2015年11月9日月曜日

第1225話 YOKOHAMA is Beautiful !(その9)

♪   追いかけてヨコハマ
  あの人が逃げる
  残した捨てゼリフに
  誰か見覚えはありませんか
  追いかけてヨコハマ
  あの人がいつも
  この街をほめたことが
  裏切りの手がかりです  ♪
    (作詞:中島みゆき)

1977年にリリースされた「追いかけてヨコハマ」は
桜田淳子と中島みゆきのコンビネーション。
同コンビによる「しあわせ芝居」には及ばぬものの、
心に響く印象的な佳曲だった。

大好きな横浜の、大好きな野毛町の夕まぐれ。
元部下推薦の「もつしげ本店」でビールを飲み始めたところだ。
サービスなのか有料なのか見当がつかないが
辛味噌を添えた生キャベツがともにやって来た。

会計時に判明したが250円でお替わり自由だったみたい。
若者たちには人気の様子で値段も安いし、
チェーン居酒屋の愚にもつかぬ有料突き出しよりはマシだろう。
よって目クジラをたてるのはよす。

でもこれってちっともうれしくないんだよねェ。
そりゃトンカツやカキフライのお供の繊切りキャベツはありがたい。
だけど玉から1枚1枚はがされたのは好きじゃない。
もうちょっと細かい配慮があっていいんじゃないの。

例えば日本橋「たいめいけん」の酢油キャベツ。
あるいは神楽坂「駒安」のキャベジン。
一手間加えるだけで食味のよさは倍加し、
存在感も増すのに残念だ。

気を取り直して当店の名物らしい塩煮込みを所望した。
見た目はアッサリ風
ところが実際はコッテリだった。
使用されているのは牛のシマ腸。
腸壁にビッシリと脂の付いたシロコロと呼ばれるヤツである。
われわれは好まぬけれど、好きな御仁にはたまらんだろうネ。

このタイプのもつ煮込みに出会うと、
瞬時に連想されるのが深川は平久小学校前の「河本」である。
ホッピーと煮込みがウリの店で
こちらは味噌仕立てだが脂肪の塊は
「もつしげ」の比ではないほどにビッシリ。
冬場、すきま風の中では急いで食べないと冷めてしまい、
それこそ手に負えなくなる。

とにかく「もつしげ本店」の塩煮込みを
ビールで流し込むようにやっつけた。

=つづく=