大塚南口の「あさちゃん」で通した焼きとんは3本。
いや、正確には焼き鳥1本、焼きとん2本。
焼き手が珍しくも若い女性で
火種は備長炭ではなかったが炭火だった。
最初はぼんじり(140円)を塩で。
いわゆる鳥の尾羽のつけ根だが予想以上の佳品だった。
2本目は豚のカシラ(140円)を同じく塩。
これは赤身部分と脂身部分が2ピースづつ、
交互に串打ちされており、見た目は紅白豚合戦だネ。
そして豚レバー(120円)はタレ。
じゅうぶんに水準に達している。
取り急いでの会計は(820円と、
ちょい飲みには恰好の店といえる。
時刻はちょうど16時半、すでに遅刻である。
いつの間にやら雪が降り始めている。
歩きながらチラリ眺めた南大塚通りの反対側。
「江戸一」には暖簾が出ていた。
店先に人影がないから第一陣は入店済みということだ。
まっ、この空模様にこの寒さ、
天下の「江戸一」といえども中はガラガラであろうヨ。
大塚駅で相方をピックアップし、
取って返した店内は・・・
何だ、何だ、満席状態じゃないか!
それでもやさしい笑みを浮かべた女将が
若い常連サンを移籍ならぬ移席させて
スペースを作ってくれた。
むろん、紳士のわれわれ2人、
彼にお礼の言葉を掛けることを忘れない。
かくして残りは椅子1つのみ、いや、危ないところだった。
着いた席は引き戸に背を向けて入口のすぐそば。
それこそ今日のような雪の日に突然、
狼藉者に討ち入られたひにゃ、
真っ先に背中を袈裟懸けに切り裂かれそうなポジションだ。
「あさちゃん」では量がやや少なめの中ジョッキを
1杯しか飲めなかったが
想定通りにビールをパスして燗酒でいく。
アルバイトと思しき娘さんに
相方が千代の光のぬる燗を通した。
続いて当方、真澄の上燗を告げると、
「冷やですか?」―訊き返された。
「じょうかんって伝えて。女将さん、判ってくれるから・・・」
はたして数分後、2本の銚子が燗度バッチリで運ばれた。
すべて女将の鋭い感度のなせる業である。
つまみは蕗のとう味噌焼きと赤なまこ酢。
実は品書きの木札を目にして
イの一番に心惹かれたのは蟹のとも和えだったが
蟹→蕗のとうよりも、蕗のとう→蟹のほうが
スマートなラインに思えたのだ。
=つづく=
「やきとん あさちゃん 大塚店」
東京都豊島区大塚3-52-7
03-5956-2911
いや、正確には焼き鳥1本、焼きとん2本。
焼き手が珍しくも若い女性で
火種は備長炭ではなかったが炭火だった。
最初はぼんじり(140円)を塩で。
いわゆる鳥の尾羽のつけ根だが予想以上の佳品だった。
2本目は豚のカシラ(140円)を同じく塩。
これは赤身部分と脂身部分が2ピースづつ、
交互に串打ちされており、見た目は紅白豚合戦だネ。
そして豚レバー(120円)はタレ。
じゅうぶんに水準に達している。
取り急いでの会計は(820円と、
ちょい飲みには恰好の店といえる。
時刻はちょうど16時半、すでに遅刻である。
いつの間にやら雪が降り始めている。
歩きながらチラリ眺めた南大塚通りの反対側。
「江戸一」には暖簾が出ていた。
店先に人影がないから第一陣は入店済みということだ。
まっ、この空模様にこの寒さ、
天下の「江戸一」といえども中はガラガラであろうヨ。
大塚駅で相方をピックアップし、
取って返した店内は・・・
何だ、何だ、満席状態じゃないか!
それでもやさしい笑みを浮かべた女将が
若い常連サンを移籍ならぬ移席させて
スペースを作ってくれた。
むろん、紳士のわれわれ2人、
彼にお礼の言葉を掛けることを忘れない。
かくして残りは椅子1つのみ、いや、危ないところだった。
着いた席は引き戸に背を向けて入口のすぐそば。
それこそ今日のような雪の日に突然、
狼藉者に討ち入られたひにゃ、
真っ先に背中を袈裟懸けに切り裂かれそうなポジションだ。
「あさちゃん」では量がやや少なめの中ジョッキを
1杯しか飲めなかったが
想定通りにビールをパスして燗酒でいく。
アルバイトと思しき娘さんに
相方が千代の光のぬる燗を通した。
続いて当方、真澄の上燗を告げると、
「冷やですか?」―訊き返された。
「じょうかんって伝えて。女将さん、判ってくれるから・・・」
はたして数分後、2本の銚子が燗度バッチリで運ばれた。
すべて女将の鋭い感度のなせる業である。
つまみは蕗のとう味噌焼きと赤なまこ酢。
実は品書きの木札を目にして
イの一番に心惹かれたのは蟹のとも和えだったが
蟹→蕗のとうよりも、蕗のとう→蟹のほうが
スマートなラインに思えたのだ。
=つづく=
東京都豊島区大塚3-52-7
03-5956-2911