2018年8月31日金曜日

第1949話 これがホントの盆踊り (その6)

川崎市・中原区の「文福本店」で生ビールを飲んでいる。
蒲田の「天義」ではヌルい瓶ビールの洗礼を受けたから
冷えた生ビールのありがたみをあらためて実感している。
お通しは練り梅しそをあしらった大根おろし。
「天義」の鬼おろしとは対照的になめらかである。
ささやかなシアワセをかみしめる夕まぐれのひととき。

メニューを手に取って丹念に目を通すと、
はて、いったい何だろう?
目にとまったモノが2品。

玉三郎?
これは容易に想像がつく。
うずらの玉子が串に3個なんだネ。

かえるのへそ?
ちょいと考えたが、すぐにピンときた。
スルメイカの口、いわゆるトンビに相違ない。

お運びの女性に確認すると、どちらも正解。
ただし、かえるのへそはやめたとのこと。
あまり注文が入らなかったらしい。
せっかくだからうず玉はいただいとこうか。
通したのはレバとシロをタレで―。
それに玉三郎は味の指定をしなかった。

串はすべてよかった。
良質のレバは浅い火の通しがよろしい。
シロはちょいとユニークだった。
上手にコロッとまとめたのが5個付け。
こういうのも一種のシロコロか。
玉ちゃんはラーメン店がいうところの味玉で
これはこんなものだろう。

全串100円の焼きとんはほかに
カシラ・タン・ハツ・コブクロ。
店のオススメの証し、★ジルシがすべてに付いている。
逆に全串120円の焼き鳥は
若鳥・皮・砂肝・手羽先で★は皆無である。

そう、この店は焼き鳥よりも
焼きとんに重きを置いているのだ。
中ジョッキを2杯、お通し1品、串3本で会計は1700円。
期待を裏切られることはなかった。

串を3本に抑えたのにはワケがある。
「とんかつ ミカド」のカツカレーに未練を残していたからだ。
本日三度目の東急目黒線に揺れて揺られて
先刻、乗車した田園調布駅にて今度は下車した。

=つづく=

「串焼 文福本店」
 神奈川県川崎市中原区新丸子町915
 044-711-3688