三上真一郎が出演した小津の2作品は観ている。
べつに監督が手放しで歓ぶほどの名演技を披露したとも思えない。
ただし、育ちの良さそうな若い男優が
ほとんど登場しない小津作品にあって
一服の清涼剤的な役割は十二分に果たしているとは思う。
俳優・三上真一郎の印象がもっとも強かったのは松竹ではなく、
東映移籍後の第一作、任侠映画の「博奕打ち 総長賭博」。
あの三島由紀夫が絶賛した作品である。
今まで色眼鏡で観られていたヤクザ映画が
彼によって新しい息吹を吹き込まれたのだ。
おかげでご法度の裏街道を歩いていた作品群が
日の目を見ることができたんだからねェ。
コレはすでに大事件であった。
ギリシャ悲劇との同一性を謳われたのだからさもありなんて―。
仕上がりは確かにすばらしく、
任侠映画では高倉健の昭和残侠伝シリーズや
同じ鶴田浩二主演の人生劇場シリーズの上をゆき、
マイベスト1に君臨している。
すべての邦画中でも生涯の第三位に輝いているくらいだ。
エッ? 一位と二位は何だ! ってか?
それはまた紹介する機会もございましょう。
「博奕打ち 総長賭博」が封切られたのは1968年。
そう、釜本邦成&杉山隆一を擁する日本代表が
メキシコ五輪において銅メダルを獲得した年である。
ちなみにこの年のレコード大賞は黛ジュンの「天使の誘惑」。
今、手元に古き友人、
高平哲郎サンの「星にスイングすれば」がある。
各界のスターたちに体当たりで取材したインタビューを
まとめた著作なのだが、そこにこうあった。
「博奕打ち 総長賭博」を封切り前に観た主演の二人、
鶴田浩二と若山富三郎は観終わって
しばらく席を立てなかったそうだ。
そして二人のほほにはそれぞれ二すじの涙がかかっていたそうだ。
スゴいねェ、スゴいなァ、本当にスゴい。
TVのロケに出かけるたんびに”スゴ~いッ!”を連発してる、
女子アナ・女子タレとは次元がまったく違いまっせ。
おのれの無知と語彙の貧困を”スゴ~いッ!”でさらけ出してる、
バカどもとはまさしく真逆にあるのです。
鶴田の妹が当時美しさ満開の藤純子。
彼女の夫が若山富三郎。
したがって鶴田&若山は縁戚上の義兄弟でありながら
渡世の上でも兄弟分なのでした。
つづく=
今まで色眼鏡で観られていたヤクザ映画が
彼によって新しい息吹を吹き込まれたのだ。
おかげでご法度の裏街道を歩いていた作品群が
日の目を見ることができたんだからねェ。
コレはすでに大事件であった。
ギリシャ悲劇との同一性を謳われたのだからさもありなんて―。
仕上がりは確かにすばらしく、
任侠映画では高倉健の昭和残侠伝シリーズや
同じ鶴田浩二主演の人生劇場シリーズの上をゆき、
マイベスト1に君臨している。
すべての邦画中でも生涯の第三位に輝いているくらいだ。
エッ? 一位と二位は何だ! ってか?
それはまた紹介する機会もございましょう。
「博奕打ち 総長賭博」が封切られたのは1968年。
そう、釜本邦成&杉山隆一を擁する日本代表が
メキシコ五輪において銅メダルを獲得した年である。
ちなみにこの年のレコード大賞は黛ジュンの「天使の誘惑」。
今、手元に古き友人、
高平哲郎サンの「星にスイングすれば」がある。
各界のスターたちに体当たりで取材したインタビューを
まとめた著作なのだが、そこにこうあった。
「博奕打ち 総長賭博」を封切り前に観た主演の二人、
鶴田浩二と若山富三郎は観終わって
しばらく席を立てなかったそうだ。
そして二人のほほにはそれぞれ二すじの涙がかかっていたそうだ。
スゴいねェ、スゴいなァ、本当にスゴい。
TVのロケに出かけるたんびに”スゴ~いッ!”を連発してる、
女子アナ・女子タレとは次元がまったく違いまっせ。
おのれの無知と語彙の貧困を”スゴ~いッ!”でさらけ出してる、
バカどもとはまさしく真逆にあるのです。
鶴田の妹が当時美しさ満開の藤純子。
彼女の夫が若山富三郎。
したがって鶴田&若山は縁戚上の義兄弟でありながら
渡世の上でも兄弟分なのでした。
つづく=