久保田早紀の「異邦人」である。
彼女の才能に瞠目したのは2番の歌詞であった。
♪ 市場へ行く人の波に
身体を預け
石だたみの街角を
ゆらゆらとさまよう
祈りの声 ひずめの音
歌うようなざわめき
私を置きざりに
過ぎてゆく白い朝 ♪
殊に赤字部分はまさしくイスラムで
本当はまっことアラブ的と評したいところなれど、
久保田早紀に影響を与えたのはイランの音楽だから
ペルシャ的と表現せずばなるまい。
J.C.が初めてアラブ圏に足を踏み入れたのは1973年のカイロ。
その後、1984年にはパキスタンのカラチと
トルコのイスタンブールを訪れた。
祈りの声 ひずめの音
歌うようなざわめき
イランのテヘランがそうであったように
カイロもカラチもイスタンブールもまさしくであった。
脇道から本題に戻る。
鳥や雲や夢までも子供たちがつかもうとしたごとく、
ニュー新橋ビルの居酒屋群は両手をひろげて
われわれを迎えようとしていた。
ザッと一めぐりして1軒の店先に足がとまる。
ん? う~ん、どことなくデジャヴュ。
立派な欄間看板には「酒蔵 ダイヤ菊」とあった。
・・・ ・・・
ゥワッ!
十数年の時を経て記憶がよみがえり、思わず発した叫び声。
忘れもしないムック「いま、小津安二郎」で紹介された、
あの「酒蔵 ダイヤ菊」だったのだ。
折よく奥から女将が姿を現し、われわれを店内へと誘(いざな)う。
これじゃ断り切れないよねェ。
ってゆうかァ、心の中では決めていた。
むろんのこと、相方に異存があるはずもない。
店内は右手にカウンター、左手にテーブル席のレイアウト。
左奥に隠れスポット的な1卓があった。
世間をはばかる関係ではないにせよ、
一応そこに身を落ち着けてみる。
おっと! 壁には小津の大きなポスターときたもんだ!
=つづく=
彼女の才能に瞠目したのは2番の歌詞であった。
♪ 市場へ行く人の波に
身体を預け
石だたみの街角を
ゆらゆらとさまよう
祈りの声 ひずめの音
歌うようなざわめき
私を置きざりに
過ぎてゆく白い朝 ♪
殊に赤字部分はまさしくイスラムで
本当はまっことアラブ的と評したいところなれど、
久保田早紀に影響を与えたのはイランの音楽だから
ペルシャ的と表現せずばなるまい。
J.C.が初めてアラブ圏に足を踏み入れたのは1973年のカイロ。
その後、1984年にはパキスタンのカラチと
トルコのイスタンブールを訪れた。
祈りの声 ひずめの音
歌うようなざわめき
イランのテヘランがそうであったように
カイロもカラチもイスタンブールもまさしくであった。
脇道から本題に戻る。
鳥や雲や夢までも子供たちがつかもうとしたごとく、
ニュー新橋ビルの居酒屋群は両手をひろげて
われわれを迎えようとしていた。
ザッと一めぐりして1軒の店先に足がとまる。
ん? う~ん、どことなくデジャヴュ。
立派な欄間看板には「酒蔵 ダイヤ菊」とあった。
・・・ ・・・
ゥワッ!
十数年の時を経て記憶がよみがえり、思わず発した叫び声。
忘れもしないムック「いま、小津安二郎」で紹介された、
あの「酒蔵 ダイヤ菊」だったのだ。
折よく奥から女将が姿を現し、われわれを店内へと誘(いざな)う。
これじゃ断り切れないよねェ。
ってゆうかァ、心の中では決めていた。
むろんのこと、相方に異存があるはずもない。
店内は右手にカウンター、左手にテーブル席のレイアウト。
左奥に隠れスポット的な1卓があった。
世間をはばかる関係ではないにせよ、
一応そこに身を落ち着けてみる。
おっと! 壁には小津の大きなポスターときたもんだ!
=つづく=