2018年11月15日木曜日

第2003話 思い出のシャルル et フランシス (その1)

シャルル・アズナヴールのあとを追うようにして
フランシス・レイもまた帰り来ぬ人となってしまった。
アズナヴール他界の報に接したとき、
すぐにでも一筆したためようと思ってはみたものの、
いたずらに費やした怠惰な日々。
 
その背中を押すというより、突っついたのがレイだった。
フランス音楽界の両巨頭と断じていいほどの大物の旅立ちを
このまま看過しては彼らの音楽に少なからず心癒され、
慰められ、励まされた一ファンとして顔向けができない。
ちなみにミッシェル・ルグランを加え、わが御三家とする。
 
アズナヴールとの出会いは
1964年に日本で公開された映画「アイドルを探せ」。
シルヴィ・ヴァルタン歌う主題歌を手掛けた彼は
映画にも出演しているが観たのはずっとあと、
結果として曲から入ったわけだった。
その後、六本木のシャンソン酒場で
名曲「ラ・ボエーム」を聴き、一気にのめり込んだ。

二十数年前、実物を拝んだのはマンハッタンのカーネギー・ホール。
ライザ・ミネリとのジョイント・コンサートだった。
どこでどう二人がつながったのか、今もって不明のままだが
歌上手にして芸達者のコラボは観客を魅了しつくした。

当ホールのジョイントでは同じ頃、
ミッシェル・ルグランと森山良子の競演を観る機会にも恵まれた。
こちらもまた素晴らしいステージでありました。

ここで恒例により、彼のナンバーからマイ・ベスト5とまいりましょう。

① ラ・ボエーム
② 帰り来ぬ青春
③ 愛のために死す
④ 君を待つ
⑤ イザベル
 次点:二つのギター

J.C.にとってシャンソンのベスト3は
 ラ・ボエーム・・・シャルル・アズナヴール
 パリの空の下・・・イヴ・モンタン
 枯葉・・・ジュリエット・グレコ
こればかりは順位なんかつけられない。

「愛のために死す」は実話の映画化の主題歌。
おそらくこの事件、この映画なくして
エマニュエル&ブリジットの結婚は成就していまい。
エッ、誰のことだ? ってか?
フランス共和国のマクロン大統領夫妻であります。

=つづく=