2015年2月6日金曜日

第1029話 ハタ坊に脱帽 (その4)

駒込のユニークな中華料理店「炒め処 寅蔵」。
ザ・ピーナッツのCDを聴きながら綴っている。
曲目は「気になる噂」から「悲しきタンゴ」に移った。

 ♪  あなたも私も 窓辺のリラも
   今では枯れはて 風にふるえる
   心に流れる 悲しい唄は
   あなたと踊った ラストタンゴ

   泣きながら 泣きながら
   ひとりゆれて 踊るタンゴ

   部屋のかたすみの 小さな椅子も
   あなたの帰りを 待っているの

   抱きしめて 抱きしめて
   私ひとり 踊るタンゴ

   来る日も来る日も 悲しいだけで
   心に花咲く 春は遠い     ♪

       (作詞:なかにし礼)

好きなナンバーにつき、
寄り道を承知のうえでご紹介に及んだ、しかもフルワードで―。
こうすることによって筆の運びが一段と軽やかなリズムを刻んでくれる。

餃子をつまみに二人で紹興酒を酌み交わす。
ここの餃子はとても旨い。
写真を撮ったが餃子は絵にならないので割愛。

そうこうするうち本日の主役、黄ハタの清蒸が蒸し上がった。
ご覧くだされ、まさに
「ハタ坊だジョー!」―ってな感じ。
二人で食べるに絶好のサイズ
鑑識の専門家じゃないから断定はできないが
おそらく死後24時間まで経過していまい。
白身の身肉がプリップリの弾力を残している。

しばらく酒の肴にしたあとで白飯を所望し、
煮汁を掛け回して味わう。
う~ん、旨いなァ。
これぞ清蒸の醍醐味であろうヨ。

思わずごはんのお替わりをしたくなったが
ちと、はしたないので自制する。
バカスカ食えばいいってもんでもない。

ハタというサカナの比類なき美味を心ゆくまで堪能した夕べ。
旧交を温めながらも二人、ハタ坊に脱帽の巻でありました。

=おしまい=

「炒め処 寅蔵」
 東京都北区西ヶ原1-1-1
 03-3918-2385