2026年4月30日木曜日

第4058話 岸和田立ち寄り 大阪入府

今日は大阪市に戻る予定だが
泉州岸和田に立ち寄りたい。
和歌山に入る前、
堺で1杯飲ったようにネ。
そう、堺と岸和田は以前から
訪れてみたかったのだ。

駅前商店街のアーケードを物色。
気に染まった店が1軒あった。
「縁たく家」はアジアンフードと
あわび料理が二本柱。
ただし J.C.の在店中に
あわびを発注した客は皆無だった。

赤星中瓶とシシグを通す。
シシグの別称はフィリピンの昼食。
豚バラ&ミミガー炒めだが
ミミガーが硬いのなんのっ!
今回の旅は硬いモンによく当たる。
海老すり身を挟んだトースト、
エビパンを追加して仕上げた。

大阪市内に入って一路、十三へ。
宿に荷物を置いたらすぐに外出。
2時間ほどこの街を
まさぐるように徘徊し、
地理と主な店々を頭に叩き込む。

そうして向かったのが大阪駅から
JR環状線で一つ東の天満だ。
環状線は東京の山手線に当たり、
天満は安うま密集地の異名を取る。

天神橋筋商店街に出たら
天五(天神橋五丁目)へ北上。
多くの大衆鮨屋に混じり、
中華やコリアンもチラホラ。
1軒だけ高級感漂う鮨店、
「天使(あまつか)」に入店。

つけ台の一番奥に促された。
ドライ中瓶に先付け3品。
桜海老・あさり・春キャベツ白和え。
鯛わたをあしらった山芋。
鳥の煮凝りである。

伝助穴子の焼き霜造りをお願い。
播磨灘から揚がる特大雌穴子で
伝助はデカくて役立たずの意味。
塩で食べるが山葵でもやりたく、
所望すると混ぜ山葵。
本わさ100%に代えてもらう。
うむ、まずまずながら
やはり穴子は小ぶりに如くはなし。

中瓶のお替わりと
今が旬の筍木の芽味噌和え。
そうしてスイッチした冷酒は
青森・田酒と福井・黒龍。
ここでにぎりに移行する。

剣先いか・さより・真鯛・
のどぐろ炙り・小肌の5カン。
ベストは断然さよりだ。
勘定は1万5千円弱。
それなりの満足感は残った。

十三に舞い戻って飲み直し。
東駅前商店街を抜け、
スナック「O」の店先に
ボーッと佇んでいると
中からママが現れ、拉致された。

ドライ小瓶2本と
黒霧島のロックを1杯。
数曲歌ったものの、深酒を避け、
大人しく帰宿しましたとサ。

「縁たく家」
 大阪府岸和田市五軒屋町1-1
 072-439-5537

「天使(あまつか)」
 大阪府大阪市北区天神橋5-5-13
 066-358-5252

2026年4月29日水曜日

第4057話 醤油醸造発祥の地へ

和歌山の1泊目はぐっすり。
早起きして昨晩の美園町を散歩。
前夜は気づかなかったが
大きな商店街にアーケードが
縦横無尽、走りまくっていた。

この日はJRきのくに線に
45分乗って湯浅を訪れた。
和歌山の南25kmに位置する、
醤油醸造発祥の地である。

いの一番に赴いたのは
湯浅駅から徒歩3分。
土手焼きが名物の「はたよ食堂」。
無人の店内に踏み入ると
奥からオヤジさん登場。

「観光?」
「ええ、さっき着きました」
ドライ大瓶に土手焼きを3本。
内訳は、牛すじ&こんにゃく、
大根、厚揚げである。

黒ラベルの中ジョッキに切り替え、
話好きのオヤジさんとしゃべくる。
話題はもっぱら日米の株式市場。
あとは為替相場だ。

40分ほどの滞空でお勘定。
「1670円!」
千円札を2枚出して
「お釣りはけっこう」
「エッ? チップくれんの?
 ありがと、ありがと!」
伝統的建造物群保存地区を
隅から隅まで歩き廻った。

夕暮れには和歌山帰着。
今朝見つけた美園アーケードへ。
「菜乃屋」は女性4人の切盛り。
ビールはサントリー生大瓶だ。
お通しのマカサラが意想外の佳品。

本日のお造り二種盛りは
ばちまぐろ赤身&かんぱち。
すかさず紀の川の銘酒、
雑賀を貰って即席づけの作成。
醤油は関西特有の甘口につき、
食卓塩を振り込んで辛口にする。

刺身でそのまま食するよりずっと
づけは味覚に訴えて来るのだ。
サントリー知多の炭酸割りを
Wで1杯いただき、2軒目へ。

昨夜に続いて「酒一」を再訪。
さっそくドライ中瓶を1本飲み、
当店の常備酒、伏見の豊富をー。
これは ”ほうふ” ではなく、
”とよとみ”と訓ずる。
云われてみて虚を衝かれるのは
日本人の頭に ”ほうふ”が
こびりついているからだろう。

旅に出ると野菜が不足がちに
なるので補うために春菊おでん。
そして此処にも鹿と猪が居た。
「多田屋」みたいにステーキは
やらないが串焼きのほか、
ソーセージがあり、猪でお願い。
うん、串焼きより柔らかく、
なんぼか食べやすい。

明日は早起きのため、
深酒を避けて帰宿に努めました。

「はたよ食堂」
 和歌山県有田郡湯浅町湯浅1290
 073-762-2876

「菜乃屋」
 和歌山県和歌山市美園町5-6-5
 073-422-6363

「立ち飲み 酒一」
 和歌山県和歌山市美園町5-12-3
 073-436-4613

2026年4月28日火曜日

第4056話 旅のはじめは 堺と和歌山

3カ月ぶりに旅に出た。
東京駅から乗った新幹線を
降りたのは新大阪。
大阪は大いに久方ぶり。

メトロ御堂筋線と
南海電車を乗り継いで
やって来たのは初めての堺。
千利休ゆかりの町である。

時間があれば利休の屋敷跡にでも
行ってみるところだが
先を急ぐ身、駅そばは南海高架下、
「義経」なる居酒屋でガス欠解除。
ドライ中ジョッキのお通しは
鳥皮&オニスラポン酢だ。
つまみつつ、メニューをパラパラ。

17時から本営業だが時刻は13時前。
この時間はスピードメニューの
つまみ類とお造りのみ。
真鯛・かんぱち・サーモンのほか、
馬刺しユッケがあって
馬刺し好きは当然そこに落ち着く。
卵黄を落としたユッケはなかなか。
中生を1杯にとどめて堺駅に戻る。

和歌山市着は15時。
そこから和歌山駅まではJRで2駅。
東口のホテルで一休み後、
賑やかな西口に出陣した。

だいぶ寂れたかつての繁華街、
ぶらくり丁界隈を徘徊する。
気に染まった店は無い。
畑屋敷からアロチ(新内)を
流すもスナックばかり。
今ひとつである。

駅近のみその商店街で
ようやく佳い店を見つけた。
「多田屋」は昭和2年創業。
来年で百歳を迎える。
カウンターに滑り込み、
ドライ大瓶を所望した。

多彩な品書きに鹿と猪を発見。
ステーキと串焼きがあり、
当然のように串焼きを1本づつ。
ところがコイツら硬いのなんのっ!
寅さんの売(バイ)じゃないが
”色が黒くて食い付きたいが
 あたしゃ入れ歯で歯が立たないよ”
と来たもんで
入れ歯じゃなくとも歯が立たん。

はだか麦焼酎の兼八と
チンザノ白ロックを1杯づつに
キス&穴子天ぷらを追加。
でもネ、齢百歳の老舗にゃ悪いが
食べもんがイマイチなんだよネ。
まっ、昼夜に渡り、猪鹿蝶ならぬ、
猪鹿馬をやっつけたからいいかー。

帰り際、駅裏の片隅に
立ち飲み酒場を見つけ、即入店。
するとこの「酒一」は
「多田屋」の経営と来たもんだ。
ドライ中瓶に麦焼酎・壱岐をー。
麦焼酎発祥の地、壱岐産は美味い。

つまみはきずし(〆鯖)をお願い。
「多田屋」よりいいんじゃないかー。
造り手の腕、いや、舌がいいんだ。
明日の晩も此処に寄ろうっとー。

「義経」
 大阪府堺市堺区栄橋町1-10-1
 050-5456-9766

「多田屋」
 和歌山県和歌山市美園町5-11-18
 073-422-2276
 
「立ち飲み 酒一」
 和歌山県和歌山市美園町5-12-3
 073-436-4613

2026年4月27日月曜日

第4055話 小雨降る午後 ハラミ丼

朝からしとしと雨が降っている。
遠出はしたくない。
自宅前のセブンイレブンで
何か買うとするかの?
いや、「一寸亭」でビール大瓶と
半炒飯も悪かァないな。

自宅前の谷中よみせ通りを
北に歩いて行った。
突き抜けてぶつかる道灌山通り。
その信号の向こうに
焼肉店「雅山」があるんだが
利用したことはない。
フラフラッと入っちまった。

当店は中野に本店を構え、
中野新橋にも支店があるようだ。
その両店は至近ながら
何だってまた千駄木に
出店したんだろう?

生憎と瓶ビールが無く、
ドライの中ジョッキをー。
ランチメニューは
カルビ・ハラミ・ロースの
それぞれ定食(1210円)と
丼(990円)が揃っている。
ハラミ丼をごはん少なめで通した。

近隣のリーマンやカップルが
ポツリポツリと入店して来る。
数十年前、言われたことに
焼肉を食うカップルは
もうすでにデキていて
鮨屋ならまだ一線を越えていない。
何てのがあったな。
一理あるかもしれない。

丼の着卓前にジョッキがカラ。
お替わりをお願いする。
そうこうするうち運ばれた。
ハラミを数えたら9片あった。
上に白髪ねぎが載っている。
あとはわかめスープとナムルと
サニーレタスサラダ。
付合せはみな少しづつ。

味わいはまあフツーである。
でも思ったネ。
やはり焼肉は厨房で焼かれたのが
白飯上に盛られたのより、
自分でジュウジュウ焼くのが一番。
焼肉丼を注文するのは
もうこれきりにいたしましょう。

「焼肉 雅山」
 東京都文京区千駄木3-50-12
 03-4283-8198

2026年4月25日土曜日

第4054話 歓びアーカイブ 第15回

今日のアーカイブは12年の昔。
みちのくひとり旅の一コマです。

2014年1月17日金曜日

第754話 郡山では餃子と焼売

栃木県・黒磯をあとにして
到着したのは福島県・郡山。
この街を歩いたことがなく、
長居はできなくとも乗り継ぎまで
1時間以上の余裕を持たせてあった。

さっそく駅周辺をパトロール。
商店街のアーケードは
ほとんどシャッターが下りている。
あまり聞かないアイテムながら
まぜそば専門店に行列ができていた。

ステーキまぜそば、ネギトロまぜそば、
気色の悪いメニューが
これでもかと並んでいる。
いったい誰がこんなん食うんやろ?
どうでもいいけど中華麺に
ネギトロは混ぜないだろうから
日本そばなのかな? 
とにかくアッシには関わりのねェ店だ。

商店街を突き抜けたところに
餃子と焼売の店、
「包龍(パオロン)」を発見。
ビールで一息つくのにはちょうど好い。
通したのは薄焼きしそ餃子と黒豚焼売。
小ぶりな薄焼きが5枚

せいろに大きな焼売が3個 
餃子はアッサリのサッパリ。
餡の塩梅もよろしく、
レベルの高さをうかがわせる。
しかしその上をいったのが焼売。
鳥ナンコツをしのばせ、
食感にアクセントをつけている。

お運びの小姐(シャオチエ)に訊ねると、
みちのくで4店舗を展開しているが
残念ながら首都圏には未進出、
横浜中華街ですら
ここより旨い焼売はないのに残念だ。
横浜駅の名物など足元にも及ばない。

郡山駅に戻り、奥羽本線、
愛称・山形線の米沢行きに乗り込む。
目的地は終点の米沢。
山形へ乗り継ぐまでの時間は47分。
駅の近くでラーメンを
食べるくらいの時間しかない。

1973年頃、縁あって
この地方都市を何度も訪れた。
久しぶりに米沢ラーメンが食べたい。
ツルツルのちぢれ醤油ラーメンをー。

駅舎を出ると空模様はみぞれまじり。
ロータリーのあちこちに
雪が積もっている。
コンビニでビニール傘を買うのもなァ。
目の前にラーメンとうどんの店が見えた。
時間もないことだし、ここは即断。

手動の引き戸を引くと、
すぐ目の前はカウンター。
ハハ~ン、こりゃ喫茶店の居抜きだな。
カウンターの上に貼り紙があった。
「二階にいるので呼んでください」―
おい、おい、二階で何してんだい?
ヘンな店に入っちまったぞなモシ。

=つづく=

「包龍」
 福島県郡山市大町1-3-6
 024-925-2315

2026年4月24日金曜日

第4053話 幾年超えて 童心に帰る

数日前に三越前の「利休庵」で
そばを食べなかったせいか
朝から日本そばの雰囲気。
自宅に雑用が山積しており、
遠出は避けたい雰囲気。

日暮里駅にやって来た。
バスで竜泉「東嶋屋」かな?
荒川区役所前「ますや」、
日本堤「十一屋」という手もある。

結局、日暮里・舎人ライナーに
乗り込んじまった。
それも一駅先の西日暮里で下車。
思い泛んだのは「童心舎」で
帰宅後、調べたら
2001年6月以来と来たもんだ。
実に25年ぶりである。

ドライ中瓶と厚焼き玉子を発注。
そうしておいてそばの品定め。
通常のもりのほか、生粉打ち・
田舎・変わりそばまである。
本日の変わりは紫蘇切りだった。

J.C.は御膳粉(更科粉)に
いろんなモノを打ち込む
変わりそばが大好き。
柚子切りと紫蘇切りが双璧で
逆にあまり好まぬのは
茶切り・胡麻切りあたり。

新潟県は長岡の銘酒、
朝日山の冷たいのに切り替え、
紫蘇切りをお願いした。
待つことおよそ10分。
色白そばに大葉が散っていた。

うむ、これは期待できそうだ。
とは思ったものの、
一箸つけて鼻先に寄せるが
あまり大葉が香ってくれない。
ん、何だかおかしいな。

そのまま口元に運んで
モグモグモグ。
う~ん、どうしたんだろう?
ちょいと肩透かし気味。
それでもしっかり食べ終え、
そば湯もいただいた。

「童心居」には少なからず
期待をそがれたけれど
かれこれ四半世紀を経て
童心に帰れたことだけは
疑いようのない事実でした。

「蕎麦吉里 童心舎」
 東京都荒川区西日暮里6-52-6
 03-3893-1879

2026年4月23日木曜日

第4052話 そばが好し 定食類は さらに好し

この日は何故か食欲旺盛。
いつもの昼飲み、あるいは
麺類で済ませるのではなく、
定食をガッツリ食べる気になった。
食堂か洋食屋に行こうかな?

ここで不図、思い泛んだのが
三越前の日本そば店、
「利休庵」である。
1階と地下はそばだけれども
2階と3階では定食を供する。

日本そばも水準を
超えるものがあるが
数種類揃う定食が
下手な日本料理屋顔負けなのだ。

神保町シアターで
チケット取得後、2階へ上がった。
過去を振り返れば、
定食とそばを食べる比率は9:1。
定食が圧倒している。

当店のお世話になったのは
新日本橋のオフィスに通った、
西暦2000年を跨ぐ11年間。
当時は若かったんだねェ。
そばじゃ物足りなく、
ひたすら定食を食べていた。

タイトルロールの利休定食は
いわゆるすき焼き定食。
J.C.の気に入りは
焼き魚と豚味噌焼きである。
価格はほとんどみな1700円で
天ぷらだけが飛び抜けの2700円。

一昨年亡くなったのみとも、
半チャンを偲んで彼が好んだ、
豚味噌に行き掛かったが
焼き魚にメヌケを見つけ、
大好きなサカナにつき、
そちらに浮気する。

ドライ中瓶を手酌で飲りながら
焼き上がりを待つ。
隣りの卓の女性三人組は
利休が二人に豚味噌一人。
パクパク食べながら
ワイワイガヤガヤ。

調った焼き魚定食は
メヌケにタップリのおろしと
自家製桜大根の桜花塩漬け添え。
大根と人参のキンピラ風。
きゅうり浅漬け&しば漬け。
豆腐&なめこ味噌椀。
白飯は大きめの茶碗でー。

しっかりいただきました。
満腹になりました。
では、神保町シアターに戻ります。

「利休庵」
 東京都中央区日本橋室町1-12-16
 03-3241-4006

2026年4月22日水曜日

第4051話 今宵もスンナリ 帰れずに

麦歩とも・N子と飲むと
なかなかゴールにたどり着けない。
結局、今宵もそうなった。
帰る方向が一緒だからだ。

思い出すのは東プリ時代。
往時の GFはホテルに出入りする、
生花店の娘・R子。
彼女の家は千代田線直通、
常磐線の千葉県・我孫子で
J.C.も同じく千葉県・松戸。

よってデートのフィナーレ。
最後の一飲みは北千住か
松戸と相場が決まっていた。
二人がもっともよく現れたのは
北千住の飲み屋横丁と
松戸の江戸川河川敷であった。

それはそれとして西日暮里。
いつぞや痛飲した、
「大将」でもよかったが
道灌山通りを西に歩いた。

以前、よく利用した今は無き、
コリアンスナック「Y」へと
曲がる角の「とり花」。
その赤提灯に誘われるまま、
敷居をまたいだ。

「Y」へ流れる前に二度ほど
おジャマしたことがあったが
あれは10年近くも前のこと。
久々の再訪と相成った。

女将さん独りのワン・オペ。
昔と同一人物だろうが
月日が経ち過ぎて見覚えはない。
カウンターだけの店に横並ぶ。

ドライ中瓶を注ぎ合って
本日二度目のカチン。
突き出しは日本そばの焼きそば。
こりゃ珍しい。
ニンニクスライスが散って
なかなかのアイデアだった。

相方が本日のおすすめボードに
コ・マ・ネ・チなる一品を発見。
「コマネチって何ですか?」
訊ねる彼女に
「頼まなきゃ教えられないっ!」
突き放す女将さん。
偏屈ではないが理屈を云う。

頼んでみたらコはコンビーフ、
マはマヨネーズで、ネはネギ。
最後のチが判らんと
ボヤくわれわれに
「もう一度頼んだら教えます」
軽くかわされる。
チは食材に非ずとヒントはくれた。

J.C.は日本酒に切り替え、
まずは富山の銀盤。
スッキリし過ぎて感心しない。
続いて秋田のまんさくの花。
これは以前から好きな銘柄である。

締めは自家製サングリアで乾杯。
道灌山通りを右と左に
泣き別れましたとサ。
ようやく帰れます。

「とり花」
 東京都荒川区西日暮里4-23-1
 03-3824-4802

2026年4月21日火曜日

第4050話 麦歩とも そのまた友と 3人飲み (その2)

麦歩ともN子と
彼女の友人のカコちゃん。
上福岡の偶然に驚いているうち、
話題は彼女の生まれ故郷にー。

それが何と成増と来たもんだ。
J.C.&K子のカップルは往時、
成増と上福岡に
それぞれ棲んでいた。
二人の役をカコは
一人二役でこなしているんだ。

偶然といえば、
J.C.&N子もそうである。
南信ツアーの際、
ある朝、駒ヶ根で言葉を交わし、
その夜、別れたのが西日暮里駅。

こちらは当駅から歩ける距離。
彼女は其処から
日暮里・舎人ライナーで
終点の見沼代親水公園へと帰る。
23区内に駅は数多あれど
サヨナラしたのが同じ駅とはネ。

そのほかにも
若き日の J.C.は配膳会に属して
勤務先が東京プリンスホテル。
一方のN子は正社員として
赤坂プリンスホテルで働いていた。
何だか赤い糸を感じてしまう。

まっ、それはそれとして
楽しく食べ、飲み、
話し、笑い合った。
お開きは18時頃だったかな?

池袋経由で帰途に就く、
カコちゃんをメトロ丸の内線の
東京駅改札まで送り、
われわれ二人は
JR山手線に乗り込んだ。

たまには浅い時間に帰ろかな?
秋葉原を過ぎた頃、
N子がつぶやいた。
「サッ、二人で飲み直しましょ」
「エエッ、まだ飲むんかい?」
「飲み足りないでしょ?」
「ん? まあそうだけど・・・」

結局は薬局、二人が改札を出たのは
あの西日暮里駅でありました。

「魚の店 オカモ倶楽部 丸の内店」
 東京都千代田区丸の内2-73
 TOKIA B1
 03-5962-9911

2026年4月20日月曜日

第4049話 麦歩とも そのまた友と 3人飲み (その1)

その日は平和に朝食を食べていた。
ザクロ・スカッシュに始まり、
パスコの5枚切りトースト半枚。
あとは明治のビーフコンソメ。
これには JAL SELECTION とある。

食後のミルクティーを
すすっているとライン着信。
読者には申し訳ないが
またもや麦歩とも・N子である。

何でもやはり旅先で知り合った、
女友だち・カコちゃんと
竹橋の近代美術館に行くとやらで
そのあと3人で飲まないか?
との提案だった。

たまたま身体が一日空いており、
14時半に待ち合わせたのは
最近ちょい飲みによく利用する、
丸の内南口の TOKIA 地下だ。

「オカモ倶楽部」に現地集合。
われわれはドライ中ジョッキ。
最寄り駅まで車のカコちゃんは
ピーチネクターの大グラス。
3人してガッチンコ。

「各自、お好きなものをどうぞ!」
「ハイ、どうもありがとう」
本日の付き出し(ママ)は
明太子の胡麻油和え。

みんな生モノが好きなんだねェ。
刺身やらにぎり鮨やらが
ドンドン運ばれ来る。
まっ、当店は ”魚の店” を
自称するくらいだからネ。
他には煮穴子、かにみそグラタン、
生あじレアフライなどなど。

彼女らはクラブ・ツーリズムの
屋久島の旅で知り合ったそうだ。
いろいろ話しているうち、
意外なことが判明した。

カコちゃんの現在の住まいは
埼玉県・上福岡。
東武東上線沿線である。
中高時代の J.C.は
中板橋と成増に棲んでいた。

そして往時のGF・N村K子は
上福岡の団地住まいで
二人が出逢ったのは
常盤台の上板橋第一中学校だ。
すべてが東上線上にある。

彼女のことは3月17日の第4020話、
”桜はつぼみの靖国神社” に書いた。
当時はデートのあとたびたび、
上福岡まで送って行ったのだ。

=つづく=

2026年4月18日土曜日

第4048話 歓びアーカイブ 第14回

男子、厨房に立ったときのハナシ。
一世一代の名品をご覧あそばせ。

2011年4月20日水曜日

第35話 オムレツが鬼門

オムレツが鬼門である。
いえ、食べるのが
苦手というんじゃなくて
作るのが下手なんざんす。
どうにもこうにも上手に焼き上がらない。
火力の調節がまずいのか、
フライパンと菜箸の使い方が悪いのか、
おそらくはその両方であろう。
いやはや、イヤになっちゃう。

とは言え、味のほうは上々だし、
姿カタチだってそんなに悪くはない。
ただ、プロの料理人みたいに
光り輝くのがどうしても焼けない。
美しい流線形を描き、
焼け焦げなんかないヤツ、
表面はしっかりしていながら
中はトロトロで
フォークの背を押し当てると
プルプル震える、そんなのが理想的。

ホテルの朝食ビュッフェで
プロが目の前で焼く実演を
食い入るように
見つめたことも何度かあった。
技術を盗もうとしたのだが結局は薬局、
ハハハ、無駄でした。

いつぞやは玉子を大量に買い込み、
腕まくりして特訓に励んだことさえある。
特訓といってもコーチは
付かないからまったくの自己流。
この試みも不発に終わった。

ガスの火と上手く折合いをつけ、
フライパンを握る左手首を
右手でトントントン、
焼き上がった玉子を
くるり反転させ、皿で受ける。
言うは易く行うは難し、
とかくこの世はままならぬ。

自分で言うのもなんだがこう見えても
ステーキを焼かせたらかなりの腕前。
外でめったにステーキを食べないのは
シツッコい霜降肉を嫌うのと、
自作のほうが美味しいから。
それがオムレツはからっきし駄目。
牛肉と玉子じゃえらい違いだ。

ところが先日、とうとうやりました。
カタチの整った器量ヨシを
やっとのことで焼き上げやした。
とくとご覧くだされ。

美しい完成品に絹さやを添えて

どうです? プロはだしでござんしょう?
エッ、やけに白っぽいじゃないか! 
ってか?
テヘッ、やっぱ判りますぅ?
さすが当ブログの読者はお目がお高い。

中からトロリと黄身が流れ出た

お察しの通りコイツはオムレツじゃなくて
フライドエッグ、目玉焼きなんでサ。
しかも偶然の賜物ときたもんだ。
でも、負け惜しみで言うんじゃないが
こんな目玉焼きはプロだって
そう簡単にゃ焼けやせんぜ。
何たって本人がもう2度と
作れないんですもの。

2026年4月17日金曜日

第4047話 「生駒軒」を もう1軒

神田和泉町の「生駒軒」を
紹介したところだが
その勢いでもう1軒。
今度は日本橋人形町だ。
おそらく現存する「生駒軒」で
最古参と思われる。

甘酒横丁の入口近く、向かいには
玉子焼きと焼き鳥の人気店、
「鳥忠」が店を構えている。
並びには鯛焼きの有名店「柳屋」。
こちらは年がら年中、長蛇の列だ。

立て混む12時半に訪れたが
待たされることもなく、
すんなり四人掛けに案内された。
そのうち相席となるんだろう。

ビールは中瓶で一番苦手な
キリン・クラシックラガーのみ。
よほど見送ろうと思ったものの、
しばらく飲んでいないため、
味わいの確認に踏み切る。

う~ん、やっぱりなァ。
でも、飲み切った。
ラガーや一番搾りのこともあるが
「生駒軒」はどこもキリンだ。

半チャンラーメンに行き掛かり、
すんでのところで思いとどまる。
毎度、毎度、半チャンじゃ、
ナントカの一つ覚えに等しい。
野菜の補給も兼ねて
タンメンに白羽の矢を立てた。

どこにでもありそうな
ヴィジュアルはごくフツー。
でも期待通りにヴェジいっぱい。
もやし・にんじん・玉ねぎ・
小松菜にキクラゲと豚バラ肉。
麺上にごっそり盛られている。

タンメンはラーメンと違い、
太打ち麺であることが多いが
当店はわりと細め。
ノビないうちに麺から攻めてゆく。

隣りの空卓にオッサン、
いや、爺サン3人組が着卓。
揃って広東麺を通すじゃないかー。
仲良しトリオの確信的狙い撃ちは
どんな逸品が出て来るのか
拝んでみたかったものの、
ビールがカラでは退店のほかない。

帰宅後、いろいろ調べていて
面白いことが判明した。
昭和6年創業の麻布1号店は
初代のなじみの麻布芸者の名前が
生駒姐さんだったそうな。

昔のオッサンはこういうことを
恥ずかしげもなく、
平気でやらかしていたんだネ。
大恐慌からまだ2年しか
経ってないってえのにー。
やれやれ。

「生駒軒」
 東京都中央区日本橋人形町2-3-4
 03-3666-1633

2026年4月16日木曜日

第4046話 幾たびも お世話になった 「生駒軒」

かつて都内各地に
点在していた町中華「生駒軒」。
近頃はその数を減らしている。
昭和6年、1号店が麻布に生まれ、
全盛期には百数十店に
及んだというから
人も歩けば生駒に当たる、
そんな状態だったことだろう。

J.C.が一番お世話になったのは
今は無き神谷町店。
金融業界に足を踏み入れた、
1980年から丸3年間、
月に2~3度のペースで
オフィス近くの敷居をまたいだ。

その後、シンガポール、NYと
赴任を続けている間に
店は消えてしまった。
ある日、ろくすっぽ調べもせず、
出掛けて行ってその喪失に
呆然としたものだ。

1年を通して最も食べたのは
看板商品のラーメンだが
夏場の冷やし中華も忘れられない。
甘辛醤油の典型的な昭和の味。
もう一度食べたい。

浅草雷門で1年前まで
営業を続けていた店も
たびたびおジャマした。
ご無沙汰している間に
やはり突然の閉店。
現在、都内に残るのは
三十店余りと聞くけれど
そのほとんどが未訪である。

今回訪れたのは神田和泉町。
昭和45年創業の老舗だ。
秋葉原東口から
5分ほどの場所にあり、
昼のみの営業で臨時休業もある。

半チャンラーメンを
ラーメンも麺半分でお願い。
ビールはキリンラガー中瓶。
まずはトクトクのプッファ~!

生駒特有の細打ちストレート麺に
鶏・豚・煮干しベースのスープ。
具材はバラチャーシューと
シナチクにわかめ。
ほのかに神谷町を思い起こさせる。

炒飯はチャーシュー・ハム・玉子。
青ねぎはまったく使われていない。
それでも懐かしい香りが立ち上る。
炒飯は何を投入しようとも
大事なのは米であることが
よお~く判る。

パラパラの上等な仕上がりに
テーブルのあちこちから
拍手がパラパラと湧き起こる。
そんなことはなかったけどネ。

「生駒軒」
 東京都千代田区神田和泉町1-2-30
 03-3866-3857

2026年4月15日水曜日

第4045話 佐渡から弁慶が やって来た (その2)

佐渡島に本店を構える「佐渡弁慶」。
屋号の由来は存ぜぬが
新潟市を中心に展開しており、
首都圏では埼玉県・浦和、
千葉県・津田沼にも
廻転寿司店がある。

さほど気に入った、
というのでもないけれど
何度か通うようになった。
一番ありがたいのは
腹の具合によって
あまり食べなくてもよいこと。

あるときなんぞ、中瓶2本に
にぎり2カンだけで出て来た。
もっともこれは極端なケース。
平均すれば6~8カン。
10カンやっつけたことさえある。

正直なところ、立ち食い鮨よりも
立ち飲み麦酒に
使い勝手の良さを感じている。
一度、麦歩ともを連れて来て
やろうと思っているが
蕎歩とものナンパに先を越された。

実は J.C.、当店のにぎりをぜひ、
本わさびで味わいたいと思っていた。
とある日、わさびとおろし板持参で
Mきともどもカウンターに横並ぶ。

職人は注文に追われて
目線が手元に集中するが
周りの客の目は気になる。
一人だと目立つため、
Mきをカモフラージュにしたのだ。
案の定、彼女は大満足の大歓び。

後日、念願の佐渡産桜マスはじめ、
アラバチメ・イシモチ・オニカサゴ・
本あら・ホウボウ・クロソイなど、
様々な珍魚をいただいた。

珍しかったのはマトウダイ(的鯛)。
生を食べるのは生まれて初めてだ。
仏ではサン・ピエール、
伊ではサン・ピエトロと呼ばれ、
珍重される白身魚の王者である。
デリケートな味わいに
ミシッ、ミシッと来る食感も
まことに快適、美味の極みであった。

豊富なイカ類もスミイカ、
スルメイカ(真イカ)のほか、
気まぐれで普段は滅多に食べない、
紋甲イカまで試したが
驚いたのはこの紋甲クン。
噛んだらパキッ、パキッと来た。

今まで馬鹿にしていたイカを
あらためて見直す羽目に陥る。
以来、寄れば食べる必注種目に
格上げされたのでした。
半月に一度は立ち食い人に
なるつもりでおります、ハイ!

「立喰寿司 佐渡弁慶 上野店」
 東京都台東区上野7-1-1
 上野駅構内
 03-6284-7253

2026年4月14日火曜日

第4044話 佐渡から弁慶が やって来た (その1)

この日は一日中、積み木ゲーム。
競技タイムはいつものように
イレブンセブンの8時間である。
朝から雑用に追われてしまい、
朝食抜きで出掛ける憂き目を見た。

J.C.は打牌中、ビールだけは
ガンガン飲むが食事は取らない。
ビールのつまみすら口にしない。
だけど今日は朝抜きだからなァ。
何か軽く入れとかなきゃなァ。

ここで不図、思いついたのが
上野駅構内の立ち食い鮨店だ。
ずいぶん前から
存在を認知していたが
利用したことは一度もない。

最近、経営が変わったように思う。
帰宅後、調べたら「佐渡弁慶」は
今月24日で1周年とのこと。
なるほど、そうでしたかー。

神田に行く予定を上野で途中下車。
入店するとカウンターは11席ほど。
他に2人立ち食えるテーブルが
1卓あってこれは2人客専用。

ビール中瓶は
赤星とドライの2種完備。
生は J.C.とは無縁のエビスだ。
ドライを所望する。

さっそくのにぎりは
肝付き皮はぎ・本ずわい蟹・
炙り〆鯖・イタヤ貝・
平目昆布締め・めじまぐろ・
ウルメイワシ。
計7カンで切り上げた。
中瓶はしっかり2本飲み、
会計は3千円とちょっと。

腹が減っては戦が出来ぬ。
とは云え、腹いっぱいでも
勝負に勝てぬ。
勝負師は常におのれの胃袋と
折り合いをつけねばならんのだ。

鮨種は揃って良質。
立ち食いでは都内一、二を
争うレベルに達している。
ここ数年、人気の Sロー、
K寿司・H寿司とは
一線を画すこと歴然である。

加えて品揃えの豊富さが圧倒的。
注文はタッチパネルを通すが
その日、入荷の無いものが
相当数あってもなお、
客を厭きさせない。

壁の貼り板にズラリと
明記された品々には
思わず目が行ってしまう。
佐渡産桜マスはぜひ試したいな。
メバルの1種のアラバチメは
とてつもなく珍しいゾ。

=つづく=

2026年4月13日月曜日

第4043話 鰻で始め 鰯で締める

尾山台で乗った電車を
降りたのは終点の大井町だった。
おそらく品川区内で
最も頻繁に訪れるのはこの街だ。

と云っても通常は
戦後のヤミ市の匂いを残す、
平和と東の両小路、
その界隈での飲み食いに終始する。

この日は小路の入口を素通りし、
桜並木越しに車両センターに並ぶ、
電車を見下ろしながら崖上を
北に向かってしばらく歩いた。

潜った暖簾は「だるまや」。
鰯料理専門店である。
鰻で幕を開けた日を
鰯で締めくくる。
われながらオツなものだ。
ひとりゴチてカウンターに横並ぶ。

切盛りは店主と女将の二人体制。
大瓶のドライに頬がゆるんだ。
大瓶が出てくると
「サァ、飲むゾ!」
気持ちに拍車がかかる気がする。
まずは定番の刺身を通す。

N子が女将に話し掛ける。
「松重サンは何を
 召し上がったんですか?」
一瞬、ポカンとした J.C.、
すぐに気が付いた。
「孤独のグルメ」に
登場した店なんだ。

女将応えて
「刺身とユッケとチーズロール!」
相方は
「わたしたちにもユッケと
 チーズロールお願いしますっ!」

18時を過ぎると立て混んで来て
入店を断られる客も出て来る始末。
相方は大瓶を続飲。
当方は菊正生貯蔵酒の冷たいの。
スッキリ飲んで
後続に席を譲ることにした。

鰯で締めるつもりだったが
そうはならなかった。
短い滞空時間も影響していよう。
大井町から乗った京浜東北線を
降りたのは地元に近い日暮里駅。
彼女と一緒だとこのところ、
急速に出没率の高まる街になった。

焼けくそだんだん「夕焼け酒場」に
到着したが毎度この店ってのもなァ。
向かいの「のみくいや ぽちゃ」に
初めて入り、此処でもカウンター。
ドライ中瓶を注ぎ合い、カチン。
健啖家の相方は揚げ茄子を所望。

J.C.の隣りに和服姿の
可愛いお婆ちゃんが着席。
どちらからともなく言葉を交わす。
訊けば、Hみチャンは常連サン。
飲み屋ではよくあることながら
盛り上がってしまい、気付いたら
本日も残すところ15分でした。

「だるまや」
 東京都品川区南品川6-11-28
 03-3450-8858

「のみくいや ぽちゃ」
 東京都荒川区西日暮里3-14-13
 03-6826-2916

2026年4月11日土曜日

第4042話 歓びアーカイブ 第13回

本日のアーカイブは
そば屋の定食ざんす。

2015年4月21日火曜日

第1081話 めざしうれしや麦とろ定食 (その2)

根津の谷と茗荷谷、
二つの谷に挟まれた台地は
向丘と白山であり、
馬の背のごとく南北に走っている。
その白山上、
「戸隠そば 満寿美屋」にいる。

前話で豊富な品書きの一部を
紹介したがさらに加えて
この店の特徴でもある小ぶりのどんぶり、
いわゆるミニ丼の多彩な顔ぶれにも
ふれておかねばならない。
”おそばとご一緒にミニ丼をどうぞ” と
謳われており、これは全品ご披露しよう。

=ミニ丼=
 かつ丼 鴨丼  以上450円
 麦とろ丼 じゃこ高菜丼 カレー丼 
 肉味噌丼 牛丼 ひじき丼 
 かき揚げ丼  以上350円

ここまで充実したラインナップを
日本そば屋で見るのは初めてだ。
食べ手にとってはまことに
けっこうではあるけれど、
さすがにひじき丼はやり過ぎ。
こんなん誰も注文せんやろ、
と思ったものの、
渡る世間は奇人ばかり。

「アラ、私は歓んでお願いするわ」
「玉子とじにひじき丼なんて
 素敵な組合わせじゃない」
かように言い放った友人二人。
”こじき”(禁句にして死語?)が
姿を消した今の日本、
代わって”ひじき”が台頭している。

品書きを吟味する間に
中ジョッキは空っぽ。
わがふるさと、信州の生んだ銘酒、
真澄の吟醸に移行した。
七笑といい、千曲錦といい、
信濃の酒は好きだ。
いえ、これはけっして
ひいき目ではありませんゾ。

結局、白羽の矢を立てたのは
サブタイトルにある麦とろ定食。
というのも店先のサンプルケースを
チェックして発見したことに
2本のめざしも添えてある。
目黒にサンマあらば、
白山にメザシあり。
酒のアテによし、飯の友にまたよし。

あの土光サンが愛しためざし。
(古すぎてどなたもご存じないか?)
麦とろ定食を選択したのは
ひとえにめざしの存在が
あったればこそなのだ。
普段は晩酌時にいきなり
定食など頼まないが
この宵は空腹感激しく、
ついオーダーしてしまった。

まずはご覧あられたし。
2尾の小魚に存在感あり
こうしてワンショットに収めると、
主役の麦とろを押しのけて
完全に食っておりますな。
名脇役をめざしためざしなれど、
小さな巨人とは
彼らのことを云うのでしょう。

=つづく=

2026年4月10日金曜日

第4041話 尾山台 来れば立ち寄る「オー・ボン」に

「オー・ボン・ヴュー・タン」は
都内屈指のパティスリー。
店名は仏語で
”古き良き時代” を意味する。

絶大な人気を誇り、
いつも入店制限を設けるほどだ。
もっともほとんどスイーツを
食べない J.C.には猫に小判も
いいところだけれどネ。

では、なにゆえ、
この町に来れば毎度、
立ち寄るのかというと
まずはフレンチ惣菜が目当て。
そして隣接されるサロンが大好き。

でも、今日はこれから先がある。
よって惣菜の購入は
断念せざるを得ない。
サロンに直行した。

J.C.はいつものように
ピノー・デ・シャラントをー。
これはブドウ果汁にコニャックを
投入して発酵を止めた、
酒精強化ワイン、いわゆる、
ヴァン・ド・リキュール。
好みの飲みものである。

相方のコーヒーは
フレンチ・ロースト。
一口すすると、
エスプレッソほどではないが
苦み走って好きなタイプだ。

ガトーはパタット。
レーズン入りアーモンド生地。
それにもう一つ。
デリス・オー・フランボワーズ。
ラズベリー風味のバタークリーム。
これらも一口づつ賞味はしたが
得意種目でないため、よく判らん。

四半刻でおいとま。
さっき上ったハッピー・ロードを
ゆっくりと下り戻る。
小ジャレた店々を冷やかしてゆく。
カフェ「So Tired」は
雰囲気より店名が気に入ったが
先を急ぐ二人は素通りする。

尾山台駅に到着。
自由が丘に戻るのもなんだかなァ。
ここは旗の台か大井町だろう。
まずは電車に乗って考えよう。
それにしても夕刻の大井町線は
次から次へと驚くほどに
電車が行ったり来たりするもんだ。

「オー・ボン・ヴュー・タン」
 東京都世田谷区等々力2-1-3
   03-3703-0261

2026年4月9日木曜日

第4040話 桜坂から3区を股に

桜のトンネルを通り抜ける。
でもネ、同じ桜咲き乱れる坂なら
茗荷谷の播磨坂のほうに
より風情と趣きを感じてしまう。

まっ、それはそれとして
田園調布通りを真っ直ぐにー。
途中、六間通りとその名を
変えるがずっと一直線。
田園テニス倶楽部で
トイレ休憩のあと、
田園調布駅にやって来た。

向かいに長嶋元監督御用達、
「鳥」が今も健在。
放射線状の高級住宅街には
足を踏み入れず、
環八を横断して自由通りを左折。

駅前に可愛い噴水のある、
奥沢駅は変わらぬ姿。
此処は世田谷区だ。
奥沢神社に一礼してほどなく
目黒区・自由が丘に到達。
駅周辺をそぞろ歩く。

この街きっての酒場「金田」。
鰻の佳店「ほさかや」。
両雄が並び立っている。
旧友・Fチャンと2軒を
ハシゴしたのは9年も前だ。

東急大井町線なら
隣り駅の九品仏へ歩を進める。
本来は浄真寺が安置する、
九つの阿弥陀如来像のことだが
今や寺の通称となり、
大井町線の駅名ともなっている。

境内に足を踏み入れた。
でも深入りはしなかった。
日活映画「乳母車」(1956 )で
裕次郎が呑気に昼寝をした、
デッカい石でも残っていれば
見に行って寝転んだりもするが
今は跡形もなく、残念。

門内から参道に出て桜並木を
愛でながら大井町線の踏切を横断。
奥沢8丁目から尾山台3丁目へ。
ハッピーロードは大好きだ。

なだらかな坂を上り切って
環八にぶつかり右折。
尾山台に来たら必ず立ち寄る、
「オー・ボン・ヴュー・タン」に
やって来た。

2026年4月8日水曜日

第4039話 肝焼きと ひれ焼き食べて 桜坂 (その2)

この鰻屋はスゴい!
確信に近いものがあった。
通常の吸い物+100円の肝吸いも
しっかりしているし、
何より驚いたのはお新香だ。

きゅうり・大根・奈良漬け。
殊に大根が素晴らしい。
七十余年生きてきて
人生最高の大根にめぐり逢えた。

大きめにカットされ、
塩加減よろしく、歯ざわりが白眉。
多摩川沿いではちょいと遠いため、
再訪は簡単ではないが今度来たら
上新香でビールを堪能したい。

先代のオヤジさんと
娘姉妹の妹が接客担当。
厨房は姉と女将さん。
家族経営でしかも女性が3人。
これほどハイレベルな仕事に
感服してしまう。

会計時、妹さんと談笑。
訊けば、もともとは
中央区・京橋に在ったという。
ん? 京橋?
アッ、そうだ、思い出したゾ!
確かに一度利用したことがある。
帰宅後、調べてみたら
2004年10月のことであった。

うな重こそ1つだけながら
いろいろつまんで
中瓶を5本も飲んで
お勘定は1万1千円也。
高級店に行くのがバカらしくなる。

店から徒歩1分。
桜坂下にやって来た。
遠くの桜並木に向かい、
坂を上ってゆく。
ほうら、福山クンも歌い出す。

♪ 君よずっと幸せに
  風にそっと歌うよ
  愛は今も 愛のままで
  揺れる木漏れ日 薫る桜坂
  悲しみに似た 薄紅色
  君がいた 恋をしていた
  君じゃなきゃダメなのに
  ひとつになれず
  愛と知っていたのに
  春はやってくるのに ♪

彼自身が作詞・作曲を
手掛けた「桜坂」は
2000年4月のリリース。
京橋「川京」のさらに
4年も以前とは!
あらためて驚かされた。

「川京」
 東京都大田区田園調布本町29-4
 03-3721-0561

2026年4月7日火曜日

第4038話 肝焼きと ひれ焼き食べて 桜坂 (その1)

例によっていつものヤツが
福山雅治の桜坂を歩いてみたい、
そう云うもんで腰を上げた。
東急多摩川線で
多摩川駅から一つ目、
沼部駅で待ち合わせる。

30分先乗りして駅周辺を散策。
この町へ来るのは二度目。
8年前にここから
とっとことっとこ歩き、
武蔵新田の居酒屋と
矢口渡の鮨屋で飲んだ記憶あり。

時間通りに現れた、
麦歩ともを引き連れ、
潜った暖簾は鰻屋「川京」。
どこか聞き覚えのある屋号だ。

実は念のため、前日に電話で
席の確保をしておいた。
その際に品切れが懸念される、
肝焼きとひれ焼きを2本づつ、
キープしてもらう。

ドライ中瓶を注ぎ合って乾杯。
突き出しはウドのキンピラ。
なかなかに気が利いているし、
味付けもよろしい。

自家製新らっきょうは甘酢漬け。
新といってもけっこうなサイズだ。
新竹の子の刺身もお願い。
新のお好きな店である。

2本目を通したとき、
肝とひれが焼き上がった。
当店の実力が如実に
表れる出来映えに
二人の笑みがもれる。

本日の相方のセーターは水色。
ビールはもう1種類、
キリン晴れ風の用意がある。
そのラベルと同色なのだ。
キリンでは好きな銘柄につき、
3本目は晴れ風に移行した。

この店なら焼き鳥も
イケるんじゃないかー。
そう思って2本お願い。
相方は塩、当方はタレである。

そうしておいてうな重は
1人前を分け合うことにー。
(松)は4分の3尾付けで
上半身が半尾、
下半身は4分の1尾。

下(しも)好きな J.C.、
有無を言わせず、そいつをゲット。
すると、これが超一級品。
美味しさに一瞬、言葉を失った。

=つづく=

2026年4月6日月曜日

第4037話 2本目の ビールに寄り添う プレゼント

神保町に渥美清を観に行った日。
例によってチケットを買ったら
まずは腹をこしらえる。

小糠雨そぼ降る日だったが
靖国通りを越え、
錦華通りに差し掛かったところで
雨足が急激に強まった。

こいつはかなわん!
シアター方面に逃げ帰る。
飛び込んだのはすぐ近くの
「カレー食堂 たんどーる」。

2年前の1月に訪れて以来で
あのときも映画を観る前。
確か「東京の女」だった。
小津安二郎の初期の作品である。

ビールはキリン一番搾り。
数日前の三河島、
「松栄庵」と同じ銘柄だが
あちらは中瓶、こちらは小瓶。

通したのは房総ポークカレー。
これも前回と同じ。
豚肉の小間切れというか、
薄切りというか、
ソースにたっぷり投入されている。

J.C.は具の多いカレーを
あまり好まぬが
まあ、許容範囲内ではある。

小瓶はすぐに無くなってお替わり。
するとインド人(?)シェフが
小鉢を運んで来てくれた。
当店はカレーでさえ、
キッチンカウンターに
客が出向いて受け取るスタイル。
それがわざわざシェフ本人による、
サーヴと来たもんだ。

「おつまみに食べてネ」
のぞき込むと
ほぐしたチキンのようだ。
合点がいった。
2本目のビールへの気遣いが
これである。

「たんどーる」の店名通り、
タンドゥーリ・チキンのほぐし身。
ニンニクスライスも散見された。
しかも生だった。
インド人が生ニンニクを食べる。
初めて知った事実である。

それにしても
ビールのお替わりに対する心配り。
そば屋の日本人のオバちゃんも
カレー屋のインド人のオッサンも
優しさに国境はないんだネ。
ホッコリ気分でありがたく、
そして美味しくいただきました。

「カレー食堂 たんどーる」
 東京都千代田区神田神保町1-25-5
 03-6811-0623

2026年4月4日土曜日

第4036話 歓びアーカイブ 第12回

中国人は生野菜を食べない。
近頃の状況は知らないが
ひと昔前はそうだった。
その代わり青菜炒めはよく食べる。
本日は J.C.が最も愛する青菜です。

2012年3月5日月曜日

第265話 築地市場をブラブラと (その2)

築地場内の飲食店の栄枯盛衰を
チェックして場外に移動した。
テリー伊藤の実家の玉子焼き屋には
若者たちの群れ。
TVのチカラは大きいなァ。

おでん種はじめ、
練りモノ製品で有名な「築地 佃權」。
その隣りの「田所食品」にて
紅すじ子を買い求めた。
紅すじ子は紅鮭の腹子。
大きめのヤツ2腹で900円は
デパ地下の半値以下だ。

並びの「第二築地製麺所」では
細打ち中華麺を
塩と醤油のスープと購入する。
麺5玉にスープ2袋を所望したら
売り手のオジさん、
「スープは2つでいいの?」ー
その気持ち判るが
「いいの、いいの」ー
軽くいなし、買物の継続だ。

築地一番の人気を誇る、
ラーメン「井上」の店先は
いつものように黒山の人だかり。
化調を感じさせ過ぎる、
スープはどうかと思うが
客たちはシコシコ麺と
タップリ叉焼が目当てかもネ。

「井上」の数軒先、
「豊吉」の店頭で足が止まった。
ここは京野菜など、
稀少な青物がウリの店。
足を止めさせたのはコイツである。
神津島産のとうみょう(豆苗)

夕飯の買物をしない男ならいざ知らず、
家庭の主婦なら豆苗をご存知のハズ。
ここ十数年、スーパーにも
並ぶようになった豆苗は
実を言うと本来の豆苗ではない。

大根の貝割れの如く、
えんどう豆の苗だから
ニセものとは言えないけれど、
真っ当な中国料理店が使う豆苗とは別物。
本来はえんどう豆の苗ではなく
若芽のことを指す。
それが証拠に香港や台湾の料理屋で
日本の豆苗を出したら
クレームがつくだろう。

当然、食味は若芽のほうが
数段よろしく値段もずっと高価。
日本の青果店でホンモノを
見たのはこれが初めてだ。
パッケージから出すとこんな感じ

カメラに収めていると何が気に入ったのか
愛猫プッチがムシャムシャやり始めた。
猫にも草食系はいるんです

豆苗の料理法はいたって簡単。
油でサッと炒めるだけでよい。
味付けは塩コショウでじゅうぶん。
本場に近づけたい向きは
上湯を少々掛け回す。
一般家庭に上湯なんかなかろうから
市販の鳥ガラスープを代用しよう、
できれば無化調が望ましい。

小松菜・法蓮草・青梗菜・空芯菜、
この世に青菜炒めは数あれど、
豆苗を超えるものはナシ。
もしもどこかで遭遇したら
迷わず試していただきたい。
魅了されること保証しましょうゾ。

「豊吉」
 東京都中央区築地 4-8-7
 03-3541-26883

2026年4月3日金曜日

第4035話 リトル・ソウルで また日本そば

リトル・ソウルの三河島。
七五三通りの「大黒屋」で
もりそば&ミニ天丼のセットを
いただいたのは去年の10月。

其処へ舞い戻った。
当然、三河島には焼肉店が多く、
そば屋は非常に少ない。
JR常磐線の反対側、
荒川仲町通りに「松栄庵」を
見つけたのはわりと最近だ。

「松栄庵」といえば
文京区・目白台の日本女子大。
その真裏にあり、
他は埼玉県に散在する。

初回は二月の寒い日だった。
一番搾りの中瓶に
板わさのお通しはサービス。
柿ピーを出す店が多い中、
まことに立派なものです。

かつ丼&たぬきそばセットを
お願いしたものの、
結局は年寄りの冷や水。
セットのそばは少なめながら
完食するのに四苦八苦した。

二度目はつい先日。
そば屋のカレーライス目当てで
カレー&もりセットに挑む。
学習効果あって少なめのそばを
さらに半分でお願いした。
接客のオバちゃんが
怪訝な顔をしてたが通す。

前回同様、そばはなかなか。
近所の常連客が入れ替わり、
立ち替わりの繁盛ぶりだ。
そば屋の黄色いカレーを
想定したが色はずっと濃く、
どちらかというと
一般家庭のママさんカレー。
味は水準に達していた。

ここで中瓶のお替わり。
するとオバちゃん、
「つまんでみて下さ~いっ!」
小皿にきゅうり浅漬け。
こういうのって実にうれしい。
2本も飲んでくれるんなら
何かしなくちゃネ。
そんな気働きの成せる業だろう。

仲町通りを三河島駅に
戻りながら思った。
コリアン・ピープル多かれど、
夜は焼肉、昼は日本そばで
じゅうぶん楽しめる町だとー。

「松栄庵」
 東京都荒川区荒川3-13-5
 03-3807-1456

2026年4月2日木曜日

第4034話 日暮里駅の下と上 (その2)

日暮里と西日暮里をつなぐ道、
にっぽりルートの「太平山」に
蕎歩とも・Mきと二人。
ビールのお通しはめかぶポン酢。
しらすと茗荷が散っていた。

豚肉より玉ねぎのほうが
好きなくらいな J.C.、
玉ねぎ串カツをお願い。
カレー味の冷製フジッリが
たっぷり添えられていた。

相方はウドの酢味噌和え。
驚いたことに立派なイカゲソが
脇に盛られている。
丸みを帯びた姿は
スミイカのソレに相違ない。
さすが海鮮自慢の店だ。

次があるので軽く抑えよう。
それでも大瓶を3本空けた。
相方に生モノを勧めたが
首を横に振られる。
お勘定は五千円弱。

日暮里駅のエスカレーターを
昇って崖の上に到達。
御殿坂を上がって
焼けくそだんだん方面へ。

軽食&喫茶の「あづま家」と
「花家」が2軒並ぶ、
その先につい最近、
「スターバックス」が開店した。

周りの環境に配慮したためか
シックな佇まいながら
3階建ての大箱である。
焼けくそだんだんに
十数メートルの距離。
何もこんな場所に
開かなくともなァ。

驚いたことに麦歩とも・N子、
彼女の娘の旦那の友人が
このスタバを設計したという。
麦歩との関係は深くもないが
偶然といえば偶然だ。

「夕焼け酒場」に到着した。
1週ぶりで今夜も同じママ。
ビールがエビスにつき、
合わせたグラスは
ブラックニッカのハイボール。
突き出しは野菜のコンソメだ。

ところが待てど暮らせど
再会を約したオバちゃんは
現れなかった。
まっ、世の中こんなものかー。
八十路のお年寄りだしねェ。

サングリアに移行して
豚のリエットを乗せた、
バゲットをつまんで
閉店前の22時にはお暇しました。

「太平山酒蔵 日暮里店」
 東京都荒川区西日暮里2-21-7
 03-3801-1919

「夕焼け酒場」
 東京都荒川区西日暮里3-10-15
 電話:やっぱり無かった

2026年4月1日水曜日

第4033話 日暮里駅の下と上 (その1)

ここんとこプッシュして来る、
蕎歩ともと今宵も酌み交わす。
何となれば前週、
焼けくそだんだんの
「夕焼け酒場」に居合わせた、
オバちゃんと再会を
約束したためである。

その前に1軒立ち寄ろう。
日暮里駅の北口改札で落ち合い、
西日暮里へ向かう、
ルートにっぽりを往く。
此処は上野から田端まで続く、
山手線沿いの崖下に当たる。

「太平山酒蔵」は都内に
何軒か残存しており、
四ツ谷しんみち通りに
総本店を名乗る店舗があるが
一度しか利用していない。

最もお世話になったのは
芝大門店で何度も通った。
でも半世紀も前のこと。
ご無沙汰しているうち、
8年ほど前に閉業した模様だ。
あとは人形町店だが
あまり評判よろしくなく
未訪のままにしてある。

さて、日暮里店。
二人訪れるとフロアを仕切る、
大将にカウンターに
着くよう指示された。

「瓶ビールの銘柄は?」
「ウチはサッポロ一本です」
「ハイ、お願いします」
赤星大瓶を注ぎ合った。

経木にビッシリ記された、
品書きが凄まじい。
魚介中心で殊に
貝類の品揃えが豊富である。

串カツ好きの J.C.が
目を留めたのは玉ねぎ串カツ。
ん? 何だコレ?
玉ねぎだけのカツかな?

店主と思しき大将に訊くと
「玉ねぎと豚肉です。
 長ねぎなのか玉ねぎなのか
 訊ねるお客が多いので
 当店では明記してあります」
キッパリ言い放たれた。

=つづく=