2017年12月15日金曜日

第1766話 牡蠣と鰯と鹿肉と (その3)

  ♪   昼間のうちに何度もKISSをして
    行く先をたずねるのにつかれはて
    日暮れにバスもタイヤをすりへらし
    そこで二人はネオンの字を読んだ

    ホテルはリバーサイド
    川沿いリバーサイド
    食事もリバーサイド
    Oh Oh Oh リバーサイド  ♪

         (作詞:井上陽水)

陽水の「リバーサイドホテル」は1982年7月のリリース。
だけど、この曲を広く世に知らしめるきっかけとなったのは
何と言ってもフジテレビ系列で放映されたドラマ、
「ニューヨーク恋物語」だろう。

映画俳優というよりTV俳優といったほうが通りのよい、
田村正和の代表作の一つがこのドラマであることに
疑いの余地はない。
共演陣は
岸本加代子、桜田淳子、夏桂子、五十嵐いづみ、
真田広之、柳葉敏郎といった顔ぶれで
実にユニークな取合わせ。
それにしても心に印象を灼きつけてくれた、
韓国女優の李恵淑(柳葉敏郎の恋人役)は
いったいどこへ消えたのだろう。
彼女の行く末を知りたい。

J.C.は当時、ニューヨークに滞在していた。
日本の貸しビデオ屋に赴き、
全話まとめて借りてきては
週末に読破ならぬ、観破した記憶がある。

ん?
イタリアンのつづきはどうした! ってか?
こりゃまたスンマソン。
いえネ、「イタリアニタ」にて
壁のメニューボードを見上げたとき、
”ここで二人はボードの字を読んだ”
のだったけれど、
「リバーサイドホテル」が頭の中を回り出したのでした。

ハナシを元に戻しましょう。
白羽の矢を立てた料理は鹿肉のステーキだ。
世の中はジビエの季節。
猪、あるいは雉や鳩でもあれば、
そっちにしたかもしれないが鹿が唯一のジビエ、
致し方のない選択でありました。

=つづく=