2012年8月8日水曜日

第377話 食べて歩いて 歩いて飲んで (その4)

キリがないけど、またちょっとだけ五輪ネタ。
先刻終わった男子サッカーは完全に力負けだった。
肝心のラスト15分があの調子じゃどうにもならん。
前日のフランス女子を見習ってほしいもんだヨ、まったく。
同じ2-1でも追いつこうとする気迫がまったく違うもの。
あとは日本VS韓国の銅メダル争奪戦を楽しむとしますか。

種目替わってバレーボールの準決勝進出は快挙。
やっとこさ準々決勝の壁を破ってくれた。
中国が強すぎる女子卓球の銀メダルは大健闘で
これは拍手喝采であろう。

さて、話の続きはアサヒ商店街の昼めしである。
懐かしいカレーの匂いに誘われて「ニューダイカマ」に入った。
ここも店主が年配、それも一人だけの切盛りだ。
カレーライス(650円)のライスを半分にしてもらう。
このあと同じ並びの日本そば屋に寄るつもりだからネ。

昔ながらのカレーを食べながら主人と言葉を交わした。
隣接の「大釜本店」は創業100年になるという。
甘味・ラーメン・いなり寿司等を扱っており、
現・三代目店主はこちらの兄さんにあたる。
弟さんが独立してカレー屋を開いたのは40年ほど前のこと。
「大釜(ダイカマ)」の店名の由来は
当時、餡子を煮る釜がバカデカかったから―。
煮釜は風呂釜兼用で幼児期は兄弟揃って入浴したという。

日本そば店「さかえや」に移動すると、ここも古そうだ。
「ニューダイカマ」では我慢したビールをさっそく。
もり・かけ・ラーメンが一律500円と庶民価格である。
意外にもそば屋のラーメンはアタリが多く、
今どきの若者が好む脂ギトギトや魚粉臭いのはないから
安心して注文できるのもよい。
もっとも初訪問の日本そば屋で中華そばもないもんで
ここはフツーにもりをお願いした。

町場のそば屋らしくそばの量は多めにしてコシじゅうぶん。
つゆも下世話な甘さを残した好きなタイプである。
薬味はさらしねぎと粉わさび。
これで500円に文句はないが唯一、
そばの下のプラスチック製スダレは勘弁してほしかった。
しかもケバい緑色じゃあ、興をそぐことはなはだしい。

吉野通りを西に渡ったらアサヒは日の出商店街と名を変える。
界隈の地番は日本堤、ちょうど吉原の入口にあたる。
用とてない吉原を迂回し、竜泉から根岸を経て日暮里に到達。
夕焼けだんだんの石段を下れば谷中銀座だが
降りる手前の「大島酒店」に立ち寄った。
アサヒはアサヒでも生ビールのアサヒでノドを潤したいがためなのサ。
プラコップ1杯が350円也だ。

石段下の谷中銀座にも酒屋があり、
近所の肉屋のメンチカツともども飲み食いする人々がたむろする。
間食はしないタチだし、路上でメンチにかぶりつくってのは
見ていてあまりカッコのいいものではない。
男はともかく、淑女・貴婦人のすることではないだろう。

谷中から池之端に出て、なじみの不忍池のほとりへ。
どうやら浅草から上野へという散歩ルートが定着したようだ。
エンコとノガミ、二つの公園を股に掛けるJ.C.だが
こういうのも二股っていうのでしょうか?

そう、そう、いなり寿司の「ふじ多」へは
翌日出向いて店主から名刺をもらってきた。
お名前は、F田Z之助サン。
驚いたことに住所が旧町名になっており、
台東区浅草石浜町2-10 だとサ。
いったいいつ刷った名刺だよ、コレ?

=おしまい=

「ふじ多」
 東京都台東区橋場1-32-3
 03-3875-0039

「ニューダイカマ」
 東京都台東区清川1-29-5
 03-3873-2584

「さかえや」
 東京都台東区清川1-31-9
 03-3873-3798

「大島酒店」
 東京都荒川区西日暮里3-10-6
 03-3821-4802