2015年2月24日火曜日

第1041回 あの町この町 日が暮れて (その2)

先週土曜夜の「アド街ック天国」が取り上げたのは不動前。
J.C.がこの町に出没したのは2003~'06年頃だった。
和食「ながみね」、居酒屋「奄美」などを訪れたが
もっとも愛好したのは「太田屋」。
禿(かむろ)の悲話残る、かむろ坂下に赤提灯を掲げる大衆酒場だ。

開業後あまり歳月を経ていない店々に鼻白みながらも
そのうちかつてオジャマした店が出てくるだろうと
そこそこの期待を抱いて番組を観ていた。

結果、やはり登場しやしたネ。
ともに11位~15位の間にランクされた、
「中華こばやし」と「天冨良むら田」である。
番組終了後、フード・ダイアリーをチェックしたら
前者は2004年4月、後者は同年5月に訪れていた。
11年も以前のことで恐縮だが
せっかくなので、その際のメモを披露してみたい。

「中華こばやし」

 いかにも昭和の町中華屋然とした風情。
 店内はかなりくたびれていながらも清潔感あり。
 もの静かなオヤジさん独りの切盛り。
 ラーメン、ソース焼きそば、餃子、半炒飯を二人で分け合った。
 半炒飯が350円で、あとはみな450円。

 ほかのメニューはチャーシュー麺と五目そばが800円。
 天津麺と、これは珍しいとんかつラーメンが850円で最高値だ。
 店を出たあと口内に残る化調が残念だけど好きなタイプの1軒。

「天冨良むら田」

 ビールはエビスの生のみ、仕方なく中ジョッキを1杯。
 すぐに富乃宝山のロックに切り替えて2杯。
 突き出しのおぼろ豆腐にイクラがちょこん。
 トマト・キャベツ・レタスの小サラダが供されたが
 天ぷら屋でこういうモノはうれしくない。
 きす&めごちの中骨素揚げはうれしい。
 ほかは小鉢のひじき煮があるだけでほとんど天ぷら一本やりの店。
 
 車海老・きす・小鮎の順に、お好みで揚げてもらう。
 活けではない車海老に落胆、ほかはまずまず。
 鮎は他店の稚鮎より一回り大きく、よって小鮎と記す。
 大きくとも産地はやはり琵琶湖だろう。
 後半はたらば蟹・ふきのとう・小玉ねぎ・穴子。
 たらばは脚肉2本を並べたイカダ仕立て。
 穴子はめそっ子、好きなサイズにして素材も良質。
 このとき初めて使った天つゆはやや甘さが勝っていた。

 店主は不器用な性格のようでいまだに独り者。
 若い衆が一人、女将さんの代わりにサポートしている。
 支払いは5250円也、高くも安くもなし。

とまあ、こんな具合であった。

=つづく=