その夜のわが家の食卓は花盛り必至。
巷の一足先に花見とシャレこもう。
さっそく鱈場蟹を盛り付け始めて
ハッと気がついた。
てっきり北海道産と思い込んでいたが
どういうワケか千葉産の表示。
千葉で鱈場が獲れるハズがない。
こりゃ何かの間違いだろう。
思いあぐねてもラチがあかない。
仕方なく「SeinE」に電話を入れた。
そうして真相が明かされる。
驚いたことにコイツは鱈場蟹に非ず。
いや、たまげたネ。
なんと、なんと、高脚蟹だったのだ。
道理で安いワケだヨ。
高橋クンは、もとい、高脚クンは
世界最大の蟹にして最古とも目される、
言わば、生きた化石なのだ。
ただし、大味につき、あまり尊ばれない。
近年、西伊豆辺りでは地元の特産として
存在感を発揮しつつあるがネ。
しかし、房総でも獲れるとは知らなんだ。
思いもよらないことでした。
味わうと、やはり水っぽくて旨くない。
鱈場とは雲泥のギャップがある。
けれどミソにはさほどの差はなく、
九死に一生を得た。
J.C.は通常、
生酢に醤油を数滴落として蟹を食べる。
う~ん、物足りないなァ、何とかせねばー。
ケチャップ・ホースラディッシュ・レモン汁で
カクテルソースを作ってみた。
だいぶ良くなったがカクテルソースは
クラブミートよりシュリンプのほうが合うネ。
ちなみにホースラディッシュは生の備えなく、
SBのチューブで代用。
かなり残った高脚クンは翌日に回し、
当夜は玉クエのちり鍋。
その前に大きな肝を甘辛く煮付ける。
これは菊正の樽酒と楽しんだ。
おろし・きざみねぎ・ポン酢で味わう鍋ともども
ハタ科の混血魚を堪能したのでした。
そして翌日、ここからは次話であります。
=つづく=