2026年5月30日土曜日

第4084話 歓びアーカイブ 第21回

今回はシンガポール料理の紹介です。

2011年8月10日水曜日

第115話 この舌が忘れない

神保町の「東京堂書店」へ出掛けた。
書籍を買い求めに行ったのではなく、
石田千&浅生ハルミン、
御両人のトークショウを聴きにー。

石田千サンといえば、
今期の芥川賞候補にもなった、
今をときめく女流作家。
彼女とは行きつけの店が
一緒なので知らぬ仲ではない。
デートをしたことはないが
会食はご一緒した。
まっ、その程度の間柄である。

テンネン色の強い2人のトークは
3~40代の女性のツボを
おさえて会場は笑いの渦。
こちらは話題になかなか
ついていけず、置いてけ堀だ。
隣りの女性があまりに
ケラケラ笑い転げるので
どんなツラか見てやったら、
視線が合って気まずい思いをした。

イベントのあとは
招いてくれた友人にお返しの馳走。
まだ17時半なのに
早めの夕食と相成った。

神保町の交差点から
店を物色しつつ、白山通りを北上。
途中、奥野かるた店で
足が止まり、道草を食う。
ここでは麻雀牌を買ったことがある。

ついこの間、当ブログにも書いたが
軽井沢で覚えたゲームは
ブロッキーではなくブロックスと判明。
フランス生まれの世界的な
ヒット商品だったとは知らなんだ。

水道橋駅にほど近い
「海南鶏飯 水道橋本店」に上がる。
海南島は未踏につき、
本家の実情は存ぜぬけれど、
シンガポールで海南鶏飯は
国民食の代表である。

当地には4年もいたので
何回食べたか数え切れない。
ちょいとクセがあり、
好きずきあろうが慣れたら
やみつきになること請け合い。

とり肉・とり飯・とり汁のセット

この料理は上記3点、
いずれが欠けても成り立たない。
3種のソースも決まりごと。
本場の味にはかなわぬものの、
この値段で手っ取り早く
食べられるのは実にありがたい。

シンガポール風チキンカレー

こちらも好物だった。
ココナッツミルクが効いて
なかなかの仕上がり。
ライスが付いてくるが
あえてロティ・プラタを追注する。

油多めのパンケーキ

インド由来のシンガポール名物は
大の上にもう一つ大が付く好物で
手でちぎってカレーソースに浸す。
主として朝食メニューだが
週に一度は食べていた。
よって海南鶏飯よりも
回数が多いくらいだ。。

いずれにせよ、彼の地で覚えた味は
この舌が明確に覚えており、
忘れることはない。
10年前は都内に数えるほどしか
なかったシンガポール料理店。
こんなに増えるとはねェ。
うれしい誤算と云えましょう。

「海南鶏飯 水道橋本店」
 東京都千代田区三崎町2-1-1
 03-3264-7218

2026年5月29日金曜日

第4083話 ニューのみともと足立区飲み (その1)

またもや昨年の不始末がらみ。
件(くだん)の断筆騒ぎだが
その折に便りをいただき、
宮崎県・延岡市から
わざわざ東京まで来てくれた、
M浦K子サンが再び上京。

今年1月以来だから
4カ月ぶりになる。
千代田線・綾瀬駅で待ち合わせ。
東京の北のはずれ、足立区だ。

当欄でも紹介した、
「かあちゃん」にお連れする。
ドライ中瓶を注ぎ合って乾杯。
いきなり彼女がささやいた。

「私も J.C.さんののみともの
 仲間入りをさせてもらって
 よろしいかしら?」
「ん? のみともとな?
 うん、いいとも!」

かくしてニューのみとも誕生。
数カ月に一度くらい
上京することになったそうだ。
北区在住の妹君も
おられることだしネ。

つまみは J.C.気に入りの
まぐろ山かけと玉ねぎフライ。
まったくもって
ナントカの一つ、
いや、二つ覚えだネ。

さっそく彼女の手になる、
湯呑みをいただいた。
前回のぐい呑みを
愛用している旨伝えると
表情がパッと明るくなり、
白い歯がこぼれる。

冷たい沢の鶴生酒に切り替え、
焼きさつま揚げと
ポテトサラダを追注。
今日は時間がたっぷりあるので
はしご酒を楽しみたいらしい。
そんなに飲む御仁だったかな?

「かあちゃん」をあとに
隣り街の北千住まで
歩いて行くことにした。
途中、ぜひとも
案内したい場所があるのでネ。

メトロ千代田線だと
綾瀬の次は北千住だが
両駅の間には
東武伊勢崎線・小菅駅が
ド~ンと控えているんだ。

=つづく=

「かあちゃん」
 東京都足立綾瀬2-26-8
 03-6662-4333

2026年5月28日木曜日

第4082話 歓びアーカイブ 第20回

土曜日じゃないんですが
前話の京都「てしま」を
紹介したくて載せちゃいました。

2024年6月10日月曜日

第3554話 気ままに京都 一人旅 (その1)


久方ぶりに京都へ気ままな一人旅。
宿は浄土真宗本願寺派の本山、
西本願寺の隣りだ。
近いので京都駅から15分歩き、
チェックイン後すぐに外出した。

この街は歩いてなんぼ。
歩かなければ魅力が身体に沁み込まない。
不健脚が来る場所ではないのだ。
五条通りを東に向かって五条大橋。
西詰の石像を拝む。

子どもの頃から牛若丸が大好きな J.C.。
弁慶との相対図を眺めるのが
京都での習慣になっている。
漫画チックにデフォルメされユーモラス。

橋は渡らず、鴨川の右岸沿い、
木屋町通りを北上してほどなく、
松原通りに差し掛かった。
かつての五条大路であり、
鴨川に架かる橋は五条松原橋と呼ばれ、
牛若 vs 弁慶の一騎打ちは
この橋上で争われた。
といっても作り話じゃ、
どちらでも同じこと。

遅めの昼めしを軽く取ろうと到着した
花見小路の一口餃子店は中休みの最中。
おかしいな、通し営業のハズだがな。
昼は省略して晩酌に切り替えちまおう。

17時過ぎに錦市場に近い、
富小路のレトロな四富会館へ。
京都にはいくつか ”会館” と称する、
奇妙な建築物が在り、
一種の雑居スペース。
此処はその代表格ともいえる。

一番奥のカジュアル割烹、
「てしま」に入店。
ワンオペの店主はかつて鮨職人。
瀬戸内海の豊島(てしま)出身だ。

黒ラベル大瓶をお願いし、
品書きにぐじ一汐を見とめて
「頭(カシラ)付きありますか?」
「あります、あります」
京都ではイの一番に甘鯛である。

焼き上がるまで鯖寿し2カンと
京揚げ菜っぱの炊いたんが麦酒の友。
京都の鯖寿しは大阪のバッテラと違い、
厚い松前昆布を外してから食べるが
当店は白板昆布、
いわゆるバッテラ昆布だ。
J.C.の好みはこちらである。

京揚げ菜っぱも京都らしい一品。
カシラ付き赤甘鯛を美味しくいただき、
大瓶2本で切り上げ、
お勘定は3300円也。

狙い定めた先斗町の割烹を訪ねるも
予約いっぱいで入れず。
真向かいの居酒屋「すずめ」が
行き場を失ったはぐれ雀には打ってつけ。
即座に引き戸を引きました。

=つづく=

「てしま」
 京都府京都市中京区富小路四条上ル四富会館
 050-5456-6548  

2026年5月27日水曜日

第4081話 昼飲み難民に なりかけて (その2)

錦糸町南口「天ぷら すずき」で
ゆるり富乃宝山を愉しんでいる。
甘鯛松笠はウロコが何枚か
きっちり立っていた。
甘鯛は実に久しぶり。
いつ以来だろう?
記憶をつらつらたどり、
ハタと思い当たった。

一昨年6月、京都の夕まぐれ。
市民の台所、錦小路に近い、
富小路(とみのこうじ)の四富会館。
その奥にひっそりとある、
割烹「てしま」であった。

4泊5日の旅の初日。
旅先での第一食が此処。
目当てはぐじ(甘鯛)である。
京都に来れば必ずいただくぐじ。
その夜も例外ではなかった。
気に入りは何を置いても一夜干し。
頭(カシラ)付きに如くはない。
幸いソレがあり、ポンポンと舌鼓。

目ン玉の周りと頬っぺた、
その美味さたるや、
よくぞ日本に生まれけり。
確か赤甘鯛と記憶する。
「てしま」はとても佳い店で
機会があれば(あるだろうけど)、
ぜひ、再訪したい。

ん? 「てしま」かー。
店主の出身地が瀬戸内海に浮かぶ、
豊島(てしま)なので
そのまま屋号にしている。

ん? 豊島のすぐ西隣りは直島。
お~っと、昨日、
訪れたばかりじゃないの。
「てしま」の大将と
「ゆうなぎ」のオネエさんの顔が
二人ダブッてまぶたに泛かんだ。

2年前の京都で一献傾けた、
「てしま」の隣りの直島に
行ったのが前日とはネ。
単なる偶然とは思えぬ自分がいる。

奇妙な偶然といえば、数日前。
週刊現代をパラパラめくっていて
とある記事に瞠目した。
実は先日まで日本中に
 J.C.未踏の県が2県残っており、
4月に和歌山、5月は徳島へ行き、
ようやく全国制覇を叶えた。

現代の特集記事というのは
「空き家率が高い都道府県10」。
読んでブッタマげた。
ワースト3の3番目、
鹿児島県はいいとして
2番・和歌山県、1番・徳島県。
ビックラポンと来たもんだ。
これまた単なる偶然とは
とても思えぬ自分がいたのです。

「天ぷら すずき 錦糸町店」
 東京都墨田区江東橋3-11-9
 03-6659-6592

2026年5月26日火曜日

第4080話 昼飲み難民に なりかけて (その1)

日暮里駅前から乗ったバスを
浅草で降りようと思ったが
迂闊にも今日は三社祭の最終日。
バスも竜泉ー東武浅草駅間で
大迂回と来たもんだ。

浅草を見送り、押上辺りで
降りようとするも
満員の乗客はほとんど降りない。
スカイツリー人気も衰えたかな?
人垣を押しのけるのがはばかられ、
結局は薬局、終点の錦糸町着。

競馬に興味はないが
WINS方面で飲み屋を探す。
頼みの「三四郎」は
まだ開いてないし、
営業しているのは
競馬中継で客を呼び込む、
いかがわしい店ばかり。

時刻は14時前。
昼飲み難民状態に陥った。
30分うろついて成果ゼロ。
このときマルイの真裏で
たまたま見つけたのが
「天ぷらと酒」の袖看板を
掲げる店だった。

お好み天ぷらの天種がユニーク。
カウンターに滑り込んだ。
瓶は赤星、生はドライ。
泡少なめを祈りつつ、
中ジョッキを所望した。

うん、この程度の泡なら
許容範囲であるぞヨ。
クイ~ッと飲って天ぷらは
ハゼと牡蠣をお願いする。
まずまずの滑り出しだ。

生中のお替わり。
そして好物の新玉ねぎと
前代未聞の子持ち昆布をー。
ふむ、素晴らしくはないが
悪くない揚げ上がりである。

天種の品札に1枚混じって
水道橋の文字がこれだけ赤字
お運びのオネエに
「コレはいったい何なの?」
「いえ、水道橋にも
 お店があるもんですから・・」

ここで J.C.、思わず膝ポン。
「ああ、JRのガード下だネ」
「そうです、そうです!」
利用したことはないが
何度か店先を通っている。

富乃宝山のロックに移行した。
本日のおすすめボードに
甘鯛松笠を発見。
目の前の揚げ手のオニイさんに
「松笠ってことはウロコを
 残したまま揚げるのネ?」
「ハイ、そうです」

水分の多い甘鯛の食感を補うため、
ウロコを付けたままの調理法は
甘鯛の産地にちなみ、若狭焼き。
関東では興津焼きとも呼ばれる。

=つづく=

2026年5月25日月曜日

第4079話 直島は 赤いかぼちゃの お出迎え

この朝、ホテル出発は7時45分。
Mコールのセットはしなかったが
夜中に何度も目が覚めた。
6時前、早朝散歩をシャレ込む。

ホテルは高松駅、高松港、
高松城跡に三方を囲まれた好立地。
窓から見えた高松城跡のある、
玉藻公園に出掛けて行った。
濠はあるものの、天守閣は無く、
石垣が残るだけだが趣きがあり、
歩いていて心も弾む。

前日同様、高松港から直島へ。
1時間弱で宮浦港に着岸すると
草間彌生作、赤かぼちゃが
出迎えてくれる。

此処から全員自由行動で
港に再集合するのは5時間後。
ずいぶん時間を取ってくれたが
そんなに観るとこあるんかな?

ほとんど全員がバスに乗り、
終点のつつじ荘で
ベネッセの無料バスに乗り継ぎ、
「Benesse House Museum」に
連れて行かれた。

入場料1500円を払ったはいいが
抽象的な展示物に説明書きもなく、
ダラダラ並ぶだけでは
どうにもチンプンカンプン。
15分で退出したので1分100円だ。
海沿いを歩いて行くと
今度は黄かぼちゃに出逢った。

またバスに乗り、宮浦港に戻る。
まだ3時間もあるぜ。
ビールが飲める店はないだろか?
あった、港の近くに1軒あった。
「ゆうなぎ」はひらめが自慢。
接客のオネエさんは
客あしらいがとても好い。

ひらめは刺身、唐揚げ、
南蛮唐揚げ、煮付けと揃い、
いずれも鰈くらいの小サイズ。
煮付けをドライ中瓶と通した。

香川産フジタカ醤油使用の
煮付けはなかなかの味わい。
揚げたこ焼きを追注して
中瓶を3本も飲んじまった。

滞空2時間を超えたがオネエさん、
イヤな顔一つ見せない。
直島の人口は3100人と聞くが
好感度の高い彼女も
そのうちの一人だろうか?

お勘定は4100円也。
月・火の定休日にも当たらず、
運が良かった。
高松からは快速マリンライナー。
岡山まで50分と意外に近く、
東京行きののぞみ50号に
乗り換えたのでした。

「ゆうなぎ」
 香川県香川郡直島町2249-5
 087-892-2924

2026年5月23日土曜日

第4078話 歓びアーカイブ 第19回

一時期、上野動物園にハマり、
当欄でもずいぶん紹介した。
そこから一話お届けします。

2014年6月13日金曜日

しばらくごぶさたしていた 
”動物園シリーズ”いきます。
今話は水鳥のバンとオオバンが主役。
サブタイトルを見て
「何のこっちゃい?」
思われた読者も少なくないでしょう。
バンなんてあまり耳にしませんもの。

バンは漢字で鷭と書く。
したがってオオバンは大鷭。
ともにクイナ科に属する。
ちなみにクイナは水鶏と書くそうだ。
クイナといってもピンとこないが
沖縄のヤンバル(山原)クイナと聞けば、
ああ、あれかと思われる向きも多かろう。

その日は上野動物園の西園をぶらぶら。
池のほとりづたいに歩いていた。
ペリカンのたまり場と
オオワシの番(つがい)の間で
幸いにもオオバンを見つけた。

水鳥の中でもバン類は警戒心が強い。
人影に気づくとすかさず
水草の陰に逃げ込む。
それでもここ数年は
パンくずを放る人のもとへ
ユリカモメやキンクロハグロにつられ、
ノコノコ現れるようにもなった。
その日のバンがコレ。
真鯉より小さいオオバン
特徴はクチバシが伸びたような額板。
真っ白ではなく、
ほんのり薄紅色がさしている。
水かきはほとんどないが
そこそこ巧みに泳いでいる。

一方のバンはもっと小型、
ハトと同サイズといったところか。
バンとは動物園の外、
弁天堂前の天竜橋で遭遇した。
水かきがまったくない
したがって泳ぐには泳ぐが
前のめりでずいぶん不恰好。
エッ? よく判らないってか?
それならコレでいかがでしょう?
あんまり変わらないってか?
なじみの薄い鳥ながら日本全国で見られ、
東日本では夏鳥、西日本では留鳥だ。
ただし、東京近県の千葉・埼玉では
準絶滅危惧種に指定されている。

いろいろと調べていて驚いたのは
何とこのバン、江戸時代には
食味の良さで食通をうならせたという。
何でもあの時代、美味の象徴に
三鳥二魚というのがあって
陣容は、雲雀・鷭・鶴に鯛・鮟鱇。

魚に関しては現代と変わらぬが
江戸のグルメたちは
とんでもない鳥たちを
食ってたんですねェ。
いや、ビックリしたなァ、もう!
今これをやったら捕まりますヨ。

2026年5月22日金曜日

第4077話 日本一のアーケード商店街

高松は前世紀末以来28年ぶり。
「夜の動物園」なるスナックに
立ち寄った記憶がある。
現存するが今ではオカマバーだ。
どうやら性転換を遂げたらしい。

夜の街に出た。
高松築港駅から琴電に乗り、
二つ目の瓦町で下車。
繁華なライオン通りを物色する。
徳島もそうだったが
よく見掛けるのは”骨付鶏” の看板。
それこそやたらめったら
あっちゃこっちゃ状態である。

今日は昼めし抜きにつき、
「森山」なる鮨屋に入店。
先客はつけ台に中年カップル1組。
ドライ中瓶で一息つく。

「鮨種、拝見していいですか?」
「どうぞ、どうぞ」
カップルのすぐ脇に立ち、
ガラスケースをのぞき込む。
「蝦蛄が大きいけど、北海道?」
「そっ、そうでっす!」
道産は本州産の二回りは大きい。

蝦蛄から始めると
添えられたのはニセわさ。
本わさびは置いてなく、
ちとガッカリの巻。

香川の酒、金陵の冷酒に移行。
追加のつまみは鰆白子塩焼き。
サカナの白子&真子は大好物で
思い出すのは浅草観音裏、
今は無き「基寿司」と
今は亡き基二親方である。

週に一度は通い飲む鮨屋だった。
サイズ小さめの真鯛と
独特のシゴトをした穴子が好く、
はまぐりの旨みを凝縮した、
はま吸いも好きだった。

夏場に此処でしか味わえない、
イサキの白子は文字通り白眉。
全てのサカナの白子にあって
No1の折り紙をつけたい。
柑橘にも似た爽やかな香りが
河豚や真鱈の上をいく。

清酒を同じ香川の凱陣に
切り替えてにぎりをお願い。
剣先いか・さより・あこう鯛・
小肌・オリーブサーモンと来て
本まぐろ赤身が未入荷のため、
中とろで手を打った。

普段、鮨屋では食べない、
というよりサーモンを置く
鮨屋には入らないが
エサにオリーブの葉を
混ぜ込んだ養殖と聞き、
試す気になった。
ふむ、悪くありませんネ。
お勘定は1万円ちょっと。
良心的な値付けといえる。

ライオン通りのアーケードは
日本一の長さを誇る。
Tの字でぶつかる、
片原町商店街もまた、
アーケードが長く続く。

明朝は早起きせねばー。
夜の街に後ろ髪を引かれつつ、
ホテルに帰り、洗顔・歯磨きを
済ませたがシャワーも浴びず、
どちらさんもおやすみなさい。

「すし 森山」
 香川県高松市今新町7-1
   087-822-0101  

2026年5月21日木曜日

第4076話 高松から船に乗って 土庄に着いた

翌朝は遅めの出発。
8時45分にホテルを出て
向かったのは大塚国際美術館。
大塚製薬発祥の地、
鳴門市にトンデモないサイズの
ウツワを誇っている。

すべて陶板画のレプリカながら
みな原寸大、膨大な量を所蔵する。
TD 曰く、全部観るのは到底ムリ。
「じゃあ、何だってこんなトコに
 連れて来たんだよぉ!」
そんな不満を漏らす者はナシ。

開館ちょうどの9時半に着くと
すでに長蛇の列が100人以上。
なおも次々に観光バスが到来する。
入場者はシスティーナ礼拝堂に
度肝を抜かれ、あんぐり見上げて
ちりぢりに散るパターンだ。

J.C.はゴッホの「ひまわり」と
ゴヤの「裸のマハ」&
「着衣のマハ」を観て鑑賞終了。
10時半の開店と同時に館内の
「カフェ・ド・ジヴェルニー」へ。

ガラス越しにモネの「大睡蓮」を
囲むように設えられた池に咲く
睡蓮の花を眺めながら
イギリス生まれのバナナケーキ、
バノフィーパイというのを
アイスコーヒーと初めて食べた。
われながら自分らしくないモンを
食ってるなァ・・・と思いつつ。
今日は昼めし抜きになるかな?

バスは香川県に入り、
高松駅前のホテルに荷物を置き、
高松港からフェリーで小豆島へ。
およそ1時間後、土庄に入港。
ほうら、石川さゆりが唄い出す。

♪ 波止場しぐれが 降る夜は
  雨のむこうに 故郷が見える
  ここは瀬戸内 土庄港
  一夜泊りの かさね着が
  いつかなじんだ ネオン町 ♪
   (作詞:岡千秋)

「波止場しぐれ」は
1985年のリリース。
土庄(とのしょう)にネオンなぞ
一つも灯ってないけれど
40年前はあったんだろうか?

小豆島はわが人生二度目。
1968年秋、京都、姫路と周った、
高校2年の修学旅行以来だ。
あのときは土庄とは
島の反対側、福田港に着いた。
記憶にあるのは宿泊先、
「ニュー銀波」の広い庭と
お猿の国のお猿さんのみだ。

今回周ったのは
醤(ひしお)の郷のみやげ物屋に
オリーブ園だけで 
J.C.的には二十四の瞳映画村と
お猿の国の再訪が望ましかった。

さっき来た航路を
そのまま戻って高松に帰港。
明日の出発は早いけど
さァ、夜の街に出るゾ。

♪ 飲み屋が俺を呼んでいる ♪

「大塚国際美術館」
 徳島県鳴門市鳴門町 鳴門公園内
 088-687-3737

「Cafe de Giverny」
 大塚国際美術館内

2026年5月20日水曜日

第4075話 最初で最後の徳島県

神奈川県在住の H村サンから
「景色なんかどうでもいいって
 おっしゃいますが
 渦潮だって景色でしょ?」
前話にクレームを頂戴した。

J.C.に言わせていただければ
渦潮には動きがあるんです。
岸辺に寄せるさざ波や
小川のせせらぎ、峯より落つる滝、
そのあたりもそうでしょう。

花にしたって、ただ咲く桜より、
桜吹雪に風情を感じます。
風に揺れるひまわり畑も
趣きがありますネ。
停まった景色は飽きちゃいます。

さて、徳島のその夕べ。
実は J.C.にとって
徳島県に来るのは初めて。
そして日本全国47都道府県で
唯一未踏だったのが此処だ。
徳島へは初陣だけれども
難攻不落、最後の砦でもあった。

真っ先に向かった「安兵衛」。
徳島駅そばの大衆酒場は
和歌山駅近くの「多田屋」と
並び称される市のランドマーク。
昼前からの通し営業もうれしい。

ドライ大瓶を通したはいいが
食欲がまったくない。
すべて昼めしのせいである。
よって、食べたいものより、
量の少なそうなものを探した。

350円の地どり焼き鳥に続き、
同値の串かつを通した。
どちらも2本づつだ。
阿波尾鶏の柔かいもも肉に
玉ねぎとピーマンがねぎま状態。
甘いタレが多いので皿を
傾けて串を上部に避難させる。
串かつは豚ではなかった。
やはり阿波尾鶏の胸肉だった。

熊本の麦焼酎・白水のロックに
切り替え、もうひと飲み。
いつもは芋だが
たまさかの麦もいいもんだ。
支払いは1990円と大衆価格。

両国橋で新町川を渡る。
雄大な吉野川の支流である。
裏町の飲み屋街に足を踏み入れ、
秋田町、栄町、鷹匠町と
同じ道筋を何べんも
往ったり来たりした。

歌声が漏れ来るスナックが
あったけど今宵の気分は違う。
ドアを押したのは
「Bar Toyokawa」なる、
オーセンティック・バーだ。

50歳前後だろうか?
バーテンダーが独りきり。
さっそくの1杯はホワイトレディ。
コアントロー少なめ、
ハードシェイクでお願いした。

交わす話題はもっぱら
店の歴史と徳島市の近況だ。
彼にも1杯ごちそうし、
サイドカー、XYZと飲み重ねた。
ジン、ブランデー、ラム、
酒移れども他の材料は
全て同じカクテルである。

1時間の滞空で会計は6千円。
3軒目を思いとどまり、
真っ直ぐ帰宿したのでした。
翌朝が早いのでネ。

「安兵衛」
 徳島県徳島市一番町3-22
 088-622-5387

「Bar Yokokawa」
 徳島県徳島市栄町2-6
 088-653-6339

2026年5月19日火曜日

第4074話 神戸・淡路・鳴門をめぐる

今回のツアーの目玉は
瀬戸内海に浮かぶ3つの島々を
歴訪するというもの。
その前に新幹線が
到着したのは神戸だ。

クールファイブの前川清が
歌い始めたが浪花の小姑に
気を遣って控えざるを得ない。
新大阪を素通りしちまったからネ。

新神戸から琴参バスに乗って
すぐ近くの北野異人館街に到着。
自由時間はたったの1時間、
TD(ツアー・ディレクター)が
すべて観回るのはムリだと云う。
何軒かに絞るか、昼食に充てるか、
二者択一とのこと。

J.C.はお言葉に従い、昼食に専念。
君子危うきに近寄らず
ことわざのひそみに倣い、
偉人異人館に近寄らず
を実践する。
ん? 誰が偉人だ! ってか?
ほっといてくだされ。

バスが停まった北野ノスタは
かつての北野公房のまち。
そのまた前は北野小学校。
界隈をブラつくと
インド料理屋がやたらに多い。

中華街から離れてはいるが
廣東料理と火鍋の店、
「良友酒家」に入店。

ドライ中瓶を通したものの、
メニューを見る間とてなく、
マダムおすすめのランチをー。
料理は八宝菜と油淋鶏、
2皿の盛合わせである。
鶏塊を一つ残したが、ほぼ完食。
これは夜に悪影響を及ぼすな。

バスは明石海峡大橋を渡り、
淡路島の北、あわじ花さじきへ。
アイスランドポピーや
ネモフィラを愛でる。
お花畑はキレイだけれど
J.C.にはただそれだけ。

お次は島の南端、
うずの丘大鳴門橋記念館。
みなさんこぞって
玉ねぎのカツラをかぶり、
デッカい玉ねぎのオブジェと
記念撮影に夢中である。

幸運だったのは大鳴門橋から
渦潮が見られたこと。
どうやら渦は毎日、
発生するわけではないらしい。

大鳴門橋を渡り切り、鳴門市へ。
初めて訪れる徳島県だ。
徳島市内の宿に着いたら
18時近くになっていた。

さァ、飲みに出るゾ!
夜がフリーのツアーは大好き。
正直なところ、
花や景色や名所旧跡は
どうでもいいんです。

「良友酒家」
 兵庫県神戸市中央区
   中山手通3-11-8
 078-221-5866

2026年5月18日月曜日

第4073話 浅草で 級友三匹 酌み交わす

ストックホルム在住の盟友、
S水クンが長期帰省中。
ひと月以上も滞在すると云う。
福祉国家・スウェーデンの
面目躍如とはこのことで
彼の地の年金制度は貧国・日本と
まったく比べものにならない。

日本の政治家よォ、議員サンよォ、
何とかしろよォ!
いくらでも策はあるだろうにー。
テメエの歳費を削るとかさァ。

同じく盟友のN田クン。
こちらの住まいは千葉の内房。
3人は第42群都立板橋高校、
1年8組の同級生だった。
昭和42年は悪名高き、
学校群制度発祥の年度である。

集結したのは台東区・浅草、
菊水通りの「酒肴 みずの」。
お好み焼きの「染太郎」が
右隣りに暖簾を掲げている。

J.C.はドライ中瓶、
二人は黒ラベル生で乾杯。
ママの Y生チャンにあらかじめ
お願いしてあったのは
赤身とフタエゴ(バラ肉)、
会津産馬刺しの盛合わせ。
別盛りで3人前と来たもんだ。

会津特有の辛子味噌でいただくが
J.C.だけはニンニクスライスを
たっぷり添えて貰う。
何と云っても馬刺しと鰹たたきは
ニンニクが決め手だからネ。

山椒入り芋焼酎、
AKAYANEの炭酸割りにスイッチ。
鹿児島のクラフト・スピリッツ、
赤屋根シリーズの一翼を担う
銘酒がコレである。

各自、好みのつまみを取った。
S水は山芋千切り。
N田が銀だら西京焼き。
J.C.は赤貝醤油漬け。
勘定は太っ腹な J.C.のおごり。
1万5千円でオツリが来た。

2軒目は3分歩いて
沖縄酒場「三富珊瑚」へ。
笑顔で迎えてくれたのは
若女将のK世チャン。
ちょいとご無沙汰したがネ。

S水がオリオンビール小瓶。
二人はドライ中瓶。
お通しがゴーヤおひたしで
つまみはジーマーミ。
沖縄のピーナッツ豆腐だ。

大女将が入院中につき、
料理の幅は狭い。
健啖家のN田が強く主張して
近所の中華屋からお取り寄せ。
春巻と餃子を二人はパクパク。
われ呆れはて見守るばかりなり。

古酒(クース)の炭酸割りに
移行したが彼らは月並みな角ハイ。
沖縄酒場に来た意味がないネ。
まっ、北欧と内房の住人じゃ
これも仕方なかんべサ。

K世チャンが酔っ払いを
上手いことあしらってくれ、
楽しいひとときは流れた。
こちらの支払いは
N田のおごりと来たもんでした。

「酒肴 みずの」
 東京都台東区西浅草2-2-1
 080-6192-3187

「三富珊瑚」
 東京都台東区西浅草1-3-17
 03-6795-1344

2026年5月16日土曜日

第4072話 歓びアーカイブ 第18回

今日の=歓びアーカイブ=は
「食べる歓び」の最終回です。
2011年2月28日でした。

第1214回
最後の晩餐

♪ 今日でお別れね もう逢えない
   あなたも涙を 見せてほしい ♪
    (作詞:なかにし礼)

なんてことは、まったくございませんよ。
明日からはこちらへどうぞ。
www.ikiru-yorokobi.blogspot.com
=生きる歓び= by J.C.オカザワ
今すぐ貴方の“お気に入り”の“仲間入り”を
おん願いたてまつります。

菅原洋一の歌った「今日でお別れ」が
レコード大賞に輝いたのは1970年の大晦日。
この年の春にJ.C.は大学に入った。

ほどなく過激派学生による校内占拠、
いわゆるロックアウトで通学かなわず、
これ幸いとひたすらアルバイトに励み、
翌‘71年春にはヨーロッパへ旅立ったのでした。

今年はあれからちょうど40年。
記念日の3月25日午前11時には
ハバロフスク号が出航した、
横浜の大桟橋に立つつもりでいる。
そして一日中、横浜の街をほっつき歩き、
陽が落ちたらすかさず飲み歩くのだ。
自分の将来を決した大事な日ですからね。

万博が開催された‘70年は
よど号のハイジャックや
三島由紀夫の自決があった年。
カップヌードルが発売され、
スキンシップとウーマンリブが流行語になった。
そう、そう、“鼻血ブー”なんてのもあったっけ。

パンダが来日して話題をさらっている、
上野動物園の入園料は現在600円だが
当時はたったの100円にすぎなかった。
“光陰矢の如し”とまでは云わないけれど
月日の流れは早いものです。

おっと最終回につき、最後の晩餐だった。
J.C.の場合は晩餐ではなく、
あからさまに晩酌だろう。
酒の飲めない身体になっていなければ、
間違いなく、最後の晩酌でしょうね。

その際、人生の伴侶に
恵まれていれば二人で、
いなければ独りで、ということになる。
飲み出したらハシゴは必至。
飲めばハシゴの三度笠である。
それこそ我が人生。

舞台は浅草でキマリだ。
季節は晩春から
初秋にかけてが望ましい。
暖かな夜がいいから、寒い冬はイヤ。
その夜をシミュレーションしてみよう。

夕暮れどきに本所吾妻橋の、
「23BANCHI CAFÉ」にて
食べものは何も取らずに
エクストラコールドを2杯。

吾妻橋を渡り返し、
かんのん通りの「志ぶや」へ。
ここでは芋焼酎をロックで2杯。
小肌酢が気に入りながら今宵はパス。
小肌はあとに控えておりやす。
のぼり鰹のたたきを所望しよう。
生ニンニクのスライスでネ。
ニンニクなくして何の鰹よ!

おあとは本命の「弁天山美家古寿司」
平手造酒よろしく
地獄参りの冷や酒を2杯。
つまみを省いてハナからにぎりに邁進。
平目昆布〆・小肌・小肌w/おぼろ・
穴子下半身w/煮キリ・
穴子上半身w/煮ツメ・玉子
計6カン、ほかは何にも要らん。

締めくくりは「神谷バー」
中ジョッキをチェイサー代わりに
電氣ブランオールドを2杯。
実にシアワセな最後の晩酌である。

振り返れば今日で1214回。
12月14日は赤穂浪士の討入りを
連想させてなかなかよいナンバーだ。
4年8ヶ月は短くはないけれど、
花の命は短くて 楽しきことのみ多かりき
いつわらざる心境である。

シツッコいようですが
明日からは「生きる歓び」でっせ!
www.ikiru-yorokobi.blogspot.com
=生きる歓び= by J.C.オカザワ

ご愛読、ありがとうございました。
そして編集を担当していただいたN雲サン、
連載のお声を掛けてくださったQ先生に
この場をお借りして感謝の意を表します。

愛猫プッチにも挨拶させようと思いましたが
惰眠をむさぼっておりましたので、悪しからず。

眠れるウチの猫
photo by J.C.Okazawa

             =完=


2026年5月15日金曜日

第4071話 初めて出逢ったオオカミウオ

都営三田線・板橋区役所前で
麦歩ともに手を振ったあと、
独り向かったのは仲宿商店街。
この道筋は好きだ。

スーパーのライフと
よしやSainE が居並んでおり、
買い出しにはとても便利。
月に一度は遠征している。

ライフは都内各地に点在するが
SainE の数は多くない。
それでも神楽坂、大塚、中板橋は
利用したことがある。
今宵は自宅で「渡鬼」のあと、
卓球でも観ながら晩酌の予定。
つまみの調達に SainE へ。

おや? 
オジサンが居るではないかー。
長崎産である。
最近、頻繁に出逢うのは
個体数が増えているのだろう。
今日は見送ろう。

その隣りの隣りに
オオカミウオ切り身のパック。
真鱈に似ているものの、
うっすら赤っぽい。

図鑑で見たことはあるが
食べたことは一度も無い。
とにかく数多ある魚類の中で
最も人相、もとい、
魚相の悪いサカナはコイツだ。
みなさんもネットで
その悪相ぶりをご覧下され。

怖ろしい形相ではあるが
ユーモラスな感じもして
どこか憎めない。
こりゃ、買わなきゃいつまた
逢えるか知れたものではない。
大きな切り身2切れは
料理屋だったら4人前になろう。
しかも580円+税の安さだ。

さてさて、お味の方は
いかがなものでありましょうや。
レシピを調べたら
バタ焼き、ムニエルがおすすめ。
当夜は1切れをムニエルにー。

弾力いっぱいのプリプリ感は
このサカナ独自のもの。
亡き母がナマズのことを
鶏肉と魚の中間と表現していたが
微妙に異なるものの、
ナマズに似ているかもしれない。

とにかく美味しいサカナである。
翌日はもう1切れ。
昨晩のうち、醤油&清酒に
漬け込んでおき、グリルした。

そのままでも好かったが
J.C.特製の木の芽味噌を
あしらうと、これが大ヒット。
本年最高の魚料理になりました。
オオカミを見掛けたら
必買を強く推奨します。
赤ずきんちゃんには内緒でネ。

「よしや SainE 仲宿店」
 東京都板橋区仲宿43-6
 033962-1591

2026年5月14日木曜日

第4070話 高社郷は わが故郷の そばだった

読者の方々から最近しばらく
麦歩ともN子サンが
登場しないが何かあったの?
かような問い掛けをいただいた。
彼女はどうやら当欄の準主役に
位置が定まったものらしい。

だからというワケじゃないが
肥を掛けて、いや、声を掛けて
サクッとランチに誘った。
ヤツと逢うと酒宴が長引くからネ。

舞台は遊座大山商店街の洋食屋。
到着すると順番待ちが10名近く。
こりゃかなわん、ヨソへ迂回だ。
5年前に一度おジャマした、
中華料理店「高社郷」を訪れた。

ラガー中瓶を注ぎ合ってカチン。
セロリ&胡瓜ピリ辛漬けのお通し。
料理は有難いことに
ハーフサイズが揃っており、
青椒肉糸、麻婆豆腐、
海老&ブロッコリー炒めを通す。

最近、キリンラガーに苦味を
感じるようになり、
一番搾りの中ジョッキに転向。
当店はキリン一色だが
固執するならハートランドか
晴れ風を置いとくれヨ。

テニス・水泳・サイクリング・
山登りとスーパーウーマンぶりを
いかんなく発揮するN子は
この1週間、精力的に
あちこち動き回っている。

埼玉・日高市の日和田山に登り、
三浦半島の三崎口ではネモフィラ。
秩父の実家まで3時間ドライブと
矢継ぎ早そのもの。
黙ってフンフン聞いていたが
ちょいと異常だネ。

品書きの長崎チャーメンは
皿うどんのこと。
分け合って締めとする。
そこへテレ東の番組、
「タクうま!」のディレクターが
現れてインタビューを受けた。

これをキッカケに店主も
厨房から出て来て雑談スタート。
店名の「高社郷」はてっきり
台湾辺りの地名かと思いきや
北信の湯田中温泉に近い場所だ。

当代は東京生まれだが
先代が其処の出身とのこと。
満洲で多くの集団自決者を
出す悲劇に見舞われた、
高社郷開拓団であるが
此処では多くを語るまい。

驚いたことに J.C.の生まれ故郷、
長野県・長野市とは
15kmしか離れていない。
無頓着だった自分を恥じ、
現在いろいろと文献を
漁っているところであります。

「高社郷」
 東京都板橋区大山東町24-20
 03-3961-8579

2026年5月13日水曜日

第4069話 千駄木に キラリと光る 名酒場

のみともにしてポン友の B千チャン。
腰を痛めてしばらく打牌はお休み中。
リハビリを兼ねて酌交と相成った。
待ち合わせたのは
メトロ千駄木駅近くの「にしきや」。

千駄木は住み良い街ながら
酒場には恵まれない。
そんな中でキラリ精彩を放つのが
この「にしきや」である。

開店の17時半に予約を入れたら
直後は混み合って料理の支度が
遅れがちになるため、
「あらかじめお決まりのモノが
 ありましたら・・・?」
女将に問われて平目薄造りと
鰹たたきをお願いしておいた。

ビールが苦手の B千チャンが
つき合ってくれて乾杯。
すぐに相方は宮城県・大崎市の
一ノ蔵にチェンジ。
当方はドライをもう1本飲んで
山形県・庄内町の鯉川にスイッチ。
今宵は東北ダービーである。

そうしておいてつまみの追加は
牛もつ塩煮込みと
じゃが芋細切り炒め。
「にしきや」は何といっても
海鮮がイチ推しながら
焼き鳥・焼きとん・煮込みも
レベルが高く、柔軟双方に
長けているのが魅力だ。

炒めたじゃが芋も佳品。
火の通しが浅いため、
ホクホクとは真逆、
シャキシャキ感が快適。
中華では時々見掛けるが
和食店にはあまりない調理法だ。

酒盃のピッチも上がってきた。
そろそろ締めと参ろう。
J.C.のおすすめはソーズ焼きそば。
ごくフツーの味わいにつき、
自宅で自分で炒めるのと
さほど変わらないが
他人に作って貰うとより美味しい。

相方にも満足していただき、
二人分のお勘定は
渋沢栄一1枚でオツリが来た。

二次会は意外な展開にー。
歌を歌わぬ B千チャンが
カラオケスタジオと言い出した。
どういう風の吹き回しか
狐につままれたまま、
行きつけの「グランプリ」へ。

こちらはビール、あちらは角ハイ。
こちらは2曲歌ったが
あちらはひたすら聴いてるだけ。
どこが面白いのか
皆目判らんままに滞空1時間で
お開きとなりました。

「にしきや」
 東京都文京区千駄木3-34-7
 03-3828-0935

「グランプリ」
 東京都台東区谷中3-13-10
 03-3821-6376

2026年5月12日火曜日

第4068話 墓参のあとの「松戸ビール」

GW恒例のお墓参り。
岡澤家の墓があるのは
千葉県・松戸市にありながら
都営の八柱霊園だ。

都内では考えられないほど
のどかな環境に恵まれ、
市民の憩いの場になっている。
ピクニックはもとより、
広場にはテントまで張られ、
こうなるともうキャンプだネ。

毎年、墓参のあとは
上本郷の中華「大八北珍」だが
今年は趣向を変えてみた。
京成松戸線で松戸に移動する。

去年の3月31日までは
新京成と呼ばれた路線は
京成による吸収合併以後、
京成松戸線にその名を変えた。

駅東口の「松戸ビール」に一目散。
2時間近くも墓前を清めたため、
ノドはカラカラ。
完全なガス欠状態である。
金魚なら水面に出て来て
お口パクパクであろうヨ。

当店はクラフトビール専門店。
でもクラフト嫌いの J.C.には
猫に小判、豚に真珠、
河馬にエメラルドもいいとこ。
ただ、逃げ道が1本だけあって
サッポロ黒ラベルの用意あり。
九死に一生とはこのことだ。

中ジョッキを立て続けに2杯。
3杯目を通したところで
ようやく料理の発注に及んだ。
目当ての会津産馬刺しは品切れ。
いぶりがっこ&クリームチーズ、
山菜のフリット盛合わせ、
トロタク&ガリサバをお願いした。

ピンクペッパーをあしらった、
いぶりチーズがとても好い。
山菜は、ふきのとう・こごみ・
たらの芽の陣容だが
たらの芽が成長し過ぎて
たらの親になっている。
韓国のり付きのトロ&サバは
まあ、こんなものでしょう。

4杯目とともに締めのパスタ。
手打ち風のリングイニは
仔羊の白ラグー仕立て。
白と謳っていても
実際はトマトを使わぬ透明色。
これが意想外のヒットで
麺もラグーも出色の出来映え。

空に太陽がある限り、あいや、
店に黒ラベルがある限り、
来年もおジャマしようかな?
そんな気配濃厚であります。

「松戸ビール」
(Matsudo Beer Tap Room)
 千葉県松戸市松戸1151
 047-711-7218

2026年5月11日月曜日

第4067話 オジサンと また逢う ”幸”せ ”楽”しけり

3月20日の第4023話。
「バッタリ出逢った 珍魚オジサン」で
紹介したオジサンにまた出逢った。
場所は北千住の行きつけ「幸楽」。
この屋号は「渡鬼」だと町中華だが
こちらは街一番の繁盛ぶりを見せる、
大衆酒場である。

もつ焼き(焼きとん)がウリながら
もう一つの看板商品は刺身類。
殊に白身に注力しており、
常に2~3種類揃えている。

上野・浅草と並び、
北千住も J.C.がよく出没する街。
この日も銀行帰りに立ち寄ると
おすすめボードにオジサン発見。
この再会を見過ごす J.C.ではない。
即注に及んだ。

ドライ大瓶を飲りながら
待つこと5分少々。
ほんのりピンクの身肉が美しい。
髭面の容姿が名前の由来だが
刺身におろしてしまえば、
オジョウサンと呼びたくなる。

うむ、けっこうですな。
また逢う ”幸” せを噛みしめ、
思う存分 "楽" しんだ。
さすが「幸楽」である。
日本酒が欲しくなり、
大好きな山形は鶴岡の銘酒、
十水大山を所望する。

するとベトナム人のお運びが
徳利に半分だけ持って来た。
ん? 値段が上がったのかな?
瞬時に飲み干し、
同じ山形は高畠町の米鶴を追注。
するとまた徳利に半分だ。

「えっ、米鶴も値上がりした?」
「いいえ、あの・・その・・」
割って入るようにオニジさん登場。
初めて見る顔は店主かもしれない。
「両方ともこれで品切れでして
 あの、サービスしときますから」
「エエ~ッ、そうなの?
 それじゃ悪いから
 あとで九平次を頼むネ」
だけど、両方とも残り半合なんて
そんなことあるんかいな?

おすすめボードに
北海縞海老も居るじゃないかー。
北の海に生息する海老には
甘海老、ボタン海老などあり、
トロッとした食感が持ち味。

北海縞海老によく似た、
北海海老もあったりして
いろいろ調べてみたが
頭の中がこんがらかるばかり。
未だにはっきり判明しないし、
現地の人も把握し切れて
ないんじゃないかな?

とにかく J.C.は
茹でて食べるソレより
生食されるモノが好き。
赤地に白の縞模様も鮮やかに
甘やボタンより食味が良い。
とにかく名古屋の醸し人九平次で
美味しくいただいた。

オジサンとシマエビのおかげで
本日の北千住は
素敵な街となったのでした。

「幸楽」
 東京都足立区千住2-62
 03-3882-6456

2026年5月9日土曜日

第4066話 歓びアーカイブ 第17回

本日の =歓びアーカイブ= は
珍しくミャンマー料理です。

2015年3月19日木曜日

第1058話 なんとなくエスニック (その4)

千石の「TAWARA」で
スペシャル・ダンパウを待っている。
前話で紹介したおすすめメニューのうち、
最高値のディッシュだ。
それにしても「TAWARA」なる店名、
ミャンマー語だろうか?
なんとなく日本語の ”俵” を
連想させるものがある。
あとで調べたら、やはり「俵」であった。

ビールの中瓶が少なくなってきた頃、
待望のダンパウがやって来た。
サイドに3点セットを従えている。
チキン・ビリヤニそっくり

長粒米はその一粒ひとつぶが存在感を示し、
われこそはインディカ米なるゾ、
そう訴えているかの如し。

インドのビリヤニ、インドネシアのナシゴレン、
シンガポールの海南鶏飯、
インディカ米を使った米料理は
J.C.の大好物である。
こちらが3点セット

野菜スープに干し海老風味のチリ、
それにキャベツのサラダ。
キャベツにはナンプラーが
振りかかっている。
ミャンマーではこの魚醤を
ンガンピャーイェーという。
まったくもって
ミャンマー語の難解さにはお手上げ。

ともあれ、ライスを一匙口元に運ぶ。
ウ~ン、想像した通りの味と食感。
日本の誇るコシヒカリや
ひとめぼれとは別の美味しさだ。

ここで突然、ハナシは40年前に飛ぶ。
1975年当時、J.C.は二人の仲間ともども
ロンドンで小さな食堂兼雀荘を営んでいた。
日本人の学生やビジネスマン相手の
細々としたミニクラブだったが
将棋好きの英国人や麻雀好きの中国人が
出入りしたりもしていた。

そんな中の一人に
インドネシア人のイワンがいた。
イワンと聞けば
トルストイの「イワンの馬鹿」が第一感。
ロシアの男子名を連想させる。
しかるに彼はインドネシア人であった。

ウマが合ったというか、J.C.にとっては
最初で最後のインドネシア人の友人だ。
そう、そう、連れ立って
ピカデリー・サーカスだったかな?
いや、レスター・スクエアかもしれない。
とにかく一緒に
高倉健とロバート・ミッチャムの
「ザ・ヤクザ」を観に行ったっけ・・・。
ラストの健さんには奴さん、
異常に興奮してたネ。

そのイワンにわがクラブの炒飯を
振舞ったことがあったが
ほんの一匙、二匙で投げ出された。
ライスがスティッキー(ねばねば)で
とても食べられたもんじゃないんだと。
その一件を思い出させた、
スペシャル・ダンパウであった。

ディッシュの主役ともいえる、
チキンに手をつける。
スプーン&フォークを入れると
ホロホロに崩れた。

フレンチのロティでもなく、
アメリカ的なフライドチキンでもなく、
ましてや和風の照り焼きでもない。
ブイヨンで煮たのだろうが
これはこれでそこそこ
美味しくいただきましたとサ。

=おしまい=

「TAWARA(俵) RESTAURANT」
 東京都文京区本駒込6-5-1
 03-6902-1080

2026年5月8日金曜日

第4065話 米原は 何も無い町 寂れ町

6泊7日の旅も今日が最終日。
ところが朝から雨がしとしと。
昨夏の九州旅行以来、
旅は10回を数えるが
雨にたたられたのは初めてだ。

ホテルの傘を借り、
長浜城下の琵琶湖畔へ。
雨に煙って西岸は見えない。
岸辺にまたもやオオバンの群れ。
数えたら30羽も泳いでいた。
西日本でこの鳥は留鳥なの鴨?
もとい、かも?

1時間に1本しかない列車で
交通の要衝、米原に移動する。
狙いの鮨屋に予約を入れたら
混雑のため1時間待ちとの応答。
何だか説明もしどろもどろ。
ええい面倒だ、行っちまえ!
まさか、追い返されはしまい。

ところが・・追い返されました。
店を出ると入れ違いに
40人の団体様到着。
こりゃ仕方なかんべサ。

雨の日の町歩きほど
鬱陶しいものはない。
しかも食い物屋がまったく無い。
あるのは東横イン1軒のみ。
大きな駅弁屋のビルがあり、
弁当でガマンと立ち寄ったら
潰れたのか管理物件の貼り紙。

その隣りのスーパーにて
長浜名物・焼き鯖そうめんと
昨夜飲んで気に入った七本鎗、
石田三成なる銘柄を2本購入。

寂れ果てて何も無い町。
長居は無用とばかりに新幹線。
これがほぼ満席と来たもんだ。
隣りに妙齢のご婦人に座られ、
匂いの出る焼き鯖ははばかられる。
結局は薬局、車内では
”鎗” 1本のお世話になっただけ。

帰宅後、残った ”鎗" に
小魚佃煮と焼き鯖そうめんで
食べ損ねた遅い昼めし。
そこへ蕎歩とも・Mきより電話あり。

「お帰りなさいっ! 何してんの?」
「焼き鯖そうめん食ってんだヨ」
「エエ~ッ? 焼き鯖そうめん?」
「何だ! 知ってんのか?」
「だって今朝、NHKの『あさイチ』で
 紹介してたよぉ!」
「ふ~ん、そりゃまた偶然だな」

でもネ、長浜市民にゃ申し訳ないけど、
焼き鯖そうめんは口に合わなかった。
その代わり、イサザとゴリと
本モロコの佃煮はサイのコー!
”鎗” にもピタリと寄り添った。

大津の「大津屋」、長浜の「成駒家」。
おかげで琵琶湖の湖魚の美味に
遅ればせながら目覚めた次第です。

2026年5月7日木曜日

第4064話 琵琶湖の湖魚に舌鼓

滋賀県・長浜は初めての訪れ。
米原以北は長い連結の列車が
切り離されたりもして
かなり不便になる。

夕暮れ迫る長浜の町を散策。
琵琶湖特産のビワマスを
出す料理屋に目星をつけたが
生憎、今日も明日も臨時休業だ。

店の物色を兼ねながら
町を往ったり来たりと云うより、
右往左往に近いかも知れない。
市内を流れる米川(よねかわ)に
オオバンの群泳を見た。

落ち着いたのは宿からも
駅からも近い「成駒家」。
ちょっと見、立派な料亭風だ。
ドライ中瓶を飲りながら
品書きに目を移す。

ややっ! 居た、居た、
おった、おりました!
ビワマスのあらいが
両の眼(まなこ)に飛び込む。
恋人がわが胸に帰った心境だ。

そしてコレが超の付く美味。
冷水に身を引き締められ、
見た目もすこぶる美しい。
サクラマスの美味しさは
知り尽くしているが
似たもの同士のビワは
サクラに勝るとも劣らない。

琵琶湖北端、木之本の銘酒、
七本鎗に切り替えて
小鮎の佃煮、えび豆、
フナの子付き(真子まぶし)と
珠玉の湖魚を味わい尽くす。

壁に大きく琵琶湖八珍を
写したポスターが1枚。
ビワマス・ニゴロブナ・小アユ・
本モロコ・ハス・ゴリ・イサザ・
スジエビ、これぞ八珍。

ビワマスのにぎりと
焼き鯖そうめんに心惹かれたが
わが胃袋は根性ナシ。
断念してお勘定は金五千円也。

夕刻見つけておいた、
スナック「A」へ直行の巻。
長浜駅に隣接するビル、
長浜えきまちテラスの2階で
K子ママとH弓ちゃんのツーオペ。

オープン直後の19時から
閉店の23時まで客が来ないのを
いいことにセブンイレブン、
4時間も居座っちまった。

ドライ、VSOPハイ、角ハイを
3人でいろいろ飲りながら
歌った、唄いまくった。
交代で1人20曲だから計60曲。
各自1曲だけ紹介しておこう。

K子ー「恋のバカンス」
H弓ー「東京だョおっ母さん」
   (セリフ入り)
J.C.ー「冬子という女」

揃いも揃って古いわ。
二人のおかげと云うんじゃないが
湖畔の街、長浜の印象はとても好い。
H弓とはメルともにも
なったことだしネ。

「成駒家」
 滋賀県長浜市南呉服町5-25
 074-962-3031