2019年4月25日木曜日

第2118話 背肝もとめて神楽坂 (その3)

神楽坂下の「かね子」。
キッシュをつまみながら、まぜこぜワインを飲んでいる。
つまみながらと言ってもキッシュはパクリ一口でおしまい。
ボトルを見せてもらったら山形県・南陽市の産。
エチケットにはホントに”まぜこぜワイン”と刷られていた。

ワインバーを謳いながらもフードメニューは揃っている。
焼きとんはじめ、串焼きはそこそこのラインナップだ。
らっきょうの赤ワイン漬け、甘納豆とチーズなんてのも―。
時間が押していなければ、試してみたい2品だった。

「かね子」というダサい店名はまさかと思ったが
バーテンダレスに
「貴女の名前じゃないよネ?」—一応、訊ねる。
彼女、微笑みを返しつつ、
「オーナーが金子サンなんです」—ハハハ、なるほどネ。
まぜこぜは悪くなかったのでお替わりした。

B千チャンから「駒安」入店のメール着信。
急いでグラスに残ったワインを飲み干す。
支払いは1800円と少々。
ワインが1杯700円、お通しが300円で、
プラス税ということだ。

すぐ隣りの「駒安」に移動。
相方はカウンターの一番端、
それも入口に近い焼き場の前に座していた。
こちらサッポロ黒ラベルの中ジョッキ、
あちら焼酎のロックで乾杯となる。

開店早々につき、ここも先客ナシである。
最初の注文は任せてもらって、通したのは
ハツモト(塩)・背肝(たれ)・ふりそで(塩)・
ソリ(塩)の計4本。

われわれにとって念願の背肝が焼き上がった。
ビッシリと串打ちされ目の前に横たわっている。
テカテカと光っている。
焼き手の大将は大阪の串揚げ屋みたいに
”2度づけ禁止”などとケチなことは言わない。
たれにドボドボつけながら焼いてくれた。
まっ、客の2度づけとは意味が違うけどネ。

冷酒に切り替える。
佐渡の生んだ銘酒、北雪のきりょうよしを。
焼き鳥の追加は
ハツ(塩)・レバー(たれ)、そして背肝のアンコール。
相方はソリ(もものつけ根)と
背肝(腎臓)を気に入った様子だ。

飲み口のよい、きりょうよしを3杯は飲んだかな?
おっと、頭の中が回り出す代わりに
頭の回転がよくなってきやしたぜ。

=つづく=