2011年6月20日月曜日

第78話 焼き台前は常連専用 (その1) にせどろ千夜一夜 Vol.3

さあ、久々のにせどろシリーズ。
これによってしばらく自重していた居酒屋ネタの解禁とします。

今回は小田急線・豪徳寺を訪れた。
小田急線は小田急電鉄小田原線が正式名称。
駅名は近くにある大渓山豪徳寺に由来している。
彦根藩・井伊家の菩提寺は招き猫発祥の地とされている。

猫つながりでウチの猫

突然、失礼いたしました、テヘッ。

駅前には東急世田谷線・山下駅がある。
東武伊勢崎線・牛田駅と京成線・関屋駅みたいなもので
目の前なのに駅名が異なり、不慣れなヨソ者を惑わせている。
私鉄同士が意地を張り合っているわけでもあるまいが
大手銀行の合従連衡が済んで久しい21世紀、
駅の名前ぐらい統一してほしいものだ。
駅名を一緒にすると乗車賃の値下げにつながるとでも
思っているのだろうか。
東京メトロと都営地下鉄の連携のように。

豪徳寺へは代々木上原から歩いて行った。
東北沢―下北沢―世田谷代田―梅ヶ丘と、
ほぼ小田急沿線に沿って歩みを進めてきた。
その間、野口五郎の「私鉄沿線」の歌詞とメロディーが
たびたび脳裏をよぎったことは言うまでもない。
通行人とすれ違わないときには口ずさんだりもして―。

 ♪  改札口で君のこと いつも待ったものでした
    電車の中から降りて来る 君を探すのが好きでした
    悲しみに心とざしていたら 花屋の花も変りました
    僕の街でもう一度だけ 熱いコーヒー飲みませんか
    あの店で聞かれました 君はどうしているのかと  ♪

                                  (作詞:山上路夫)

恋人を失った悲しい歌。
「池上線」は傷心の女ごころだったが
「私鉄沿線」は逆に男ごころである。
おっと、歌ってる場合ではない、にせどろだから飲まなきゃ・・・。

豪徳寺駅前に焼きとんの「まつり邑」を見つけたのは1年前。
それほど期待をふくらませたのではなくとも
いつか訪れてみようと心の隅にインプットしておいたのは事実だ。

入店すると、焼き台の前のカウンターに4席ほどのスペース。
先客が2人いて、その間に滑り込もうとしたら
串を焼いている店主から
窓際の、これまたカウンターに誘導された。
「あっちへ行け!」とは言われないまでも、ちと淋しい。
「いいよ、判ったよ、そっちに移ればいいんだべ」
気持ちはオールモスト悔し紛れだ。
「ガラス越しに外が見えるからこっちのほうがいいモンね」
100%悔しがってるな、これは・・・。

余計なことをつらつら書いていたら
今度は書くスペースまでなくなった。
本題は、また明日。

=つづく=