2018年1月22日月曜日

第1792話 私を谷中に連れてって (その3)

オーストラリアン・カフェ「CIBI」をあとにして
2軒目は徒歩2分の距離にある「一寸亭」。
2年ぶりの来訪である。
目の前には小体なタコ焼き屋が
昨夏だったか開業している。
東京の古い町にタコ焼きってのは何だかねェ。

小上がりの小卓に胡坐をかいてリラックス。
先刻飲んだペールエールの小瓶ではとても足りず、
スーパードライの大瓶をお願いした。
相方はビールがなくとも、
実生活にまったく支障を来たさないH谷サン。
いきなり紹興酒をオーダーしている。

突き出しはシナチクの炒め煮だ。
甘じょっぱい味付けはビールにも紹興酒にもピッタリ。
なかなかに気が利いている。
谷中界隈の町中華ではピカイチの「一寸亭」、
こんなところにもその実力がうかがえる。

注文品はちょっとひねってミミガーときゅうりのピリ辛。
そして定番中の定番ともいえるレバニラ炒め。
シナチク同様、ともに酒の合いの手には恰好で
食味のほうも水準をクリアしていた。

紹興酒に切り替え、焼き餃子を追加する。
薄皮タイプは好きだから箸先がスイスイと動く。
餃子か焼売かと問われれば、
本来は焼売派だけれど、
近頃は美味しい焼売にほとんど出会えない。
ってゆうか~、餃子が焼売を駆逐しちまったネ。
早いハナシ、北(満洲)が南(広東)を凌駕したのだ。

滞在時間は1時間に満たなかったろうか、
「一寸亭」を出て
夕焼けだんだんの1本南側に位置する七面坂へ。
3軒目は1ヵ月半ほど前に初見参した「necojitaya」だ。

ここでは前回と同じキャンティをグラスで。
造り手はポリッツァーノである。
チャームは2枚のクラッカー。
それぞれにチーズがチョコンと乗っている。
チェダーとゴルゴンゾーラだ。

H谷サンがベーコンとぶなしめじのアヒージョを注文する。
アヒージョにはバゲットが添えられてきた。
中華のあとはこういった軽いものがよろしい。
とは言え、小食のJ.C.はほとんど手をつけない。
相方は意に介さずパクパクとやっている。
健啖家なんだなァ。

=つづく=

「一寸亭」
 東京都台東区谷中3-11-7
 03-3823-7990