2016年3月31日木曜日

第1328話 綾瀬はるかと二人飲み (その5)

「串のこたに」のカウンター。
もともと関西風の串揚げは好まぬほう。
なのに夏のビヤガーデンにおける串カツは
大好きだからわれながらちょっとヘンだ。
 
そもそも昭和40年代頃まで
東京に串揚げはまず見掛けなかった。
初めて食したのは
銀座かシンガポールの「串の坊」だったと思う。
本場・大阪は通天閣の下で食べたのはそのあと。
だが、いずれも感心しなかった。
 
東京でもここ10年ほどは
立ち食い店を中心にかなりの普及ぶり。
J.C.とてまったく利用しないわけじゃないが
ごくごくマレである。
「二度づけ禁止」の貼り紙を見るのも
あまり気持ちのいいものじゃないしネ。
 
グラスがカラになった。
ホイスはもうじゅうぶん。
ビールに戻そうとも思ったが
当店は生も瓶もキリン一番搾りのみ。
同じキリンのラガーよりは飲み口が万人向けながら
好みの上ではスーパードライ、
そして黒ラベルの後塵を拝することになる。
 
それよりもくだんのこたにサワーを試しておかねばならない。
あらためてドリンクリストをチェックしてビックリ。
何と1杯100円ポッキリじゃないか!
税込みでも108円である。
こんなに安い酎ハイは前代未聞だ。
 
しかも
「当店のサワー類のアルコール度数は高めになっております」―
なんて謳っちゃってるんだから二度ビックリの巻である。
どうなってんだい、この店は!
 
加えて常連が抱え込んでるピッチャーはよりいっそう割安のハズ。
店の人気は第一に値付けであることが確信される。
同時に綾瀬の町に大量のアルコール中毒患者を
産み出すのではと心配になってきた。
 
そのこたにサワー、飲んでみるとなかなかに爽快。
下町の良心的な酒場ならボールと称されて
200~250円で提供されるものに匹敵する。
なるほどアルコール度数もやや高め、
強いわりに飲み口がマイルドでもある。
思い出すなァ・・・あの曲を。

=つづく=