2012年9月27日木曜日

第413話 鎌倉から来た女 (その1)

大変お待たせして申し訳ありませんでした。
本日の稿をアップしたつもりで朝から出掛けてしまい、
途中、多数の友人からプッシュされたものの、
すぐにPCの前に戻ることあたわず、
ご迷惑をお掛けしました。
お許しください。

さて、鎌倉在住の旧友、P子が1泊で
東京にやって来るという。
鎌倉なんざ1時間ちょっとで帰れるゾ、
日帰りにすればいいじゃないかと言ったら
「大きなお世話!」 とピシャリ一言。

でもって
「どこか飲みに連れてけ!」 との仰せ。
いいでしょう、いいでしょう、お連れしましょう。
気楽なのみともにつき、ハナシのまとまりは早い。
待ち合わせたのは本郷三丁目の交差点。
本郷通りと春日通りがぶつかるところで
 本郷も かねやすまでは 江戸の内
と詠われた小間物屋「かねやす」が
サウスウエストの角に建っている。

向かったのは交差点から徒歩2分の「じんちゃん」。
その名声は地元のみならず、
東京中にこだまする焼きとんの人気店である。
オヤジさんとアンちゃんの中間感じの店主が独りで切盛りする。
当人は「もつ焼き じんちゃん」を名乗っているが
豚のもつ焼き、いわゆる焼きとんの店だ。

スタートは二人とも生ビール。
それから黒ホッピーに移行して
その後、J.C.はマッコリ、P子はバイスサワーだ。
ここのバイスサワーは梅紫蘇味で
ほんのりピンクがかった美味い飲みもの。
P子はことのほかお気に入りだった。
バイスの語源は梅酢からきているらしい。

豚のシロを味噌で煮込んだ正統派のもつ煮込みがグンバツ。
黒胡椒がバッチリ効いた大量のマカロニサラダは
赤羽の有名店「米山」のそれにクリソー。
続いてガツ刺しとコブクロ刺し。
主役の焼きものはチレ・カシラ・ハラミ・シロ・ハツ。
好物のレバが売切れで涙をのんだ。
いや、実に旨い。

たびたび声高に主張しているから
読者には耳タコの方が多数おられると思うが
焼き鳥より焼きとんが好きなのだ。
鳥だったら1羽丸ごとのローストチキンがいい。
もっとも近頃は鳥の内臓を中心とした、
稀少部位を提供する店が増えて
あれだったら焼きとんに後れをとるものではないけれど・・・。

=つづく=

「もつ焼き じんちゃん」
 東京都文京区本郷2-39-7
 電話ナシ