2016年12月2日金曜日

第1504話 流行り歌においてけぼり (その5)

そう、すでにお判りですネ。
MICOはミコにしてミエコ、弘田三枝子のことであります。

半世紀以上前、東京五輪の頃。
田辺製薬のCMが懐かしい。
「アスパラの目で目ぱちくり」―
お顔をイジる前で少々ブチャイクながら
健康美にはあふれていた。

当時のポップスシンガーはオリジナルではなく、
英米仏伊の曲を訳詞で歌うのが常。
したがってミコのヒットナンバーで思い出すのは
コニー・フランシスの「ヴァケイション」や
フランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」、
あるいはミーナの「砂に消えた涙」などである。

「MICO」はオマージュ・フロム・ケイスケ・トゥー・ミエコ。
日本のダイアナ・ロスというのはどうかと思うけど、
確かに迫力のある歌い方ではあった。
とにかく素敵な曲なのでぜひ、ご視聴を。

メールをくれた福島のS森サンご指摘の通り、
J.C.はサザンのスローバラードはあまり好きではない。
マイ・ベストテンをみても
バラード系は3位の「さよならベイビー」と
10位の「夏をあきらめて」くらいだ。

彼らの最大のヒット曲(レコードの売上で)、
「TSUNAMI」にしたって、その良さがイマイチ伝わってこない。
あのレイ・チャールズがカバーした「いとしのエリー」しかり。
「真夏の果実」、「涙のキッス」、やっぱりピンとこないんだ。

折も折、先週、桑田佳祐の新曲がリリースされた。
「君への手紙」はTVCMが盛んに流れているから
すでにお聴きになった読者も多いことでありましょう。

J.C.の印象は「なんか昔のヒットの焼き直しだヨ」というもの。
年齢を重ねてやや控えめながら新鮮味はまったくない。
進歩ナシと決めつけたらファンには叱られるかもネ。
それにしても歌詞の”調子こいて”ってのは
桑田らしくもあるけど、古い人間にはどうにも馴染めない。
背中にしょった鷲だろうか、
猛禽類のデッカい翼なんぞ、不気味にして悪趣味だ。

10年以上前、当時のGFに
「サザンのユア・ベストは?」―訊ねると、
「『希望の轍』かな」―意外な答えが返ってきた。
こちらは「勝手にシンドバッド」だもの、
好みってずいぶん違うもんだなや。

それでもたまには一緒に
誰かのコンサートにでも行くかということになり、
検討を進めた結果、
先方の主張はSMAP、当方は伊東ゆかりでありました。
これじゃ合うワケないじゃんか!。
ただの一度もコンサートには行かず、
しばらくして二人は別れましたとサ。

=おしまい=