2018年11月16日金曜日

第2004話 思い出のシャルル et フランシス (その2)

さて、フランシス・レイの思い出。
ある意味、アズナヴールよりも
この人に愛着があるかもしれない。
映画音楽にはスクリーンという強い味方があるからネ。
出会いはご多分にもれず「男と女」。
その後、彼が音楽を手がけた映画はほとんど観てきた。

1971年3月。
東京で米映画「ある愛の詩」が封切られた。
あとになって再観すると、
あまりデキのよくないラブ・ストーリーなのだが
そのときは強く印象に残った。
レイの音楽が効力を発揮していたし、
何たってこちらはまだティーンエイジャーだったし・・・。

ロードショーで観た数日後。
人生初めての渡航は横浜の港からソ連船に乗って―。
ソ連経由の西欧の旅だったが
フランスの小さな田舎町、グルノーブルを訪れた。
「白い恋人たち/グルノーブルの13日」、
冬季オリンピックのドキュメンタリー映画を
観ていなければ、間違いなくスルーしていたところだ。

その旅ではけっこうな日にちをパリで過ごした。
シャンゼリゼの映画館に「ある愛の詩」がかかっており、
引き込まれるように切符を買った記憶がある。
街にはミレイユ・マチュウが歌う主題歌が流れていたっけ。

それではフランシス・レイのマイ・ベスト5を。

① 白い恋人たち
② 雨の訪問者
③ 個人教授
④ ある愛の詩
⑤ あの愛をふたたび
 次点:パリのめぐり逢い

「男と女」はどうした? そうおっしゃいますか。
残念ながら次点の次くらいですかな。

レイによる音楽とともにさまざまな女優の面影が浮かぶ。
アヌーク・エーメ、マルレーヌ・ジョベール、
ナタリー・ドロン、アリ・マクグロー、キャンディス・バーゲン、
そして何といってもアニー・ジラルド。

彼女はもっとも好きな仏女優の一人。
「あの愛をふたたび」のラストで
アップにされた冷笑を忘れることができない。
先述の旅でミラノを訪れたのも
アラン・ドロンと共演した映画「若者のすべて」のためで
ドゥオモ屋上のシーンが心に深く刻まれていたのだ。