ここ20年来、都内有数の散歩コースとなった谷根千の一翼を担う根津。
その裏通りのバーに18年ぶりの再会を果たした男女が隣り同士。
よもやま話に花の咲かぬ道理がない。
”花咲か爺さん”と”華活け婆さん”が、席を同じくしたようなものである。
5席ほどしかない窓際のカウンターに2人だけだから
嬌声による迷惑を周りにまき散らすことはなかったが
もともとマシンガン・トークのK美クン、
五十路坂を越えてもその速射砲は衰えていなかった。
いや、マイッたぞなもし。
接客係が現れないのをよいことに一しきり口角泡を飛ばしたあと、
こちらはワインを、相方はつまみを、それぞれ選ぶ作業に入った。
その結果、注文したのは
バルベーラ・ダスティ サッコ ’11年とフロマージュの盛合せ。
フロマージュって何だ?ってか?
いえ、単なるチーズのこと、ただし、フランス語であります。
ちなみにイタリア語だとフォルマッジォ。
スカしてんじゃねェヨ!ってか?これは失礼、
あいすみませぬ。
バルベーラは北イタリア・ピエモンテ州を代表する軽やかな赤ワイン。
同州産出のバローロがイタリアワインの王様、
バルバレスコが女王と呼ばれるのに対して
バルベーラは王子的な存在と言えなくもない。
比較的廉価で気軽に楽しめるところがよく、
マイ・フェイヴァリット・セパージュ(ブドウ品種)の一つだ。
案の定、K嬢の表情にも満足感が露わとなっている。
一方のフロマージュは6種盛りであった。
その内容は、コンテ、ミモレット、カマンベール、
ゴロゴンゾーラ、ブリヤ=サヴァラン、
あとの1種がどうしても思い出せない。
いずれもバルベーラとの相性がよろしい。
もっとも通常の赤ワインであれば、通常のフロマージュと、
それなりのコンビネーションの良さを発揮してくれる。
とりわけ「美味礼賛」の著者にして
政治家でもあったサヴァランの名を冠した、
ブリヤ=サヴァランがピッタリであった。
逆に感心しなかったのはミモレット。
今は昔、小泉&森の深夜の会談において酒のつまみになり、
一躍有名になったオレンジ色のチーズである。
それにしても2020年東京五輪に関する一連の不祥事の責任者、
森喜朗オリンピック組織委員長の厚顔無恥ぶりはどうだ!
真っ先に表舞台から追放されるべき元凶が
いまだに生き残るどころか、ふんぞり返っていつ言語道断の醜態。
誰が猫に鈴をつけるのか、あきれ果てながらも注視している。
グチるのはよそう、せっかくの再会じゃないか。
とまれ、その夜はワインとチーズだけのささやかな宴でも
旧交を温めるにじゅうぶんな楽しいひとときでありました。
=おしまい=
「TAMAYA」
東京都文京区根津1-1-6 2&3F
03-5834-8771
その裏通りのバーに18年ぶりの再会を果たした男女が隣り同士。
よもやま話に花の咲かぬ道理がない。
”花咲か爺さん”と”華活け婆さん”が、席を同じくしたようなものである。
5席ほどしかない窓際のカウンターに2人だけだから
嬌声による迷惑を周りにまき散らすことはなかったが
もともとマシンガン・トークのK美クン、
五十路坂を越えてもその速射砲は衰えていなかった。
いや、マイッたぞなもし。
接客係が現れないのをよいことに一しきり口角泡を飛ばしたあと、
こちらはワインを、相方はつまみを、それぞれ選ぶ作業に入った。
その結果、注文したのは
バルベーラ・ダスティ サッコ ’11年とフロマージュの盛合せ。
フロマージュって何だ?ってか?
いえ、単なるチーズのこと、ただし、フランス語であります。
ちなみにイタリア語だとフォルマッジォ。
スカしてんじゃねェヨ!ってか?これは失礼、
あいすみませぬ。
バルベーラは北イタリア・ピエモンテ州を代表する軽やかな赤ワイン。
同州産出のバローロがイタリアワインの王様、
バルバレスコが女王と呼ばれるのに対して
バルベーラは王子的な存在と言えなくもない。
比較的廉価で気軽に楽しめるところがよく、
マイ・フェイヴァリット・セパージュ(ブドウ品種)の一つだ。
案の定、K嬢の表情にも満足感が露わとなっている。
一方のフロマージュは6種盛りであった。
その内容は、コンテ、ミモレット、カマンベール、
ゴロゴンゾーラ、ブリヤ=サヴァラン、
あとの1種がどうしても思い出せない。
いずれもバルベーラとの相性がよろしい。
もっとも通常の赤ワインであれば、通常のフロマージュと、
それなりのコンビネーションの良さを発揮してくれる。
とりわけ「美味礼賛」の著者にして
政治家でもあったサヴァランの名を冠した、
ブリヤ=サヴァランがピッタリであった。
逆に感心しなかったのはミモレット。
今は昔、小泉&森の深夜の会談において酒のつまみになり、
一躍有名になったオレンジ色のチーズである。
それにしても2020年東京五輪に関する一連の不祥事の責任者、
森喜朗オリンピック組織委員長の厚顔無恥ぶりはどうだ!
真っ先に表舞台から追放されるべき元凶が
いまだに生き残るどころか、ふんぞり返っていつ言語道断の醜態。
誰が猫に鈴をつけるのか、あきれ果てながらも注視している。
グチるのはよそう、せっかくの再会じゃないか。
とまれ、その夜はワインとチーズだけのささやかな宴でも
旧交を温めるにじゅうぶんな楽しいひとときでありました。
=おしまい=
「TAMAYA」
東京都文京区根津1-1-6 2&3F
03-5834-8771