再び上毛線の車中の人。
次の目的地は定めていない。
候補としては群馬県を離れ、
栃木県の足利・佐野・小山辺りだろうか。
降りたのは一番手前の足利だった。
陽がそろそろ西に傾き始め、吹く風はさらに冷たい。
吹きっつぁらしである。
冷たい風に対抗するには冷たいビールだろう。
ここは毒をもって毒を制するに限る。
はたしてこの町でよい店が見つかるかな?
古(いにしえ)の最高学府、
足利学校の前を通り過ぎるも入館はせず、
小ぢんまりとした鑁阿寺(ばんなじ)の参道を往く。
この日は休日明けにつき、
シャッターを下ろしている店々が目につく。
それにしても何でしょうネ、このお寺の名前、鑁阿寺。
まず読めやしない。
っていうかァ、この”ばん”の字には初めてお目に掛かったわい。
こんなん読み書きできる酔狂な人間はおらんやろう。
でも、通りかかったが百年目、とにかく山門をくぐることにした。
すると、あらあら、カルガモの群れが濠端に遊んでる。
それも半端な数じゃございやせんぜ。
ずっと、自分たちが棲みついたいた場所で一生を過ごす。
健気だねェ、可愛いなァ。
それに引き換え、われわれヒューマン・ビーイングときたらもう、
いや、今さら愚痴は言うまい、嘆くまい。
寺に濠は珍しいが、鑁阿寺は足利氏の館(やかた)だったからだ。
日本100名城の一つに数えられ、真言宗大日派の本山でもある。
からっ風に吹きすさばれながら歩くうちに
やはり日頃の行いがよいのであろう、
好みの食堂にバッタリ出くわした。
山梨・甲府で2軒の「富士屋」に遭遇したっけ・・・。
とまれ、こういう見てくれの店には弱いJ.C.、
何のとまどいもなく即入店。
ところが店内は真っ暗の暗だ。
店先でオバちゃんが自慢焼きなる、
一種の今川焼きを焼いてたものだから
てっきり営業中と勝手に思ったものの、
なあ~んだ、ガックリの巻である。
=つづく=
次の目的地は定めていない。
候補としては群馬県を離れ、
栃木県の足利・佐野・小山辺りだろうか。
降りたのは一番手前の足利だった。
陽がそろそろ西に傾き始め、吹く風はさらに冷たい。
吹きっつぁらしである。
冷たい風に対抗するには冷たいビールだろう。
ここは毒をもって毒を制するに限る。
はたしてこの町でよい店が見つかるかな?
古(いにしえ)の最高学府、
足利学校の前を通り過ぎるも入館はせず、
小ぢんまりとした鑁阿寺(ばんなじ)の参道を往く。
この日は休日明けにつき、
シャッターを下ろしている店々が目につく。
それにしても何でしょうネ、このお寺の名前、鑁阿寺。
まず読めやしない。
っていうかァ、この”ばん”の字には初めてお目に掛かったわい。
こんなん読み書きできる酔狂な人間はおらんやろう。
でも、通りかかったが百年目、とにかく山門をくぐることにした。
すると、あらあら、カルガモの群れが濠端に遊んでる。
それも半端な数じゃございやせんぜ。
この寒いのに日向を避けてる
マガモやオナガガモと異なり、カルガモは渡りをしない。ずっと、自分たちが棲みついたいた場所で一生を過ごす。
健気だねェ、可愛いなァ。
それに引き換え、われわれヒューマン・ビーイングときたらもう、
いや、今さら愚痴は言うまい、嘆くまい。
寺に濠は珍しいが、鑁阿寺は足利氏の館(やかた)だったからだ。
日本100名城の一つに数えられ、真言宗大日派の本山でもある。
からっ風に吹きすさばれながら歩くうちに
やはり日頃の行いがよいのであろう、
好みの食堂にバッタリ出くわした。
その名も「富士屋」
確か去年、あいや、すでに一昨年か、山梨・甲府で2軒の「富士屋」に遭遇したっけ・・・。
とまれ、こういう見てくれの店には弱いJ.C.、
何のとまどいもなく即入店。
ところが店内は真っ暗の暗だ。
店先でオバちゃんが自慢焼きなる、
一種の今川焼きを焼いてたものだから
てっきり営業中と勝手に思ったものの、
なあ~んだ、ガックリの巻である。
=つづく=