2012年8月14日火曜日

第381話 酒に溺れた横浜 (その1)

 ♪ 波止場を離れる あの船に あなた
    想い出残して 私を残して
   夕陽が傾く 横浜桟橋
   海鳥鳴いてよ 私と一緒に
   あぁ あぁ あぁ・・・海よ
   あぁ あぁ あぁ・・・憎い
   国を越えて ことば越えて
   愛に溺れた 横浜・・・   ♪
        (作詞:吉幾三)

吉幾三の埋もれた名曲「横浜」である。
なぜこの曲が不発に終わったのか不思議でならない。

以前、日本の歌謡界にはジンクスがあり、
”横浜”の2文字をタイトルに含む曲は
絶対に流行らないというもの。
この呪縛を解いたのが
いしだあゆみの「ブルーライト・ヨコハマ」だった。
当時、”横浜”ではなく”ヨコハマ”が勝因だといわれた。
だから吉の「横浜」にはジンクスが残ったのか・・・。
「雪國」や「酒よ」よりコレだと思うんだけどなァ。

吉幾三のマイ・ベスト3は
① 横浜  ② 海峡  ③釜山
すべて港や海を舞台に女心を切々と歌った曲ばかり。
ああ見えても彼は女性の繊細な気持ちが判るんだネ。

ある日、のみとも・M鷹サンと横浜・関内で待合わせた。
明るいうちからはしご酒に立ち向かうのである。
”恋に溺れる”代わりに”酒に溺れる”つもりだ。
最初は中華街をブラブラ。
はしごだから努めて重いものは避けたい。
したがって大楼に登ったら一発レッドである。

訪れたのは餃子がウリの「山東(サントン)」。
丸5年ぶりの再訪となった。
浅い時間だから店内は空いている。
餃子は1人前でけっこうなボリュームだが
大の大人が1皿を分け合うのは何だかケチ臭い。
水餃子(10カン・735円)だけでじゅうぶんなのに
あえて焼餃子(8カン・840円)も注文した次第。
やれやれ、軽く済ませるつもりが何のことはない。
ほどなく運ばれた水餃子
むっちりふくらんで食欲をそそる。
タレをかけてやると・・・
この店はココナッツの果肉入りタレがイノチ。
だからこその水餃子なのだ。
続いて焼餃子が登場 
それぞれが分離独立している。
サッポロ黒ラベルを飲みつつ、
両者食べ比べて水餃子が断然。
本場では”焼”より”水”が一般的だが
さもありなん。

=つづく=

「山東」
 神奈川県横浜市中区山下町150
 045-212-1198