2026年5月18日月曜日

第4073話 浅草で 級友三匹 酌み交わす

ストックホルム在住の盟友、
S水クンが長期帰省中。
ひと月以上も滞在すると云う。
福祉国家・スウェーデンの
面目躍如とはこのことで
彼の地の年金制度は貧国・日本と
まったく比べものにならない。

日本の政治家よォ、議員サンよォ、
何とかしろよォ!
いくらでも策はあるだろうにー。
テメエの歳費を削るとかさァ。

同じく盟友のN田クン。
こちらの住まいは千葉の内房。
3人は第42群都立板橋高校、
1年8組の同級生だった。
昭和42年は悪名高き、
学校群制度発祥の年度である。

集結したのは台東区・浅草、
菊水通りの「酒肴 みずの」。
お好み焼きの「染太郎」が
右隣りに暖簾を掲げている。

J.C.はドライ中瓶、
二人は黒ラベル生で乾杯。
ママの Y生チャンにあらかじめ
お願いしてあったのは
赤身とフタエゴ(バラ肉)、
会津産馬刺しの盛合わせ。
別盛りで3人前と来たもんだ。

会津特有の辛子味噌でいただくが
J.C.だけはニンニクスライスを
たっぷり添えて貰う。
何と云っても馬刺しと鰹たたきは
ニンニクが決め手だからネ。

山椒入り芋焼酎、
AKAYANEの炭酸割りにスイッチ。
鹿児島のクラフト・スピリッツ、
赤屋根シリーズの一翼を担う
銘酒がコレである。

各自、好みのつまみを取った。
S水は山芋千切り。
N田が銀だら西京焼き。
J.C.は赤貝醤油漬け。
勘定は太っ腹な J.C.のおごり。
1万5千円でオツリが来た。

2軒目は3分歩いて
沖縄酒場「三富珊瑚」へ。
笑顔で迎えてくれたのは
若女将のK世チャン。
ちょいとご無沙汰したがネ。

S水がオリオンビール小瓶。
二人はドライ中瓶。
お通しがゴーヤおひたしで
つまみはジーマーミ。
沖縄のピーナッツ豆腐だ。

大女将が入院中につき、
料理の幅は狭い。
健啖家のN田が強く主張して
近所の中華屋からお取り寄せ。
春巻と餃子を二人はパクパク。
われ呆れはて見守るばかりなり。

古酒(クース)の炭酸割りに
移行したが彼らは月並みな角ハイ。
沖縄酒場に来た意味がないネ。
まっ、北欧と内房の住人じゃ
これも仕方なかんべサ。

K世チャンが酔っ払いを
上手いことあしらってくれ、
楽しいひとときは流れた。
こちらの支払いは
N田のおごりと来たもんでした。

「酒肴 みずの」
 東京都台東区西浅草2-2-1
 080-6192-3187

「三富珊瑚」
 東京都台東区西浅草1-3-17
 03-6795-1344

2026年5月16日土曜日

第4072話 歓びアーカイブ 第18回

今日の=歓びアーカイブ=は
「食べる歓び」の最終回です。
2011年2月28日でした。

第1214回
最後の晩餐

♪ 今日でお別れね もう逢えない
   あなたも涙を 見せてほしい ♪
    (作詞:なかにし礼)

なんてことは、まったくございませんよ。
明日からはこちらへどうぞ。
www.ikiru-yorokobi.blogspot.com
=生きる歓び= by J.C.オカザワ
今すぐ貴方の“お気に入り”の“仲間入り”を
おん願いたてまつります。

菅原洋一の歌った「今日でお別れ」が
レコード大賞に輝いたのは1970年の大晦日。
この年の春にJ.C.は大学に入った。

ほどなく過激派学生による校内占拠、
いわゆるロックアウトで通学かなわず、
これ幸いとひたすらアルバイトに励み、
翌‘71年春にはヨーロッパへ旅立ったのでした。

今年はあれからちょうど40年。
記念日の3月25日午前11時には
ハバロフスク号が出航した、
横浜の大桟橋に立つつもりでいる。
そして一日中、横浜の街をほっつき歩き、
陽が落ちたらすかさず飲み歩くのだ。
自分の将来を決した大事な日ですからね。

万博が開催された‘70年は
よど号のハイジャックや
三島由紀夫の自決があった年。
カップヌードルが発売され、
スキンシップとウーマンリブが流行語になった。
そう、そう、“鼻血ブー”なんてのもあったっけ。

パンダが来日して話題をさらっている、
上野動物園の入園料は現在600円だが
当時はたったの100円にすぎなかった。
“光陰矢の如し”とまでは云わないけれど
月日の流れは早いものです。

おっと最終回につき、最後の晩餐だった。
J.C.の場合は晩餐ではなく、
あからさまに晩酌だろう。
酒の飲めない身体になっていなければ、
間違いなく、最後の晩酌でしょうね。

その際、人生の伴侶に
恵まれていれば二人で、
いなければ独りで、ということになる。
飲み出したらハシゴは必至。
飲めばハシゴの三度笠である。
それこそ我が人生。

舞台は浅草でキマリだ。
季節は晩春から
初秋にかけてが望ましい。
暖かな夜がいいから、寒い冬はイヤ。
その夜をシミュレーションしてみよう。

夕暮れどきに本所吾妻橋の、
「23BANCHI CAFÉ」にて
食べものは何も取らずに
エクストラコールドを2杯。

吾妻橋を渡り返し、
かんのん通りの「志ぶや」へ。
ここでは芋焼酎をロックで2杯。
小肌酢が気に入りながら今宵はパス。
小肌はあとに控えておりやす。
のぼり鰹のたたきを所望しよう。
生ニンニクのスライスでネ。
ニンニクなくして何の鰹よ!

おあとは本命の「弁天山美家古寿司」
平手造酒よろしく
地獄参りの冷や酒を2杯。
つまみを省いてハナからにぎりに邁進。
平目昆布〆・小肌・小肌w/おぼろ・
穴子下半身w/煮キリ・
穴子上半身w/煮ツメ・玉子
計6カン、ほかは何にも要らん。

締めくくりは「神谷バー」
中ジョッキをチェイサー代わりに
電氣ブランオールドを2杯。
実にシアワセな最後の晩酌である。

振り返れば今日で1214回。
12月14日は赤穂浪士の討入りを
連想させてなかなかよいナンバーだ。
4年8ヶ月は短くはないけれど、
花の命は短くて 楽しきことのみ多かりき
いつわらざる心境である。

シツッコいようですが
明日からは「生きる歓び」でっせ!
www.ikiru-yorokobi.blogspot.com
=生きる歓び= by J.C.オカザワ

ご愛読、ありがとうございました。
そして編集を担当していただいたN雲サン、
連載のお声を掛けてくださったQ先生に
この場をお借りして感謝の意を表します。

愛猫プッチにも挨拶させようと思いましたが
惰眠をむさぼっておりましたので、悪しからず。

眠れるウチの猫
photo by J.C.Okazawa

             =完=


2026年5月15日金曜日

第4071話 初めて出逢ったオオカミウオ

都営三田線・板橋区役所前で
麦歩ともに手を振ったあと、
独り向かったのは仲宿商店街。
この道筋は好きだ。

スーパーのライフと
よしやSainE が居並んでおり、
買い出しにはとても便利。
月に一度は遠征している。

ライフは都内各地に点在するが
SainE の数は多くない。
それでも神楽坂、大塚、中板橋は
利用したことがある。
今宵は自宅で「渡鬼」のあと、
卓球でも観ながら晩酌の予定。
つまみの調達に SainE へ。

おや? 
オジサンが居るではないかー。
長崎産である。
最近、頻繁に出逢うのは
個体数が増えているのだろう。
今日は見送ろう。

その隣りの隣りに
オオカミウオ切り身のパック。
真鱈に似ているものの、
うっすら赤っぽい。

図鑑で見たことはあるが
食べたことは一度も無い。
とにかく数多ある魚類の中で
最も人相、もとい、
魚相の悪いサカナはコイツだ。
みなさんもネットで
その悪相ぶりをご覧下され。

怖ろしい形相ではあるが
ユーモラスな感じもして
どこか憎めない。
こりゃ、買わなきゃいつまた
逢えるか知れたものではない。
大きな切り身2切れは
料理屋だったら4人前になろう。
しかも580円+税の安さだ。

さてさて、お味の方は
いかがなものでありましょうや。
レシピを調べたら
バタ焼き、ムニエルがおすすめ。
当夜は1切れをムニエルにー。

弾力いっぱいのプリプリ感は
このサカナ独自のもの。
亡き母がナマズのことを
鶏肉と魚の中間と表現していたが
微妙に異なるものの、
ナマズに似ているかもしれない。

とにかく美味しいサカナである。
翌日はもう1切れ。
昨晩のうち、醤油&清酒に
漬け込んでおき、グリルした。

そのままでも好かったが
J.C.特製の木の芽味噌を
あしらうと、これが大ヒット。
本年最高の魚料理になりました。
オオカミを見掛けたら
必買を強く推奨します。
赤ずきんちゃんには内緒でネ。

「よしや SainE 仲宿店」
 東京都板橋区仲宿43-6
 033962-1591

2026年5月14日木曜日

第4070話 高社郷は わが故郷の そばだった

読者の方々から最近しばらく
麦歩ともN子サンが
登場しないが何かあったの?
かような問い掛けをいただいた。
彼女はどうやら当欄の準主役に
位置が定まったものらしい。

だからというワケじゃないが
肥を掛けて、いや、声を掛けて
サクッとランチに誘った。
ヤツと逢うと酒宴が長引くからネ。

舞台は遊座大山商店街の洋食屋。
到着すると順番待ちが10名近く。
こりゃかなわん、ヨソへ迂回だ。
5年前に一度おジャマした、
中華料理店「高社郷」を訪れた。

ラガー中瓶を注ぎ合ってカチン。
セロリ&胡瓜ピリ辛漬けのお通し。
料理は有難いことに
ハーフサイズが揃っており、
青椒肉糸、麻婆豆腐、
海老&ブロッコリー炒めを通す。

最近、キリンラガーに苦味を
感じるようになり、
一番搾りの中ジョッキに転向。
当店はキリン一色だが
固執するならハートランドか
晴れ風を置いとくれヨ。

テニス・水泳・サイクリング・
山登りとスーパーウーマンぶりを
いかんなく発揮するN子は
この1週間、精力的に
あちこち動き回っている。

埼玉・日高市の日和田山に登り、
三浦半島の三崎口ではネモフィラ。
秩父の実家まで3時間ドライブと
矢継ぎ早そのもの。
黙ってフンフン聞いていたが
ちょいと異常だネ。

品書きの長崎チャーメンは
皿うどんのこと。
分け合って締めとする。
そこへテレ東の番組、
「タクうま!」のディレクターが
現れてインタビューを受けた。

これをキッカケに店主も
厨房から出て来て雑談スタート。
店名の「高社郷」はてっきり
台湾辺りの地名かと思いきや
北信の湯田中温泉に近い場所だ。

当代は東京生まれだが
先代が其処の出身とのこと。
満洲で多くの集団自決者を
出す悲劇に見舞われた、
高社郷開拓団であるが
此処では多くを語るまい。

驚いたことに J.C.の生まれ故郷、
長野県・長野市とは
15kmしか離れていない。
無頓着だった自分を恥じ、
現在いろいろと文献を
漁っているところであります。

「高社郷」
 東京都板橋区大山東町24-20
 03-3961-8579

2026年5月13日水曜日

第4069話 千駄木に キラリと光る 名酒場

のみともにしてポン友の B千チャン。
腰を痛めてしばらく打牌はお休み中。
リハビリを兼ねて酌交と相成った。
待ち合わせたのは
メトロ千駄木駅近くの「にしきや」。

千駄木は住み良い街ながら
酒場には恵まれない。
そんな中でキラリ精彩を放つのが
この「にしきや」である。

開店の17時半に予約を入れたら
直後は混み合って料理の支度が
遅れがちになるため、
「あらかじめお決まりのモノが
 ありましたら・・・?」
女将に問われて平目薄造りと
鰹たたきをお願いしておいた。

ビールが苦手の B千チャンが
つき合ってくれて乾杯。
すぐに相方は宮城県・大崎市の
一ノ蔵にチェンジ。
当方はドライをもう1本飲んで
山形県・庄内町の鯉川にスイッチ。
今宵は東北ダービーである。

そうしておいてつまみの追加は
牛もつ塩煮込みと
じゃが芋細切り炒め。
「にしきや」は何といっても
海鮮がイチ推しながら
焼き鳥・焼きとん・煮込みも
レベルが高く、柔軟双方に
長けているのが魅力だ。

炒めたじゃが芋も佳品。
火の通しが浅いため、
ホクホクとは真逆、
シャキシャキ感が快適。
中華では時々見掛けるが
和食店にはあまりない調理法だ。

酒盃のピッチも上がってきた。
そろそろ締めと参ろう。
J.C.のおすすめはソーズ焼きそば。
ごくフツーの味わいにつき、
自宅で自分で炒めるのと
さほど変わらないが
他人に作って貰うとより美味しい。

相方にも満足していただき、
二人分のお勘定は
渋沢栄一1枚でオツリが来た。

二次会は意外な展開にー。
歌を歌わぬ B千チャンが
カラオケスタジオと言い出した。
どういう風の吹き回しか
狐につままれたまま、
行きつけの「グランプリ」へ。

こちらはビール、あちらは角ハイ。
こちらは2曲歌ったが
あちらはひたすら聴いてるだけ。
どこが面白いのか
皆目判らんままに滞空1時間で
お開きとなりました。

「にしきや」
 東京都文京区千駄木3-34-7
 03-3828-0935

「グランプリ」
 東京都台東区谷中3-13-10
 03-3821-6376

2026年5月12日火曜日

第4068話 墓参のあとの「松戸ビール」

GW恒例のお墓参り。
岡澤家の墓があるのは
千葉県・松戸市にありながら
都営の八柱霊園だ。

都内では考えられないほど
のどかな環境に恵まれ、
市民の憩いの場になっている。
ピクニックはもとより、
広場にはテントまで張られ、
こうなるともうキャンプだネ。

毎年、墓参のあとは
上本郷の中華「大八北珍」だが
今年は趣向を変えてみた。
京成松戸線で松戸に移動する。

去年の3月31日までは
新京成と呼ばれた路線は
京成による吸収合併以後、
京成松戸線にその名を変えた。

駅東口の「松戸ビール」に一目散。
2時間近くも墓前を清めたため、
ノドはカラカラ。
完全なガス欠状態である。
金魚なら水面に出て来て
お口パクパクであろうヨ。

当店はクラフトビール専門店。
でもクラフト嫌いの J.C.には
猫に小判、豚に真珠、
河馬にエメラルドもいいとこ。
ただ、逃げ道が1本だけあって
サッポロ黒ラベルの用意あり。
九死に一生とはこのことだ。

中ジョッキを立て続けに2杯。
3杯目を通したところで
ようやく料理の発注に及んだ。
目当ての会津産馬刺しは品切れ。
いぶりがっこ&クリームチーズ、
山菜のフリット盛合わせ、
トロタク&ガリサバをお願いした。

ピンクペッパーをあしらった、
いぶりチーズがとても好い。
山菜は、ふきのとう・こごみ・
たらの芽の陣容だが
たらの芽が成長し過ぎて
たらの親になっている。
韓国のり付きのトロ&サバは
まあ、こんなものでしょう。

4杯目とともに締めのパスタ。
手打ち風のリングイニは
仔羊の白ラグー仕立て。
白と謳っていても
実際はトマトを使わぬ透明色。
これが意想外のヒットで
麺もラグーも出色の出来映え。

空に太陽がある限り、あいや、
店に黒ラベルがある限り、
来年もおジャマしようかな?
そんな気配濃厚であります。

「松戸ビール」
(Matsudo Beer Tap Room)
 千葉県松戸市松戸1151
 047-711-7218

2026年5月11日月曜日

第4067話 オジサンと また逢う ”幸”せ ”楽”しけり

3月20日の第4023話。
「バッタリ出逢った 珍魚オジサン」で
紹介したオジサンにまた出逢った。
場所は北千住の行きつけ「幸楽」。
この屋号は「渡鬼」だと町中華だが
こちらは街一番の繁盛ぶりを見せる、
大衆酒場である。

もつ焼き(焼きとん)がウリながら
もう一つの看板商品は刺身類。
殊に白身に注力しており、
常に2~3種類揃えている。

上野・浅草と並び、
北千住も J.C.がよく出没する街。
この日も銀行帰りに立ち寄ると
おすすめボードにオジサン発見。
この再会を見過ごす J.C.ではない。
即注に及んだ。

ドライ大瓶を飲りながら
待つこと5分少々。
ほんのりピンクの身肉が美しい。
髭面の容姿が名前の由来だが
刺身におろしてしまえば、
オジョウサンと呼びたくなる。

うむ、けっこうですな。
また逢う ”幸” せを噛みしめ、
思う存分 "楽" しんだ。
さすが「幸楽」である。
日本酒が欲しくなり、
大好きな山形は鶴岡の銘酒、
十水大山を所望する。

するとベトナム人のお運びが
徳利に半分だけ持って来た。
ん? 値段が上がったのかな?
瞬時に飲み干し、
同じ山形は高畠町の米鶴を追注。
するとまた徳利に半分だ。

「えっ、米鶴も値上がりした?」
「いいえ、あの・・その・・」
割って入るようにオニジさん登場。
初めて見る顔は店主かもしれない。
「両方ともこれで品切れでして
 あの、サービスしときますから」
「エエ~ッ、そうなの?
 それじゃ悪いから
 あとで九平次を頼むネ」
だけど、両方とも残り半合なんて
そんなことあるんかいな?

おすすめボードに
北海縞海老も居るじゃないかー。
北の海に生息する海老には
甘海老、ボタン海老などあり、
トロッとした食感が持ち味。

北海縞海老によく似た、
北海海老もあったりして
いろいろ調べてみたが
頭の中がこんがらかるばかり。
未だにはっきり判明しないし、
現地の人も把握し切れて
ないんじゃないかな?

とにかく J.C.は
茹でて食べるソレより
生食されるモノが好き。
赤地に白の縞模様も鮮やかに
甘やボタンより食味が良い。
とにかく名古屋の醸し人九平次で
美味しくいただいた。

オジサンとシマエビのおかげで
本日の北千住は
素敵な街となったのでした。

「幸楽」
 東京都足立区千住2-62
 03-3882-6456

2026年5月9日土曜日

第4066話 歓びアーカイブ 第17回

本日の =歓びアーカイブ= は
珍しくミャンマー料理です。

2015年3月19日木曜日

第1058話 なんとなくエスニック (その4)

千石の「TAWARA」で
スペシャル・ダンパウを待っている。
前話で紹介したおすすめメニューのうち、
最高値のディッシュだ。
それにしても「TAWARA」なる店名、
ミャンマー語だろうか?
なんとなく日本語の ”俵” を
連想させるものがある。
あとで調べたら、やはり「俵」であった。

ビールの中瓶が少なくなってきた頃、
待望のダンパウがやって来た。
サイドに3点セットを従えている。
チキン・ビリヤニそっくり

長粒米はその一粒ひとつぶが存在感を示し、
われこそはインディカ米なるゾ、
そう訴えているかの如し。

インドのビリヤニ、インドネシアのナシゴレン、
シンガポールの海南鶏飯、
インディカ米を使った米料理は
J.C.の大好物である。
こちらが3点セット

野菜スープに干し海老風味のチリ、
それにキャベツのサラダ。
キャベツにはナンプラーが
振りかかっている。
ミャンマーではこの魚醤を
ンガンピャーイェーという。
まったくもって
ミャンマー語の難解さにはお手上げ。

ともあれ、ライスを一匙口元に運ぶ。
ウ~ン、想像した通りの味と食感。
日本の誇るコシヒカリや
ひとめぼれとは別の美味しさだ。

ここで突然、ハナシは40年前に飛ぶ。
1975年当時、J.C.は二人の仲間ともども
ロンドンで小さな食堂兼雀荘を営んでいた。
日本人の学生やビジネスマン相手の
細々としたミニクラブだったが
将棋好きの英国人や麻雀好きの中国人が
出入りしたりもしていた。

そんな中の一人に
インドネシア人のイワンがいた。
イワンと聞けば
トルストイの「イワンの馬鹿」が第一感。
ロシアの男子名を連想させる。
しかるに彼はインドネシア人であった。

ウマが合ったというか、J.C.にとっては
最初で最後のインドネシア人の友人だ。
そう、そう、連れ立って
ピカデリー・サーカスだったかな?
いや、レスター・スクエアかもしれない。
とにかく一緒に
高倉健とロバート・ミッチャムの
「ザ・ヤクザ」を観に行ったっけ・・・。
ラストの健さんには奴さん、
異常に興奮してたネ。

そのイワンにわがクラブの炒飯を
振舞ったことがあったが
ほんの一匙、二匙で投げ出された。
ライスがスティッキー(ねばねば)で
とても食べられたもんじゃないんだと。
その一件を思い出させた、
スペシャル・ダンパウであった。

ディッシュの主役ともいえる、
チキンに手をつける。
スプーン&フォークを入れると
ホロホロに崩れた。

フレンチのロティでもなく、
アメリカ的なフライドチキンでもなく、
ましてや和風の照り焼きでもない。
ブイヨンで煮たのだろうが
これはこれでそこそこ
美味しくいただきましたとサ。

=おしまい=

「TAWARA(俵) RESTAURANT」
 東京都文京区本駒込6-5-1
 03-6902-1080

2026年5月8日金曜日

第4065話 米原は 何も無い町 寂れ町

6泊7日の旅も今日が最終日。
ところが朝から雨がしとしと。
昨夏の九州旅行以来、
旅は10回を数えるが
雨にたたられたのは初めてだ。

ホテルの傘を借り、
長浜城下の琵琶湖畔へ。
雨に煙って西岸は見えない。
岸辺にまたもやオオバンの群れ。
数えたら30羽も泳いでいた。
西日本でこの鳥は留鳥なの鴨?
もとい、かも?

1時間に1本しかない列車で
交通の要衝、米原に移動する。
狙いの鮨屋に予約を入れたら
混雑のため1時間待ちとの応答。
何だか説明もしどろもどろ。
ええい面倒だ、行っちまえ!
まさか、追い返されはしまい。

ところが・・追い返されました。
店を出ると入れ違いに
40人の団体様到着。
こりゃ仕方なかんべサ。

雨の日の町歩きほど
鬱陶しいものはない。
しかも食い物屋がまったく無い。
あるのは東横イン1軒のみ。
大きな駅弁屋のビルがあり、
弁当でガマンと立ち寄ったら
潰れたのか管理物件の貼り紙。

その隣りのスーパーにて
長浜名物・焼き鯖そうめんと
昨夜飲んで気に入った七本鎗、
石田三成なる銘柄を2本購入。

寂れ果てて何も無い町。
長居は無用とばかりに新幹線。
これがほぼ満席と来たもんだ。
隣りに妙齢のご婦人に座られ、
匂いの出る焼き鯖ははばかられる。
結局は薬局、車内では
”鎗” 1本のお世話になっただけ。

帰宅後、残った ”鎗" に
小魚佃煮と焼き鯖そうめんで
食べ損ねた遅い昼めし。
そこへ蕎歩とも・Mきより電話あり。

「お帰りなさいっ! 何してんの?」
「焼き鯖そうめん食ってんだヨ」
「エエ~ッ? 焼き鯖そうめん?」
「何だ! 知ってんのか?」
「だって今朝、NHKの『あさイチ』で
 紹介してたよぉ!」
「ふ~ん、そりゃまた偶然だな」

でもネ、長浜市民にゃ申し訳ないけど、
焼き鯖そうめんは口に合わなかった。
その代わり、イサザとゴリと
本モロコの佃煮はサイのコー!
”鎗” にもピタリと寄り添った。

大津の「大津屋」、長浜の「成駒家」。
おかげで琵琶湖の湖魚の美味に
遅ればせながら目覚めた次第です。

2026年5月7日木曜日

第4064話 琵琶湖の湖魚に舌鼓

滋賀県・長浜は初めての訪れ。
米原以北は長い連結の列車が
切り離されたりもして
かなり不便になる。

夕暮れ迫る長浜の町を散策。
琵琶湖特産のビワマスを
出す料理屋に目星をつけたが
生憎、今日も明日も臨時休業だ。

店の物色を兼ねながら
町を往ったり来たりと云うより、
右往左往に近いかも知れない。
市内を流れる米川(よねかわ)に
オオバンの群泳を見た。

落ち着いたのは宿からも
駅からも近い「成駒家」。
ちょっと見、立派な料亭風だ。
ドライ中瓶を飲りながら
品書きに目を移す。

ややっ! 居た、居た、
おった、おりました!
ビワマスのあらいが
両の眼(まなこ)に飛び込む。
恋人がわが胸に帰った心境だ。

そしてコレが超の付く美味。
冷水に身を引き締められ、
見た目もすこぶる美しい。
サクラマスの美味しさは
知り尽くしているが
似たもの同士のビワは
サクラに勝るとも劣らない。

琵琶湖北端、木之本の銘酒、
七本鎗に切り替えて
小鮎の佃煮、えび豆、
フナの子付き(真子まぶし)と
珠玉の湖魚を味わい尽くす。

壁に大きく琵琶湖八珍を
写したポスターが1枚。
ビワマス・ニゴロブナ・小アユ・
本モロコ・ハス・ゴリ・イサザ・
スジエビ、これぞ八珍。

ビワマスのにぎりと
焼き鯖そうめんに心惹かれたが
わが胃袋は根性ナシ。
断念してお勘定は金五千円也。

夕刻見つけておいた、
スナック「A」へ直行の巻。
長浜駅に隣接するビル、
長浜えきまちテラスの2階で
K子ママとH弓ちゃんのツーオペ。

オープン直後の19時から
閉店の23時まで客が来ないのを
いいことにセブンイレブン、
4時間も居座っちまった。

ドライ、VSOPハイ、角ハイを
3人でいろいろ飲りながら
歌った、唄いまくった。
交代で1人20曲だから計60曲。
各自1曲だけ紹介しておこう。

K子ー「恋のバカンス」
H弓ー「東京だョおっ母さん」
   (セリフ入り)
J.C.ー「冬子という女」

揃いも揃って古いわ。
二人のおかげと云うんじゃないが
湖畔の街、長浜の印象はとても好い。
H弓とはメルともにも
なったことだしネ。

「成駒家」
 滋賀県長浜市南呉服町5-25
 074-962-3031

2026年5月6日水曜日

第4063話 大津の街をぐ~るぐる

大阪をあとにして
京都を素通りし、
やって来たのは
滋賀県の県庁所在地。
琵琶湖畔の大津である。

6年前に散策したがそのときは
酒も飲まず、飯も食わず、
近江八幡へ移動したのだった。
此度は此処で昼めしの予定。
さっそく歩き始めた。

駅前商店街で出逢ったのは
「大津屋」なる湖魚専門店。
鮮魚を扱うのではなく、
店頭に小魚たちの佃煮が満載。
スゴいなァ、あとで買って帰ろう。

東から順に丸屋町・菱屋町・長等と
3つの商店街が1本につながる、
アーケードの総称はナカマチ商店街。
そこで見つけたのが
コーヒールーム「尊(たかし)」だ。

コーヒーを飲まない J.C.が
惹かれたのにはワケがある。
近江牛と近江米のカレーライス
近江の国に来ていながら
どうして看過出来よう。
ビールが無いのには目をつむり、
発注に及んだ。

ライスにざばっとカレーが掛かり、
見た目は素人くさいが味は好い。
近江牛の赤身が5片散在していた。
食後にコーヒーが付いて
800円の格安価格にも最敬礼である。

ビール抜きの昼めしは
何年ぶりだろう。
ちょいと記憶に無い。
麻雀のプレイ中など
昼めし抜きはしょっちゅうだが
ビヤレス・ランチは
特筆に値するほどの椿事なのだ。

比叡山を遠望しつつ、湖畔を歩む。
およそ450年前、あの山のあの寺で
この国の歴史上、最大にして
最悪のジェノサイドが
断行されたことなど
幻だったかの如くに
山は穏やかな表情を泛べていた。

大津の街をぐるぐる巡り、
そろそろ今宵の目的地に
移動するとしよう。
おっと、その前に「大津屋」だ。

本モロコ・イサザ・ハス・ゴリ。
4種の湖魚(こぎょ)の佃煮を
嬉々として購入する。
それぞれ小さなパック入りだから
量は少ないものの、一律150円。
計600円には心底驚かされた。

急ぎ、駅に戻って
近江塩津行きの列車に乗り込む。
今夜は長浜泊まりです。

「コーヒールーム 尊(たかし)」
 滋賀県大津市中央1-2-28
 077-522-4188

「大津屋」
 滋賀県大津市末広町2-8
 077-524-5550

2026年5月5日火曜日

第4062話 旧友・M子と再会を果たす

今宵は珍しい人と逢う予定。
NY時代からの旧友・M子は
銀座に本拠を構える大手寿司店が
マンハッタンに開いた支店の
フロアマネージャーだった人。

よく食事もしたが何と云っても
第一感はゴルフ友だちである。
往時、彼の地での女飛ばし屋は
氷見に嫁いで行ったA子ママと
M子マネージャーが双璧で
J.C.より飛ばしやがる。

JR循環線・福島駅で待ち合わせ。
宵闇迫る街に1時間も先乗りした。
彼女が予約してくれたのは
街で人気のイタリアン、
「マチェレリア・ディ・タケウチ」。
その前にガス補給を済ませたい。

いつものことだがこの国では
軽く1杯飲める店に難儀する。
東京の各所でお世話になる、
牛めし屋を探すも福島には無い。

捨てる神あらば拾う神あり。
1軒の角打ちに遭遇した。
驚いたことに「竹内酒店」だ。
「タケウチ」前の「竹内」だが
店主によれば、両者に関係は無く、
「あっちはずっと新しい!」んだと。

カウンターの注意書きに
アテをお一人様一品お願いします
きずし・きびなご・たら子なども
揃うが韓国海苔に逃げる。
ドライ大瓶を1本空けて退出。

福島駅に戻ると懐かしの姿あり。
いきなりキツめのハグ。
20年ぶりじゃ、さもありなん。
銀座「六三亭」での食事以来だ。

「タケウチ」のカウンターに横並び、
プロセッコのグラスを合わせた。
J.C.も饒舌だけど、とても敵わない。
油紙に火をつけたように燃え上がる。
初めて知ったがM子は西宮生まれ。
「昨日はずっと西宮のオッサンと
 飲んだんだヨ、6軒も」
「あらまあ、そうっだたの?」

どこか和風な新竹の子マリネと
クワトロ・フォルマッジを
つまみつつの白はトッレビアーノ。
桜海老&新玉ねぎのフリットで
ネッビオーロ・ロエロ '22に切り替え、
骨付き仔羊を塊りで焼いてもらう。
マチェレリアは伊語で肉屋のことだ。

デザートワインのモスカートで締め、
2軒目は近所の「あわ鷹 別邸」なる、
小ジャレた立ち飲み処。
当方はハートランド中瓶。
相方は山形の十四代とつぶ貝を通す。
此処は魚介の品揃えが実に多彩。

J.C.も日本酒に追いつき、
兵庫の播州一献をカチン。
さらに今錦・中川村のたま子。
おたまじゃくしラベルの珍酒は
長野県にありながら
米澤酒造を名乗る造り手だった。

10年ぶりに大量に飲んだと云う、
M子はどうしてどうして
足取りもしっかりしている。
短いスパンの再会を約し、
福島駅で右と左に泣き別れ。
月がとっても青い夜でした。

「竹内酒店」
 大阪府大阪市福島区福島6-3-9
 066-451-1047

「マチェレリア・ディ・タケウチ」
 大阪府大阪市福島区福島6-8-17
 066-455-2977

「あわ鷹 別邸」
 大阪府大阪市福島区福島5-12-21
 066-454-6006

2026年5月4日月曜日

第4061話 飛田を彷徨い 道頓堀へ

昨日はしこたま飲んだ。
今日も人と逢う約束がある。
ただし、昼前から飲もうなどと
血迷い事を口にしない相手。
よって朝から一人のんびりと
大阪見物の巻である。

朝いちばんに向かったのは
知る人ぞ知る飛田新地。
判り易く云うと東京なら吉原。
ただし、ソープランドではない。
ハンブルグのザンクト・パウリや
アムステルダムの運河沿い。
彼の地の飾り窓を彷彿とさせる。

到着したのは9時半。
店々の表向きは立派な料亭で
一帯に150軒ほどあろうかー。
初めての人なら誰しも
度肝を抜かれるに違いない。

時間が早く歩いているのは我一人。
顔見世に出ているコもいない。
やり手バアさんが座るくらいだが
10時を過ぎてポツポツと現れた。

ビックリしたのは
彼女たちの可愛さ、綺麗さ。
日本を代表する二大航空会社。
そのCAたちの一段、いや二段上だ。

「オニイちゃん、寄ってってェ!」
バアさんから声が掛かる。
70過ぎのジイさんにオニイちゃんも
ないもんだが、そう呼ぶ習わしかー。

いずれにしろアチラ方面に
興味のない J.C.なんだが
こういう場所を流すのは大好き。
徘徊は早い時間がよい。
ただし注がれる彼女たちの視線に
耐えうるだけの度胸が
貴方にあればの話だけどネ。

書き出したら筆は止まらないが
深くは掘り下げまい。
興味のある方は
飛田新地をググッて下され。

ジャンジャン横丁から通天閣を仰ぐ。
串かつにも二度漬けにも
興味がなく、ひたすら北へ向かう。
なんばを抜けて法善寺横丁。
懐かしのおでん屋「おかめ」に
心温まるも訪れる夜が残っていない。

そろそろ昼めし。
心斎橋「明治軒」と迷った末に
道頓堀「今井本店」に決めた。
過去2回訪れているが20年も以前。
建て替わったビルの4階に通された。

ドライ中瓶に穴子肝煮と笹巻き寿司。
さすがに老舗の逸品、甲乙つけ難し。
中瓶をお替わりし、きつねうどんと
いきたいが過去2回ともきつね。
昔は無かったそばを試したい。

品書きによなきそばを見つける。
夜泣きそばなんて
時代劇の世界だけだと思っていた。
お運びさんに内容を訊ねたら
おぼろ昆布・油揚げ・おかきに
かつお節ならぬ、まぐろ節入り。

食べてうれしや、よなきそば。
でもネ「今井」はやっぱり、
うどんに限ります。
そばは東京人に任しとき。
てなもんや三度笠。

「今井本店」
 大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-22
 066-211-0319

2026年5月2日土曜日

第4060話 歓びアーカイブ 第16回

今日の舞台は横浜。
吉幾三の名曲が流れ出したが
先を急ぎましょう。

2016年11月23日水曜日

第1497話 昼下がりの横浜 (その8)

昼下がりの横浜中華街で飲み始め、
東神奈川の夕まぐれ。
肝付き皮はぎにご満悦の巻である。
右隣りの紫煙は少々迷惑ながら
さほど気にならなくなってきた。

はぎを食べ終えてさあ、
もう一品いきましょうや。
ここは対抗馬のこち、
あるいはしゃこだろう。
白身に重ねての白身は
ちっともイヤじゃないが芸がない。
しゃこわさをお願いする。

2本目の大瓶も残りわずかとなった頃、
到着したしゃこに目を見張った。
しゃこは尾頭付きだった
その店の品書きに載っていれば、
まずはずさないしゃこながら、
尾頭付きは初めてである。
小ぶりの個体につき、
胴体だけでは見映えがしない。
そのことを考慮したものと思われる。
海老フライの尻尾が
とれちゃったら間が抜けるものなァ。

ナリは小さくとも身はしっとり。
茹で具合もよろしく、
ヒョッとしたら幻の小柴産かもしれない。
銀座の鮨屋が目の色変えて
探し求める小柴のしゃこ。
まさかそんな上物が
出て来るワケもないか―。

燗酒が飲みたくなった。
壁には 
 上撰(400円) 金印(360円)
とあった。
昔の一級酒・二級酒みたいな
仕分けだろうか?
ここはあえて金印をー。

うむ、ウム、胃の腑にしみるのぉ。
ほんの数分で食べちゃったしゃこわさ。
何かもう一皿ほしい。
結局はこち刺しである。
こちは夏のサカナだからすでに名残り。
イルカの歌声が脳裏をかすめてゆく。
”なごりこち” は
皮はぎほどではないにせよ、
水準に達していた。

金印の小徳利も2本目。
調子に乗って追加したのは
新かきフライである。
まっ、この時期ならどこの店でも
”新かき” だろうがわざわざ ”新” を
謳うのも珍しいといえば珍しい。

フライなら玉ねぎか
ポテトという手があったが
かきには時期がある。
やはり看過できなかった。

かきフライを完食して
支払いはおよそ3500円。
これから自宅に戻り、
焼き豚で紹興酒を飲み直しましょう。

=おしまい=

「根岸家」
 神奈川県横浜市神奈川区東神奈川1-10-1
 045-451-0700

2026年5月1日金曜日

第4059話 十三に オッサン二匹 どんぶらこ

去年11月の断筆騒動。
そのおかげで知り合ったK藤サン。
兵庫県・西宮在住の方だが
再び酒盃を交わすこととなる。

J.C.のリクエストは
とにかく十三で飲みたい、
このことであった。
大阪で最も大阪らしい街は
十三と信じて疑わないからネ。

11時から飲み始めようと云う。
「そんな時間に店開いてんの?」
「だいじょぶ、十三はミニ上野っ!」
J.C.の感覚ではアカデミックな
エリアは置いといて
飲み屋街なら上野がミニ十三だ。
それほどに十三はふところが深い。

駅東口で落ち合い、向かったのは
その名も「一軒め酒場」。
それこそ上野にも何処にでもある、
チェーン店で養老乃瀧グループだ。

一軒めボール(豆腐入り肉団子)・
穴子炙り干し・厚切りハムカツ・
おつまみグリーンピースなどで
黒ラベル中ジョッキを4杯づつ。

2軒め「大阪イギー」はたこ焼き屋。
たこ焼きと初めて食べるすじ焼きで
一番搾り中瓶を1本づつ。

3軒めが日本そば「松風」。
たこ酢とおでんで J.C.は
ドライ中瓶に黒松白鹿1杯。
相方が何だったか覚えちゃいない。

4軒め「よりや」は飯と酒の店。
女性二人の切盛りだ。
サントリー生中2杯に
何かつまんだものの、記憶喪失。

5軒め「スタンド トニー」は
ちょいとオサレなワインバー風。
ドライ生中と知多ハイ2杯。
つまみはブルスケッタ1切れ。

最終6軒めが「現場スタ」。
立ち飲みだが折りたたみ椅子を
自分で拡げて着席可。
おそらくビールを飲んだけど、
生だったか? 瓶だったか?
銘柄すら完全に忘れた。

歳も考えずに6軒のハシゴ。
十三と云う名の川に
オッサン二匹がどっぷり浸かり、
桃太郎さんの桃みたいに
どんぶらこ、どんぶらこと
流れて行ったのでした。

「一軒め酒場 十三店」
 大阪府大阪市淀川区十三東2-7-11
 066-302-0090

「大阪イギー」
 大阪府大阪市淀川区十三東2-3-10
 090-1714-2120

「松風」
 大阪府大阪市淀川区十三本町1-14-12
 066-308-1476

「よりや」
 大阪府大阪市淀川区十三本町1-5-24
 070-8553-5076

「スタンド トニー」
 大阪府大阪市淀川区十三東2-12-41
 066-711-4880

「現場スタ」
 大阪府大阪市淀川区十三本町1-4-17
 電話ナシ

2026年4月30日木曜日

第4058話 岸和田立ち寄り 大阪入府

今日は大阪市に戻る予定だが
泉州岸和田に立ち寄りたい。
和歌山に入る前、
堺で1杯飲ったようにネ。
そう、堺と岸和田は以前から
訪れてみたかったのだ。

駅前商店街のアーケードを物色。
気に染まった店が1軒あった。
「縁たく家」はアジアンフードと
あわび料理が二本柱。
ただし J.C.の在店中に
あわびを発注した客は皆無だった。

赤星中瓶とシシグを通す。
シシグの別称はフィリピンの昼食。
豚バラ&ミミガー炒めだが
ミミガーが硬いのなんのっ!
今回の旅は硬いモンによく当たる。
海老すり身を挟んだトースト、
エビパンを追加して仕上げた。

大阪市内に入って一路、十三へ。
宿に荷物を置いたらすぐに外出。
2時間ほどこの街を
まさぐるように徘徊し、
地理と主な店々を頭に叩き込む。

そうして向かったのが大阪駅から
JR環状線で一つ東の天満だ。
環状線は東京の山手線に当たり、
天満は安うま密集地の異名を取る。

天神橋筋商店街に出たら
天五(天神橋五丁目)へ北上。
多くの大衆鮨屋に混じり、
中華やコリアンもチラホラ。
1軒だけ高級感漂う鮨店、
「天使(あまつか)」に入店。

つけ台の一番奥に促された。
ドライ中瓶に先付け3品。
桜海老・あさり・春キャベツ白和え。
鯛わたをあしらった山芋。
鳥の煮凝りである。

伝助穴子の焼き霜造りをお願い。
播磨灘から揚がる特大雌穴子で
伝助はデカくて役立たずの意味。
塩で食べるが山葵でもやりたく、
所望すると混ぜ山葵。
本わさ100%に代えてもらう。
うむ、まずまずながら
やはり穴子は小ぶりに如くはなし。

中瓶のお替わりと
今が旬の筍木の芽味噌和え。
そうしてスイッチした冷酒は
青森・田酒と福井・黒龍。
ここでにぎりに移行する。

剣先いか・さより・真鯛・
のどぐろ炙り・小肌の5カン。
ベストは断然さよりだ。
勘定は1万5千円弱。
それなりの満足感は残った。

十三に舞い戻って飲み直し。
東駅前商店街を抜け、
スナック「O」の店先に
ボーッと佇んでいると
中からママが現れ、拉致された。

ドライ小瓶2本と
黒霧島のロックを1杯。
数曲歌ったものの、深酒を避け、
大人しく帰宿しましたとサ。

「縁たく家」
 大阪府岸和田市五軒屋町1-1
 072-439-5537

「天使(あまつか)」
 大阪府大阪市北区天神橋5-5-13
 066-358-5252

2026年4月29日水曜日

第4057話 醤油醸造発祥の地へ

和歌山の1泊目はぐっすり。
早起きして昨晩の美園町を散歩。
前夜は気づかなかったが
大きな商店街にアーケードが
縦横無尽、走りまくっていた。

この日はJRきのくに線に
45分乗って湯浅を訪れた。
和歌山の南25kmに位置する、
醤油醸造発祥の地である。

いの一番に赴いたのは
湯浅駅から徒歩3分。
土手焼きが名物の「はたよ食堂」。
無人の店内に踏み入ると
奥からオヤジさん登場。

「観光?」
「ええ、さっき着きました」
ドライ大瓶に土手焼きを3本。
内訳は、牛すじ&こんにゃく、
大根、厚揚げである。

黒ラベルの中ジョッキに切り替え、
話好きのオヤジさんとしゃべくる。
話題はもっぱら日米の株式市場。
あとは為替相場だ。

40分ほどの滞空でお勘定。
「1670円!」
千円札を2枚出して
「お釣りはけっこう」
「エッ? チップくれんの?
 ありがと、ありがと!」
伝統的建造物群保存地区を
隅から隅まで歩き廻った。

夕暮れには和歌山帰着。
今朝見つけた美園アーケードへ。
「菜乃屋」は女性4人の切盛り。
ビールはサントリー生大瓶だ。
お通しのマカサラが意想外の佳品。

本日のお造り二種盛りは
ばちまぐろ赤身&かんぱち。
すかさず紀の川の銘酒、
雑賀を貰って即席づけの作成。
醤油は関西特有の甘口につき、
食卓塩を振り込んで辛口にする。

刺身でそのまま食するよりずっと
づけは味覚に訴えて来るのだ。
サントリー知多の炭酸割りを
Wで1杯いただき、2軒目へ。

昨夜に続いて「酒一」を再訪。
さっそくドライ中瓶を1本飲み、
当店の常備酒、伏見の豊富をー。
これは ”ほうふ” ではなく、
”とよとみ”と訓ずる。
云われてみて虚を衝かれるのは
日本人の頭に ”ほうふ”が
こびりついているからだろう。

旅に出ると野菜が不足がちに
なるので補うために春菊おでん。
そして此処にも鹿と猪が居た。
「多田屋」みたいにステーキは
やらないが串焼きのほか、
ソーセージがあり、猪でお願い。
うん、串焼きより柔らかく、
なんぼか食べやすい。

明日は早起きのため、
深酒を避けて帰宿に努めました。

「はたよ食堂」
 和歌山県有田郡湯浅町湯浅1290
 073-762-2876

「菜乃屋」
 和歌山県和歌山市美園町5-6-5
 073-422-6363

「立ち飲み 酒一」
 和歌山県和歌山市美園町5-12-3
 073-436-4613

2026年4月28日火曜日

第4056話 旅のはじめは 堺と和歌山

3カ月ぶりに旅に出た。
東京駅から乗った新幹線を
降りたのは新大阪。
大阪は大いに久方ぶり。

メトロ御堂筋線と
南海電車を乗り継いで
やって来たのは初めての堺。
千利休ゆかりの町である。

時間があれば利休の屋敷跡にでも
行ってみるところだが
先を急ぐ身、駅そばは南海高架下、
「義経」なる居酒屋でガス欠解除。
ドライ中ジョッキのお通しは
鳥皮&オニスラポン酢だ。
つまみつつ、メニューをパラパラ。

17時から本営業だが時刻は13時前。
この時間はスピードメニューの
つまみ類とお造りのみ。
真鯛・かんぱち・サーモンのほか、
馬刺しユッケがあって
馬刺し好きは当然そこに落ち着く。
卵黄を落としたユッケはなかなか。
中生を1杯にとどめて堺駅に戻る。

和歌山市着は15時。
そこから和歌山駅まではJRで2駅。
東口のホテルで一休み後、
賑やかな西口に出陣した。

だいぶ寂れたかつての繁華街、
ぶらくり丁界隈を徘徊する。
気に染まった店は無い。
畑屋敷からアロチ(新内)を
流すもスナックばかり。
今ひとつである。

駅近のみその商店街で
ようやく佳い店を見つけた。
「多田屋」は昭和2年創業。
来年で百歳を迎える。
カウンターに滑り込み、
ドライ大瓶を所望した。

多彩な品書きに鹿と猪を発見。
ステーキと串焼きがあり、
当然のように串焼きを1本づつ。
ところがコイツら硬いのなんのっ!
寅さんの売(バイ)じゃないが
”色が黒くて食い付きたいが
 あたしゃ入れ歯で歯が立たないよ”
と来たもんで
入れ歯じゃなくとも歯が立たん。

はだか麦焼酎の兼八と
チンザノ白ロックを1杯づつに
キス&穴子天ぷらを追加。
でもネ、齢百歳の老舗にゃ悪いが
食べもんがイマイチなんだよネ。
まっ、昼夜に渡り、猪鹿蝶ならぬ、
猪鹿馬をやっつけたからいいかー。

帰り際、駅裏の片隅に
立ち飲み酒場を見つけ、即入店。
するとこの「酒一」は
「多田屋」の経営と来たもんだ。
ドライ中瓶に麦焼酎・壱岐をー。
麦焼酎発祥の地、壱岐産は美味い。

つまみはきずし(〆鯖)をお願い。
「多田屋」よりいいんじゃないかー。
造り手の腕、いや、舌がいいんだ。
明日の晩も此処に寄ろうっとー。

「義経」
 大阪府堺市堺区栄橋町1-10-1
 050-5456-9766

「多田屋」
 和歌山県和歌山市美園町5-11-18
 073-422-2276
 
「立ち飲み 酒一」
 和歌山県和歌山市美園町5-12-3
 073-436-4613

2026年4月27日月曜日

第4055話 小雨降る午後 ハラミ丼

朝からしとしと雨が降っている。
遠出はしたくない。
自宅前のセブンイレブンで
何か買うとするかの?
いや、「一寸亭」でビール大瓶と
半炒飯も悪かァないな。

自宅前の谷中よみせ通りを
北に歩いて行った。
突き抜けてぶつかる道灌山通り。
その信号の向こうに
焼肉店「雅山」があるんだが
利用したことはない。
フラフラッと入っちまった。

当店は中野に本店を構え、
中野新橋にも支店があるようだ。
その両店は至近ながら
何だってまた千駄木に
出店したんだろう?

生憎と瓶ビールが無く、
ドライの中ジョッキをー。
ランチメニューは
カルビ・ハラミ・ロースの
それぞれ定食(1210円)と
丼(990円)が揃っている。
ハラミ丼をごはん少なめで通した。

近隣のリーマンやカップルが
ポツリポツリと入店して来る。
数十年前、言われたことに
焼肉を食うカップルは
もうすでにデキていて
鮨屋ならまだ一線を越えていない。
何てのがあったな。
一理あるかもしれない。

丼の着卓前にジョッキがカラ。
お替わりをお願いする。
そうこうするうち運ばれた。
ハラミを数えたら9片あった。
上に白髪ねぎが載っている。
あとはわかめスープとナムルと
サニーレタスサラダ。
付合せはみな少しづつ。

味わいはまあフツーである。
でも思ったネ。
やはり焼肉は厨房で焼かれたのが
白飯上に盛られたのより、
自分でジュウジュウ焼くのが一番。
焼肉丼を注文するのは
もうこれきりにいたしましょう。

「焼肉 雅山」
 東京都文京区千駄木3-50-12
 03-4283-8198

2026年4月25日土曜日

第4054話 歓びアーカイブ 第15回

今日のアーカイブは12年の昔。
みちのくひとり旅の一コマです。

2014年1月17日金曜日

第754話 郡山では餃子と焼売

栃木県・黒磯をあとにして
到着したのは福島県・郡山。
この街を歩いたことがなく、
長居はできなくとも乗り継ぎまで
1時間以上の余裕を持たせてあった。

さっそく駅周辺をパトロール。
商店街のアーケードは
ほとんどシャッターが下りている。
あまり聞かないアイテムながら
まぜそば専門店に行列ができていた。

ステーキまぜそば、ネギトロまぜそば、
気色の悪いメニューが
これでもかと並んでいる。
いったい誰がこんなん食うんやろ?
どうでもいいけど中華麺に
ネギトロは混ぜないだろうから
日本そばなのかな? 
とにかくアッシには関わりのねェ店だ。

商店街を突き抜けたところに
餃子と焼売の店、
「包龍(パオロン)」を発見。
ビールで一息つくのにはちょうど好い。
通したのは薄焼きしそ餃子と黒豚焼売。
小ぶりな薄焼きが5枚

せいろに大きな焼売が3個 
餃子はアッサリのサッパリ。
餡の塩梅もよろしく、
レベルの高さをうかがわせる。
しかしその上をいったのが焼売。
鳥ナンコツをしのばせ、
食感にアクセントをつけている。

お運びの小姐(シャオチエ)に訊ねると、
みちのくで4店舗を展開しているが
残念ながら首都圏には未進出、
横浜中華街ですら
ここより旨い焼売はないのに残念だ。
横浜駅の名物など足元にも及ばない。

郡山駅に戻り、奥羽本線、
愛称・山形線の米沢行きに乗り込む。
目的地は終点の米沢。
山形へ乗り継ぐまでの時間は47分。
駅の近くでラーメンを
食べるくらいの時間しかない。

1973年頃、縁あって
この地方都市を何度も訪れた。
久しぶりに米沢ラーメンが食べたい。
ツルツルのちぢれ醤油ラーメンをー。

駅舎を出ると空模様はみぞれまじり。
ロータリーのあちこちに
雪が積もっている。
コンビニでビニール傘を買うのもなァ。
目の前にラーメンとうどんの店が見えた。
時間もないことだし、ここは即断。

手動の引き戸を引くと、
すぐ目の前はカウンター。
ハハ~ン、こりゃ喫茶店の居抜きだな。
カウンターの上に貼り紙があった。
「二階にいるので呼んでください」―
おい、おい、二階で何してんだい?
ヘンな店に入っちまったぞなモシ。

=つづく=

「包龍」
 福島県郡山市大町1-3-6
 024-925-2315

2026年4月24日金曜日

第4053話 幾年超えて 童心に帰る

数日前に三越前の「利休庵」で
そばを食べなかったせいか
朝から日本そばの雰囲気。
自宅に雑用が山積しており、
遠出は避けたい雰囲気。

日暮里駅にやって来た。
バスで竜泉「東嶋屋」かな?
荒川区役所前「ますや」、
日本堤「十一屋」という手もある。

結局、日暮里・舎人ライナーに
乗り込んじまった。
それも一駅先の西日暮里で下車。
思い泛んだのは「童心舎」で
帰宅後、調べたら
2001年6月以来と来たもんだ。
実に25年ぶりである。

ドライ中瓶と厚焼き玉子を発注。
そうしておいてそばの品定め。
通常のもりのほか、生粉打ち・
田舎・変わりそばまである。
本日の変わりは紫蘇切りだった。

J.C.は御膳粉(更科粉)に
いろんなモノを打ち込む
変わりそばが大好き。
柚子切りと紫蘇切りが双璧で
逆にあまり好まぬのは
茶切り・胡麻切りあたり。

新潟県は長岡の銘酒、
朝日山の冷たいのに切り替え、
紫蘇切りをお願いした。
待つことおよそ10分。
色白そばに大葉が散っていた。

うむ、これは期待できそうだ。
とは思ったものの、
一箸つけて鼻先に寄せるが
あまり大葉が香ってくれない。
ん、何だかおかしいな。

そのまま口元に運んで
モグモグモグ。
う~ん、どうしたんだろう?
ちょいと肩透かし気味。
それでもしっかり食べ終え、
そば湯もいただいた。

「童心居」には少なからず
期待をそがれたけれど
かれこれ四半世紀を経て
童心に帰れたことだけは
疑いようのない事実でした。

「蕎麦吉里 童心舎」
 東京都荒川区西日暮里6-52-6
 03-3893-1879

2026年4月23日木曜日

第4052話 そばが好し 定食類は さらに好し

この日は何故か食欲旺盛。
いつもの昼飲み、あるいは
麺類で済ませるのではなく、
定食をガッツリ食べる気になった。
食堂か洋食屋に行こうかな?

ここで不図、思い泛んだのが
三越前の日本そば店、
「利休庵」である。
1階と地下はそばだけれども
2階と3階では定食を供する。

日本そばも水準を
超えるものがあるが
数種類揃う定食が
下手な日本料理屋顔負けなのだ。

神保町シアターで
チケット取得後、2階へ上がった。
過去を振り返れば、
定食とそばを食べる比率は9:1。
定食が圧倒している。

当店のお世話になったのは
新日本橋のオフィスに通った、
西暦2000年を跨ぐ11年間。
当時は若かったんだねェ。
そばじゃ物足りなく、
ひたすら定食を食べていた。

タイトルロールの利休定食は
いわゆるすき焼き定食。
J.C.の気に入りは
焼き魚と豚味噌焼きである。
価格はほとんどみな1700円で
天ぷらだけが飛び抜けの2700円。

一昨年亡くなったのみとも、
半チャンを偲んで彼が好んだ、
豚味噌に行き掛かったが
焼き魚にメヌケを見つけ、
大好きなサカナにつき、
そちらに浮気する。

ドライ中瓶を手酌で飲りながら
焼き上がりを待つ。
隣りの卓の女性三人組は
利休が二人に豚味噌一人。
パクパク食べながら
ワイワイガヤガヤ。

調った焼き魚定食は
メヌケにタップリのおろしと
自家製桜大根の桜花塩漬け添え。
大根と人参のキンピラ風。
きゅうり浅漬け&しば漬け。
豆腐&なめこ味噌椀。
白飯は大きめの茶碗でー。

しっかりいただきました。
満腹になりました。
では、神保町シアターに戻ります。

「利休庵」
 東京都中央区日本橋室町1-12-16
 03-3241-4006

2026年4月22日水曜日

第4051話 今宵もスンナリ 帰れずに

麦歩とも・N子と飲むと
なかなかゴールにたどり着けない。
結局、今宵もそうなった。
帰る方向が一緒だからだ。

思い出すのは東プリ時代。
往時の GFはホテルに出入りする、
生花店の娘・R子。
彼女の家は千代田線直通、
常磐線の千葉県・我孫子で
J.C.も同じく千葉県・松戸。

よってデートのフィナーレ。
最後の一飲みは北千住か
松戸と相場が決まっていた。
二人がもっともよく現れたのは
北千住の飲み屋横丁と
松戸の江戸川河川敷であった。

それはそれとして西日暮里。
いつぞや痛飲した、
「大将」でもよかったが
道灌山通りを西に歩いた。

以前、よく利用した今は無き、
コリアンスナック「Y」へと
曲がる角の「とり花」。
その赤提灯に誘われるまま、
敷居をまたいだ。

「Y」へ流れる前に二度ほど
おジャマしたことがあったが
あれは10年近くも前のこと。
久々の再訪と相成った。

女将さん独りのワン・オペ。
昔と同一人物だろうが
月日が経ち過ぎて見覚えはない。
カウンターだけの店に横並ぶ。

ドライ中瓶を注ぎ合って
本日二度目のカチン。
突き出しは日本そばの焼きそば。
こりゃ珍しい。
ニンニクスライスが散って
なかなかのアイデアだった。

相方が本日のおすすめボードに
コ・マ・ネ・チなる一品を発見。
「コマネチって何ですか?」
訊ねる彼女に
「頼まなきゃ教えられないっ!」
突き放す女将さん。
偏屈ではないが理屈を云う。

頼んでみたらコはコンビーフ、
マはマヨネーズで、ネはネギ。
最後のチが判らんと
ボヤくわれわれに
「もう一度頼んだら教えます」
軽くかわされる。
チは食材に非ずとヒントはくれた。

J.C.は日本酒に切り替え、
まずは富山の銀盤。
スッキリし過ぎて感心しない。
続いて秋田のまんさくの花。
これは以前から好きな銘柄である。

締めは自家製サングリアで乾杯。
道灌山通りを右と左に
泣き別れましたとサ。
ようやく帰れます。

「とり花」
 東京都荒川区西日暮里4-23-1
 03-3824-4802

2026年4月21日火曜日

第4050話 麦歩とも そのまた友と 3人飲み (その2)

麦歩ともN子と
彼女の友人のカコちゃん。
上福岡の偶然に驚いているうち、
話題は彼女の生まれ故郷にー。

それが何と成増と来たもんだ。
J.C.&K子のカップルは往時、
成増と上福岡に
それぞれ棲んでいた。
二人の役をカコは
一人二役でこなしているんだ。

偶然といえば、
J.C.&N子もそうである。
南信ツアーの際、
ある朝、駒ヶ根で言葉を交わし、
その夜、別れたのが西日暮里駅。

こちらは当駅から歩ける距離。
彼女は其処から
日暮里・舎人ライナーで
終点の見沼代親水公園へと帰る。
23区内に駅は数多あれど
サヨナラしたのが同じ駅とはネ。

そのほかにも
若き日の J.C.は配膳会に属して
勤務先が東京プリンスホテル。
一方のN子は正社員として
赤坂プリンスホテルで働いていた。
何だか赤い糸を感じてしまう。

まっ、それはそれとして
楽しく食べ、飲み、
話し、笑い合った。
お開きは18時頃だったかな?

池袋経由で帰途に就く、
カコちゃんをメトロ丸の内線の
東京駅改札まで送り、
われわれ二人は
JR山手線に乗り込んだ。

たまには浅い時間に帰ろかな?
秋葉原を過ぎた頃、
N子がつぶやいた。
「サッ、二人で飲み直しましょ」
「エエッ、まだ飲むんかい?」
「飲み足りないでしょ?」
「ん? まあそうだけど・・・」

結局は薬局、二人が改札を出たのは
あの西日暮里駅でありました。

「魚の店 オカモ倶楽部 丸の内店」
 東京都千代田区丸の内2-73
 TOKIA B1
 03-5962-9911

2026年4月20日月曜日

第4049話 麦歩とも そのまた友と 3人飲み (その1)

その日は平和に朝食を食べていた。
ザクロ・スカッシュに始まり、
パスコの5枚切りトースト半枚。
あとは明治のビーフコンソメ。
これには JAL SELECTION とある。

食後のミルクティーを
すすっているとライン着信。
読者には申し訳ないが
またもや麦歩とも・N子である。

何でもやはり旅先で知り合った、
女友だち・カコちゃんと
竹橋の近代美術館に行くとやらで
そのあと3人で飲まないか?
との提案だった。

たまたま身体が一日空いており、
14時半に待ち合わせたのは
最近ちょい飲みによく利用する、
丸の内南口の TOKIA 地下だ。

「オカモ倶楽部」に現地集合。
われわれはドライ中ジョッキ。
最寄り駅まで車のカコちゃんは
ピーチネクターの大グラス。
3人してガッチンコ。

「各自、お好きなものをどうぞ!」
「ハイ、どうもありがとう」
本日の付き出し(ママ)は
明太子の胡麻油和え。

みんな生モノが好きなんだねェ。
刺身やらにぎり鮨やらが
ドンドン運ばれ来る。
まっ、当店は ”魚の店” を
自称するくらいだからネ。
他には煮穴子、かにみそグラタン、
生あじレアフライなどなど。

彼女らはクラブ・ツーリズムの
屋久島の旅で知り合ったそうだ。
いろいろ話しているうち、
意外なことが判明した。

カコちゃんの現在の住まいは
埼玉県・上福岡。
東武東上線沿線である。
中高時代の J.C.は
中板橋と成増に棲んでいた。

そして往時のGF・N村K子は
上福岡の団地住まいで
二人が出逢ったのは
常盤台の上板橋第一中学校だ。
すべてが東上線上にある。

彼女のことは3月17日の第4020話、
”桜はつぼみの靖国神社” に書いた。
当時はデートのあとたびたび、
上福岡まで送って行ったのだ。

=つづく=