
「さくら食堂」で中瓶2本に
カキフライ3個でもいいや。

よみせ通りを北上していた。
アレェ? いつの間にやら
沖縄そば専門店が出来ていた。
「3chome dining bar」から
昼のみ間借り営業の様子だ。
フラフラっと入ってしまった。
メニューはいたってシンプル。

沖縄そば        1000円
沖縄そばと
 じゅーしーおにぎり  1200円
ミニ沖縄そばと
 じゅーしーおにぎり    800円
オリオンビール       400円

これだけである。
まずはオリオンを通す。
少食派の逃げ道はただ一つ。
ミニそば&おにぎりしかない。
出来上がりを待つ間にもう1缶。

若夫婦だろうか?
ツーオペの店内に客はわれ一人。
ちょいとばかり集客が心配だ。
そば&おにぎりだけだもんネ。

着卓したミニそばは本当にミニ。
極太ちぢれ麺は
わんこそば2杯分ほどしかない。
でもれっきとしたソーキそばで
小さなソーキ(豚スペアリブ)に
岩のり、小ねぎ、紅しょうが。

このそばは2007年に
那覇で食べて以来だから
18年半ぶりになる。
嫌いじゃないのに食べる機会を
与えられなかった。

じゅーしーおにぎりは
醤油味の炊き込みごはんで
ひじき・にんじん・豚挽き入り。
ジューシーはいいが食べるうちに
バラバラ崩れて難渋した。

ここ数年、都内の沖縄料理店は
ずいぶん増えたが
なんとなく二の足を踏んでしまう。
出張で幾度も本島はじめ、
南西の島々を訪れた盟友・N田は
「沖縄料理が旨いと思ったことは
 ただの一度もないぜ!」
言い切って憚らないくらいである。

「沖縄そば屋ちょこっと」
 東京都文京区千駄木3-43-9
 電話ナシ