2012年9月13日木曜日

第403話 思い立って銚子の港 (その2)

金目鯛不在の理由を訊ねたところ、
女将応えて曰く、
「市場に揚がったことは揚がったんですが
 ウチで使えるサイズのものが揃わなかったんです」―
ふ~む、なるほどネ。

遠来の客にしてみれば、多少小さくてもいてくれてたほうが
どんなにかありがたいのにねェ。
まあ、グチッても始まりやせん。
整った昼食膳をいただきましょう。
まぐろスタミナ唐揚げセット(1380円)
中央の唐揚げを刺身・サラダ・佃煮・新香が取り囲んでいる。
生野菜の上に刺身が2切れ乗ったサラダ。
ドレッシング多めのサラダに刺身のつま大根を混ぜ合わせたら
ビールのよいつまみになってくれた。
ごはんと味噌椀は声掛けのあと出しにしてもらい、
ビールをもう1本いきましょう。

唐揚げは唐揚げに非ず。
片栗粉をはたいた竜田揚げだった。
ニンニク醤油の下味が利いている。
赤身のまぐろ刺しは歯応えのある羊羹みたいな食感。
キハダかなと思ったが、メバチまぐろだという。
値段からして文句の出ない水準に達している。

ビールを飲み終え、范文雀で、もとい、
半分弱でお願いしたごはんが見事な炊き上がり。
わかめの味噌椀もけっこうで思わず出たサインはV。
それにしても金目にはよくフラレるなァ。
いつぞやは江戸川区・平井の、その名も「きんめ家」で
入荷ナシの憂き目にもあっった。
「きんめ家」に金目がなくてどうすんだい!

突き刺さる陽射しの下、身の振り方を考える。
そして”帰り掛けの駄賃”とばかり、成田に寄ることにした。
成田といえば、空港にはお世話になっているものの、
町を歩いたことも新勝寺に詣でたこともない。
今のとこ海外旅行の予定はないけれど、
このへんで一度、過去のお礼も悪しき行動ではあるまい。

おっと、その前に佐原にも寄り道しておこう。

 ♪  佐原囃子が聴えてくらァ
    想い出すなァ・・・御玉ヶ池の千葉道場か ♪

ありゃりゃ、またやっちまったヨ、めんご、メンゴ。
前回来たのは北京五輪の真っ最中だったっけ。
想い出すなァ・・・あれから丸4年かァ。
いけネ、まだやってるワ。

=つづく=

「丼ぶり・定食屋 久六」
 千葉県銚子市新生町1-36-49
 0479-22-1038