狭い京成立石の町を歩き回る。
北口のんべえ横丁から南口仲見世へ。
中瓶1本ではとても足りず、
「えびす屋食堂」に来てみると臨時休業。
たまたま重なったのかもしれないが
前回もそうだった。
浅草「舟和」の暖簾分け、「立石舟和」を通りすがる。
すると店頭に大きな
酒
と記した看板。
存在を認知していたが何せ甘味とは無縁の身。
目もくれずに素通りしていた。
店頭のメニューをチェックしていると
中から若い娘が現る、現る。
誘われるとつい、拉致されるのが悪いクセ。
最近も三軒茶屋・三角地帯の居酒屋店長、
大井町・東小路の蘇州小姐に釣り上げられている。
生がスーパードライ、瓶はキリンラガーとのことで
迷わず生を選択すると
キンキンに冷えており、思わずニッコリ。
ビールだけでは悪いような気がして
何か軽いものをと物色し、
お願いしたのが舟和セット(700円)。
あんこ玉・芋ようかん・お抹茶の3点セットだ。
生をお替わりしながら店内を見渡せば
スリー・オペは揃いも揃って若い娘。
途端にスリー・キャッツの歌声が響いた。
♪ 若い娘は ウッフン
お色気ありそで ウッフン
なさそで ウッフン
ありそで ウッフン
ほらほら 黄色いサクランボ ♪
(作詞:星野哲郎)
「黄色いさくらんぼ」は1959年のリリース。
大ヒットしたものの、NHKは”ウッフン”を卑猥として
放送禁止にした。
テメエたちオヤジのほうがよっぽど卑猥だぜ。
NHKが妨害しなかったら
第1回日本レコード大賞受賞曲は
この曲だった可能性が高いのである。
レンチンされて熱々の芋ようかんをつまみに
生ビールを飲んでいると、女性が二人来店。
注文は揃ってあんみつ。
しゃべり出したらこれが喧しいのなんのっ!
昭和20年代。
リアルタイムで観たわけじゃないが
倉金章介の漫画に「あんみつ姫」ありき。
江戸時代のとあるお城を舞台にして
のちにTV化&映画化もされ、
雪村いづみ、鰐淵晴子などが演じた。
騒動メーカーのお転婆ながら可愛らしくもあった。
あんみつ姫ならよかったけれど、
店内の二人は似ても似つかぬ、
あんみつ婆(ばば)なのでした。
あゝ、天は無情なり。
「立石舟和」
東京都葛飾区立石1-18-10
03-3694-0270