2026年10月4日日曜日

第4194話 歓びアーカイブ 第41回

お約束の続きです。

2012年9月24日月曜日

第410話 関八州を見廻って (その3)

猛暑をものともせず敢行した
関八州見廻りシリーズの一環、
上州・桐生の町で出くわしたのがこの店舗だ。
ソースかつ丼の「志多美屋本店」
いつの頃からか町の名物に
のし上がったソースかつ丼。
中でもこの店の名前は聞き及んでいた。
ここで遭ったが三年目、
機会を逃してはなるまい。
古い家屋や仕舞屋が残る桐生にあって
モダンな一軒屋が否が応でも目をひく。

暖簾をくぐり、引き戸を引き、
敷居をまたいだとき、
大宮の「いづみや」で
イカフライを食べたことを思い出す。
あらら、昼にイカフライで
夜にソースかつ丼かや?
揚げものばっかやん。
これも何かのめぐり合わせ、
ドンマイ、ドンマイである。

読者は耳タコでございましょうが
生ビールが旨いのなんのっ!
ところが品書きのほうはきわめて限定的。

 ソースかつ丼 玉子かつ丼 
 玉子丼 親子丼 ソースかつ定食 
 かつ鍋定食 親子鍋定食

これだけである。
つまみが一切ないということは
遠回しに飲む客を
歓迎しないという意思表示。
でも飲んじゃうもんネ。
地元群馬はみどり市の近藤酒造による、
赤城山(あかぎさん)の冷酒をー。

ソースかつ丼4個入り(780円)を所望。
ちなみに2個アップの6個入りは
200円アップの980円。
かつはヒレかつである。
歯を立てるとパン粉ガシガシで
食感悪く不満が残った。
肉にジューシーさも乏しい。

醤油ベースにウスターソースを
混ぜ合わせたようなタレは
新潟のタレかつ丼より
カツレツにマッチしている。
とは言え、名物に美味いものナシ、
浅草辺りの言い伝えが
からっ風の上州にも吹いていた。

再び夜の大宮に舞い戻る。
昼に訪れた「いづみや本店」の隣り、
「いづみや第二支店」へ。
すると、
「お客さん、10時までなんですヨ」
「エッ、隣りの本店も?」
「いいえ、あっちはもう少し
 遅くまでやってますヨ」
ときに午後9時45分、
すべるようにお隣りへお引越し。
結局は薬局、振り出しに戻ったわけです。

腹一杯でこれ以上食べられないのだから
真っ直ぐ帰宅すりゃいいものを
ビールは別腹、ベツバラ。
結局は薬局、ジョッキのお供はコレである。
冷奴は心強いわがシェルター
豆腐に腕押し? 豆腐にかすがい? 
子はかすがい? フフッ、
豆腐は酒とわが胃袋のかすがいなんざんす。

そう、そう、読者から”関八州”って何ぞや?
そんな問い合わせがありました。
正式には関八州取締出役といい、
関東八州の治安・風俗を
取り締まるパトロール隊のこと。

黒澤明の名作「用心棒」では
目明しの沢村いき雄が
八州廻りにソデの下を渡すところを
桑畑三十郎の三船敏郎と
めし屋のオヤヂの東野英治郎が覗いて
笑いをかみ殺している。
ご覧になれば八州廻りの何たるかが
一目瞭然でありましょう。

=おしまい=

「志多美屋本店」
 群馬県桐生市浜松町1-1-1
 0277-44-4693

=本日追記=
「いずみや本店」のデータは
作話をご覧下さい。
またちょいと寄りたくなりました。

2026年10月3日土曜日

第4193話 歓びアーカイブ 第40回

14年前に埼玉県・大宮と
群馬県・桐生を訪れたときの話です。

2012年9月21日金曜日

第409話 関八州を見廻って (その2)

大宮駅前の「いづみや」で
真昼の生ビールを飲んでいる。
瓶の銘柄は何じゃらホイと冷蔵庫をのぞいたら
これまたサッポロのラガー、いわゆる赤星だった。
大瓶で510円はずいぶん安いや。

ラーメンのあとだからつまみはいらないが
そうもいかずに所望したのがコレ。
ハテ、これは何でありましょう?
とんかつだろうってか?
いいえ、これは金360円也のイカフライなんざんす。
こんなカタチの1枚揚げはきわめて珍しい。

接客のオバちゃんとオネエちゃんがフレンドリーで
居心地よく、なかなかいい店だわい。
あらためて周りを見回すと、ほぼ全員が単身客。
友だちいなけりゃ、恋人もいない連中ばかりかな?
ここは哀しいオトコの吹き溜まりかい? 
いや、そうでははあるまい。
独り酒場で飲む酒には
それなりの楽しみがあるものだ。
細長いテーブルは相席が苦にならず、
独り飲みに適している。

ところ変わって上州は桐生の町にやって来た。
映画同様にブログも
アッという間に舞台が変わる。
高崎・伊勢崎を素通りしたのは単なる気まぐれ。
3年ぶりの桐生の町を歩きたくなったのだ。

1時間ほどほっつき歩き、
汗ビッショリになって3年前にも訪れた、
レトロな「立田野食堂」に到着した。
来てはみたものの、空腹感のクの字もない。
今しばらく渡良瀬川のほとりでも
散策してみようか・・・。
と、そのとき視野に入ったのが
真向かいの「高野商店」。
忠治漬で有名な老舗の漬物店である。
フラフラッと道路を渡り、
貼り紙の”梅の奈良漬”に惹かれ、
購入した次第だ。

帰宅後、味わうと奈良漬にはまだ若い。
梅の実の粕漬けといった感じ

見ているうちに荒木一郎の
「梅の実」が聴きたくなった。
ちょいとデスクを離れてCDラックへ。

 ♪   梅の実がなった この小さな朝に
   青く冷たい 朝もやの中に
   梅の実は風の ゆりかごに眠る
   やがて生まれる 子どものように
   あの空 あの雲 遠い調べよ
   山の頂きの 白い雪    ♪
    (作詞:荒木一郎)

現実の桐生に戻ろう。
梅の奈良漬をぶら下げて
渡良瀬川と反対の道を行った。
この時点で「立田野食堂」での晩酌も
消えたことになる。
町のはずれを歩いているうち、
聞き覚えのある店に遭遇した。

=つづく=

「いづみや本店」
 埼玉県さいたま市大宮区大門町1-43
 048-641-0211

「高野商店」
 群馬県桐生市東6-6-21
 0277-45-0746

=本日追記=
この続きを紹介したいので
明日は日曜ですが載せますネ。

2026年10月2日金曜日

第4192話 呉冷麺と広島中華そば

今回の神保町シアター特集、
女優魂は2本だけ観た。
その際の昼めしは同じ店で取った。
「呉冷麺 呉門」は
開業数カ月ほどじゃなかろうか?
以前、博多ラーメンの店が
あった場所に出来た。

鰻の寝床とまでは云わないが
細い店内の奥に厨房。
手前のカウンター2本は
どちらも壁に向き合うタイプで
真ん中が通路の造作。
壁に向かって食事をするのは
ハッキリ云って嫌いだけれど
引き返すわけにもいくまい。

サブタイトル通りに
冷麺&中華そば専門店の品書きは
ほとんど二者択一。
他にはそれぞれワンタン入りと
追注用だろうか?
値段半額のまぜそばがある程度。

初回は呉冷麺とドライ中瓶をー。
浅く平たい皿に盛られて登場。
麺は中太平打ちほぼ真っ直ぐ。
パスタのリングイニみたいだ。

具材はチャーシュー2枚、
千切り胡瓜、小海老2尾、
茹で半玉である。
チャーシューは煮豚。
小海老は酢で〆てあった。

たれは甘酸っぱいが
冷やし中華のそれとは
ずいぶん趣きを異にして
たれというよりスープだネ。
チキンの出汁がよく効いている。
かと云って韓式冷麺とも違う。
わりかし気に染まった。

2回目は広島中華そば。
前回の麺が多めだったため、
半分でお願いした。
こちらは中細のやや縮れ麺。
スープは濁っているというより、
半透明である。
チャーシューは炙り煮豚2枚。
あとはゆでもやしと青小ねぎ。

スープに奥行きがあって
味わいはなかなか。
これまた好きなタイプの
ラーメンだった。
三鷹の熊本ラーメンも好いが
神田の広島ラーメンも当たり。

すぐにではないにせよ、
次回はワンタン入り冷麺を
いただくつもり。
隣りの「排骨担々 五ノ井」も
試してみたいが見た目がキツく
タイプではないため、
二の足を踏まざるを得ませんネ。

「呉冷麺 呉門 神田神保町店」
 東京都千代田区神田猿楽町1-3-6
 050-5597-6836

2026年10月1日木曜日

第4191話 3ヶ月ぶり 神保町シアター

特集の内容が気に染まず、
ご無沙汰していたシアターに
3ヶ月ぶりの出没。
現在、上映中のシリーズは
女優魂
ー忘れられない「この1本」ー

12人の女優の主演作を
1本づつ上映する。
その顔ぶれはかくの如し。
同じ女優が脇に回る作品もあった。

◎市原悦子・〇芦川いづみ・
〇江波杏子・烏丸せつこ・
炎加世子・中川安奈
久我美子・◎桑野みゆき
池内淳子・〇若尾文子
中川梨絵・太地喜和子
〇印は好きな女優
◎印は大好きな女優

まず観たのが
「太陽の墓場」(1960)
 監督:大島渚
 出演:炎加世子・佐々木功
炎加世子のデビュー作である。
松竹ヌーヴェルヴァーグの
申し子と、もてはやされたが
そこまでとは思えない。

アニソンの帝王・ささきいさお。
実質上のデビュー作でもあって
彼の印象は強烈。
これほどの役者とは知らなんだ。

J.C.的には支離滅裂感が肌に合わず、
好みの作品ではない。
翻って同じ大島渚による同年発表、
「青春残酷物語」は大好き。
ヒロインの桑野みゆきには
心底魅了され、大好きな女優にー。

お次は
「日本脱出」(1964)
 監督:吉田喜重
 出演:桑野みゆき・鈴木やすし
大島渚、篠田正浩と並ぶ、
松竹ヌーヴェルヴァーグの旗手、
吉田喜重の作品ながら
あまりピンと来ない。

鈴木やすしを主役に抜擢したが
どこか空回りしてしまった。
独り桑野みゆきの熱演ぶりが
どうにも痛ましい。

てなこって今回の特集は
2本で切り上げることにした。
残る作品の中でおすすめは
川島雄三監督、若尾文子主演、
「女は二度生まれる」かな?

10日からは
80年代 ノスタルジアⅢ が
スタートして
薬師丸ひろ子、アン・ルイス、
沢口靖子、小泉今日子、伊藤蘭、
岡田奈々、南果歩、安田成美
などが続々登場するけれど
J.C.にはちょいと新し過ぎて
あまり食指が動かない。

それでも富田靖子は好きだから
太田圭監督「ほんの5g」だけは
観に行くつもりでいます。

2026年9月30日水曜日

第4190話 豚汁旨し 荒川遊園地前

昨話は豚豆、今話は豚汁です。
昼めし前の散歩は不忍通りを北へ。
動坂下で右折したが
方向は変わらずに北上のまま。
不忍通りがこの辺りで
左ドッグレッグしているからネ。

田端駅前を過ぎ、新田端大橋で
いくつもの線路をまとめて渡る。
下田端を抜け、明治通りを横断。
小台大通りを真っ直ぐに
都電荒川線・小台駅に到達した。

線路沿いに進路を
東に取れば宮ノ前。
西に迎えば荒川遊園地前。
そうだ、食堂「ちひろ」に行こう。
西に歩くことにした。

夜には焼き鳥&焼きとんが
メインの居酒屋になるけど
昼は界隈に少ない食事処だ。
〆さば&しらす丼や
あさり玉子とじ丼がユニーク。

遊園地前の駅を過ぎてしばらく、
「ちひろ」の店先にやって来ると
あろうことか閉業していた。
何があったか知るべくもないが
惜しい店がまた1軒、
姿を消してしまった。

それではと遊園地に向かう道筋の
「ポレポレ」に方向転換。
とんかつレストランを
自称する当店は5年ぶりの訪れ。

ビールはキリン一番搾り中瓶。
キリンの中ではその名の通り、
一番飲みやすい。
ラガーですら数年前から
だいぶスッキリして来た。
重く濃いのが好みの向きは
クラシックラガーにすればよい。

一番搾りをトクトクのクイ~ッ。
卓上のメニューに視線を落とす。
おう、これ、コレ。
前回も食べたミックス盛合わせだ。

写真が一番大きいから
店一番のおすすめなのだろう。
一番搾りで一番のおすすめとは
ちょいと出来すぎじゃないかえ?

内容は海老フライ、イカフライ、
ハンバーグの三点盛りである。
とんかつ屋のおすすめが
とんかつ抜きってのもなァ・・・
思いながらも美味しくいただく。

特筆すべきは豚汁。
豚小間とコンニャクに
根菜はオールスター・キャスト。
大根・人参・牛蒡に
里芋まで投入されている。

味噌を醤油に代え、
豚肉の代わりに豆腐を入れれば
けんちん汁そのもので
けんちん発祥の建長寺も真っ青だ。

メインのミックスをしのいで
余りある出来映えに
思わずニッコり笑みを漏らす
J.C.でありました。
ごっちゃんでした。

「とんかつレストラン ポレポレ」
 東京都荒川区西尾久6-30-6
 03-3894-8806

2026年9月29日火曜日

第4189話 豚豆は 旨かったけど 辛かった!

敬愛する池波正太郎翁が
亡くなった三井記念病院。
その隣りのスーパー、
ライフはちょくちょく利用する。

その帰りにたまたま見つけて
後日、訪れた四川料理の「仙丹坊」。
ほとんど注文した記憶の無い、
冷し担々麺を激辛でお願いした。

ちと辛かったが
思いがけないヒット。
冷し担々もいいものだ。

たまたま見た夜のメニューに
珍しい豚豆を見つけ、
ぜひともウラを返す気になった。
なったはいいけど
そこから3カ月経過して
ようやく再訪がかなう。

さっそく黒ラベル中ジョッキと
豚豆&茄子炒めを発注。
豚豆は豚の腎臓である。
腎臓のカタチがそら豆そっくりで
呼び名の由来となった由。

レバーとは似て異なる歯ざわり。
シンガポール赴任時代は
ときどきありついたが
日本国内ではほとんど
流通していないのが現状だ。

久しぶりの味わいに大満足。
独特の旨みを堪能した。
それはいいんだがヤケに辛い。
当店の料理は本当に辛い。

ジョッキのお替わりと
ともにもう1品。
四川風葱ワンタンを追注。
するとこれが豚豆に輪を掛けた、
辛さと来たもんだ。

生ビールはどんどん進むが
こりゃたまらんと
甕出し紹興酒を1グラス。
文字通り溜飲を下げた次第なり。

「仙丹坊」は開業8年。
昼時は立て混み、
満席で断られることすらある。
近隣のOL&リーマンたちの
一番人気は断然、麻婆豆腐だ。

一度試してみたいものだが
この辛さでは
二の足を踏まざるを得ない。
豚豆が恋しくなったら
また来ることにしましょう。

「仙丹坊」
 東京都台東区台東1-1-16
 03-6284-2624

2026年9月28日月曜日

第4188話 曳舟川親水公園を往く

今日は葛飾区・金町に行くつもり。
メトロ千代田線に乗った。
厳密には足立区・綾瀬までが
千代田線で、その先は常磐線の
各駅停車ということになる。

金町の一つ手前の亀有に
到着する直前、車窓から
ぼんやり外を眺めていたら
「プレイガール」の看板が
目に飛び込んで来た。

以前、松戸市在住の頃、
出勤の途中に何度も目にした。
ここでふと疑問が湧く。
いったい、何の店なのか?
このことであった。

急遽、亀有で下車。
店先に立ってみた。
カラオケかキャバクラかと
思いきやソープランドだった。
びっくりしたなァ、もう!

松戸市に棲んだのは
1976~1983年だから
短く見積もっても半世紀は
営業を続けていることになる。
いやはやスゴいわ。

コンパニオン募集中!!
初めての方も経験のある方も
どうぞお気軽にお電話ください

早朝営業  サービスタイム
AM9:00~PM7:00
入浴料 ¥1000

気軽に電話できるものかネ?
9時から入浴する客がいるのかネ?

まっ、それはそれとして
店の前は曳舟川親水公園。
旧葛西用水である。
南に下れば京成本線・お花茶屋方面。
そうだ、あの辺で昼めしと参ろう。
金町はまたこんどにしよう。

親水公園から出たり入ったり。
横道には百日紅の木々満開で紅々。
白鳥北公園、郷土と天文の博物館を
過ぎてお花茶屋駅前の踏切。
駅の周りを物色するも店々は開店前。
そりゃそうだヨ、まだ11時だもの。

こんな時のシェルターは
決まって牛めし「松屋」だ。
在った、在った、在りました。
ドライ中瓶をトクトクやって
滞空時間は15分ポッキリ。
無事、ガス注入を終えた。

親水公園に戻ってしばらく、
平和橋通りを右折して堀切菖蒲園駅。
日本そば屋「五九一」が狙いだ。
入ったことは無いが電車内から
何度も大きな袖看板を目にしており、
いつかは来ようと思っていた。

先客はゼロ、ちょいとイヤな雰囲気。
黒ラベル中瓶を通し、
壁の品書きを見上げる。
冷しなす、たこ唐揚げ、さば味噌煮。
つまみ類は高めの価格設定で
じゃこ天の560円が最安値だ。

結局は薬局、せいろにした。
おっと二段重ねでなかなかの見映え。
ところがそば自体が平の凡。
つゆもどこか間が抜けている。
そば湯で割っても花がつお香らず、
ダメだ、こりゃ!

失望感にさいなまれ、
奇妙な店名の由来を
訊きそびれちまいやした。

「松屋 お花茶屋店」
 東京都葛飾区お花茶屋1-19-16
 080-5928-0683

「五九一(ごくい)」
 東京都葛飾区堀切5-1-2
 03-3602-8484