1977年夏、お盆の時期に伊豆七島は神津島にいた。
のみとも兼ポン友の仲間が4人揃っての気まぐれ旅だ。
その最中の8月16日朝、
民宿で朝めしを食べているときに
エルヴィスの訃報をラジオで知ったのだった。
四方を海に囲まれた島を訪れているのに
海水浴なんかそっちのけ。
酒を飲み、卓を囲み、そして難破、もとい、
ナンパにいそしんだのである。
いやまったく、飲む・打つ・買うのフルコースだヨ。
さすがに金銭のやりとりはないから
”買う”というのは当たらないけど、
みな若くエネルギーに満ちみちていた。
当時、流行っていたピンク・レディーの「渚のシンドバッド」を
地で行こうと目論んだナンパ旅だったが
飲む・打つほどに、最後の一つは簡単じゃなかった。
それでもそこそこの成果を挙げたんじゃなかったかな?
ダダ話はいいかげんして本題に戻す。
TVドラマ「岸辺のアルバム」だった。
TV史上最高とほまれ高いベストアルバム、
もとい、ベストドラマなのに
当時、夜な夜な遊びまくっていたJ.C.はただの1話も観ていない。
最近、その名声を耳にするたび、観たいと思ってはいた。
たまたまDVD化されているのを知り、
例によってTSUTAYAの取り寄せ便を手配したわけだ。
初回を観た感想・・・あまりピンとこなかった。
ジャニス・イアンが歌う主題歌の「ウィル・ユー・ダンス」も
ビゼーのオペラ、「カルメン」の「ハバネラ」に似ており、
ちょっと違和感があった。
八千草薫が演ずる、いかにも貞淑そうな主婦が
これから不倫に走るという筋書きになじめない、
というか、想像しにくいものがあった。
不倫相手の竹脇無我にしても
どこか唐突な現れ方に口説き方。
加えて煮え切らなさが鼻について
アバンチュールになびく必然性が伝わってこない。
八千草の夫役、杉浦直樹は好きな俳優につき、
ひいき目もあって無難に役柄をこなしたという印象。
娘役の中田喜子は不良外人にレイプされた挙句、
妊娠・堕胎と若いみそらでご苦労なこったが、
この2年前に放映されたNHK朝の連続テレビ小説、
「おはようさん」のイメージが強すぎ、
観るもののジャマをする。
息子の国広富之は「岸辺のアルバム」がデビュー作。
ちょいとウルサすぎるきらいはあるけれど、
新人のわりに伸びのびと演じていた。
国広の恋人みたいな相手役の風吹ジュンは好演。
あの個性は稀少にして貴重だと思う。
とにかく乗りかかった船、
途中で下船するわけにはいかなくなってしまった。
=つづく=
のみとも兼ポン友の仲間が4人揃っての気まぐれ旅だ。
その最中の8月16日朝、
民宿で朝めしを食べているときに
エルヴィスの訃報をラジオで知ったのだった。
四方を海に囲まれた島を訪れているのに
海水浴なんかそっちのけ。
酒を飲み、卓を囲み、そして難破、もとい、
ナンパにいそしんだのである。
いやまったく、飲む・打つ・買うのフルコースだヨ。
さすがに金銭のやりとりはないから
”買う”というのは当たらないけど、
みな若くエネルギーに満ちみちていた。
当時、流行っていたピンク・レディーの「渚のシンドバッド」を
地で行こうと目論んだナンパ旅だったが
飲む・打つほどに、最後の一つは簡単じゃなかった。
それでもそこそこの成果を挙げたんじゃなかったかな?
ダダ話はいいかげんして本題に戻す。
TVドラマ「岸辺のアルバム」だった。
TV史上最高とほまれ高いベストアルバム、
もとい、ベストドラマなのに
当時、夜な夜な遊びまくっていたJ.C.はただの1話も観ていない。
最近、その名声を耳にするたび、観たいと思ってはいた。
たまたまDVD化されているのを知り、
例によってTSUTAYAの取り寄せ便を手配したわけだ。
初回を観た感想・・・あまりピンとこなかった。
ジャニス・イアンが歌う主題歌の「ウィル・ユー・ダンス」も
ビゼーのオペラ、「カルメン」の「ハバネラ」に似ており、
ちょっと違和感があった。
八千草薫が演ずる、いかにも貞淑そうな主婦が
これから不倫に走るという筋書きになじめない、
というか、想像しにくいものがあった。
不倫相手の竹脇無我にしても
どこか唐突な現れ方に口説き方。
加えて煮え切らなさが鼻について
アバンチュールになびく必然性が伝わってこない。
八千草の夫役、杉浦直樹は好きな俳優につき、
ひいき目もあって無難に役柄をこなしたという印象。
娘役の中田喜子は不良外人にレイプされた挙句、
妊娠・堕胎と若いみそらでご苦労なこったが、
この2年前に放映されたNHK朝の連続テレビ小説、
「おはようさん」のイメージが強すぎ、
観るもののジャマをする。
息子の国広富之は「岸辺のアルバム」がデビュー作。
ちょいとウルサすぎるきらいはあるけれど、
新人のわりに伸びのびと演じていた。
国広の恋人みたいな相手役の風吹ジュンは好演。
あの個性は稀少にして貴重だと思う。
とにかく乗りかかった船、
途中で下船するわけにはいかなくなってしまった。
=つづく=