2015年11月25日水曜日

第1237話 秋のスポーツ 花ざかり (その1)

去年の夏の悪夢、ブラジルW杯の惨敗を受けて
しばらくスポーツ・ネタから遠ざかっていたが
ひねくれていても仕方がないので久々にいってみたい。

はて・・・どこから始めてみましょうか?
日馬富士が2年ぶりの賜杯を抱いたことだし、
大相撲からいくとしますかの。
しばしのおつき合いを―。

意想外だった日馬富士の優勝。
ハルマ・ファンを自認する、
英国のウイリアム皇子もさぞや歓んでおられることだろう。
いつもいつでも白鵬の独壇場では観る者もさすがに飽きてしまう。
先場所の鶴竜、今場所の日馬富士の優勝は
マンネリズムからの脱却という意味合いもあってよかった。

さて、白鵬が栃煌山戦でパフォームした猫だまし。
良かれ悪しかれ日本国中津々浦々、
この話題で盛り上がったことは確かだ。
直後に急逝した北の湖理事長はじめ、
角界の関係者はおしなべて否定的だが
世間の相撲ファンは賛成派、
あるいは容認派が過半数を占めている。

一般的なファンのJ.C.も賛成に1票を投じたい。
角界では解説者の舞の海が印象的なコメントを残している。
「白鵬流のユーモアの表れではないか」と言うのだ。
さすがですねェ、いいですねェ。
ニュートラルな立場に立って正鵠を射た寸評だった。

かように軽く流せば目クジラを立てるほどの罪ではあるまい。
もとより犯罪でも何でもないが
有態(ありてい)に申せば、あれは確信犯だネ。
本人はちっとも悪いと思っちゃいない。

立ち合いの変化に比べたら猫だましのほうがなんぼかマシ。
と言うより、どこかシャレっ気、チャメっ気を感じる。
変わり身だってルールで許される範囲内。
杓子定規でアタマの硬い角界の面々こそ、
これを機会に反省してもらいたい。

ただ一つ、ちょっとばかり気になるのは
最近の白鵬は自ら偽悪主義に疾っているような気がする。
乱暴な言い方をすれば、白鵬の”朝青龍化”だろうか・・・。
本人だってまさかあそこまでヒドくなろうと思っちゃいまいが
頑固で封建的な角界という名の泉に
小石の礫(つぶて)を投げ込んでいるのだ。

若・貴なきあと、ずっと低迷を続けてきた大相撲人気。
それを支えてきたのはオレじゃないか。
けっして悪ガキ・朝青じゃないハズだ。
その功績に対し、長いこと日本人力士の優勝がないからって
ヒール役の立ち回りはあんまりじゃないか!
声なき声が聴こえてくる。
不満と鬱屈に裏打ちされた、いらだちが伝わってくる。
角界の内・外を問わず、不世出の大横綱を
もうちょっとリスペクトしてあげましょうヨ。
ねっ、皆の衆!

=つづく=