2017年10月26日木曜日

第1730話 ちゃぶ台で一献 (その2)

谷中の「のんびりや」は
その正式名称を「散ポタカフェ のんびりや」という。
ん? ”散ポタ”がやや意味不明ながら
屋号の決定は屋主の専権事項だから思うがまま。
その点、いまだに衆議院の解散を
首相の専権事項としている日本の政治は
時代遅れ以外の何物でもない。
嘆くべし。

牛すじと大根の赤味噌煮込みは当たりだった。
これをビールだけで味わうのはもったいないから
芋焼酎でもと思ってリストを手に取ると、
ややっ! 兼八があるじゃないの!

大分県・宇佐市の銘酎は
はだか麦をはだか麦麹で醸す焼酎の逸品。
独特の香ばしさを武器に愛好者の舌を鼻腔を
心までもつかんで離さない。
久々の邂逅に歓びもひとしお、ロックでお願いした。

う~む、掛け値なしに美味いな。
秋どころか冬が到来しても焼酎はロックが好き。
水割りはもの足りないし、
湯割りだと冷めるのが気になって
おちおち飲んでいられやしない。

何かつまみをもう一品。
相方に問うとパクチー餃子を選択した。
女性はパクチー好きが多いからネ。
空前絶後のパクチーブームにしたって
火をつけて薪をくべたのはオンナたちであろうヨ。

かく言うJ.C.も好んで食べている。
ただし、パクチーではなく香菜(シャンツァイ)よ呼ぶ。
皮蛋(ピータン)や海南風チキンライスや
活海老の白灼(パッシャー)には必要不可欠で
香菜がないときは上記のモノは食さない。
同じ香草のディルがなければ、
スモークサーモンを敬遠するのと一緒だ。

登場したパクチー餃子はトマトソースが掛けられて
ちょっと見はイタリアンのラヴィオリ・ポモドーロといった風。
ソースには青唐辛子が投入されてピリッと辛い。
具は豚挽き肉とニラである。
まっ、そこそこの仕上がりと言えようか。

兼八には合わないので締めは珍しいラオスのビール。
ビヤー・ラオなるベタなネーミングのラガービールは
タイやインドのそれと異なるスッキリタイプで
東南アジアのスーパードライってな感じだ。

近々の再訪はないだろうが
しょっちゅう出没するエリアにまた一つ手駒が増えた。
試して損のない佳店であることは確かであります。

「散ポタカフェ のんびりや」
 東京都台東区谷中5-2-29
 050-5278-8753