2019年4月3日水曜日

第2102話 旧友 マニラより来たる (その4)

上々の焼き鳥を合いの手に
当方、芋焼酎・佐藤のロック、
相方、角のハイボールに移行していた。
互いに数分で2杯目に突入である。

独り0次会のせいか、このあたりから酔いが回り始めた。
オヨヨ、こんなハズではなかったに―。
相方といえば、まだまだシラフ同然。
ピッチに衰えを見せず、ガンガン飲っている。
これを馬飲と言わずして何と言おう。
彼のスマホで持ち馬のリストを見せてもらいながら
さらにグラスを重ねた。

こちらが隣りのカップルと言葉を交わし出すと、
あちらは店主と馬のハナシを始めた。
店主の趣味は競馬らしい。
ともに馬好きということでウマが合ったようだ。

この夜は「鳥真」だけで到底終らないが
翌日、メールが着信したから
本人の諒解を取らずに紹介しちゃおう。

昨夜は初音小路、夕焼けだんだん、
夜店通りと、初体験世界を堪能出来ました。
カラオケ2店も堪能させて頂きました。
日本には毎月来てますので
何か面白い企画があればお声がけください。
                     (中略)
追伸
日曜は中山で グラスボイジャー勝ちました。
焼鳥屋の親父さん、
馬券取ったかもしれないですね。

というこって人物の正体をバラしちゃったけど、
ベツにリチャード・キンブルみたいな
おたずね者じゃないから構わないよネ、半チャン?

彼からのメールにある通り、
「鳥真」をあとにしたオッサン2人は
カラオケ・バー、コリアン・スナックとハシゴ旅。
飲みも飲んだり、歌いも歌ったり。

そのせいで帰り道は足元がフラついちゃってたヨ。
腰くだけとまではいかなくとも千鳥足だったに違いない。
人生下り坂のジイさんや
飲み方知らずのヒヨッ子ならチョロいもんだが
かなりの飲み手、それも馬並みの酒豪相手に
独り0次会は無謀であった。
今後、くれぐれも墓穴を掘らぬよう、
いたく反省した次第なりけり。

=おしまい=

「鳥真(とりまさ)」
 東京都台東区谷中7-18-13
 03-3822-1810