めったに行かない町、小田急線沿線の祖師谷大蔵へ。
およそ3年ぶりの訪れはマレー料理屋が目当て。友人との待合わせに1時間も早い17時前に駅に降り立つ。
3年前は「J.C.オカザワの昼めしを食べる」の取材で訪れた。
その際は時間に追われ、ろくすっぽ町を散策していない。
此度は夕食の前にゆっくり見て回って
出来得れば佳店の1軒も探り当てようという腹積もりだ。
以前ここには円谷プロダクションの本社が置かれていた。
よってウルトラマン誕生の地とされており、
町のメインストリートはウルトラマン商店街の異名をとる。
よってウルトラマン誕生の地とされており、
町のメインストリートはウルトラマン商店街の異名をとる。
一見、庶民的な町並みながら、そこは世田谷区、
下町のような一杯飲み屋の林立はなく、
カフェやバーが幅を利かせている。
ウルトラマン商店街から脇に入って焼きとん屋を発見。
男性が3人、開店を待っている様子だ。暖簾は出ていないものの、嗅覚を激しく刺激された。
遠巻きに眺めていると、
中からアンちゃんが出てきて暖簾を掲げた。
即座に入店する3人のあとに続いて敷居をまたぐ。
すると驚くなかれ、店内はすでにいっぱいである。
このやり口は国立の「まっちゃん」と同じではないか!奥に小上がりがあるものの、
14席のカウンターに空席は2つのみ。
しかもうち1つは遅れてくる仲間のキープ席だ。
一番奥の端、目の前が壁の末席に招じられた。
いいでしょう、いいでしょう、どうせこちとら長居はしない。
さっそくサッポロ黒ラベルの大瓶をお願いした。
周りは焼きとんを頬張る人、焼き上がりを待つ人、
おおむね半々である。
ただ、ほとんどの客が生のきゅうりをポリポリやっている。
あいや、これは生ではなく、1本130円の浅漬けだった。
ちなみに焼きとんも野菜焼きもみな130円。
おおむね半々である。
ただ、ほとんどの客が生のきゅうりをポリポリやっている。
あいや、これは生ではなく、1本130円の浅漬けだった。
ちなみに焼きとんも野菜焼きもみな130円。
注文したのは4種を1本ずつ、これはみなタレで来た。
卓上に備え付けの薬味は一味・七味・山椒・白胡椒・食塩・ガーリックパウダーの6種類。
塩とガーリック以外を適当に使って味わう。
カシラが柔らかいのはよいがシロは柔らかすぎ。
アブラは適度に肉も付いており、ちっともクドくない。
レバーがベストで半生の火の通しが二重丸。
ふと、背中に視線を感じて振り向いくと
おお、北原三枝が裸の裕次郎に抱きついている。
これは日活が売り出した裕次郎カレンダーで当月は7月。
席を立たずに振り向き、手を伸ばしてめくると
おお、北原三枝が裸の裕次郎に抱きついている。
言わずと知れた出世作、「狂った果実」のポスターだ。
兄・慎太郎が作詞した主題歌もヒットした。これは日活が売り出した裕次郎カレンダーで当月は7月。
席を立たずに振り向き、手を伸ばしてめくると
8月は「海の野郎ども」だった。
「狂った果実」の翌年、1957年に封切られたこの映画、
監督は今もなお健在の新藤兼人である。
「狂った果実」の翌年、1957年に封切られたこの映画、
監督は今もなお健在の新藤兼人である。
12月まで全部めくりたかったけれど、
そんなヨソ者の行為は警戒されるから断念。
ビールが何よりも好きだった裕次郎に
背中を向けて飲んだ大瓶1本と焼きとん4本。
勘定は締めて1170円也。
あとで判明したことだが当店は1950年の開業。現在の店主は二代目で暖簾を出したアンちゃんが将来の三代目。
こんな老舗をホンの10分で嗅ぎ分けるのだから
わが嗅覚も捨てたものではない。
さあ、これから相棒と落ち合い、マレー料理と参りやしょう。
東京都世田谷区祖師谷1-9-12
03-3483-5182