2026年6月15日月曜日

第4097話 結局は お不動さまに お世話さま (その1)

上野御徒町から乗った、
都営大江戸線を森下で降りた。
高橋夜店通り(のらくロード)は
シャッターを降ろした店が目立つ。
ちなみに此処はたかはしではなく、
たかばしと訓ずる。

開いていたのは中華料理店、
「精華園」くらいのもの。
当店には去年も来てるし、
いっそのこと門仲方面へ
南下してしまおう。
深川散歩は文字通り、
深い味わいがあることだし・・。

川といってもみな運河だけど
いくつか渡った。
まず小名木川を西深川橋でー。
続いて仙台堀川を
橋銘板に ”きさらぎ” とある、
橋で渡った。

はは~ん、この橋は
2月に架けられたんで
如月橋なんだろうな、
と、思ったら違った。
実際は木更木橋だった。

「切られ与三郎」の舞台、
千葉県・木更津は知られているが
他にも ”木更” の付く場所が
あったんだねェ。

調べてみたら ”木更” は
”梗” のことで木の幹や枝が
硬化したもののこと。
そのほかに物が
詰まった状態を表すとも。

心筋梗塞や脳梗塞の ”梗” が
それに当たるわけだ。 
梗塞の予防を兼ねて
今後も歩き続けよう。

木更木橋から川面を眺める。
真鯉と思われる黒い鯉が2尾。
不忍池の鯉と比べると
川がエサ不足のせいか
ずいぶん痩せている。

水母(くらげ)も5匹ほど
プカプカ浮いていた。
深川の運河では
水母をちょくちょく見掛ける。

小学生の頃に棲んでいた、
古石場2丁目にやって来た。
せっかくだからここで昼めし。
そう思ったものの、
飲食店がまったく無い。
3丁目に「司」なる、
本まぐろ専門店があったが
6人の順番待ちで諦めた。

隣り町、牡丹の居酒屋は
満席で断られた。
門仲に近い富岡の洋食屋も同様。
われランチ難民となりにけり。

深川不動の参道にやって来た。
おや? 今日は縁日なんだネ。
子どもの頃が思い出された。

=つづく=

2026年6月13日土曜日

第4096話 歓びアーカイブ 第23回

山形県・米沢に向かう旅の途中、
福島県・郡山に立ち寄りました。

2017年1月17日火曜日

第1538話 愛され続けて65年 (その3)

山形県・米沢市に向かう道すがら
郡山で下車し、市内随一の人気店、
「三松会館」にて小休止。
ポークソテーでビールを飲んだが
まだ少し時間が残っている。
それならと地元の日本酒がほしくなった。

酒のリストは膨大。
日本酒・焼酎はもとより
赤・白・泡のワインが他店とはケタ違い。
東京でもこんな店はめったにない。
創業65年の「三松会館」は
気取ったところなど微塵もなく、
大衆食堂にして大衆酒場にすぎない。

選んだのは地元ではないが
同じ福島の会津娘。
清酒で娘、しかも会津が
冠されているのを見たら
日曜の朝8時、
TBSの「サンデー・モーニング」。
唐橋ユミちゃんのメガネ笑顔が
まぶたに泛かぶが
彼女は会津ほまれの蔵元のお嬢さん。
自身もかなりの酒豪であるそうな。

料理は時間がかかるが酒はすぐ届く。
ややっ! こいつは驚いた。
白ワインじゃないんだヨ
会津娘は可憐な姿で登場。
あたかも白無垢に身を包む花嫁御寮の如し。
会津の娘はこんなふうに嫁ぐのであろうか。
 
写真では判りにくいがこのグラスは
紛れもないリーデル社のオー・シリーズ。
カタチが丸いオーは
アルファベットのOに由来するのだろう。
 
オーストリアのリーデル社は
ワイングラスのトップメーカー。
創業260年を誇り、
その誕生はフランス革命以前だ。
悲劇の王妃、マリー・アントワネット。
彼女がウイーンに生まれたのが1755年だから、
ほぼ同い年と推測されよう。
失礼ながらみちのく郡山で
リーデルに遭遇するとはねェ。
 
会津娘は雑味やケレンとは無縁の美酒。
野球のピッチャーに例えると
球速はそれほどなくとも
コントロールに秀でている。
ストレートが外角低めにストンとキマる。
これならしぶとい打者揃いの打線にも
連打を浴びることはない。
 
酒類の品揃え、グラスの選択、
店主の主義主張とセンスが
如実に発揮されている。
昭和20年代にこんなマネが
できるはずもなく、
当代、あるいは先代が始めたものだろう。
 
かなうことなら腰を落ち着け、
ゆるりと飲み続けたいところなれど、
そうもいかない。
発車時刻に間に合った、
福島行きのリーデル電車、
もとい、ローカル電車に乗り込みました。
 
=おしまい=
 
「三松会館」
 福島県郡山市大町1-3-13
 024-932-0173

2026年6月12日金曜日

第4095話 日本そば屋の海鮮冷やし

日暮里駅で京成電車を待つ。
葛飾区・堀切菖蒲園の町中華で
昼めしの腹積もりだ。
すると急行が先に入線して来た。
6駅飛ばして次の停車駅は青砥。
数分後に各駅が来るというのに
せっかちな J.C.は乗り込んだ。
悪いクセは治る気配ナシ。

青砥の「更科ゆたか」でいいや。
そんな気になって
中華から日本そばへ切替え完了。
駅前の「ゆたか」は
5年前に1度来ている。
そのときは熊本の馬刺しで
ビールを飲んだ。

壁の貼り紙に目を奪われる。
特製麺 海鮮
冷やし中華 ¥1100
まだ6月だというのに
今夏最初の冷やし中華を発注。
ビールはドライの大ジョッキ。

品書きに
◇ 酒類にはお通しがつきます
      (100円)
とあるのに気づき、
接客のオバちゃんを呼ぶ。
「コレってビールには
 付かないのかな?」
「アッ、お通しは夜だけなんです。
 すみません」
「いや、いいんだけどネ。
 ちょっと気なっただけだから」

海鮮冷やし中華が運ばれた。
日本そば屋でもときどき
見掛ける冷やし中華ではある。
皿を彩るのは、小海老・
カニカマ・あさりむき身、
そして小さな貝柱は
イタヤ貝だろう。

ホタテ貝の弟分みたいな
イタヤ貝は産地が異なって
暖かい海に生息している。
値段的にホタテを
ビジネスクラスとしたら
エコノミークラス的存在だ。

他の具材は、錦糸玉子・
きゅうり・わかめ・紅生姜。
まあ、海鮮冷やしを
名乗るだけのことはあった。

ただ、この冷やし中華の特徴は
あえて特製を謳った麺。
中太ちぢれのコシが強烈で
噛もうとする歯を一旦押し戻す。

過去に食べた冷やし中華では
最高ならぬ、最硬といえる。
梅雨の晴れ間にふさわしい、
一食ではありました。

「更科ゆたか」
 東京都葛飾区青戸1-10-3
 03-3697-1519

2026年6月11日木曜日

第4094話 ワールドカップの思い出

いよいよ日本時間の明朝、
W杯が開幕を迎える。
3国共同開催である。
共同での開催は2002年、
日韓が最初であった。

今の日本なら三苫を欠いても
優勝は夢として
決勝トーナメントに
進むことはそれほどの
難題ではあるまい。

初戦のオランダにたとえ不覚を
取ったとしても
チュニジアはクリアできようし、
かつての強豪国スウェーデンは
近年、調子を落としている。

ノルウェーとの前哨戦も
1-3で敗れてるしネ。
まっ、日本のアイスランド戦も
ほめられたものでは
なかったけれどー。

本日のコラムはW杯の思い出を
思い出し出し、語ってみたい。
J.C.が初めて観たのは
イングランド大会(1966)。
中学三年生のときで
この年にビートルズも生で観た。

延長の末、優勝した母国に
エリザベス女王がもらした、
「サッカーにはドラマがある」
このひと言が世界中に流れた。

’70年のメキシコ大会は
ペレ率いるブラジルの圧勝。
ぶっちぎりの王者はW杯史上、
この大会のみである。

’74年西ドイツ大会の決勝は
ロンドンのパブで観た。
ヨハン・クライフ率いた、
オランダは健闘空しく、
西ドイツに敗れて準優勝。

あの大会はイングランドが
出場できなかった。
当時、盟友・S水とともに
イタリア人一家の2階に
間借りしていた。

イングランド破れて
イタリアが進出したが
そこの男の子が飛び上がって歓び、
家中を駆けずり回っていたっけ。

国営放送のBBCが連日、
ドント・フォゲット・サポート・
スコットランド!
そう叫んでいたっけ。

近年はイタリアの凋落と
イングランドの台頭が著しく、
隔世の感がある。
何やってるんだ! イタリアは!

他に印象に強く残る決勝戦は
’94年アメリカ大会。
ブラジルが優勢に試合を進める中、
粘るイタリアが PK戦に持ち込む。
幕切れはバッジョのキックが
ゴールバーのはるか上。
勝敗が決したのだった。

そのあと独りで
リトル・イタリーに出掛け、
淋しく晩めしを食った。
まるで昨日のことのようだ。

早いものであれから32年。
今年は地の利で南米勢かー。
だけど ’14年ブラジル大会の
ドイツみたいな前例もあるからネ。

2026年6月10日水曜日

第4093話 舌が鳴りますキンカンと

本日のランチは JR田端駅近くで
洋食かタイ料理にしようと思い、
動坂を上って行った。
途中、通りすがったのは
端正な佇まいを見せる焼き鳥屋。

こんな場所にこんな店あったかな?
しかもどうしたことか
店名が「清風名月」と来たもんだ。
らしくないねェ。
これじゃ高級和食店だヨ。
でも、せっかくだから
入ってみようか。

お昼は親子丼のみの提供で
あとは酒を嗜む客用に
小さなブラックボードがあった。

★カウンター限定★
 ◎おまかせ3本セット 
  串焼き3本 
  お飲み物1杯 ¥2000
 ◎ミニ親子丼    ¥600

限定品に白羽の矢を立てた。
飲み物は黒ラベル中瓶。
お通しは鳥皮ポン酢だ。
麦酒を飲みながら
なおも品書きを繰っていると
ちょうちんたまり漬けを発見。
好物につき、即注に及んだ。

オレンジ色に光り輝く
未熟卵が5粒並んでいた。
しかし、ヒモ(輸卵管)と
キンカン(未熟蘭)が
合体してこそ、ちょうちん。
品書きにはキンカンと
書いて欲しかったが
美味しさに舌が鳴りました。

ここでわが耳朶に
「とんがり帽子」が聴こえてきた。

♪ 緑の丘の 赤い屋根
  とんがり帽子の 時計台
  鐘が鳴ります キンコンカン
  メーメー小山羊も 啼いてます
  風がそよそよ 丘の家
  黄色いお窓は 俺らの家よ ♪
   (作詞:菊田一夫

敗戦間もない昭和22年に放送された、
NHKラジオドラマ「鐘の鳴る丘」。
その主題歌「とんがり帽子」である。
当方、鐘の代わりに舌が鳴っちゃった。
キンコンカンではなくキンカンと。

中瓶をお替わり。
串焼きは胸皮、もも元が塩。
温玉を添えたつくねには出汁醤油。
一ひねり加わって味わい深い。

締めにミニ親子丼もいただくと
比内鶏がたっぷり使われている。
玉子はブクブクとあぶくだらけ。
店はツー・オペで
秋田出身の主人と
カトマンズ出身のネパール女性だ。

「親子はいかがでしたか?」
店主に訊かれ、
「親子丼が飲み物ってこと
 初めて知りましたヨ」
こう、応えたものでした。

「清風名月」
 東京都北区田端1-5-3
 03-5834-2473

2026年6月9日火曜日

第4092話 この作詞家をリスペクト

橋本淳さんが亡くなった。
大好きな作詞家だった。
こちらも深く敬愛する、
筒美京平さんとのコンビで
幾多の名曲を世に出してくれた。
感謝をこめて哀悼の意を捧げたい。

例によって彼の作品から
マイ・ベスト20 まいります。
順位付けが難しいため、
TOP10とSECOND10 に
仕分けてみました。
作曲者と歌い手も列挙してあります。

=TOP10=
バラ色の雲
(筒美京平 ヴィレッジ・シンガーズ) 
太陽は泣いている
(筒美京平 いしだあゆみ)
雨のエアポート
(筒美京平 欧陽菲菲)
夜汽車
(筒美京平 欧陽菲菲)
北国の青い空
(ベンチャーズ 奥村チヨ)
スワンの涙
(筒美京平 オックス)
逢いたくて北国へ
(井上忠夫 小柳ルミ子)
雨の日のブルース
(筒美京平 渚ゆう子)
望むものはすべて
(筒美京平 ヒデとロザンナ)
ビューティフル・ヨコハマ
(筒美京平 平山三紀)

=SECOND10=
ヘッド・ライト
(筒美京平 黒沢明とロス・プリモス)
長い髪の少女
(鈴木邦彦 ザ・ゴールデン・カップス)
海へかえろう
(すぎやまこういち シャープ・ホークス)
北国の二人
(井上忠夫 ジャッキー吉川とブルーコメッツ)
捧げる愛は
(筒美京平 島倉千代子)
僕のマリー
(すぎやまこういち ザ・タイガース)
青いリンゴ
(筒美京平 野口五郎)
京都・神戸・銀座
(筒美京平 橋幸夫)
ローマの雨
(すぎやまこういち ザ・ピーナッツ)
カナダからの手紙
(平尾昌晃 平尾昌晃&畑中葉子)

最後に1曲紹介しましょう。
1967年リリース、超マイナーな
「捧げる愛を」をお送りします。
市場魚貝類図鑑じゃないけれど
この曲をご存じでしたら
貴方は達人級ですゾ。

♪ 捧げるものは 愛だけなのに
  あなたはいつも そうよあなたは
  いじわるね
  小指の先で 私の心
  あなたは今日も ふれるだけ
  花は散っても せつない恋の
  想い出だけは だきしめて 
  だきしめて
  私一人の 秘密にするの
  捧げる愛は 愛は消えない 
   (作曲:筒美京平)

橋本淳は青山学院大学で
筒美京平の1年先輩。
青学はほかに桑田佳祐&由子夫妻、
中村正人、かまやつひろし、
平岡精二と、多くの優れた、
音楽家を輩出している。
駅伝だけじゃありませんな。

2026年6月8日月曜日

第4091話 行きつけで ラーメン超える ラーメンを

日暮里駅前ロータリーに面する、
中国料理店「又一順」は
 J.C.のお休み処。
今日は暇な一日につき、
ザーサイをつまみに
麦酒を飲んでいた。

さて、何を食べようかな?
定番の小皿料理、
腸詰と干大根玉子焼きは
ちょいと飽きてきたし、
湯麺はアワビそばが好きだけど
滅多に食べないラーメンにした。

隣卓の老夫婦が
ドライ中瓶を分け合いながら
それぞれ海老チャーハンを
1人前づつ食べている。

そこへ餃子がこれも2皿。
近頃の老人の食欲は
若い者並みなんだネ。
その旺盛ぶりに
妙な感心をしちまった。

ラーメンが着卓。
あれっ? こんなんだったかな?
滅多に食べないから
記憶違いかも知れないが
見た目はずいぶん変わった。

周りを食紅に彩られた、
厚めのもも肉叉焼2枚が
真っ先に目を引く。
半味玉にわかめとシナチク。
余白を埋め尽くす大量の刻みねぎ。
通常のラーメンの風景ではない。

箸で引きずり出した、
シナチクに目を疑った。
長さ10cmはラクにあろう。
ソイツが4~5本横たわる。

節目があるから姫竹の一種かな?
それにしても
こんな竹の子見たことない。
食味はなかなかだった。

青みはほうれん草、
あるいは絹さやが理想ながら
シャキっとしたわかめは悪くない。
醤油スープと一緒にすする、
ねぎも好いアクセント。
ヨソではまず注文しない味玉も
半玉ならジャマをしない。

困ったのは大量の細打ち麺。
他店の大盛りはあろう。
食べ切るのに四苦八苦した。
見た目、材質、ボリューム、
全てがフツーのラーメンを
はるかに超えるラーメンでした。

「又一順(ユーイシュン)」
 東京都荒川区西日暮里2-18-3
 03-3801-8520