2012年11月8日木曜日

第443話 突然の花束贈呈 (その1)

週刊誌におけるロングランの帝王・さだおサンと
「筋肉マン」でおなじみの和雄サンのお二人を
熟女たちとともに囲む会。
今回は湯島の「井泉本店」でとり行った。
川島雄三の名作「喜劇 とんかつ一代」の舞台となった、
昭和5年創業のとんかつの老舗である。

J.C.はこの店の2階の入れ込みが大好き。
味よりも雰囲気を愛している。
いや、料理の味だってけっこうで
デパ地下の販売店しか知らない向きは
意外なヴァリエーションに驚かれるハズだ。

当日は偶然にもさだお御大の誕生日と重なり、
熟女たちのとっさの計らいで
宴席に文字通り花を添える花束贈呈と相成った。
そして御大の大好きな生ビールで祝福の乾杯である。

突き出しはイカの塩辛。
これは自家製にはほど遠く、
やめたほうがよいと感じた。
老舗らしからぬ不デキと断じてよい。

頼んだ料理は真っ先にかにときゅうりのサラダ。
これは全員に1つずつ。
なぜかというと、
この店では数少ないシーフードメニューだからだ。
ここには蟹と海老しかいない。
あと、無くてもいいくだんのイカ塩辛ネ。
せめて平目やキスのフライでも始めてくれたらなァと
いつも思うのだけれど、見果てぬ夢に終わっている。

さすがに丸々1人前のかにきゅうはボリュームがあったが
みな、殊に女性陣が美味しい、おいしいと食べてくれた。
あとはすべて1皿ずつの注文。
順に挙げていくと、
かに玉・かにオムレツ・海老フライ・ロースカツ・メンチカツ・
串カツ・豚から揚げだ。
きざんだねぎのコロモをまとった豚から揚げはここだけのもの。
ユニークきわまりない1品である。

ハナシが元に戻るが蟹モノが3品もある。
海老モノはフライだけしかない。
豚肉以外は甲殻類のみということだ。
サカナを扱うのがイヤなら
カキやホタテなど、貝類をカバーしてくれたら
どんなにか幅が広がるのにねェ。
冒頭で料理の意外なヴァリエーションを謳っておきながら
何だか言うことが矛盾しているな。

=つづく=