2023年4月24日月曜日

第3259話 真っ赤なスープがよくなじむ (その1)

このところ日常生活が今一ピリッとしないので
辛いものでも食べて気を引き締めようと考えた。
第一感はカレーだけれども
辛く熱いスープが飲みたい。

いろいろ調べてそそられたのは
「辛麺屋 一輪」目黒は権之助坂の中腹にある。
入店すると左右の壁際にカウンター。
客はみな壁を向いて麺をすすっていた。

右手に7席、左手に8席。
真ん中は客とスタッフの通り道。
こんな造りは初めてだ。
誰しもスマホをいじくって待つから
これで済まされるんだろう、不思議。

スタッフは外に一人、中にも一人。
女性だけの切盛りはラーメン店には珍しい。
いや、此処はラーメン店ではない。
宮崎発祥の辛麺屋なのだ。
中華麺・コンニャク麺・うどんから択べる。

博多・熊本・鹿児島など
九州はラーメンを愛する県民が多い。
ところが宮崎だけはうどん県と聞いた。
四半世紀も以前になるが
宮崎を訪れたとき、
辛麺なんてついぞ見かけなかったがなァ。

オーソドックスな辛麺(900円)と
ドライ中瓶(550円)の食券を購入した。
辛さは? と訊かれ、フツーと応えたら
1から5まであると言うので長嶋茂雄をー。
 当然のように裕次郎が歌い始める・

♪   背番号・3 言わずと知れた
  男、長嶋 イカスじゃないか
  打って走って つかんで投げて
  茂よ、頑張れ かっ飛ばせ
  晴れのペナント 飾るまで  ♪
   (作詞:大高ひさを)

長嶋茂雄の大のファン、
裕次郎が歌った「男の友情背番号・3」は
昭和34年7月のリリース。
入団2年目のこの年、
前月にはサヨナラ天覧ホーマーを放っている。

それはそれとして「一輪」の辛麺。
麺量を半分にしてもらい、
普段は辞退する半ライスの無料サービスも
そのまた半分でお願いした。
激辛スープをライスでも試したかったのだ。

=つづく=