2014年11月6日木曜日

第963話 昔ながらの天丼 (その1)

誰が決めたのか皆目見当もつぬが
日本五大どんぶりをご存知でしょうか?
いや、そもそもそんなキマリがあるのかどうか、
かなり疑わしいんですけどネ。

先日、あるレストランに講師として招ばれた際、
若いスタッフの面々に
「日本の五大どんぶりを選びなさいっ!」―こう質問を投げかけてみた。
現代の若者の常識を推し量るつもりだったのだ。

その答えがふるっている。
誰しも天丼とかつ丼はまず外さない。
ところがそのあとがいけまへんのや。
普通なら三番手に親子丼あたりがくるハズ。
でもネ、牛丼ってのが意想外に多いのだ。
「吉野家」、「すき家」、「松屋」が日本の若者を制覇した感あり。

中華丼や麻婆丼なんて突拍子のないのもあった。
読んで字の如し、中華丼は和食じゃなくて中華だろうに―。
焼肉丼やビビンパもあったが、こりゃ明らかにコリアンでアリラン。

J.C.が選べば、かようになる。

 天丼 かつ丼 親子丼 うな丼 鉄火丼

以上がフツーの日本人の常識であろうヨ。
五大どんぶりに準ずるのが

 玉子丼 深川丼 開化丼 他人丼 木の葉丼
 たぬき丼 舞子丼 東(あずま)丼 焼き鳥丼 
 かき揚げ丼 海鮮丼 北海丼 

といったところか―。
聞き覚えのないどんぶりがいくつか登場したので
少々、解説を加えておこう。

深川丼はあさりの味噌煮(ほとんど味噌汁)をぶっかけたもの。
開化丼は俗にいう牛丼もあるが、玉子でとじるケースが主流。
親子の鳥肉の代わりに豚肉(牛肉もあり)を使うのが他人丼。
木の葉丼はきつねそば(うどん)のどんぶり版。
舞子丼はごはんの上にどぜうの柳川を載せる。
鉄火丼のまぐろが赤身のヅケになれば東丼。
海鮮丼はちらしに似ていても煮モノや〆モノはあまり参加しない。
北海丼は海胆・いくら・かになど北海道の素材が主役を張る。

もし、どんぶりモノの人気投票を広く実施すれば
天丼とかつ丼が東西の横綱格に落ち着くこう。

J.C.が好きな順は

 天丼→かつ丼→鉄火丼→うな丼→親子丼

となろうか。

=つづく=