相方が目ざとく見つけたのは小さな四角いメニューボード。
そこにはオール¥300メニューが記されていた。
ハナからじっくり腰を落ち着けるつもりがないので
手軽、手頃、コンパクトな小皿・小鉢類は大歓迎だ。
たいした品数でもないから全て紹介してしまおう。
冷や奴 小アジ唐揚げ
長芋千切り ねぎサラダ
レバー味噌漬け 菜の花ひたし
チクワ天ぷら 油揚げ焼き
「好きなモン2、3品選んでいいヨ」
「そうお、ありがと、ちょっと待ってネ」
30秒ほどで菜の花ひたしと冷や奴がピックアップされた。
¥300メニューならば味の保証はともかくも
安くて早いことに間違いはなかろう。
居酒屋においては何はともあれ、
スッと出てくるつまりみが必要不可欠なのだ。
案の定、迅速であった。
ジョッキの生ビールがまだ半分近くも残っているからネ。
まっ、別段、特筆すべきこともない菜の花と豆腐を突つきながら
こちらも別段、特報すべきことがない互いの近況を語り合う。
少々ビールが飲み足りないので瓶を追加した。
生はスーパードライだったが瓶は黒ラベルになった。
¥300モノばかりでは格好がつかない。
そこにはオール¥300メニューが記されていた。
ハナからじっくり腰を落ち着けるつもりがないので
手軽、手頃、コンパクトな小皿・小鉢類は大歓迎だ。
たいした品数でもないから全て紹介してしまおう。
冷や奴 小アジ唐揚げ
長芋千切り ねぎサラダ
レバー味噌漬け 菜の花ひたし
チクワ天ぷら 油揚げ焼き
「好きなモン2、3品選んでいいヨ」
「そうお、ありがと、ちょっと待ってネ」
30秒ほどで菜の花ひたしと冷や奴がピックアップされた。
¥300メニューならば味の保証はともかくも
安くて早いことに間違いはなかろう。
居酒屋においては何はともあれ、
スッと出てくるつまりみが必要不可欠なのだ。
案の定、迅速であった。
ジョッキの生ビールがまだ半分近くも残っているからネ。
まっ、別段、特筆すべきこともない菜の花と豆腐を突つきながら
こちらも別段、特報すべきことがない互いの近況を語り合う。
少々ビールが飲み足りないので瓶を追加した。
生はスーパードライだったが瓶は黒ラベルになった。
¥300モノばかりでは格好がつかない。
通常メニューからも何かいっておきたい。
吟味の結果、身欠きにしんともつ煮込みをお願いした。
同時にお待ちかね、ダイヤ菊への移行を試みる。
数種類が揃っているうち、
辛口ダイヤ菊二合徳利とリストにあったものを選んだ。
専用徳利で登場
小津監督に倣い、熱めの燗でお願い。
互いに酌を返し合って盃を合わせる。
ふむ・・・、数十年前に一度飲んだ記憶があるものの、
どこの酒場だったかトンと思い出せない。
ましてや飲み口の印象なんぞトコトン忘れてしまっている。
あらためて此度、気合いを入れて口元に運んだものの、
際立った銘酒とも思えなかった。
思えなかったが小津作品の名場面、
たとえば「東京暮色」の小料理屋「小松」における、
女将の浦辺粂子と客の笠智衆、田中春男の顔を
思い浮かべながら味わってみると、
女将の浦辺粂子と客の笠智衆、田中春男の顔を
思い浮かべながら味わってみると、
多少ありがたみが増したような気がしないでもなかった。
でもネ、信州の清酒ならば、
諏訪の真澄、あるいは木曽の七笑のほうを愛でるなァ。
=つづく=