2017年7月31日月曜日

第1677話 ニュージャージーから来た夫婦 (その1)

35年来の友人、米国はニュージャージー在住の
F田夫婦が揃って一時帰国して来た。
ダンナはLou、カミさんはコヅルちゃんと呼んでいる。
もちろんニックネームだけどネ。
そいでもってランチをともにすることになった。

ちょくちょく帰って来るコヅルはともかく、
Louと会うのは20年ぶりである。
落ち合う場所は互いの都合を考慮して日本橋にした。
コヅルと電話で約束する際、
日本橋三越のライオン像の前で、そう提案すると、
三越より高島屋のほうが判り易いと言うので
その1階のネクタイ売場に決めた。

当日の13時。
高島屋に赴いたが1階からネクタイ売場が消えている。
周囲はコスメチックばかりだ。
お化粧のおかげで見目麗しき女店員に訊ねると、
案内書をパラパラめくり、
「6階でございます」―戸惑いがちな笑顔が返ってきた。

そうかァ、もう何年も、いや、十数年も
ここでネクタイを買ってないもんねェ。
利用するのは常に地下の食料品街。
かつては2Fか3Fにあった(今もあるだろうか?)、
ロベルタ・ディ・カメリーノのシャツを
定期的に購入したものだがネ。

6Fへはエスカレーターで上がった。
紳士服全般という感じでタイの常設売り場はない模様。
広い店内を徘徊するうち、すぐにコヅルと出逢った。
ダンナのLouは1Fに待機して
両面待ちの受け態勢を取っていたそうだ。

三人揃って向かったのは、かの有名な「たいめいけん」。
高島屋内の特別食堂と迷ったが、こちらを択んだ。
J.C.にとっては8年ぶりである。
過去に20回は訪れているんじゃないかな。

土曜日の13時半なのに店先の行列は10名以上。
30分は列に並ばされた。
その間、思い出ばなしに花を咲かせる。
当時、J.C.が勤務していたのは
英国のマネーブローカー、A&P社。
そこへ2年ほど遅れてLouが入社してきた。

一番の思い出は彼らの結婚披露宴である。
ときは1982年6月。
舞台は石川県・金沢市の結婚式場。
あれは生涯忘れ得ないなァ・・・
絶対に―。

=つづく=