2020年4月23日木曜日

第2378話 豚とキャベツがてんこ盛り

先日、この店の回鍋肉を食べに来ていながら
隣りのとんかつ屋に浮気してしまった。
そのたたりだろうか、
二豚を追って一豚さえ得ること能わず、
深く反省したのだった。

あらためて仕切り直しの稲荷町「福来軒」。
接客の明るいオネエさんに
「いらっしゃいませ~、お好きな席にどうぞ!」―
ゲンキよく迎えられた。

店内は四人掛けのテーブルが6卓。
混み合えば相席となろうが取り合えず一人で卓を占有する。
回鍋肉定食(950円)をお願いすると、彼女が厨房に叫んだ。
「ホイコでぇ~す!」

当店の二大名物はこのホイコと麻婆豆腐。
麻婆豆腐は二種類あり、スタンダードに本格四川。
定食仕立たては前者が900円、後者は1200円。
サラリーマンに3割3分3厘増しの1200円はちと厳しい。
よって、本格四川はそれほど注文が入らない。

エニウェイ、マイ・ホーコが無事ランディング。
オー・ジーザス!
んなにデカかったかな、大きめの皿にてんこ盛りである。
それも豚バラ肉とキャベツのみで色合い的に殺風景。
やはりピーマンの緑がないと淋しい。

存在感あふれる豚バラは朝鮮焼肉店のカルビにそっくり。
縦4センチ、横5センチ、
厚みも一般的な生姜焼きの倍はあろう。
食べ始める前に数えてみたら11枚。
あっちはビーフ、こっちはポークの違いはあれど、
ボリュームは焼肉屋のカルビ2人前に等しい。
 
おまけにキャベツもスゴいや。
中型サイズの半玉近くはあるな。
ほかは中華スープの清湯と盛りのよいライス。
搾菜や辣白菜みたいな箸休めもないし、
ひたすら豚とキャベツの山に挑む。
いやはや、店によっちゃ食事は格闘技になるんだネ。
 
辛味は大したことなくとも油はギトギト。
これがボディブローのように効いてきた。
奮闘努力すること25分に及んだが
あと二口ほど残して無念のリタイア。
腹パンパンで、これじゃ晩めしは食えんゾ。
 
夢破れて山河あり。
胃袋破れて酸があふれり。
いや、危ないとこだった。
くわばら、くわばら。

「福来軒」
  東京都台東区松が谷1-4-5
  03-3841-3118