2015年10月16日金曜日

第1209話 京成沿線を歩き続けて (その1)

その日は午前中から調べもののため、
千駄木・団子坂の本郷図書館へ。
1時間半ほど費やしたろうか・・・調査は無事終了。
表へ出ていきなりまぶしい日差しにさらされた。
どんなに暑くとも、どんより曇り、ましてや雨ザアザアよりよほどいい。

こういう強い日差しに見舞われると、
ときとして脳裏をよぎるのがこの曲。

 ♪ E gira e gira e vai. E non fermarti mai. ♪
  (エジレ・ジーレ・ヴァイ エノン・フェルマルティ・マイ)
                  (作詞:ルチアーノ・サルチェ)

カトリーヌ・スパーク主演の映画、
「太陽の下の18才」(1963年)の主題歌、
「サンライト・ツイスト」(原題:ゴーカート・ツイスト)である。
作曲は映画音楽の大御所、エンニオ・モリコーネ。
モリコーネというとマカロニ・ウエスタンが第一感ながら
2003年にはNHK大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」の音楽を担当した。

「サンライト・ツイスト」は軽快なリズムの中に哀感が練り込まれ、
往時、一世を風靡していたカンツォーネというより、
イタリアン・ポップスの名曲中の名曲と言い切れる。
歌ったのはジャンニ・モランディ。
1944年ボローニャ生まれの彼もまた18才だった。

「さすらいのギター」の小山ルミはじめ、
多くの、主として女性歌手がカバーしているが
もっとも印象に残っているのが梅木マリ。
といっても読者の95%はご存知あるまい。

1950年生まれで劇団ひまわり出身の彼女、
1960年代前半はちょっとしたプチ・アイドル的存在だった。
ある日曜日の夜、TVの「お笑い三人組}を観ていたら
出演していた彼女が突然歌い出したネ。
 ♪ 回れ回れ 赤いゴーカート ♪
と―。

梅木はその後、松平マリ子と芸名を変え、
そのまたその後、三木たかしと結婚(のちに離婚)して
芸能界を退いた。
言わずと知れた三木たかしは
あの大作曲家にして歌手・黛ジュンの実兄である。

好きな話題となるとドンドン羽目をハズしてゆくわが悪癖は健在なり。
ハズしついでにカトリーヌ・スパークにふってみよう。
当時、映画界には二人のカトリーヌが君臨していた。
もう一人はのちに世界的大スターとなったカトリーヌ・ドヌーヴだ。

=つづく=