2017年9月27日水曜日

第1709話 京王線に乗って (その3)

高幡不動の参道は行き交う人もまばらなり。
近年、元寇の如くに襲来する外人勢も見掛けない。
それにしてもあのベルギー娘、
何でまたこんな遠くに?
今でもこんななのに40年前の昔だヨ、
ちと理解に苦しむな。

境内を一めぐりするのに30分を要した。
もともとお寺はそんなに好きじゃないから
わりかし長く居たほうだと思う。
お堂や五重塔より、日野市のヒーロー、
土方歳三の銅像に見入ったくらいだ。
もっとも葛飾柴又の寅さん&さくらの銅像に似て
デキはあまりよくないな。

参道を引き返す。
時刻は15時にならんとしている。
ふむ、3時のおやつは文明堂か―。
いや、カステラなんか食ってる場合じゃないぜ、
そろそろガス欠症状、現る、現る。

冴えない店が散在する参道に一軒の天丼屋あり。
その名も「四八(よんぱち)天丼」ときたもんだ。
天丼はどうでもいいんだけど、
例によって生ビールに引き寄せられる。
そういえば、元住吉のオズ商店街でも
ビール飲みたさ一心で天ぷら屋に飛び込んだっけ。

その二の舞であった。
券売機にて中ジョッキ(400円)と四八天丼(530円)を購入。
何でもこの天丼はかつて480円だったそうな。
それゆえに四八天丼を屋号とした由。

内容は海老・穴子・いか・かぼちゃ・オクラ。
値段が値段だから素材は輸入物の冷凍品だが
最低限のレベルは維持している。
丼つゆはあとかけタイプでつゆの量が多く、
しょっぱすぎるけれど、濃い味好きにはちょうどかも?

よく冷えたスーパードライがノドに快感をもたらす。
そして天丼よりもむしろ、
化調を感じさせないわかめの味噌汁がよい。
卓上に置かれたどぎつく真っ赤な紅生姜には
さすがに手が出なかった。

券売機にはないトッピングのメニューボードに
”黒い雷神・ブラックサンダー”(100円)というのを発見。
謳い文句は

チョコレート だまされたと思って食べてみよう うまし!

ふ~ん、チョコの天ぷらねェ。
一考の末、だまされるのを思いとどまった次第です。

=つづく=

「四八天丼」
 東京都日野市高幡149
 042-592-4061